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FRB、インフレ対応が「最優先」 理事候補らが現行政策を支持

配信日時:2022/02/04 11:00 配信元:REUTERS

[3日 ロイター] - バイデン米大統領が指名した連邦準備理事会(FRB)理事候補らは3日、上院銀行委員会の公聴会で、FRBはインフレへの対応を最優先すべきとの考えを示し、タカ派に転換しつつある現行政策に支持を表明した。

銀行委はこの日、理事候補のリサ・クック、フィリップ・ジェファーソン両氏と、金融監督担当副議長候補のサラ・ブルーム・ラスキン氏の指名承認に向けた公聴会を開催。共和党議員らがラスキン氏に対し、気候変動リスク抑制に向けたFRBの役割に関する見解を巡って繰り返し質問を浴びせ、金融政策以外の問題に多くの時間が割かれた。

ジェファーソン氏は、FRBの責務は最大雇用と物価安定だが、現在明らかに必要なのはインフレ率を目標の2%に向けて低下させることだと指摘。「FRBはインフレ率を目標と一致する水準まで戻すための措置を講じる必要がある」と述べた。

クック氏は「米国民が高インフレに苦しんでいる」とした上で、政策判断はデータに左右されると強調した。「現在のFRBの方向性に同意するが、政策を決定する上ではその時点で入手可能なデータ、証拠に注目するだろう」と語った。

ラスキン氏は準備原稿を用いて、インフレを抑制することがFRBの「最優先事項」と述べたが、銀行監督に関する質問への対応に追われた。

同氏は、銀行には厳しい監督が必要だが、融資方法や融資先を指示するのはFRBの仕事ではないとの考えを示した。

クック氏とジェファーソン氏は、議員からの質問が少なかったが、指名が承認されれば、FRBの責務、データ、同僚との議論に基づいて政策判断を行う方針を示した。

銀行委の共和党トップ、パット・トゥーミー議員は、ラスキン氏への厳しい質問を主導した。ジェファーソン氏の指名に支持を表明する一方、インフレ問題に対するクック氏の回答には「非常に失望した」と述べ、「明確さに欠ける」と指摘した。

共和党のジョン・ケネディ議員は、ジェファーソン、クック両氏の指名を支持する姿勢を示した。

銀行委は15日にパウエルFRB議長再任とブレイナード理事の副議長昇格とともに、3氏の人事について採決を実施する見通し。

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