Reuters Japan Online Report Business News

経済の下振れ顕在化なら、躊躇なく追加緩和を=若田部日銀副総裁

配信日時:2022/06/01 11:30 配信元:REUTERS

[東京 1日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は1日、岡山県金融経済懇談会であいさつし、現在の物価上昇はエネルギー関連や食品価格といった一部に限られていると指摘し、大部分の価格があまり上昇しない「低インフレ」には、金融緩和の粘り強い継続で着実に経済の好循環を支え、賃金が上がっていく環境を維持することが必要だと述べた。経済への下振れリスクが顕在化すれば「躊躇なく必要な追加的措置を講じることも排除すべきではない」と語った。

若田部副総裁は「現状は低インフレと一部価格の上昇が同居している状況だ」と話し、こうした状況には「政策の適切な分業が求められる」と述べた。エネルギーや食品といった市況主導の値上がりには「総需要管理である金融政策以外の政策手段で対応するのが望ましい」とし、財政政策や石油・天然ガスへの依存を減らすエネルギー政策などを挙げた。

また「現在起きていることが現在の金融政策の理論で説明・分析できるかについては、虚心坦懐に不断の点検を行うことが必要だ」とも述べた。

(和田崇彦)

ニュースカテゴリ