注目トピックス 市況・概況
米国株式市場見通し:4月CPIに注目
配信日時:2022/05/07 14:28
配信元:FISCO
FRBは引き締めサイクル入りしたが、その軌道に関しての評価が分かれ、相場は引き続き荒い展開になりそうだ。不透明感からディフェンシブ株への投資が続くだろう。高インフレが長期化すると同時に、来年にも経済が景気後退入りするスタグフレーション懸念も強まりつつある。来週は4月の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)が発表予定で注目だ。インフレが高止まりした場合、FRBが現在計画している以上に速いペースでの引き締めが必要となってくるため、金利のさらなる上昇に繋がり、売り圧力になるだろう。
FRBが特にインフレ指標として注目している燃料や食料品を除いたコアCPIは前年比で3月から伸びが鈍化する見込み。PPIも同様だ。3月にインフレがピークをつけた兆候が多く見られ始めている。金利の上昇が一段落した場合は、売り圧力が後退しよう。
ただ、中国のパンデミックによる経済封鎖でサプライチェーン混乱が一段と深刻化する可能性や、ウクライナ戦争の影響で、燃料や食料品、原材料価格の上昇がインフレを一段と引き上げる可能性が警戒される。インフレ高進を制御できないと、FRBが投資家の信頼を失いつつあることも売り材料になるだろう。一方、多くの企業が需要には問題がなく、サプライチェーンの混乱が収益を圧迫していると指摘。中国の都市封鎖が解除されれば、世界経済の回復による需要増や供給回復で、投資家心理の急速な改善も見込まれる。また、2兆ドルとも指摘されている消費者の余剰資金により、経済活動の本格化が成長に寄与する兆候が見られれば、下げ止まるだろう。
経済指標では、3月卸売在庫、卸売利上高(9日)、4月消費者物価指数(CPI)(11日)、4月卸売物価指数(PPI)、週次新規失業保険申請件数(12日)、4月輸入・輸出物価指数、5月ミシガン大消費者信頼感指数速報値(13日)などが予定されている。
主要企業決算では、暗号通貨の取引プラットフォームを提供するコインベース、肉食品メーカーのタイソンフーズ、製薬会社のノババックス(9日)、ホテルチェーンのハイアット・ホテルズ、クルーズ船運営のノルウェージャンクルーズ、エネルギー会社のオキシデンタル・ペトロリアム、在宅フィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ(10日)、エンターテインメントのウォルトディズ二—、代替肉のビヨンド・ミート、ファーストフードチェーンのウェンディーズ、ドーナッツチェーンのクリスピークリーム、電気トラックメーカーのリビアン(11日)、衣料品メーカーのタペストリー、後払いサービスのアファーム(12日)などが発表予定だ。
著名投資家のバフェット氏が株式保有率を増やしたオキシデンタル・ペトロリアムは燃料価格の上昇が貢献し、好決算が期待できそうだ。また、経済活動再開関連ではホテルやクルーズ船運営会社などの決算にも期待したい。一方で、新型コロナ関連を巡る特需の大幅減少の影響で、ペロトン・インタラクティブの決算や見通しには引き続き警戒感が漂う。また、ウォルトディズニーも、パークの再開は収益増につながるが、同社の動画配信サービス、ディズニープラスの契約者数の減少などには警戒が必要だ。
(Horiko Capital Management LLC)
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FRBが特にインフレ指標として注目している燃料や食料品を除いたコアCPIは前年比で3月から伸びが鈍化する見込み。PPIも同様だ。3月にインフレがピークをつけた兆候が多く見られ始めている。金利の上昇が一段落した場合は、売り圧力が後退しよう。
ただ、中国のパンデミックによる経済封鎖でサプライチェーン混乱が一段と深刻化する可能性や、ウクライナ戦争の影響で、燃料や食料品、原材料価格の上昇がインフレを一段と引き上げる可能性が警戒される。インフレ高進を制御できないと、FRBが投資家の信頼を失いつつあることも売り材料になるだろう。一方、多くの企業が需要には問題がなく、サプライチェーンの混乱が収益を圧迫していると指摘。中国の都市封鎖が解除されれば、世界経済の回復による需要増や供給回復で、投資家心理の急速な改善も見込まれる。また、2兆ドルとも指摘されている消費者の余剰資金により、経済活動の本格化が成長に寄与する兆候が見られれば、下げ止まるだろう。
経済指標では、3月卸売在庫、卸売利上高(9日)、4月消費者物価指数(CPI)(11日)、4月卸売物価指数(PPI)、週次新規失業保険申請件数(12日)、4月輸入・輸出物価指数、5月ミシガン大消費者信頼感指数速報値(13日)などが予定されている。
主要企業決算では、暗号通貨の取引プラットフォームを提供するコインベース、肉食品メーカーのタイソンフーズ、製薬会社のノババックス(9日)、ホテルチェーンのハイアット・ホテルズ、クルーズ船運営のノルウェージャンクルーズ、エネルギー会社のオキシデンタル・ペトロリアム、在宅フィットネス事業を展開するペロトン・インタラクティブ(10日)、エンターテインメントのウォルトディズ二—、代替肉のビヨンド・ミート、ファーストフードチェーンのウェンディーズ、ドーナッツチェーンのクリスピークリーム、電気トラックメーカーのリビアン(11日)、衣料品メーカーのタペストリー、後払いサービスのアファーム(12日)などが発表予定だ。
著名投資家のバフェット氏が株式保有率を増やしたオキシデンタル・ペトロリアムは燃料価格の上昇が貢献し、好決算が期待できそうだ。また、経済活動再開関連ではホテルやクルーズ船運営会社などの決算にも期待したい。一方で、新型コロナ関連を巡る特需の大幅減少の影響で、ペロトン・インタラクティブの決算や見通しには引き続き警戒感が漂う。また、ウォルトディズニーも、パークの再開は収益増につながるが、同社の動画配信サービス、ディズニープラスの契約者数の減少などには警戒が必要だ。
(Horiko Capital Management LLC)
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