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アングル:ユーロドル先物、24年の利下げ転換織り込み 利上げ行き過ぎの予感か

配信日時:2022/02/21 14:52 配信元:REUTERS

[ニューヨーク 18日 ロイター] - ユーロドル先物市場がここにきて、米連邦準備理事会(FRB)が2024年に少しずつ金融緩和に動くことを織り込み始めている。本当にそうなれば、FRBが来月に着手すると広く見込まれている利上げはわずか2年で終わることになる。

市場が反映する今年3月の50ベーシスポイント(bp)利上げ確率も一時80%になったが、18日には37%に下がった。

2023年12月物ユーロドルに織り込まれたFF金利の予想水準は2.235%。アナリストによれば、今回の利上げサイクルの最終局面がこの水準でピークとなる可能性が高いと予想されていることになる。その後については24年3月物が2.180%、6月物が2.125%、9月物が2.095%、12月物が2.085%となっている。

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのグローバル債券チームのマクロ戦略責任者、ジム・キャロン氏は、23―24年ごろのイールドカーブがフラット化し、逆イールド化もしている点を挙げる。これは利下げを織り込む形状だ。

キャロン氏は「利回り曲線の長めの部分も基本的には同じことを物語っている」と指摘。「FRBが今どんどん利上げするほど、今の経済成長をより鈍化させることになり、長期的な成長見通しもそれほど高くはなくなる」と説明する。

アナリストによると、向こう2年で計約220bpの米利上げが見込まれているということは、FRBが利上げペースを上げ、1度や2度は50bpの幅もあるかもしれないことを示唆する。

BMOキャピタルの債券ストラテジスト、ダン・ベルトン氏は、先物市場が2月初めの時点ではFRBの利上げサイクルのピークを28年や29年ごろと、ずっと遅い時期で織り込んでいたと指摘。その代わり、利上げの程度はもっと浅く、1.82%近辺がピークになると見方が今月初めの織り込みだったと解説した。

<逆イールド化>

逆イールドは通常、景気見通しの反映としては不吉な兆候だ。

18日には25年6月物と23年12月物の利回り差はマイナス約14bpに落ち込んだ。昨年の同じ時期にはスティープ化が進んでおり、両限月のスプレッドはプラス74bpもあった。

レイノルズ・ストラテジーのチーフマーケットストラテジスト、ブライアン・レイノルズ氏は「ユーロドル先物のトレーダーがまるで、来年にFRBが利上げをしすぎると考えており、それによってFRBが逆戻りせざるを得なくなり、利下げを余儀なくされるとみているようだ」と指摘した。

(Gertrude Chavez-Dreyfuss記者)

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