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スケーリングソリューションアグリゲーター目指すPolygonの買収戦略とは【フィスコ・ビットコインニュース】
配信日時:2022/01/20 18:00
配信元:FISCO
以下は、フィスコ・マーケットレポーターのタマラ・ソイキナ(ツイッター@ crypto_russia)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。
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※2022年1月20日に執筆
今回は、Ethereum互換のブロックチェーンネットワークを構築および接続するためのプロトコルおよびフレームワーク、Polygonのグロース担当バイスプレジデント、Arjun Kalsy氏にインタビューしました。
Polygonはスケーリングテクノロジーのリストを拡大し続けていて、昨年8月にHermezを、その後12月にはMirを買収しました。この背景には、かつてのEthereumの競合というブランディングからEthereumの多目的スケーリングソリューションという大きな戦略転換があります。そこで今回は、昨今のPolygonの買収戦略について掘り下げることで、Polygonの目指すビジョンについて迫りたいと思います。
Q. Polygonの簡単な紹介と、最近取り組んでいる課題について教えてください。
A. Polygonは様々なスケーリングソリューションアグリゲーターです。アグリゲーターは、潜在的な開発者がアプリケーションを開発するために利用できる、いくつかの異なるソリューションを持つということです。Polygonはどの形やサイズにも対応できる、開発者にとって最大限に柔軟なものと考えています。
私たちがすでに使用しているzk-rollupこそが未来だと考えています。私たちはzkの技術に注力しています。Hermez、Maiden、Polygon Zero、ENY solutionなど最近行った買収も、すべて異なるタイプのzk-rollupなのです。zk-rollupに対して様々なアプローチを試すことで、EVM対応可能で、効率的なzkシステムの構築が実現するのです。
Polygon SDKも作り上げ、誰でも自分のプライベートチェーンを作ることができるようにしました。高性能なプライベートBCを作成後、パブリックBCに接続することが実現したのです。どちらのBCもEVM対応可能なので、同じOS上で完全な互換性を持っているのです。つまりどの組織でもプライベートBCでパブリックBCと完全に互換性がある独自のトークン、SC、NFTを生み出し、OpenSeaで販売することができるのです。これがPolygon技術を使う最大のメリットです。
2. OptimismやArbitrumといった他のL2ソリューションとの比較において、zk-rollupをどのように評価しますか?
Rollupは大きく分けてoptimistic rollupとzk-rollupの2種類があります。Optimistic rollupは似たようなことをやろうとしていて、多数のチェーン、ArbitrumやBobaネットワークなどが存在しています。しかし問題は、彼らはEthereumをガス代として使っていることです。ETH価格は既に4,000ドルに近づいており、おそらく10,000ドルになる可能性が高いです。
zk-rollupについては技術が優れていますし、優秀なチームもいますが、残念ながら彼らは独自のSC言語や開発ツールなどを作り、一種の「車輪の再発明」をしようしています。
彼らが抱える問題は、Ethereumとの互換性がないことです。新しいSCや他のものの複雑性も問題になってきます。良い例としてあげられるのが Immutable X です。StarkWareの技術を活用し、ゲームやNFT用のBCを構築しようとしています。彼らは多くの大手ゲーム会社などと多くのパートナーシップを結びましたが未だに成功していません。これらは全て競合他社の問題点であり、似たようなチームも誤ったアプローチを取っているのかもしれません。
3. Hermez 社の買収についてですが、トークンを含めたエコシステムの完全統合はこれまで同様の事例がなかったと思います。これはPolygonエコシステムにとってどのような意味を持つのでしょうか?
業界初の試みだと思います。メディアは私たちがBCを買収したと言っていますが、私たちは何も買収していません。BCはバリデーターに支えられており、それは買えません。私たちはBCを一から構築しているチームに2億5千万ドルを費やし、Polygonエコシステムの構築を依頼しただけなのです。言い換えればチームを雇いましたが、Polygonエコシステムからの助成金と見做すことができます。つまり、Polygonエコシステムの一部として新技術が作られるためにお金を払ったわけです。トークンに関しては、(HermezからMaticなど)トークンを交換できるシステムを作りました。
Mir社の買収についても同様のことが言えます。当社はエンジニアリングを重視する企業ですので、優秀な人材を確保することが前進につながります。他のBCと違い、私たちはマーケティングではなく最新技術に何百万ドルの投資を行なっています。Google社がやったように、初期のHPは非常にシンプルでしたが未だに最高の検索技術を持っています。私たちPolygonも同じで、まだ始まったばかりですが、これからどんどん新しい技術に投資していきます。
4. Polygon HermezとPolygon Zero(Mir)の違いを教えてください。
zk-rollup技術の特徴は、未開拓の分野であり、最も有効な応用方法をまだ誰も知りません。zk-rollupではまずrollupを作り、次にプルーフを作るという2つのステップを踏む必要があり、どちらもガス代を大量に消費します。そしてトランザクションコストを削減するために、それを最適化する必要があります。Polygon Hermez、Maiden、Zeroは、いずれもプルーフ生成とrollupのための異なるアプローチ法です。これらの技術を総合的に研究することで、最適な方法を見出すことができるのです。Rollup を解決するものが出てくれば、プルーフを解決するものも出てきます。Hermez、Maiden、Zero… 研究者やエンジニアのチームは、それぞれ好きなものを選んで問題解決に当たっていますが、私たちは3つすべてを組み合わせたものを選んでいます。各チームが一緒に働きながら、可能な限りの資源を活用していれば、最終的な解決策を見出せるかもしれません。
5. PolygonはJPYC、MCH、HIDEで使用されており、日本語情報も少なくありませんね。日本コミュニティへのメッセージをお願いします。
私たちは日本がWeb3の普及をリードする可能性のある市場として見ています。ゲーム会社と多くのパートナーシップを結んでいるのは、ゲームが多くのユーザーをWeb3に紹介する最も簡単な方法だからです。 日本のプレイヤーとのコラボレーションは、ゲームやNFTの側面から始まりましたが、私たちにとって優先度が非常に高い国なのです。
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※2022年1月20日に執筆
今回は、Ethereum互換のブロックチェーンネットワークを構築および接続するためのプロトコルおよびフレームワーク、Polygonのグロース担当バイスプレジデント、Arjun Kalsy氏にインタビューしました。
Polygonはスケーリングテクノロジーのリストを拡大し続けていて、昨年8月にHermezを、その後12月にはMirを買収しました。この背景には、かつてのEthereumの競合というブランディングからEthereumの多目的スケーリングソリューションという大きな戦略転換があります。そこで今回は、昨今のPolygonの買収戦略について掘り下げることで、Polygonの目指すビジョンについて迫りたいと思います。
Q. Polygonの簡単な紹介と、最近取り組んでいる課題について教えてください。
A. Polygonは様々なスケーリングソリューションアグリゲーターです。アグリゲーターは、潜在的な開発者がアプリケーションを開発するために利用できる、いくつかの異なるソリューションを持つということです。Polygonはどの形やサイズにも対応できる、開発者にとって最大限に柔軟なものと考えています。
私たちがすでに使用しているzk-rollupこそが未来だと考えています。私たちはzkの技術に注力しています。Hermez、Maiden、Polygon Zero、ENY solutionなど最近行った買収も、すべて異なるタイプのzk-rollupなのです。zk-rollupに対して様々なアプローチを試すことで、EVM対応可能で、効率的なzkシステムの構築が実現するのです。
Polygon SDKも作り上げ、誰でも自分のプライベートチェーンを作ることができるようにしました。高性能なプライベートBCを作成後、パブリックBCに接続することが実現したのです。どちらのBCもEVM対応可能なので、同じOS上で完全な互換性を持っているのです。つまりどの組織でもプライベートBCでパブリックBCと完全に互換性がある独自のトークン、SC、NFTを生み出し、OpenSeaで販売することができるのです。これがPolygon技術を使う最大のメリットです。
2. OptimismやArbitrumといった他のL2ソリューションとの比較において、zk-rollupをどのように評価しますか?
Rollupは大きく分けてoptimistic rollupとzk-rollupの2種類があります。Optimistic rollupは似たようなことをやろうとしていて、多数のチェーン、ArbitrumやBobaネットワークなどが存在しています。しかし問題は、彼らはEthereumをガス代として使っていることです。ETH価格は既に4,000ドルに近づいており、おそらく10,000ドルになる可能性が高いです。
zk-rollupについては技術が優れていますし、優秀なチームもいますが、残念ながら彼らは独自のSC言語や開発ツールなどを作り、一種の「車輪の再発明」をしようしています。
彼らが抱える問題は、Ethereumとの互換性がないことです。新しいSCや他のものの複雑性も問題になってきます。良い例としてあげられるのが Immutable X です。StarkWareの技術を活用し、ゲームやNFT用のBCを構築しようとしています。彼らは多くの大手ゲーム会社などと多くのパートナーシップを結びましたが未だに成功していません。これらは全て競合他社の問題点であり、似たようなチームも誤ったアプローチを取っているのかもしれません。
3. Hermez 社の買収についてですが、トークンを含めたエコシステムの完全統合はこれまで同様の事例がなかったと思います。これはPolygonエコシステムにとってどのような意味を持つのでしょうか?
業界初の試みだと思います。メディアは私たちがBCを買収したと言っていますが、私たちは何も買収していません。BCはバリデーターに支えられており、それは買えません。私たちはBCを一から構築しているチームに2億5千万ドルを費やし、Polygonエコシステムの構築を依頼しただけなのです。言い換えればチームを雇いましたが、Polygonエコシステムからの助成金と見做すことができます。つまり、Polygonエコシステムの一部として新技術が作られるためにお金を払ったわけです。トークンに関しては、(HermezからMaticなど)トークンを交換できるシステムを作りました。
Mir社の買収についても同様のことが言えます。当社はエンジニアリングを重視する企業ですので、優秀な人材を確保することが前進につながります。他のBCと違い、私たちはマーケティングではなく最新技術に何百万ドルの投資を行なっています。Google社がやったように、初期のHPは非常にシンプルでしたが未だに最高の検索技術を持っています。私たちPolygonも同じで、まだ始まったばかりですが、これからどんどん新しい技術に投資していきます。
4. Polygon HermezとPolygon Zero(Mir)の違いを教えてください。
zk-rollup技術の特徴は、未開拓の分野であり、最も有効な応用方法をまだ誰も知りません。zk-rollupではまずrollupを作り、次にプルーフを作るという2つのステップを踏む必要があり、どちらもガス代を大量に消費します。そしてトランザクションコストを削減するために、それを最適化する必要があります。Polygon Hermez、Maiden、Zeroは、いずれもプルーフ生成とrollupのための異なるアプローチ法です。これらの技術を総合的に研究することで、最適な方法を見出すことができるのです。Rollup を解決するものが出てくれば、プルーフを解決するものも出てきます。Hermez、Maiden、Zero… 研究者やエンジニアのチームは、それぞれ好きなものを選んで問題解決に当たっていますが、私たちは3つすべてを組み合わせたものを選んでいます。各チームが一緒に働きながら、可能な限りの資源を活用していれば、最終的な解決策を見出せるかもしれません。
5. PolygonはJPYC、MCH、HIDEで使用されており、日本語情報も少なくありませんね。日本コミュニティへのメッセージをお願いします。
私たちは日本がWeb3の普及をリードする可能性のある市場として見ています。ゲーム会社と多くのパートナーシップを結んでいるのは、ゲームが多くのユーザーをWeb3に紹介する最も簡単な方法だからです。 日本のプレイヤーとのコラボレーションは、ゲームやNFTの側面から始まりましたが、私たちにとって優先度が非常に高い国なのです。
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