ランチタイムコメント
日経平均は5日ぶり反落、“優勝劣敗”鮮明で3万円回復は近くて遠い
配信日時:2021/11/17 12:08
配信元:FISCO
日経平均は5日ぶり反落。133.38円安の29674.74円(出来高概算5億9028万株)で前場の取引を終えている。
16日の米株式市場でNYダウは54.77ドル高(+0.15%)と小幅反発。ホームセンターのホーム・デポなどの好決算を好感し、寄り付き後上昇。また、11月の小売売上高をはじめNAHB住宅市場指数、10月製造業指数などが予想を上回ったため景気回復期待も手伝い終日堅調に推移した。マイクロソフトが上場来高値を更新するなどハイテク株への買いも入り、ナスダック総合指数は+0.75%、フィラデルフィア半導体株(SOX指数)は+1.73%となった。
こうした流れを引き継ぎ、東京市場でも半導体を中心としたハイテク株に買いが先行するなか、日経平均は98.56円高の29906.68円でスタート。しかし、依然として3万円手前での戻り待ちの売りが根強く、寄り付き直後の29909.97円を本日の高値に失速すると、早々に前日比マイナスに転じた。その後も下げ幅を拡げる動きが続き、前場中頃には一時29623.79円(184.33円安)まで下落する場面があった。前引けにかけてはやや下げ渋ったが、戻りは鈍く、下げ幅を3桁のまま前場を終えている。
個別では、SOX指数高を背景にレーザーテック<6920>が大幅高となり、連日で上場来高値を更新。東エレク<8035>も上場来高値を更新し、スクリン<7735>やアドバンテスト<
6857>などの他の半導体製造装置銘柄に加え、HOYA<7741>、SUMCO<3436>など半導体材料銘柄でも大きく上昇しているものが目立つ。傘下の投資ファンドが国内ゴルフ場最大手のアコーディア・ゴルフ・グループを買収すると伝わったソフトバンクG<9984>
は、米ハイテク株高も支援要因に上昇。対ドルでの円安進行を追い風にトヨタ自<7203>、SUBARU<7270>などの輸送用機器も買われており、トヨタ自はデンソー<6902>と共に連日で上場来高値を更新。そのほか、INPEX<1605>、SMC<6273>、太陽誘電<6976>も大幅に上昇。東証1部上昇率上位には直近好決算などを発表した銘柄が多く見られ、TOREX<6616>、芝浦機械<6104>、チェンジ<3962>、メック<4971>などが並んでいる。
一方、リクルートHD<6098>が短期的な出尽くし感から本日も大幅に下落。連騰劇を繰り広げていたスノーピーク<7816>も騰勢一服で売り優勢。ソニーG<6758>、任天堂<7974>、川崎汽船<9107>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>、武田薬<4502>なども軟調で、日立製<6501>、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、JAL<9201>は大きく下落。1部下落率上位ではアフターコロナ関連株のオープンドア<3926>やエアトリ<6191>のほか、太平洋金属<5541>、トリドールHD<3397>、ワコム<6727>、東邦チタニウム<
5727>、ファイバーG<9450>などが並んでいる。
セクターでは空運業、サービス業、ガラス・土石製品などが下落率上位となっている一方、鉱業、精密機器、金属製品などが上昇率上位となっている。東証1部の値下がり銘柄は全体の69%、対して値上がり銘柄は24%となっている。
前場の日経平均は寄り天井の形で陰線を形成。早々にマイナス転換するとその後も下げ幅を拡げる動きとなった。前日は29960.93円と3万円目前に迫りながらもその後急失速。本日も寄り付きこそ高く始まり3万円に迫るも急失速。上値の重さが強烈に印象付けられる形となった。
一方、主要株価3指数が揃って史上最高値圏での推移を続ける米国では、大手金融グループのゴールドマン・サックスが、S&P500指数が2022年末には5100を付けると予想するなど、強気の見通しも出てきている。米国では年末に向けた株高ラリーの実現を有望視する声が多く聞かれるが、同社の見通しはこうした見方に弾みをつけるようだ。
指数だけをみると、日米で圧倒的なパフォーマンス格差が確認され、なんとも陰鬱な気持ちになるが、個別に目を配れば過度に悲観することもない。レーザーテックや東エレクなど世界でも名を連ねる日本の代表的な半導体製造装置企業の株価は、連日で上場来高値を更新し、自動車の挽回生産が期待される輸送用機器セクターでも、トヨタ自やデンソーがこちらも半導体に負けじと連日で上場来高値を更新している。
結局、日本の場合は成長が期待でき資金が集まる企業が米国に比べて圧倒的に少なく、一部の有望企業に資金が集中する結果、全体の動きを示す指数では目立ったパフォーマンスが出にくいというだけのことなのだろう。個別でみれば、上述のように世界に引けを取らない株価パフォーマンスを見せる銘柄はある。ただ、こうした日本国内での優勝劣敗の動きはより一層鮮明になっていきそうで、年末に向けた株高ラリーが日本でも起こるとしても、銘柄選別を間違えれば、波に乗り損ねることになりかねない。ちょうど決算発表が一巡したタイミングでもあるため、今一度、直近の決算を確認し、利益率がコロナ前と比較して改善しているかなど、収益力の向上などに着目して、銘柄選別を行うことが、今後の結果を左右しそうだ。
さて、後場の日経平均は引き続き29500円~30000円でのレンジ相場が続きそうだ。今晩は米国で注目の半導体メーカーのエヌビディアの決算が予定されており、明日には同業のアプライド・マテリアルズの決算が予定されている。足元、日本の指数を支えているのは半導体関連株といっても過言ではないため、これらの決算内容と株価反応は非常に注目される。結果を見極めたいとの思惑もあり、後場も前場と同水準でのもみ合いとなることが予想される。
<NH>
16日の米株式市場でNYダウは54.77ドル高(+0.15%)と小幅反発。ホームセンターのホーム・デポなどの好決算を好感し、寄り付き後上昇。また、11月の小売売上高をはじめNAHB住宅市場指数、10月製造業指数などが予想を上回ったため景気回復期待も手伝い終日堅調に推移した。マイクロソフトが上場来高値を更新するなどハイテク株への買いも入り、ナスダック総合指数は+0.75%、フィラデルフィア半導体株(SOX指数)は+1.73%となった。
こうした流れを引き継ぎ、東京市場でも半導体を中心としたハイテク株に買いが先行するなか、日経平均は98.56円高の29906.68円でスタート。しかし、依然として3万円手前での戻り待ちの売りが根強く、寄り付き直後の29909.97円を本日の高値に失速すると、早々に前日比マイナスに転じた。その後も下げ幅を拡げる動きが続き、前場中頃には一時29623.79円(184.33円安)まで下落する場面があった。前引けにかけてはやや下げ渋ったが、戻りは鈍く、下げ幅を3桁のまま前場を終えている。
個別では、SOX指数高を背景にレーザーテック<6920>が大幅高となり、連日で上場来高値を更新。東エレク<8035>も上場来高値を更新し、スクリン<7735>やアドバンテスト<
6857>などの他の半導体製造装置銘柄に加え、HOYA<7741>、SUMCO<3436>など半導体材料銘柄でも大きく上昇しているものが目立つ。傘下の投資ファンドが国内ゴルフ場最大手のアコーディア・ゴルフ・グループを買収すると伝わったソフトバンクG<9984>
は、米ハイテク株高も支援要因に上昇。対ドルでの円安進行を追い風にトヨタ自<7203>、SUBARU<7270>などの輸送用機器も買われており、トヨタ自はデンソー<6902>と共に連日で上場来高値を更新。そのほか、INPEX<1605>、SMC<6273>、太陽誘電<6976>も大幅に上昇。東証1部上昇率上位には直近好決算などを発表した銘柄が多く見られ、TOREX<6616>、芝浦機械<6104>、チェンジ<3962>、メック<4971>などが並んでいる。
一方、リクルートHD<6098>が短期的な出尽くし感から本日も大幅に下落。連騰劇を繰り広げていたスノーピーク<7816>も騰勢一服で売り優勢。ソニーG<6758>、任天堂<7974>、川崎汽船<9107>、三菱UFJ<8306>、キーエンス<6861>、武田薬<4502>なども軟調で、日立製<6501>、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、JAL<9201>は大きく下落。1部下落率上位ではアフターコロナ関連株のオープンドア<3926>やエアトリ<6191>のほか、太平洋金属<5541>、トリドールHD<3397>、ワコム<6727>、東邦チタニウム<
5727>、ファイバーG<9450>などが並んでいる。
セクターでは空運業、サービス業、ガラス・土石製品などが下落率上位となっている一方、鉱業、精密機器、金属製品などが上昇率上位となっている。東証1部の値下がり銘柄は全体の69%、対して値上がり銘柄は24%となっている。
前場の日経平均は寄り天井の形で陰線を形成。早々にマイナス転換するとその後も下げ幅を拡げる動きとなった。前日は29960.93円と3万円目前に迫りながらもその後急失速。本日も寄り付きこそ高く始まり3万円に迫るも急失速。上値の重さが強烈に印象付けられる形となった。
一方、主要株価3指数が揃って史上最高値圏での推移を続ける米国では、大手金融グループのゴールドマン・サックスが、S&P500指数が2022年末には5100を付けると予想するなど、強気の見通しも出てきている。米国では年末に向けた株高ラリーの実現を有望視する声が多く聞かれるが、同社の見通しはこうした見方に弾みをつけるようだ。
指数だけをみると、日米で圧倒的なパフォーマンス格差が確認され、なんとも陰鬱な気持ちになるが、個別に目を配れば過度に悲観することもない。レーザーテックや東エレクなど世界でも名を連ねる日本の代表的な半導体製造装置企業の株価は、連日で上場来高値を更新し、自動車の挽回生産が期待される輸送用機器セクターでも、トヨタ自やデンソーがこちらも半導体に負けじと連日で上場来高値を更新している。
結局、日本の場合は成長が期待でき資金が集まる企業が米国に比べて圧倒的に少なく、一部の有望企業に資金が集中する結果、全体の動きを示す指数では目立ったパフォーマンスが出にくいというだけのことなのだろう。個別でみれば、上述のように世界に引けを取らない株価パフォーマンスを見せる銘柄はある。ただ、こうした日本国内での優勝劣敗の動きはより一層鮮明になっていきそうで、年末に向けた株高ラリーが日本でも起こるとしても、銘柄選別を間違えれば、波に乗り損ねることになりかねない。ちょうど決算発表が一巡したタイミングでもあるため、今一度、直近の決算を確認し、利益率がコロナ前と比較して改善しているかなど、収益力の向上などに着目して、銘柄選別を行うことが、今後の結果を左右しそうだ。
さて、後場の日経平均は引き続き29500円~30000円でのレンジ相場が続きそうだ。今晩は米国で注目の半導体メーカーのエヌビディアの決算が予定されており、明日には同業のアプライド・マテリアルズの決算が予定されている。足元、日本の指数を支えているのは半導体関連株といっても過言ではないため、これらの決算内容と株価反応は非常に注目される。結果を見極めたいとの思惑もあり、後場も前場と同水準でのもみ合いとなることが予想される。
<NH>
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