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中国の佳兆業も決算発表延期、不動産セクターに懸念強まる

配信日時:2022/03/23 14:38 配信元:REUTERS

[香港 23日 ロイター] - 資金繰りに窮している中国の不動産開発会社、佳兆業集団は22日、上場規則で定められた3月31日までに2021年の監査済み決算を公表できないと表明した。新型コロナウイルス流行に伴う深センのロックダウン(都市封鎖)により、監査作業が完了できないとしている。

同様の企業が相次いでおり、中国不動産セクターの財務健全性に対する市場の懸念が深まっている。

佳兆業の香港上場株の取引は、取引所の規則に従い4月1日から停止されるという。

23日午前の同株は2.7%安。

中国恒大集団も22日、21年後半以降の業務の「劇的な変化」に起因する多数の追加監査手続きのため、期限内に決算を発表できないと明らかにした。

融創中国や世茂集団など他の大手デベロッパーも今週、コロナによる混乱のため監査済みの決算発表を遅らせるとしつつ、株式の取引を維持するため3月31日に未監査の決算を出すと表明した。

アナリストは各社が21年決算を期限内に発表できないことについて、流動性懸念によって過去数カ月間打撃を受けてきた同セクターのセンチメントをさらに圧迫するだろうと述べた。

JPモルガンは報告書の中で、この遅延について「監査法人がプロジェクト帳簿/債務についてより厳しくチェックしていることも一因と考えられる」と指摘。取締役会の日程を発表している企業であっても、それまでに監査プロセスが完了しなければ、決算発表が遅れる可能性があるため、さらなる遅れがあっても不思議ではないとした。

佳兆業は、中国の不動産開発会社の中で中国恒大に次ぐ2番目に大きな米ドル建て債券発行会社。昨年に一部債券をデフォルト(債務不履行)にした後、120億ドルのオフショア債務の再編を進めている。

22日の提出資料では、佳兆業はここ数カ月、「全てのステークホルダーの利益のため」に解決策を策定し、流動性の問題を緩和するために法律および財務アドバイザーと協力してきたと説明。また、債権者との「建設的な対話」に入ったとした。同社は昨年終盤から債務再編合意を巡り社債保有者と協議している。

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