注目トピックス 日本株
ハウスコム Research Memo(1):収益力はコロナ禍前の水準に回復、前期比で大幅な増収増益を達成
配信日時:2022/06/15 15:51
配信元:FISCO
■要約
ハウスコム<3275>は、首都圏、中部圏、関西圏及び九州圏を中心に不動産仲介及び住まい関連サービスを提供する企業である。早くからITの可能性に着目し、画期的なサービスの開発・提供や事業活動の生産性向上に注力してきたことから「不動産テックのハウスコム」と呼ばれてきた。ITの積極活用は高い成長性と収益性にも結実する。2017年3月期~2020年3月期(新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が深刻化する以前)の営業収益(売上高)の年平均成長率(CAGR)は8.8%、2019年3月期の営業利益率は9.9%と業界内でも優れた実績を残している。今後はITとデータの活用をさらに推進し、「不動産DXのハウスコム」として成長を加速させていく考えだ。
1. 2022年3月期の連結業績概要
2022年3月期の連結業績は、コロナ禍の影響を受けながらも段階的に社会経済活動が再開してきたことによって営業収益で前期比15.5%増の14,206百万円、営業利益で同18.9%増の418百万円、経常利益で同6.7%増の614百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.4%増の372百万円となり、大幅な増収増益を達成するとともに過去最高の営業収益を記録した。
2020年12月に買収し、今年度より損益が反映されることになった株式会社宅都が、主要事業エリアである大阪中心部においてコロナ禍の深刻な影響を受けたことにより、連結決算は当初想定を下回ったものの(営業収益は予想比-2.9%、営業利益は同-15.2%、親会社に帰属する当期純利益は同-23.3%)、既存事業(宅都を除いた営業収益)の業績は好調に推移した。2022年3月期の営業収益は12,775百万円とコロナ禍の影響が深刻化する前の2019年3月期の11,600百万円を上回る結果を残した。連結営業収益に関してもコロナ禍の影響がまだ軽微だった2020年3月期を上回っている。また、収益力も回復してきた。第4四半期の営業利益は847百万円となり、2020年3月期第4四半期の825百万円、2021年3月期第4四半期の707百万円を共に大きく上回る結果を残した。
2. 2023年3月期の連結業績見通し
2023年3月期の連結業績について、営業収益で前期比3.7%増の14,735百万円、営業利益で同6.9%増の447百万円、経常利益で同4.7%増の643百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.4%増の392百万円と2期連続の増収増益、かつ過去最高の営業収益を見込んでいる。2021年12月に策定した「新成長戦略」を着実に推し進め、増収増益を達成したい考えだ。具体的には、新規出店の加速、継続収入型サービスの拡充による収益構造の転換と多様化、DX推進による最高の顧客体験の提供、生産性の向上など各種施策の実行によって営業収益、各利益を伸長させる計画である。
3. 中長期の成長戦略と進捗状況
同社は新成長戦略のもと、「事業領域拡大による収益構造の転換」「既存事業分野の競争力強化等」「店舗数増加による規模の拡大」「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」の4つの施策を着実に推し進めている。これら4つの施策を着実に実行するために鍵となってくるのがDX(デジタルトランスフォーメーション:データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズに応じて、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること)だ。従前から「不動産テックのハウスコム」と言われていた同社はDXに関しても強力に推進している。データと統計手法を駆使した物件情報の提案による質の高い顧客体験の実現と、それによる営業面での競争力強化、質の高い顧客体験をオンライン上で提供することによる来店時の成約率向上、スマートレント(同社が賃貸物件を借り上げ転貸することによって、入居者は敷金などの初期費用と賃料を自由に設定できるサービス。同社には月々の賃料と手数料が継続的な収入として計上される)・スマートシステムPLUS(自主管理家主向けサービス。自主管理家主はビル管理業務などを同社のシステムを通して発注できる)など継続収入型サービスのリリースと拡販、RPAなどによる工数の削減などの施策を着実に実施してきた。
4. ESGを重視した経営
同社は昨今の社会の潮流を反映し、ESG経営にも注力している(新成長戦略の「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」においても多様な人材の受容などを掲げている)。再生可能エネルギーへの切替を34店舗(2022年3月期末時点)で実施するといった環境に配慮した事業活動や、女性の職員比率40.8%など多様性を重視した経営を実施している。また、同社取締役5人のうち、2人を社外取締役に充てるなど、経営に外部の目をいれることによってガバナンスの強化にも努めている。
■Key Points
・2022年3月期は前期比で大幅な増収増益
・計画未達も既存事業はコロナ禍以前の収益力を回復
・新成長戦略の着実な実行により2023年3月期も増収増益を目指す
・社会の変化に迅速かつ肯定的に対応し、ESG経営にも注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<SI>
ハウスコム<3275>は、首都圏、中部圏、関西圏及び九州圏を中心に不動産仲介及び住まい関連サービスを提供する企業である。早くからITの可能性に着目し、画期的なサービスの開発・提供や事業活動の生産性向上に注力してきたことから「不動産テックのハウスコム」と呼ばれてきた。ITの積極活用は高い成長性と収益性にも結実する。2017年3月期~2020年3月期(新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が深刻化する以前)の営業収益(売上高)の年平均成長率(CAGR)は8.8%、2019年3月期の営業利益率は9.9%と業界内でも優れた実績を残している。今後はITとデータの活用をさらに推進し、「不動産DXのハウスコム」として成長を加速させていく考えだ。
1. 2022年3月期の連結業績概要
2022年3月期の連結業績は、コロナ禍の影響を受けながらも段階的に社会経済活動が再開してきたことによって営業収益で前期比15.5%増の14,206百万円、営業利益で同18.9%増の418百万円、経常利益で同6.7%増の614百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同19.4%増の372百万円となり、大幅な増収増益を達成するとともに過去最高の営業収益を記録した。
2020年12月に買収し、今年度より損益が反映されることになった株式会社宅都が、主要事業エリアである大阪中心部においてコロナ禍の深刻な影響を受けたことにより、連結決算は当初想定を下回ったものの(営業収益は予想比-2.9%、営業利益は同-15.2%、親会社に帰属する当期純利益は同-23.3%)、既存事業(宅都を除いた営業収益)の業績は好調に推移した。2022年3月期の営業収益は12,775百万円とコロナ禍の影響が深刻化する前の2019年3月期の11,600百万円を上回る結果を残した。連結営業収益に関してもコロナ禍の影響がまだ軽微だった2020年3月期を上回っている。また、収益力も回復してきた。第4四半期の営業利益は847百万円となり、2020年3月期第4四半期の825百万円、2021年3月期第4四半期の707百万円を共に大きく上回る結果を残した。
2. 2023年3月期の連結業績見通し
2023年3月期の連結業績について、営業収益で前期比3.7%増の14,735百万円、営業利益で同6.9%増の447百万円、経常利益で同4.7%増の643百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.4%増の392百万円と2期連続の増収増益、かつ過去最高の営業収益を見込んでいる。2021年12月に策定した「新成長戦略」を着実に推し進め、増収増益を達成したい考えだ。具体的には、新規出店の加速、継続収入型サービスの拡充による収益構造の転換と多様化、DX推進による最高の顧客体験の提供、生産性の向上など各種施策の実行によって営業収益、各利益を伸長させる計画である。
3. 中長期の成長戦略と進捗状況
同社は新成長戦略のもと、「事業領域拡大による収益構造の転換」「既存事業分野の競争力強化等」「店舗数増加による規模の拡大」「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」の4つの施策を着実に推し進めている。これら4つの施策を着実に実行するために鍵となってくるのがDX(デジタルトランスフォーメーション:データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズに応じて、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること)だ。従前から「不動産テックのハウスコム」と言われていた同社はDXに関しても強力に推進している。データと統計手法を駆使した物件情報の提案による質の高い顧客体験の実現と、それによる営業面での競争力強化、質の高い顧客体験をオンライン上で提供することによる来店時の成約率向上、スマートレント(同社が賃貸物件を借り上げ転貸することによって、入居者は敷金などの初期費用と賃料を自由に設定できるサービス。同社には月々の賃料と手数料が継続的な収入として計上される)・スマートシステムPLUS(自主管理家主向けサービス。自主管理家主はビル管理業務などを同社のシステムを通して発注できる)など継続収入型サービスのリリースと拡販、RPAなどによる工数の削減などの施策を着実に実施してきた。
4. ESGを重視した経営
同社は昨今の社会の潮流を反映し、ESG経営にも注力している(新成長戦略の「グループ経営を前進させるための内部体制の強化」においても多様な人材の受容などを掲げている)。再生可能エネルギーへの切替を34店舗(2022年3月期末時点)で実施するといった環境に配慮した事業活動や、女性の職員比率40.8%など多様性を重視した経営を実施している。また、同社取締役5人のうち、2人を社外取締役に充てるなど、経営に外部の目をいれることによってガバナンスの強化にも努めている。
■Key Points
・2022年3月期は前期比で大幅な増収増益
・計画未達も既存事業はコロナ禍以前の収益力を回復
・新成長戦略の着実な実行により2023年3月期も増収増益を目指す
・社会の変化に迅速かつ肯定的に対応し、ESG経営にも注力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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