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ロンドンでのユーロ清算、25年6月末で終了=EU当局者

配信日時:2022/02/09 02:14 配信元:REUTERS

[ロンドン 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)は8日、英国の清算機関のEU域内の顧客にサービスを提供し続けるための認可を2025年6月末まで延長することで合意した。EU当局者は、これが最後の延長になると明らかにした。

EUは資本市場の「戦略的自律性」を確立するためにユーロ建て取引の管理を求めている。清算業務は20年末でEUから完全離脱した英国と、EUとの間でブレグジット(英国のEU離脱)を巡る争点となってきた。

ロンドン証券取引所(LSE)傘下の清算機関LCHは、ユーロ金利デリバティブの約90%を清算している。ユーロ金利デリバティブは、予想外の借入コストの変動に備えてEUの企業が広く利用している。

欧州委員会のマクギネス委員(金融サービス担当)は、EU域外に拠点を置く主要な清算機関への「過度の依存」を減らし、EUに拠点を置く清算機関の魅力を向上させるとともに、取引量の増加に応じてその監督を強化するための方策も提案すると表明した。

EUはLCHとICEクリア・ヨーロッパ、LMEクリアのロンドンにある計3機関の清算業務の認可を延長せざるを得なかった。銀行とその顧客がロンドンからフランクフルトにあるドイツ取引所のEurex(ユーレックス)部門に業務を移すことを十分に説得できなかったことが背景にある。

国境を越えた清算業務が突然終了すれば市場が混乱した可能性があるが、EU当局者らは業務移行には3年あれば十分で、さらなる延長は必要ないと受け止めている。

EU当局者は「これは明らかに終了であり、3年後に延長することはない」との見方を示した。

ユーレックスは8日、金利スワップの1日あたりの平均清算額が、1月には記録的な2760億ユーロ(3147億5000万ドル)に増加し、市場シェアは22%になったと発表した。

ドイツのマルクス・ファーバー欧州議会議員は「長期的に見て、ユーロの清算は欧州で行われなければならない」と述べ、英国はEUによる不作為の恩恵を受けてきたとコメントした。

46ページに及ぶEUのコンサルテーションペーパーでは、インセンティブ案について意見を求めている。

4週間の協議期間後、今後の進め方を示した「コミュニケーション」を設け、22年第3・四半期に法案を提出する。

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