Reuters Japan Online Report Business News

値上げに広がりあるが、金融政策は現状維持適当=日銀会合主な意見

配信日時:2022/06/27 09:49 配信元:REUTERS

[東京 27日 ロイター] - 日銀が16―17日に開いた金融政策決定会合で、資源高や為替の円安により値上げが広がっているものの、「前向きの循環の下での物価目標が実現されたとは言えず、金融政策は現状維持が適当」との指摘が出ていたことが明らかになった。日本では負の需給ギャップの下で賃金上昇を加速させる労働需給環境には至っておらず、「金融緩和を縮小している欧米諸国の経済環境とは異なる」といった意見もあった。

日銀が27日、決定会合で出た「主な意見」を公表した。この会合で日銀は、金融政策の現状維持を賛成多数で決定した。

同会合後の声明文は、為替について「金融・為替市場の動向やその日本経済・物価への影響を、十分注視する必要がある」と異例の言及をした。委員からは「急激な円安の進行は、先行きの不確実性を高め、企業による事業計画の策定を困難にするため、経済にマイナスに作用する」との意見が出ていた。

日銀は10年債0.25%での指し値オペを引き続き原則毎営業日実施することも決めたが、会合では「海外からの金利上昇圧力は今後も続くとみられる中、金融市場調節方針を実現するため、指値オペの毎営業日実施を続けることが適当」との意見が出ていた。

(和田崇彦 編集:田中志保)

ニュースカテゴリ