後場の投資戦略
FOMC通過でのあく抜け期待もあるが…
配信日時:2022/01/24 12:29
配信元:FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;27371.11;-151.15TOPIX;1916.76;-10.42
[後場の投資戦略]
週明けの日経平均は引き続き下値での押し目買いに支えられつつも、3ケタの下落で前場を折り返した。日足チャートを見ると、先週後半から米株安を受けて売りが先行しつつも、日中下げ渋る形で陽線を形成している。27000円台前半での底堅さが意識されそうだが、上値切り下げの形状となっている点にも注意する必要があるだろう。
個別では今週決算発表を予定している日本電産が軟調だが、米ネットフリックスの急落を見ると、業績期待の高いグロース(成長)株にも警戒せざるを得ないのかもしれない。また、東証1部下落率上位には中小型のグロース株が目立つ。一方、海運株はコロナ禍で需給ひっ迫が続くとみられているのだろう。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりと先週に比べ少なく、25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や今後本格化する企業決算の発表を前に、やや様子見ムードが広がっているものと考えられる。
新興市場ではマザーズ指数が-2.20%と大幅続落。先週後半は800ptを割り込んだところで下げ渋っていたが、本日は前場中ごろに一時784.54pt(-28.22pt)まで下落した。ビジョナル<4194>は高評価を支えに戻りを試しているものの、メルカリ<4385>など主力IT株は総じて軟調だ。メルカリは14日、東証新市場「プライム」への変更申請を発表したこともあり、先週+1.78%となった。その他、従前人気だったマザーズ銘柄にも下げ渋る動きが見られたが、信用買い残を一段と積み上げた銘柄も少なからずあり、一段安となれば影響は大きいだろう。
さて、先週末の米市場では期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)が2.34%(+0.01pt)とほぼ横ばいで、10年物国債利回りは1.76%(-0.04pt)に低下した。このため、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利の上昇にはいったん歯止めがかかったが、結局ハイテク株はネットフリックスの急落などが重しとなって軟調だった。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は28.85(+3.26)まで上昇している。オプションの満期日とあって需給的に荒い値動きになったとの見方がある一方、連日で引けにかけて弱い値動きとなり、機関投資家によるリスク削減目的の売りが出ているとの指摘もあった。
もっとも、金融市場では既に更なるテーパリング(量的緩和の縮小)前倒しや3月FOMCでの0.5%利上げといったシナリオも取りざたされているため、25~26日のFOMCを通過すれば短期的にあく抜け感が意識される可能性はある。東京市場でも先週末、クレディ・スイス証券や野村證券が日経平均先物を(さほど大きくはないが)買い越していた。27000円近辺まで調整が進んだことで個人投資家が積極的に日経レバETF<1570>を買っているほか、海外短期筋がFOMC通過によるあく抜けを先取りする形で買いを入れているとも考えられる。
しかし、連邦準備理事会(FRB)による急激な金融引き締めへの警戒感は簡単には拭いづらいだろう。リスク削減の動きが続くことも十分想定して取り組む必要がある。
差し当たり後場もFOMCや決算発表を前にした様子見ムード、それに香港ハンセン指数の下落もあって軟調もみ合いが続くとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
日経平均;27371.11;-151.15TOPIX;1916.76;-10.42
[後場の投資戦略]
週明けの日経平均は引き続き下値での押し目買いに支えられつつも、3ケタの下落で前場を折り返した。日足チャートを見ると、先週後半から米株安を受けて売りが先行しつつも、日中下げ渋る形で陽線を形成している。27000円台前半での底堅さが意識されそうだが、上値切り下げの形状となっている点にも注意する必要があるだろう。
個別では今週決算発表を予定している日本電産が軟調だが、米ネットフリックスの急落を見ると、業績期待の高いグロース(成長)株にも警戒せざるを得ないのかもしれない。また、東証1部下落率上位には中小型のグロース株が目立つ。一方、海運株はコロナ禍で需給ひっ迫が続くとみられているのだろう。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円あまりと先週に比べ少なく、25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や今後本格化する企業決算の発表を前に、やや様子見ムードが広がっているものと考えられる。
新興市場ではマザーズ指数が-2.20%と大幅続落。先週後半は800ptを割り込んだところで下げ渋っていたが、本日は前場中ごろに一時784.54pt(-28.22pt)まで下落した。ビジョナル<4194>は高評価を支えに戻りを試しているものの、メルカリ<4385>など主力IT株は総じて軟調だ。メルカリは14日、東証新市場「プライム」への変更申請を発表したこともあり、先週+1.78%となった。その他、従前人気だったマザーズ銘柄にも下げ渋る動きが見られたが、信用買い残を一段と積み上げた銘柄も少なからずあり、一段安となれば影響は大きいだろう。
さて、先週末の米市場では期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)が2.34%(+0.01pt)とほぼ横ばいで、10年物国債利回りは1.76%(-0.04pt)に低下した。このため、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利の上昇にはいったん歯止めがかかったが、結局ハイテク株はネットフリックスの急落などが重しとなって軟調だった。「恐怖指数」とされる米株の変動性指数(VIX)は28.85(+3.26)まで上昇している。オプションの満期日とあって需給的に荒い値動きになったとの見方がある一方、連日で引けにかけて弱い値動きとなり、機関投資家によるリスク削減目的の売りが出ているとの指摘もあった。
もっとも、金融市場では既に更なるテーパリング(量的緩和の縮小)前倒しや3月FOMCでの0.5%利上げといったシナリオも取りざたされているため、25~26日のFOMCを通過すれば短期的にあく抜け感が意識される可能性はある。東京市場でも先週末、クレディ・スイス証券や野村證券が日経平均先物を(さほど大きくはないが)買い越していた。27000円近辺まで調整が進んだことで個人投資家が積極的に日経レバETF<1570>を買っているほか、海外短期筋がFOMC通過によるあく抜けを先取りする形で買いを入れているとも考えられる。
しかし、連邦準備理事会(FRB)による急激な金融引き締めへの警戒感は簡単には拭いづらいだろう。リスク削減の動きが続くことも十分想定して取り組む必要がある。
差し当たり後場もFOMCや決算発表を前にした様子見ムード、それに香港ハンセン指数の下落もあって軟調もみ合いが続くとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
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