Reuters Japan Online Report Business News

欧州市場サマリー(8日)

配信日時:2022/02/09 05:02 配信元:REUTERS

[8日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反落して取引を終えた。原油価格の値下がりを嫌気して石油大手のBPが下げに転じ、相場の重しとなった。中型株で構成するFTSE250種指数も0.05%安と下げて引けた。

BPは2.4%下落。取引時間中は一時、2021年の利益が8年ぶりの高水準となったことが好感されて上昇する場面もあった。

AJベルの金融アナリスト、ダニー・ヒューソン氏は「北海ブレント原油の価格が少し下落したこともあり、当初の株価上昇を維持することはできなかった」と述べた。

イラン核合意再建に向けた米国とイランの協議再開でイラン原油の輸出増加観測が広がる中、原油価格が下落したことを背景に同業のシェルも3.2%下げた。

下げが目立ったのはオンラインスーパー大手オカドで、12.9%と急落。世界中の自動倉庫への投資を強化するため、2022年のコア収益が市場予想を下回る可能性があると警告したことが嫌気された。

一方、英住宅建設のべルウェイは2.5%上昇。住宅市場での堅調な需要持続が見込まれると、同業大手に同調したことが材料視された。

<欧州株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。債券利回りの上昇がテクノロジー株の下落を招いたほか、石油大手BPは好決算だったにもかかわらず原油価格急落が響いて売られた。

STOXX欧州600種テクノロジー株指数は0.86%下落。欧州中央銀行(ECB)が予想より早く金融引き締めをするとの観測から、ユーロ圏の債券利回りが上昇したことが背景にある。

ECBのラガルド総裁は7日、ユーロ圏のインフレ率が2%前後で安定する可能性があるため大幅な金融引き締めは必要ないと述べ、利上げ懸念を和らげようとした。

OANDAのシニア市場アナリストのクレイグ・アーラム氏は「ECBはこれまであまりに後手に回っていたため、ラガルド総裁の発言は少なくともインフレがピークに達し、大幅な低下を示す兆候が見え始めるまでは、うのみにはされないだろう。まだそのような兆候は見られないので、安心させようという発言は耳に入らない可能性が高い」と述べた。

市場は、ユーロ圏で2022年に50ベーシスポイントの利上げを織り込んでいる。だが、エコノミストらは慎重で、最初の利上げが今年末または2023年初めとの予測が多い。

石油大手のBPは2.4%下落。21年決算では利益が8年ぶりの高水準となり、自社株買いの目標を引き上げたにもかかわらず下落した。

STOXX欧州600種資源株指数は2.23%上がった。主要輸入国である中国での需要増加への期待から金属価格が大幅に上昇したのが要因。

個別銘柄では、自動車メーカーのステランティスが0.8%高。高級車市場の拡大と電気自動車(EV)への一層の転換を目指している中で、新型SUV(スポーツ多目的車)「アルファロメオ・トナーレ」を発表したことが材料視された。

<ユーロ圏債券> 域内国債利回りが上昇した。米債利回りに連れ高した。市場では欧州中央銀行(ECB)による想定以上に迅速な引き締めについてなお懸念されている。

ECB当局者のハト派的な発言を受け8日序盤には債券売りが一服したが、米債利回りの上昇が域内国債利回りの上昇を促した。米10年債利回りは5ベーシスポイント(bp)上昇の1.97%だった。

ECBのラガルド総裁は7日、ユーロ圏のインフレ率が低下し2%前後で安定する可能性があるため、大規模な引き締めは必要ないと指摘。ECB理事会メンバーのデコス・スペイン中銀総裁は8日、今後金融政策を引き締める場合は段階的なものになり、マクロ経済指標に左右されるとの見通しを示した。

金融市場が織り込む、6月に10bpの利上げが行われる確率は引き続き約90%。12月までに50bpの利上げが行われる確率はほぼ100%となっている。

ドイツ10年債利回りは4.5bp上昇し0.274%と2019年1月以来の高水準。

イタリア10年債利回りは7bp上昇し1.880%。

シティのアナリストはドイツ債とイタリア債の利回り差は「ラガルド総裁の発言を受けて方向転換し、他のハト派的な発言に一時的に反応するかもしれないが、市場は3月のECB理事会に向けて従来の資産購入プログラム(APP)の早期縮小を警戒し続けるだろう」と述べた。

独伊10年債の利回り差は159bp。

ピクテ・アセット・マネジメントのシニア投資マネジャー、ファビオ・カスタルディ氏は、ラガルド総裁の発言を受け、域内の国債利回りは現水準で落ち着くかもしれないと指摘。「独伊債の利回り差が一段と拡大することはファンダメンタルズから見て正当化されない」とした。

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.1413 1.1397

ドル/円 115.62 115.47

ユーロ/円 131.98 131.62

<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード

STOXX欧州600種 465.34 +0.06 +0.01 465.28

FTSEユーロファースト300種 1819.94 -0.11 -0.01 1820.05

ユーロSTOXX50種 4129.25 +8.69 +0.21 4120.56

FTSE100種 7567.07 -6.40 -0.08 7573.47

クセトラDAX 15242.38 +35.74 +0.24 15206.64

CAC40種 7028.41 +19.16 +0.27 7009.25

<金現物> 午後 コード

値決め 1822.6

<金利・債券>

米東部時間13時49分

*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード

3カ月物ユーロ 100.54 +0.01 100.53

独連邦債2年物 111.51 +0.03 111.48

独連邦債5年物 130.41 -0.06 130.47

独連邦債10年物 165.18 -0.42 165.60

独連邦債30年物 196.00 -1.76 197.76

*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード

独連邦債2年物 -0.300 -0.015 -0.340

独連邦債5年物 0.014 +0.014 0.014

独連邦債10年物 0.268 +0.030 0.236

独連邦債30年物 0.464 +0.051 0.403

ニュースカテゴリ