需給情報:都銀が大幅買い越し継続、生損保もハイペース=2月国債売買高
[東京 22日 ロイター] - 日本証券業協会が22日発表した2月公社債店頭売買高(国債)によると、都銀が2カ月連続で大幅に買い越した。生損保も超長期債のハイペースな買い越しを継続した。外国人投資家もややペースアップさせた。日銀の「指し値オペ」が実施され、相場が大きく動いたが、月間を通してみれば内外投資家ともに買い越し姿勢を続けた。
都銀はトータルで1兆8984億円の買い越しとトップ。1月の1兆7448億円に続き、2021年9月(2兆2326億円)以来となる大幅な買い越しとなった。超長期債を1787億円売り越したものの、中期債を1兆4596億円、長期債を6175億円買い越した。
地方金融機関(地銀、第2地銀、信用金庫)も3業態のトータルで1兆0535億円の買い越し。1月の2兆4398億円からはスローダウンしたが、都銀に次ぐ買い越し額となっている。超長期債を3257億円、長期債を1998億円、中期債を5280億円、買い越した。
生損保は超長期債を8530億円買い越した。昨年9月から12月にかけて徐々に買い越し額が減少していたが、1月の8987億円に続き2カ月連続でハイペースな買い越しとなった。
外国人投資家はトータルで8373億円の買い越し。12月の4兆3596億円から1月は2050億円と買い越し額と大きく減速したが、2月はやや戻した。長期債を244億円売り越したが、超長期債を5960億円、中期債を2657億円それぞれ買い越した。
信託銀行はトータルで810億円の買い越しと1月の5821億円からペースダウン。超長期債を418億円、長期債を1725億円買い越したが、中期債を1333億円、売り越した。
2月の円債市場は序盤、金利が上昇。インフレ警戒による海外金利上昇と日銀の金融正常化への警戒感が強い中、新発10年債金利は10日夕に一時0.230%を付けた。日銀は同日、14日に指し値オペを10年債対象に0.25%で実施すると発表。応札額はゼロだったが、日銀が金利上昇抑制の姿勢を示したことで、月末の10年債金利は0.180%まで低下した。
「月前半の金利上昇は先物や金利スワップ主導だった。高い金利水準に魅力を感じた国内外の投資家が現物債を買ったようだ。日銀の指し値オペも買い安心感につながった」と、野村証券のチーフ金利ストラテジスト、中島武信氏は指摘している。
◎国債投資家別売買高(国庫短期証券を除く。億円)は以下の通り。
利付国債買越額 超長期債買越額 長期債買越額 中期債買越額
都市銀行 18984 ▲ 1787 6175 14596
地方銀行 3124 294 935 1895
信託銀行 810 418 1725 ▲ 1333
農林系金融機関 5365 4582 713 70
第二地銀協加盟行 537 101 6 430
信用金庫 6874 2862 1057 2955
その他金融機関 3770 1916 1170 684
生保・損保 8607 8530 314 ▲ 237
投資信託 982 ▲ 222 1204 0
官公庁共済組合 54 59 ▲ 5 0
事業法人 186 46 140 0
その他法人 533 484 49 0
外国人 8373 5960 ▲ 244 2657
個人 ▲ 6 4 ▲ 9 ▲ 1
その他 ▲ 49648 ▲ 19373 ▲ 10161 ▲ 20114
債券ディーラー 394 ▲ 22 485 ▲ 69
合 計 8939 3852 3554 1533