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午後3時のドルは116円前半で小動き、リスク選好で一時1カ月ぶり高値

配信日時:2022/03/10 15:35 配信元:REUTERS

[東京 10日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のニューヨーク市場終盤(115.82/87円)に比べてドル高/円安の116.08/10円で推移している。五・十日に伴い仲値にかけて実需のドル買いが入ったほか、日経平均株価の大幅な上昇を受けてリスク選好の円売りが強まり、一時116.20円と2月10日以来の高値を付けた。その後は116円前半で小動きとなっている。

市場では年初来の高値である116.35円近辺が抵抗線として意識されており、「その水準を超えればボックス相場から抜けられる。一方で、115円台に押し戻された場合はより強化なレジスタンスが形成され、116円台は上値が重いというイメージにつながりやすい」(上田東短フォレックスの営業企画室長、阪井勇蔵氏)という。

日本時間の今晩発表される2月の米消費者物価指数(CPI)で強い伸びが確認された場合は、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合への影響はないものの、「5月以降の会合で50ベーシスポイント(bp)の利上げに対する思惑が強まり、米イールドカーブにスティープニング圧力がかかりやすくなる。このため、ドル高方向につながりやすい」(外資系証券)との声が聞かれた。

ユーロは一時的に利益確定売りに押される場面があったものの、底堅さを維持した。ロシア・ウクライナ・トルコの外相会談の結果を見極めたいとして、様子見ムードも広がっている。

りそな銀行の総合資金部市場トレーディング室・武富龍太氏は、停戦合意へに向けたポジティブなニュースが出れば「特にユーロにとってプラス材料となり、ユーロ買いが進むのではないか」とみている。

欧州中央銀行(ECB)理事会については、ウクライナ情勢の緊迫化を背景に「物価見通しは引き上げるものの、年内の利上げには慎重な姿勢を示し、3カ月に一度見直される資産買い入れの縮小を今回は見送るなど、いったん小休止するのではないか」と、大和証券のチーフマーケットエコノミストの岩下真理氏はみる。ただ、市場はこうした動きをある程度織り込まれているとみられ、あまり材料視されないだろうとの見方を示した。

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 116.08/10 1.1057/61 128.37/41

午前9時現在 115.89/91 1.1072/76 128.33/37

NY午後5時 115.82/87 1.1075/78 128.32/36

*システムの都合で写真を差し替え再送します。

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