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インド来年度予算、経済底上げへインフラ投資 成長率は減速予想

配信日時:2022/02/01 18:34 配信元:REUTERS

[ニューデリー 1日 ロイター] - インド政府は1日、39兆4500億ルピー(5297億ドル)規模の来年度予算を発表した。経済が新型コロナウイルス禍から回復する中、高速道路や住宅などへの投資を強化し、成長をより強固なものにすることを目指す。

経済成長率は8─8.5%と今年度予想の9.2%から減速すると見込む。

シタラマン財務相によると、高速道路網の拡張に2000億ルピー(26億8000万ドル)を支出するほか、今後3年間の新型列車製造計画も盛り込んだ。政府の総支出は今年度より4.6%増える。

財務相は今年度の財政赤字が対国内総生産(GDP)比6.9%となり、従来目標の6.8%をわずかに上回ると述べた。

来年度は6.4%へ引き下げる計画。生命保険会社ライフ・インシュアランス・コーポレーション(LIC)など国営企業の民営化や税収増が寄与すると予想している。

2021/22年度の財政赤字が予想よりも大きくなるとの見通しを受けて、インドの10年物国債利回りは6.7649%へ上昇した。

主要株価指数は政府の投資増加を好感して1.5%近く上昇した。通貨ルピーは0654GMT(日本時間午後3時54分)時点で1ドル=74.54ルピーと小幅高。

コタック・マヒンドラ銀行のシニアエコノミスト、ウパスナ・バードワジ氏は「政府はインフラと農村部の需要に引き続き注力している。財政に関してはおおむね予想通りだ」と指摘。「予想通り政府は急激な財政再建を控えた。歳出拡大は成長促進につながると期待されるが、債券市場は供給増を懸念するだろう」と語った。

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