オープニングコメント

決算ピーク通過、好決算ながらもイレギュラー的に売られた銘柄などへは再評価の動き

配信日時:2022/02/15 08:27 配信元:FISCO
 15日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。14日の米国市場ではNYダウが171ドル安だった。セントルイス連銀のブラード総裁がTVインタビューで、金融引き締め計画を前倒しで実施する必要性を強調したほか、ロシアが近くウクライナ侵攻に踏み切るとの警戒感がくすぶり、売り優勢の相場展開となった。連日の大幅な下げに対する自律反発狙いの動きから下げ渋る場面も見られたが、米政府がキエフのウクライナ大使館の移転計画を明らかにすると、再び売りが強まるなど終日軟調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の27055円。円相場は1ドル115円50銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の相場展開になりそうだ。ただし、27000円を上回って取引を終えていることもあり、昨日同様、27000円水準での底堅さは意識される可能性はあるだろう。大幅下落に対する自律反発を狙った動きなども見られそうであり、短期的には前日に弱い値動きが目立っていた指数インパクトの大きい値がさ株などへは、いったんリバウンドの動きも意識されやすいと考えられる。もっとも、明確な底入れは見極めづらく、ウクライナ情勢の行方を警戒しつつ、短期的な値幅取り狙いの売買が中心になりそうだ。

 また、VIX指数は32.04まで上昇する場面も見られるなど、ボラティリティの高い状態であることから、積極的にはポジションを傾ける動きは考えづらい。NT倍率は低下傾向を見せていることもあり、リバランスの動きがあったとしても、当面はNT倍率の低下を想定したバリュー株優位の需給状況とみておきたい。そのほか、決算発表は昨日でピークを通過したため、今後は好決算ながらもイレギュラー的に売られた銘柄などへは再評価の動きが出てくる可能性はあるだろう。足元で決算を評価された銘柄についても積極的なトレードは限られていたと見られる。

 また、昨日のマザーズ指数は4%を超える下落となった。調整トレンドは継続しているものの、2月8日につけた安値736.54をキープしてくるようだと、短期的にはリバウンドの動きを見せてくる展開も期待されやすいところだ。指数へのインパクトが大きい時価総額上位の銘柄の一角には自律反発を狙った動きも意識されよう。
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