注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、オプションSQ、トヨタ自動車決算など
配信日時:2022/02/05 18:44
配信元:FISCO
■株式相場見通し
予想レンジ:上限27800-下限26800円
来週の日経平均は一進一退か。主要企業の決算発表が佳境に入る。外部環境の不透明感がくすぶるなか、選別物色が一段と進みそうだ。
足元、米国でGAFAMと呼ばれる大型テック企業の多くが好決算を発表。また米連邦準備制度理事会(FRB)の複数の高官から、金融引き締めは実体経済へ混乱を及ぼさないよう慎重に進めるべき、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅として0.5%は考えていないといったハト派寄りの発言が相次いだ。これにより市場の過度な警戒感は一時後退している。
一方、英イングランド銀行(BOE)が政策金利を0.25%から0.5%へ引き上げたほか、これまで利上げに消極的だった欧州中央銀行(ECB)も年内利上げを排除しない方針へ転換。また、BOEは金融政策委員会メンバー9人のうち4人が0.50%の利上げを主張するなどタカ派サプライズとなった。
さらに、今週末に発表された米1月雇用統計では平均賃金の伸びが予想を上振れ、低下基調にあった米10年国債利回りは再び1.9%台まで上昇してきている。決算を契機としたハイテク株の見直しから週末のナスダック総合指数はむしろ大幅高となったが、WTI原油先物価格が1バレル=92ドルと7年ぶりの高値を付けていることも踏まえると、インフレ高進まっしぐらの様相で、手放しでは喜べない。世界的に金融引き締め懸念はむしろ強まる方向にあり、依然警戒は必要だろう。
個別銘柄でもGAFAMのうち、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は決算発表後に一時27%安となり、時価総額を一夜で26兆円も吹き飛ばすなど波乱の展開を見せた。恐怖指数とも呼ばれる米VIX指数も1月24日に一時40を窺う水準まで急騰した後は大きく低下したが、依然として警戒水準の20を上回っている。
このため、今後もFRB高官などの発言次第では振れ幅の大きい展開が続こう。また、来週は10日に米1月消費者物価指数(CPI)が発表予定。東京市場は週末11日が祝日で休場となるため、結果を反映するのは翌週となるが、仮に市場予想を大幅に上回ることがあると、再び相場の波乱要因となる可能性がある。さらに10日にはオプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出もある。米CPIを見極めたいとの思惑が働きやすいなか、需給要因で振れ幅の激しい動きとなることに注意したい。
一方、長期的な金利先高観が根強いなか債券から株式への資金シフトが指摘されており、これが一定の下支え要因となろう。他方、米長期金利が2%に近づく場面では債券の投資妙味が高まり、債券買いによる金利上昇圧力の抑制などが想定される。そのため、金利上昇を嫌った極端な株安も起きにくいだろう。
国内主要企業の決算では7日のダイキン工業<6367>、SUBARU<7270>、8日のソフトバンクグループ<9984>、日産自動車<7201>、9日のトヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、富士フイルムHD<4901>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、INPEX<1605>、10日の東京エレクトロン<8035>などに注目。2日に発表済みのデンソー<6902>は通期計画を下方修正したが、説明会で来期以降への期待が高まり3日は一転して大幅高となった。トヨタの場合も見通しのコメントが重要となろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。FRBによる金融引き締めへの期待は持続しており、2月4日の米国債券市場で長期金利は上昇した。金融正常化への思惑は後退していないため、高インフレに対応するための利上げを想定したドル買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。来週発表される1月消費者物価指数などのインフレ指標が市場予想と一致するか、上回った場合、米国の金融引き締めを後押しする手がかりとなろう。
英中央銀行は追加利上げに踏み切ったほか、欧州中央銀行(ECB)は域内のインフレ高進に警戒感を示すなど、タカ派的なスタンスを示した。米国、欧州、英国の金融当局は金融緩和縮小に向かっているが、日本銀行は現行の大規模な金融緩和策を長期間維持する可能性がある。欧米諸国と日本との金利差拡大が想定されていることも、ドル・円相場に対する支援材料となりそうだ。
■来週の注目スケジュール
2月7日(月):日・景気動向指数(12月)、決算発表→SUBARU、ダイキン、中・財新サービス業PMI(1月)、中・春節休場明け、米・消費者信用残高(12月)など
2月8日(火):日・家計支出(12月)、景気ウォッチャー調査(1月)、決算発表→ソフトバンクG、日産自、AGC、住友鉱、JFEHD、米・貿易収支(12月)、米・決算発表→ファイザー、リフトなど
2月9日(水):日・工作機械受注(1月)、ライトワークスが東証マザーズに新規上場、決算発表→トヨタ自、ホンダ、INPEX、SUMCO、ルネサス、富士フイルム、米・卸売在庫(12月)、米・10年債入札、米・決算発表→ウーバー、ウォルト・ディズニーなど
2月10日(木):日・国内企業物価指数(1月)、決算発表→いすゞ自、東エレク、GMOPG、米・消費者物価コア指数(1月)、米・財政収支(1月)、米・30年債入札、米・決算発表→コカ・コーラ、ツイッターなど
2月11日(金):日・株式市場は祝日のため休場(建国記念の日)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(2月)など
<YN>
予想レンジ:上限27800-下限26800円
来週の日経平均は一進一退か。主要企業の決算発表が佳境に入る。外部環境の不透明感がくすぶるなか、選別物色が一段と進みそうだ。
足元、米国でGAFAMと呼ばれる大型テック企業の多くが好決算を発表。また米連邦準備制度理事会(FRB)の複数の高官から、金融引き締めは実体経済へ混乱を及ぼさないよう慎重に進めるべき、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅として0.5%は考えていないといったハト派寄りの発言が相次いだ。これにより市場の過度な警戒感は一時後退している。
一方、英イングランド銀行(BOE)が政策金利を0.25%から0.5%へ引き上げたほか、これまで利上げに消極的だった欧州中央銀行(ECB)も年内利上げを排除しない方針へ転換。また、BOEは金融政策委員会メンバー9人のうち4人が0.50%の利上げを主張するなどタカ派サプライズとなった。
さらに、今週末に発表された米1月雇用統計では平均賃金の伸びが予想を上振れ、低下基調にあった米10年国債利回りは再び1.9%台まで上昇してきている。決算を契機としたハイテク株の見直しから週末のナスダック総合指数はむしろ大幅高となったが、WTI原油先物価格が1バレル=92ドルと7年ぶりの高値を付けていることも踏まえると、インフレ高進まっしぐらの様相で、手放しでは喜べない。世界的に金融引き締め懸念はむしろ強まる方向にあり、依然警戒は必要だろう。
個別銘柄でもGAFAMのうち、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は決算発表後に一時27%安となり、時価総額を一夜で26兆円も吹き飛ばすなど波乱の展開を見せた。恐怖指数とも呼ばれる米VIX指数も1月24日に一時40を窺う水準まで急騰した後は大きく低下したが、依然として警戒水準の20を上回っている。
このため、今後もFRB高官などの発言次第では振れ幅の大きい展開が続こう。また、来週は10日に米1月消費者物価指数(CPI)が発表予定。東京市場は週末11日が祝日で休場となるため、結果を反映するのは翌週となるが、仮に市場予想を大幅に上回ることがあると、再び相場の波乱要因となる可能性がある。さらに10日にはオプション取引に係る特別清算指数(SQ)算出もある。米CPIを見極めたいとの思惑が働きやすいなか、需給要因で振れ幅の激しい動きとなることに注意したい。
一方、長期的な金利先高観が根強いなか債券から株式への資金シフトが指摘されており、これが一定の下支え要因となろう。他方、米長期金利が2%に近づく場面では債券の投資妙味が高まり、債券買いによる金利上昇圧力の抑制などが想定される。そのため、金利上昇を嫌った極端な株安も起きにくいだろう。
国内主要企業の決算では7日のダイキン工業<6367>、SUBARU<7270>、8日のソフトバンクグループ<9984>、日産自動車<7201>、9日のトヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、富士フイルムHD<4901>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、INPEX<1605>、10日の東京エレクトロン<8035>などに注目。2日に発表済みのデンソー<6902>は通期計画を下方修正したが、説明会で来期以降への期待が高まり3日は一転して大幅高となった。トヨタの場合も見通しのコメントが重要となろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。FRBによる金融引き締めへの期待は持続しており、2月4日の米国債券市場で長期金利は上昇した。金融正常化への思惑は後退していないため、高インフレに対応するための利上げを想定したドル買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。来週発表される1月消費者物価指数などのインフレ指標が市場予想と一致するか、上回った場合、米国の金融引き締めを後押しする手がかりとなろう。
英中央銀行は追加利上げに踏み切ったほか、欧州中央銀行(ECB)は域内のインフレ高進に警戒感を示すなど、タカ派的なスタンスを示した。米国、欧州、英国の金融当局は金融緩和縮小に向かっているが、日本銀行は現行の大規模な金融緩和策を長期間維持する可能性がある。欧米諸国と日本との金利差拡大が想定されていることも、ドル・円相場に対する支援材料となりそうだ。
■来週の注目スケジュール
2月7日(月):日・景気動向指数(12月)、決算発表→SUBARU、ダイキン、中・財新サービス業PMI(1月)、中・春節休場明け、米・消費者信用残高(12月)など
2月8日(火):日・家計支出(12月)、景気ウォッチャー調査(1月)、決算発表→ソフトバンクG、日産自、AGC、住友鉱、JFEHD、米・貿易収支(12月)、米・決算発表→ファイザー、リフトなど
2月9日(水):日・工作機械受注(1月)、ライトワークスが東証マザーズに新規上場、決算発表→トヨタ自、ホンダ、INPEX、SUMCO、ルネサス、富士フイルム、米・卸売在庫(12月)、米・10年債入札、米・決算発表→ウーバー、ウォルト・ディズニーなど
2月10日(木):日・国内企業物価指数(1月)、決算発表→いすゞ自、東エレク、GMOPG、米・消費者物価コア指数(1月)、米・財政収支(1月)、米・30年債入札、米・決算発表→コカ・コーラ、ツイッターなど
2月11日(金):日・株式市場は祝日のため休場(建国記念の日)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(2月)など
<YN>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況