企業活動に地震の影響、トヨタ東北3工場停止 荷物集配に遅れも
[東京 17日 ロイター] - 宮城県と福島県で最大震度6強を観測した16日深夜の地震で、トヨタ自動車の工場が稼働を停止するなど企業活動に影響が出ている。ヤマト運輸や佐川急便は、交通規制などで荷物の集配に遅れが生じる可能性があるとしている。
トヨタは17日、トヨタ自動車東日本の岩手工場(岩手県金ヶ崎町)、宮城大衡工場(宮城県大衡村)、宮城大和工場(同県大和町)の稼働を停止したことを明らかにした。大和工場は安全確認したうえで17日に操業を再開する予定だが、岩手と大衡の2工場は同日昼の稼働を停止、夜は状況を確認してから判断するとしている。
トヨタ広報によると、地震発生時に稼働していた工場は従業員が避難。けが人などの報告はないものの、天井や設備、建屋などで一部で剥がれがみられ、部品落下などの物的被害があるという。生産への影響台数は確認中。仕入先や販売店の被害状況も確認中としている。
日産自動車は、エンジンを生産する福島県のいわき工場、栃木県の栃木工場、神奈川県の追浜工場を含めて生産への影響はないことを明らかにした。いわき工場では、地震発生後に夜勤を停止し、従業員が避難した。
キオクシアホールディングスは北上工場(岩手県)で一部の製造装置が揺れを感知して自動停止したという。
物流面では、ヤマト運輸や佐川急便が東北地域を中心に荷物の集配に遅れが生じる可能性があると発表した。
NTTドコモとKDDIは17日午前、福島県沖で発生した地震と停電の影響で、福島県内の一部で通信障害が発生していると発表した。ソフトバンクは福島県内に加え、宮城県の一部でもサービスが利用しづらい状態になっているという。
松野博一官房長官は午前の会見で、東北電力管内で3万件の停電が発生しているが本日中に復旧するとの見込みを示した。原子力発電所の安全性には問題ないとの認識を示した。脱線した東北新幹線の復旧見込みについて早期に示すよう東日本旅客鉄道(JR東日本)に指導すると述べた。