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公債依存度2年ぶり低下へ、22年度歳出は過去最大107.6兆円=政府筋

配信日時:2021/12/23 09:09 配信元:REUTERS

山口貴也

[東京 23日 ロイター] - 政府は、2022年度一般会計予算案で、歳出総額を107兆6000億円程度とする方針を固めた。社会保障費や防衛費が膨らみ、10年連続で過去最大を更新する。歳入では主財源となる税収の伸びを想定し、新規国債発行額を36兆9300億円程度に抑制。公債依存度は34.3%と2年ぶりに低下する。

複数の政府筋が明らかにした。政府案は21年度当初の106兆6097億円を上回り、4年連続で100兆円を超える大型予算となる。

岸田文雄首相は23日、与党との政策懇談会で「新型コロナ対応に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による新しい資本主義を実現していくための予算」と説明し、「スピード感をもって施策を届けるため、速やかな成立をお願いしたい」と述べた。与党の了承を得て24日に閣議決定し、年明けの通常国会に提出する。

歳出のうち、一般歳出は67兆3700億円程度とした。社会保障費は36兆2700億円程度と高齢化に伴う実質的な増加分(4400億円)の範囲に抑えたが、ミサイル防衛などに対応するための防衛費が5兆3700億円に膨らんだ。防衛費の伸びは500億円程度だが、同規模の予算確保は過去に例がない。

予算案では21年度当初に続いて5兆円の新型コロナ対策予備費も計上。地方交付税交付金は15兆8800億円程度、国債償還や利払いに充てる国債費は24兆3400億円程度とする。

一方、歳入では税収を65兆2400億円程度と見込んだ。21年度当初(57兆4480億円)からは7兆7900億円増える想定で、過去最高だった20年度決算額も大幅に上回る。外国為替特別資金会計からの繰り入れなど5兆4400億円程度の税外収入も計上する。

不足財源を補う新規国債発行額は当初予算ベースで2年ぶりの減額となる。ただ、16年度以降5年にわたり30兆円台前半としてきた発行予定額には届かず、財源の多くを借金に頼る構図に変わりない。

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