注目トピックス 経済総合ニュース一覧

注目トピックス 経済総合 中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:26JST 中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。4.中国不動産市場の課題とトレンドの検証恒大とSOHO中国をめぐり明らかになった新事実で中国不動産部門の脆弱性が浮き彫りになったことで、中国不動産市場全体の存続可能性に今、厳しい目が注がれている。デベロッパーの安定性、財務構成のレジリエンス、現在のような危機への規制メカニズムの有効性など、疑念は山積している。たとえば、福建省厦門のような小都市では不動産開発が地域経済を大きく支えているが、市場の先行きが不透明になったことで、建設や不動産関係の地元企業の間に不安が広まっている。財務危機の大揺れで舞い上がったほこりが収まったところで、中国不動産市場やより広い経済エコシステムを支える基盤の強度について掘り下げる問いが数多く投げかけられた。危機によって明るみに出た脆弱性は、経済的な要因ばかりでなく、規制の複雑さ、地政学的な要因、さらにはより広範な社会政治的状況とも絡み合っている。歴史的パターンからの逸脱:中国の不動産部門で進行中の危機は、中国がかつて不動産救済を行った際に設定した結果の予想から逸脱している。救済措置に呼応する形で劇的な住宅価格上昇が起きた2008年と2014年とは異なり、現在進行中の「壮大な」救済の試みは、過去のパターンから逸脱している。このような逸脱によって、同部門で複雑な変化が起きたことが明らかになり、状況に適応できる多面的な対応の必要性が際立つこととなった。構造的進化と需要の変化:過去のパターンから逸脱した根本的な原因は、最高権力層のお墨付きを得たことで中国不動産部門に生じた構造的変化にある。20年以上にわたる活発な開発によって、中国における一人あたりの居住面積は8平方メートルからヨーロッパの住宅水準を凌駕する42平方メートルへと急増した。都市部世帯の持ち家率は96.0%という驚異的な数字で、米国のそれを30ポイント以上も上回っている。だが、こうした目覚ましい成果も住宅供給過剰という思わぬ状況を生み出し、中国の住宅事情に重大な転換をもたらすこととなった。需要の変化と人口統計学的要因:状況の変化について深く掘り下げてみると、需要に関する人口統計学的要因の変化と将来のトレンドが見えてくる。都市部の住宅取得率は称賛されるレベルに達しており、中高年世代、特により良い住宅を求める人々にとって住宅需要はさほどひっ迫したものではなくなっている。過去の投資ブームの副産物である住宅ストックの余剰が、市場の動きをさらに複雑にしている。将来のトレンド予測:先を見通すと、少子化の流れは当然、将来の住宅需要の減少につながる。ここ数年、年間出生率は一貫して低下しており、人口のマイナス成長への道が固まってきた。こうした人口動態上の変化は、今後数年間の不動産市場における新規需要の減少を予測させるものだ。5.世界を覆う不透明感とパラダイムシフトを乗り切る激しい変化を特徴とする中国の不動産部門によって、グローバルに影響を与え合う網の目のように絡まり合った問題の存在が白日の下にさらされた。このような危機の中で、相互に網のように結びついた課題が明らかになり、金融界の枠を超えて個人、地域社会、利害関係者にまで影響を及ぼしている。かつては持ち家を安定のよすがとしていた家庭は今後の見通しが立たない状況に直面し、若い世代の人生設計は市場力学の変化に左右されている。複雑にリンクし絡み合った世界の金融市場は事態の推移に目を光らせ、国際社会は投資家から各国政府に至るまで、影響が連鎖してより広範な経済領域に波及するのではないかと神経を尖らせている。中国の不動産部門が直面している危機に対するこうした見方は、より大きな世界経済の変化の縮図だ。住宅に求める条件が厳しいものからより柔軟で融通の効くものに変化していることは、経済状況の変化を反映したものだ。この変化が、都市住民の期待やニーズの変化に合わせた戦略見直しを促している。中国不動産部門を席巻している変革は、中国経済のより大きなスケールの変容を反映したものだ。都市化への願望と呼応する形で、一人当たりの居住面積はこれまでの20年間で大幅に拡大した。こうした変化は、生活の質と持続可能な発展の両方を重視した、より都市中心型でサービス志向型の経済の到来を予感させる。相次ぐ危機がもたらした波紋は、不動産部門の枠をはるかに超えて、グローバル金融の複雑なネットワークにまで広く及んでいる。金融市場は密接に絡み合い相互にリンクしているため、こうした動きには厳しい監視の目が注がれている。政府、投資家、国際機関は、潜在的悪影響がより広い経済圏にまで連鎖反応をもたらし得ることを十分承知している。かつて経済成長の象徴だった中国不動産業界は、いまでは成長促進と安定確保が微妙なバランスの上にある事実を知らしめる存在となった。6.課題とチャンス世界の金融システムが中国の不動産部門と相互に連関し、国境を越えて影響を及ぼし合う状況にあっては、課題もまた複雑なものとなることは否めない。不動産会社の規制に向けて中国政府が導入した「三条紅線」という規制の枠組みが、事態をさらに複雑化させている。だがこうした苦境には、状況を一変させ、将来危険な状況から身を守ることのできるような画期的な解決策を生み出すチャンスも潜んでいる。これまでの危機から得た教訓、そして「三条紅線」がもたらした影響は、間違いなく政策決定、経済戦略、規制の枠組みに影響を与え、不動産部門をよりしなやかで安定した未来へ導くだろう。政府の介入の中で経済的安定性を確保:前例のない性質の危機であるがゆえに、政府には従来の介入を超える多面的な対応が求められる。安定と長期的に持続可能な成長とのバランスをとるにはきめ細かな政策アプローチが必要だ。介入にあたっては、短期的な経済的圧力と、将来のショックに耐えうるしなやかな不動産部門の育成の両方への対処が不可欠となる。市場均衡に向けた政策の大幅な柔軟化:政策立案者は、需要と供給の力学の変化に向き合い、微妙なバランスを取って政策の舵取りをしなければならない。市場参入の制限を前提にした購入制限は市況の変化によりその有効性が損なわれてしまった。住宅供給が需要を上回るという状況の中で成長を促すと同時に安定も確保するには、繊細なアプローチが不可欠となる。購入制限緩和による影響の評価:現在進行中の対応策の肝となるのが、購入制限緩和の可能性、特に一級都市におけるそれである。だがここで、この政策変更が住宅価格回復の狼煙となるのか、という大きな疑問が生じる。その疑問への答えは需要と供給のダイナミクスの変化に応じて変わってくる。住宅供給が需要を上回るようになった今、市場参入が制限されることを前提としたこの政策はもはや不動産業界の現状にそぐわなくなった。7.結論:中国不動産業界のレジリエンス強化へ恒大集団、碧桂園、SOHO中国を襲った危機は、積極的な事業拡大と負債への依存がはらむ危険を知らしめる教訓となった。これらの事例は、慎重な財務管理、バランスの取れた負債による資金調達、多角化戦略の再調整の必要性を強調するものだ。これらの事例から引き出された教訓は、経済学的な考察を超えて広がり、中国における住宅事情の変化や、しなやかな市場ダイナミクスの必要性について我々に教えてくれる。市場動向の変化のデータに基づく分析は、潮流の見極めが難しい不動産業界の激流のさなか、行く手を導く羅針盤となる。過去のパターンからの逸脱は、現在の危機が予測不可能なものであることを我々に見せつけている。消費者心理の変化と新しい規制介入が相まって市場の均衡の形が変わり、複雑な要因の相互作用と調和して現状に適応する政策が求められるようになった。過去の救済措置の後に起きた価格高騰が今回起きなかったことは、この業界がダイナミックで予測不可能である証であり、こうしたパラダイムの変化を乗り切るには多面的な対策が必要だ。中国不動産市場の苦境とトレンドを掘り下げていくと、この業界の安定性は経済学的考察を超えたところにある、という明確なメッセージが浮かび上がってくる。これらの危機が露呈させた脆弱性は、規制の仕組みや社会政治的な複雑さそのものに由来するものである。これらの問題はより広範な世界情勢と相互に関連しており、このことが従来の枠組みを超えた包括的な理解が務であることを強く際立たせている。だが、苦境の中には変革のチャンスが潜んでいる。中国不動産部門の回復力がどれほどのものであるかは、変化する現実に適応し、持続可能性への道を切り開く能力にかかっている。今回の危機から得た教訓をもとに、政策、規制、市場戦略が再構成されるのは確実だろう。同部門が不透明な状況を乗り越えていくにあたって、成長と安定のバランスの見直しが極めて重要になる。また、中国経済がより都市中心型でサービス志向型のモデルへと変貌を遂げるなか、生活の質と持続可能な発展に改めて重点を置くことが求められている。結論として、中国の不動産部門における危機は、適応と革新の旅に出るよう我々を手招きしている。恒大集団、碧桂園、SOHO中国が直面した苦境は、戦略の綿密な再評価を行い、同部門の中核にしなやかさを注入することを強く促すものだ。データに基づく洞察によって、そしてマクロ経済の変化を理解することによって、混乱を乗り越えて中国の不動産業界をより持続可能で公平な未来へ導くビジョンが生まれる。中国の不動産事情が変化して行くなか、今日得た教訓は、きっとしなやかで豊かな明日への礎になるだろう。写真: EVERGRANDE, REQUEST FOR BANKRUPTCY PROTECTION(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2023/09/04 10:26 注目トピックス 経済総合 中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:22JST 中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。1.はじめに国際市場との相関関係、そして経済成長推進の大黒柱という役割によって増幅された中国不動産部門の荒れ狂わんばかりの展開は、世界の金融情勢に衝撃を与えた。この危機がもたらした深刻な影響は不動産業界の枠を超え、建設、資材、銀行などの関連業界にも及んでいる。たとえば不動産業界が経済成長の一つ柱となってきた深圳市では、現状の先行き不透明感から、建設作業員の間で雇用や将来の収入への不安が広がっている。恒大集団(Evergrande group)による破産保護申請を受けて世界中の投資家、規制当局、政府は危機感を強め、今回の危機による影響を最小限に抑え、より広範囲な経済への悪影響を回避しようと対応に追われた。中国の不動産危機の世界的な影響は、国境を越えて事業を展開する金融機関にも及んでいる。これらの金融機関が大きな不確実性に直面している一方、不動産業界と建設業界など他業界との共生関係は新たな段階に入った。グローバルな金融が網の目のように複雑に結びついたことを反映してサプライチェーンは混乱の影響を受けやすくなっていることから、商品価格の変動が懸念材料となっている。中国の不動産部門はダイナミックでプレイヤー同士が深く結び付いていることから、経済圏の枠を超えて波及するいくつもの困難を招いた。本稿では、不動産業界を揺るがしている状況について深く堀り下げ、恒大集団、碧桂園(Country Garden)、SOHO中国(SOHO China)などの主要プレイヤーが直面した危機から得られた教訓を読み解いてみたい。市場の状況についてのデータに基づいた考察や、規制当局の対応やパラダイムシフトについての検討を通して、複雑な中国不動産業界の混乱を見ていこう。中国不動産業界の今後を決める課題やトレンドを探る中で、よりしなやかで持続可能な未来への道筋を示す変革のチャンスが見えてくるだろう。グローバルな金融への影響、政策的配慮、社会経済上の込み入った問題が複雑に絡み合う状況において、こうした危機から引き出された教訓が、中国の不動産をめぐる状況を語るための新たな語り口を形成していくことに疑いはない。2.恒大集団、碧桂園、SOHO中国からの教訓まず最初に挙げたいのは、不動産部門の突出したプレイヤーである恒大集団で起きた大混乱だ。恒大集団の物件にそれまで蓄えてきた貯金を注ぎ込んだ個人の住宅所有者は今、住宅完成についても金銭的損失についても見通しが立たないという現実に直面している。恒大集団が直面している混乱は、「三条紅線」(=3本の赤い線、three red lines)という規制の枠組みに関わるもので、この規制は2020年8月に行われたデベロッパー各社との会合で住宅都市農村建設部(Ministry of Housing and Urban-Rural Development)と中国人民銀行(People’s Bank of China)が示したものだ。「三条紅線」は、1)前受金等を除いた資産負債比率が70%超、2)純負債自己資本比率が100%超、3)現預金に対する短期有利子負債の比率が1倍未満、という3つの評価基準を設定しており、不動産会社は「三条紅線」の評価状況に応じて「赤」、「オレンジ」、「黄」、「緑」の4段階の監視レベルに分類される。上記の基準にすべて当てはまった不動産会社は赤レベルとされ、有利子負債の増加が認められなくなる。2021年1月1日以降、不動産業界はレバレッジ解消の正式な審査段階に入った。試験運用対象に指定された不動産会社12社は2023年6月までに、「三条紅線」基準への適合を迫られた。さらに、恒大集団をはじめとするすべての不動産会社が、2023年末までにこれらの基準に適合することが義務付けられた。2023年8月、恒大集団は米国のマンハッタン破産裁判所を通じて破産保護手続きを開始した。同月末には債務再編計画を決議する集会も予定されている。同様に碧桂園のケースでも、同社が開発した地区のコミュニティーが、資産価値と需要が変動する中で市場の動きの変化による影響を受けている。同社は知名度が高い割に負債による資金調達と土地取得戦略に大きく依存しており、経済が大きく混乱すればその脆弱性が露呈するおそれがある。同社は積極的な事業拡大で躍進したが、それは過剰だったおそれもある事業拡大や競争激化による相当程度のリスクももたらした。これに加えて、不動産業界が規制環境や消費者の選好の変化に対応する中、碧桂園が長期的な成長を維持するには機敏な事業運営を続けなければならない。さらに、不動産市場は相互につながっているため、碧桂園で悪い事態が発生すれば業界全体のリスクが増幅されるおそれがある。ある大企業1社の財務問題が債務不履行や金融混乱という連鎖反応を誘発する「ドミノ効果」の可能性が不動産業界の脆弱性を際立たせている。こうした不透明な状況を乗り越えていく過程で、債務管理、リソースの最適化、ビジネスモデルの転換といった同社の戦略は、起こりうる悪い結果を軽減させて持続可能な成長への道を切り拓く上で大きな力になるだろう。3つ目の事例は財務不安が露呈したSOHO中国だ。子会社の「北京望京捜候房地産」(Beijing Wangjing Sohou Real Estate)による土地増値税滞納が明らかになったことで、業界の宿痾とも言える財務面の脆弱性が浮き彫りになった。SOHO中国は積極的な用地取得に突き進んだ末の過剰拡大と負債の増加という、この業界でよく見られる典型的な苦境に直面している。中国の都市化ブームの恩恵を受けようと力を入れた一等地の取得競争はデベロッパー各社の財務を圧迫したほか、不動産価格の上昇が進んで持ち家を高嶺の花にしてしまった。さらに、SOHO中国の大幅な業績悪化が業界内の懸念を増幅させている。今年度上半期の利益はマイナス90%という異例の落ち込みで、かつての安定ぶりとは天と地ほどの差がある。こうした苦境の背景には、政策や規制の変化によって不動産市場の成長見通しが鈍化したという、より広いマクロ経済情勢がある。同社の苦境は、過剰債務や恒大集団の危機で見られたような外部要因で悪化した脆弱性が露呈することがどのような結果をもたらすのかを示している。現在進行中の危機がより広範な金融不安にエスカレートするおそれがあり、クロスデフォルトの恐怖が迫っている。恒大集団、碧桂園、SOHO中国の事例は、経済の先行きが不透明な状況では財務のレジリエンスが極めて重要であることをよく示している。これらの企業の野心的な拡大戦略から生じた脆弱性に照らしてみるに、中核となる強みに合わせた多角化戦略が必要であることがよく分かる。持続的成長には負債による資金調達と慎重な財務管理を調和させることが大前提となる。グローバルな金融市場と経済成長の要として重要な地位を占めている中国の不動産部門が相互に複雑に影響し合い、危機の影響を増幅させている。さらに、建設、資材、銀行などの関連業界にも幅広く影響して事態の深刻さに拍車をかけている。恒大集団の破産申請が世界的に波紋を広げた中、各国の投資家、規制当局、政府は警戒を強め、こうした悪影響がさらに広がることがないよう対応に当たっている。3.データで見る不動産市場の変化こうした危機の核心にあるのが、中国不動産部門の成長と安定の微妙なバランスだ。恒大集団、碧桂園、SOHO中国といった大手企業が直面した課題によって、慎重な財務管理を促す頑健な規制の必要性が浮き彫りになった。国家統計局が最近発表したデータによると、7月の住宅価格は70の主要都市で目立った動きを見せた。これは過去のパターンから逸脱するもので見過すことはできない。たとえば武漢市では住宅価格が大幅に下落し、将来の経済的安定のため不動産価格上昇を当てにしていた家庭が厳しい現実に直面している。調査対象都市のうち65都市で中古住宅価格が前年同月比で下落した。前月比で下落したのは63都市に上り、この現象が広範囲に及んでいることが分かる。この多面的なデータによって危機の複雑さや、それに対処する戦略を包括的に再評価する必要性が浮き彫りになった。データに基づくこの知見は、経済面で重要であるだけでなく、消費者感情の変化、規制介入の影響、そして不動産をめぐる状況そのものの変化を反映している。予想されていた価格高騰が起こらなかったことから、さまざまな要因が複雑に絡み合う状況を切り抜ける上で、状況に適応した政策の必要性が示された。さらに中古住宅価格が下落したことで、消費者行動、銀行の安定性、全体的な経済成長など、より広範な経済的影響への懸念も生じている。少子化の傾向は当然、将来の住宅需要の減少に直結する。ここ数年、年間出生率は一貫して低下しており、人口のマイナス成長への道が固まってきた。こうした人口動態上の変化は、今後数年間の不動産市場における新規需要の減少を予想させるものだ。データに基づくこうした視点から導き出された全体的な知見から、危機がはらむ問題の複雑さが浮き彫りになったとともに、市場の動きの変化、規制の影響、消費者の選好の変化、世界経済の相互関連性も考慮した包括的で状況に適応できるアプローチが必要であることが強く示されている。データに基づくこの視点は、不動産部門のしなやかで持続可能な未来を模索する政策立案者、投資家、利害関係者らを導く光となるだろう。「中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: EVERGRANDE, REQUEST FOR BANKRUPTCY PROTECTION(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2023/09/04 10:22 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】ベージュブック、中国貿易、豪準備銀、日本のGDPなど *07:37JST NYの視点:【今週の注目イベント】ベージュブック、中国貿易、豪準備銀、日本のGDPなど 今週は、豪州準備銀、カナダ中銀が金融政策決定会合を予定している。カナダの4-6月期国内総生産(GDP)が予想外のマイナスに落ち込んだが中銀は6日金融政策決定会合で政策金利を5%に据え置く見通し。豪州準備銀も政策金利を4.1%で据え置く見込みとなっている。欧州はPMIなどの経済指標が予想以上に悪化しており、9月定例理事会での利上げの行方が不透明となった。欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は「最近の指標によると、Q3おそらくQ4の成長減速を示唆している」とし「利上げにおいて最終段階に入った」との見解。「今後数日のデータが9月金融政策決定において重要」と指摘しており、今週発表されるユーロ圏のGDPやサービスPMI、PPI、小売売上高に注目が集まる。もし、予想を下回り、景気減速が証明された場合は9月の利上げ観測が一段と後退し、ユーロ売り圧力が強まる。米国では8月ISM非製造業景況指数、8月サービス業PMI確定値で米国の消費動向をさらに探る。労働市場は鈍化の兆候が証明されつつあり、消費も控えられた可能性もある。予想を下回ると、FRBの利上げ観測がさらに後退しドルの上値を抑制する。米連邦準備制度理事会(FRB)は6日に地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表する予定。この内容はFRBが9月連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を決定する上で重要な材料のひとつとなるため注目が集まる。労働市場の減速や物価圧力の後退などが指摘されると、9月の金利据え置き見通しをさらに強め、ドル買いが一段と後退すると見られる。■今週の主な注目イベント●米国4日:レーバーデーの祭日で休場5日:7月耐久財受注6日:8月ISM非製造業景況指数、7月貿易収支、8月サービス業PMI確定値、地区連銀経済報告(ベージュブック)、コリンズ米ボストン連銀総裁講演、ローガン米ダラス連銀総裁講演7日:4-6月期非農業部門労働生産性・単位人件費、新規失業保険申請件数、ウィリアムズNY連銀総裁がイベント参加、ボスティック米アトランタ連銀総裁が講演8日:7月卸売売上高●豪州5日豪州準備銀、政策金利6日:GDP●カナダ6日:金融政策決定会合7日:カナダ中銀のマクレム総裁講演8日:カナダ失業率●中国5日:財新サービスPMI7日:貿易●欧州5日:ユーロ圏サービスPMI、PPI、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が討論会主催6日:ユーロ圏小売売上高、独製造業受注7日:ユーロ圏GDP、独鉱工業生産8日:独CPI●日本8日:GDP <CS> 2023/09/04 07:37 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:日本の4-6月期GDP改定値は下方修正の予想 *14:04JST 国内外の注目経済指標:日本の4-6月期GDP改定値は下方修正の予想 9月4日-8日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■6日(水)午後6時発表予定○(欧)7月ユーロ圏小売売上高-予想は前月比-0.3%参考となる6月実績は前月比-0.3%。自動車燃料は増加したが、食品・飲料が減少。7月については個人消費の拡大は確認されていないため、6月に続いて減少する可能性がある。■6日(水)午後9時30分発表予定○(米)7月貿易収支-予想は-675億ドル参考となる6月の貿易収支は輸入金額の減少によって赤字幅は655億ドルにとどまった。7月については、輸出入額の増加は予想されていないため、貿易赤字幅は6月実績との比較で若干縮小する可能性がある。■6日(水)午後11時発表予定○(米)8月ISM非製造業景況指数-予想は52.3参考となる7月実績は52.7と6月実績の53.9を下回った。企業活動の拡大ペースは減速している。8月は雇用、新規受注の改善が期待できないことから、節目の50を超えるものの、7月実績をやや下回る可能性がある。■8日(金)午前8時50分発表予定○(日)4-6月期国内総生産改定値-予想は前期比年率+5.6%参考となる一次速報値は前期比年率+6.0%の高い伸びを記録。国内総生産の実額は過去最高となったが、個人消費の伸びはマイナスとなった。改定値については個人消費が上方改定される可能性は低いため、企業の設備投資が上方改定されない場合、速報値と同水準または、若干の下方修正が予想される。○その他の主な経済指標の発表予定・5日(火):(豪)豪準備銀行政策金利発表、(欧)7月ユーロ圏生産者物価指数・6日(水):(豪)4-6月期国内総生産、(加)カナダ中央銀行政策金利発表・7日(木):(中)8月貿易収支、(豪)7月貿易収支、(欧)4-6月期域内総生産確定値・8日(金):(日)7月経常収支、(加)8月失業率 <FA> 2023/09/02 14:04 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米7月消費者支出は拡大、今後鈍化の兆しも、貯蓄率低下や労働市場の悪化で *07:34JST NYの視点:米7月消費者支出は拡大、今後鈍化の兆しも、貯蓄率低下や労働市場の悪化で 米商務省が発表した7月個人所得は前月比+0.2%となった。伸びは予想外に6月+0.3%から鈍化し、昨年12月来で最低。一方、同月個人消費支出(PCE)は前月比+0.8%。伸びは6月+0.6%から予想以上に拡大し1月来で最高となった。インフレ調整後の実質個人支出も前月比+0.6%と、1月来で最大の伸びとなった。サービス支出は+0.4%。良好な天候で、レストランなどでの支出に拍車がかかった。一方で、消費支出を支える実質可処分所得は-0.2%。貯蓄率は3.5%と、11月来で最低となった。米国の貯蓄率はパンデミックによる政府支援策や経済封鎖の影響で2020年4月には過去最高となる33%に達したが、その後正常化しつつある。今後は、労働市場の悪化、支払い延滞率の上昇、学生ローン支払いの再開で消費者の財政状態が一段と悪化し、支出も鈍化する可能性が示唆された。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している燃料や食品を除いた7月のコアPCE価格指数は前年比+4.2%と、予想通り6月+4.1%から伸びが拡大。FRBが注目している住宅費や燃料、食品を除いたサービスインフレが+0.5%と年初来最大となったため、追加利上げの可能性は完全に払しょくされない。投資アドバイスなどのコストが押し上げた。このカテゴリーを除いたスーパーコアサービスインフレ率は+0.25%だった。今後、消費が想定されるとおり鈍化した場合は必然的にコアサービスインフレも低下し、FRBの利上げ打ち止めが正当化されることになる。 <CS> 2023/09/01 07:34 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月雇用統計でのネガティブサプライズに備える *07:35JST NYの視点:米8月雇用統計でのネガティブサプライズに備える 米労働省が発表する8月雇用統計の市場エコノミスト平均予想で、非農業部門雇用者数は前月比+14.5万人と7月からさらに伸びの鈍化が予想されている。ただ、失業率は3.6%と、7月に続き約50年ぶりの低い水準が維持される見込み。雇用統計の先行指標のひとつである民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の8月分は前月比+17.7万人と、伸びは予想を下回り1月来で最小となった。同統計は労働省が発表する雇用統計での雇用者数を平均1.6万件上回る傾向にある。また、一部で行われた従業員ストの影響では1月にあたり1000件雇用減となるため、伸びの鈍化は必至と見られる。製造業の雇用も引き続き冴えない。8月NY連銀景況指数雇用者数は-1.4と、+4.7からマイナスに転じた。フィラデルフィア連銀景況指数の雇用も-6.0と、7月-1.0から一段と悪化。コンファレンスボードが発表した雇用現況で雇用が「十分」との回答は40.3%と、2月から低下基調にある。前年同月47.6も下回った。これに対し、「不十分」との回答は45.6%と、2月から6カ月連続で上昇。前年同月の40.8を上回った。「困難」との回答も14.1%と、11.3%から上昇。昨年の11.6%も上回り、消費者が雇用市場への自信を無くし始めたことが新たに証明された。最新7月JOLT求人件数も882.7万件と予想950万件を大幅に下回り、21年3月以降ほぼ2年超ぶりの低水準となった。雇用市場への自信をあらわすと注目している自主的退職者数は25.3万人減の354万人と、21年2月来で最低。採用者数も16.7万人減の577万人と2021年1月来で最低となった。さらに、JOLTの回答企業が31%にまで低下していることで、統計の正確性が疑問視されており、実際は労働市場が一段と悪化していると警戒している市場参加者も少なくない。失業率が依然歴史的な低水準で推移しているほか、週次失業保険申請件数が20万件台で安定していることは労働市場の強さを示すが、米雇用統計ではネガティブサプライズに備える必要もある。■8月雇用先行指標ADP雇用統計:+17.7万人(予想:+19.5万人、7月:+37.1万人←+32.4万人)NY連銀景況指数雇用者数:-1.4(+4.7)週平均就業時間:-10.7(+0.3)6カ月予想雇用者数:+24.9(+13.2)週平均就業時間:‐1.0(-5.9)フィラデルフィア連銀景況指数雇用:-6.0(-1.0)週平均就業時間:6.3(-3.0)6カ月予想雇用:12.0(21.3)週平均就業時間:8.3(16.5)フィラデルフィア連銀非製造業雇用:フルタイム8.1(11.9)、パートタイムー0.7(?3.9)週平均就業時間:-1.5(+3.4)6カ月予想雇用者数:+21.3(+13.1)週平均就業時間:+16.5(0.6)週次失業保険申請件数08/19/23|  230,000|  -10,000|  236,750|   n/a08/12/23|  240,000|  -10,000|  234,500|   1,702,00008/05/23|  250,000|   23,000|  231,500|   1,711,00007/29/23|  227,000|   6,000|  228,250|   1,684,00007/22/23|  221,000|   -7,000|  233,750|   1,692,00007/15/23|  228,000|   -9,000|  237,500|   1,679,00007/08/23|  237,000|  -12,000|  246,750|   1,749,00007/01/23|  249,000|   13,000|  253,500|   1,721,000コンファレンスボード消費者信頼感指数現在の業況雇用十分:40.3(7月43.7、前年同月47.6)不十分:45.6(45.0、40.8)困難:14.1(11.3、11.6)6カ月後雇用:増加:16.7(16.6、17.1)減少:18.0(15.6、19.6)不変:65.3(67.8、63.3)所得増加:16.5(17.8、16.6)減少:12.4(9.9、13.9)不変:71.1(72.3、69.5)■市場8月雇用統計予想・非農業部門雇用者数:予想:+17万人、6月:+18.7万人)・失業率:予想:3.5%、7月3.5%)・平均時給:前年比予想:+4.3%、6月:+4.4%) <CS> 2023/08/31 07:35 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(8月28日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:14JST 南アフリカランド円今週の予想(8月28日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週の南アランド円は、堅調に推移しそうだ』と述べています。続いて、『先週の南アランドは、BRICS首脳会議で、中国の習近平国家主席と南アフリカのラマポーザ大統領が好感された。二国間の貿易不均衡問題についての協議を実施した。中国は南アフリカから高品質の製品をより多く輸入するよう最善を尽くすという』と解説しています。そして、『中国と南アフリカによる温室効果ガスの排出削減技術・送配電・原子力発電に関する協定が調印された。これにより、南アフリカの国営電力会社エスコムは、中国企業と技術共有し、石炭火力発電所の温室効果ガス排出量を減らすと共に、中国企業からエスコムの送配電インフラの更新支援や、原子力発電分野における専門技術の共有を受けることになった』と伝えています。また、『インフレの低下も支援要因。南ア7月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.7%と予想+4.9%、前回+5.4%を大きく下回り、コアCPIも前年比+4.7%、予想+4.9%、前回+5.0%を下回った。こうした背景から、週後半に週間高値まで上昇した』と述べています。次に、『ファンダメンタルズ的には、中国の不動産バブル崩壊懸念による同国経済の先行き不透明感や、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め長期化観測が重石になっている』とし、ただ、『一連の悪材料は一通り織り込まれた感があり、ファンドはランドのショートカバーを継続させている。この流れは続きそうで、南アランドは堅調に推移しよう』と考察しています。こうしたことから、陳さんは、南アフリカランド円の今週のレンジについて、『7.6円~8.0円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の8月29日付「南アフリカランド円今週の予想(8月28日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/08/30 17:14 注目トピックス 経済総合 コラム【新潮流2.0】:この夏の事件(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆) *09:29JST コラム【新潮流2.0】:この夏の事件(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆) ◆世界の市場関係者が固唾を飲んで見守ったジャクソンホールでのパウエル議長講演は無難に終わった。それを受けた市場の波乱はなかった。古くはニクソン・ショック、イラクのクエート侵攻、ロシア危機とロングターム・キャピタル・マネジメントの破綻、パリバショック、S&Pによる米国債格下げなど過去を振り返れば相場の波乱要因となった大きな出来事が8月に起きてきた。それらに比べれば今年のフィッチ・レーティングの格下げなどは小さなイベントだった。◆2023年の8月は「ショック」と言えるほどの事件はなかった ‐ と、片づけるわけにはいかない。大きな事件があった。この夏の暑さだ。東京だけでなく全国的に猛暑日の日数は観測史上最多を記録。日本だけでなく世界中が熱波に襲われ、その影響で異常気象が各地で観測されている。マウイ島の山火事以外にもカナダなどでも山火事が発生しているほか、ハリケーン、豪雨、干ばつなどの被害が多くの地域で起きている。地球の平均気温はおよそ12万年ぶりの最高気温を記録したとの研究結果もある。グテーレス国連事務総長は「地球温暖化から地球沸騰化へ」と警告した。これはもはや「ショック」と言える「事件」だろう。◆もはや気候変動対策は待ったなしだと誰もが痛感した夏であったろう。しかし、投資の世界に限れば環境対策には逆風が吹いている。ESG投資に反対する声が高まってきた。その先鋒であるデサンティス・フロリダ州知事はブラックロックが運用していた州の資金20億ドルを引き揚げた。ESG投資の旗振り役だったブラックロックのラリー・フィンクCEOはESGという用語をもう使わないと述べた。「背に腹は代えられぬ」というわけではなかろうが、非常に込み入った状況になっているようだ。◆ESG投資を批判する政治家は「ウオーク・キャピタリズム=(社会正義に)覚醒した資本主義」だという。環境対策は重要だが、それは投資でなく政治の役割だという主張だ。2021年に著書「Woke, Inc(社会正義に目覚めた企業)」を出版し、反ESG派の論客として注目を集めるようになったのがビベック・ラマスワミ氏だ。米共和党は先週23日、来年の大統領選指名争いに向けた候補者による初の討論会を開いた。そこでデサンティス・フロリダ州知事らを抑え、もっとも存在感を示したのがラマスワミ氏だ。今後大統領選が佳境に向かう過程では、反ESGが大きくクローズアップされてくるだろう。万が一、米国の気候変動対策への取り組み姿勢に揺り戻しがあれば、地球の環境にとって一大事である。その観点からも米大統領選から目が離せなくなってきた。マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆(出所:8/28配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋) <CS> 2023/08/30 09:29 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米7月JOLT求人件数:2年ぶり低水準、労働市場のひっ迫緩和続く *07:44JST NYの視点:米7月JOLT求人件数:2年ぶり低水準、労働市場のひっ迫緩和続く 米労働省が発表した7月JOLT求人件数は882.7万件と予想950万件を大幅に下回り、21年3月以降ほぼ2年超ぶりの低水準となった。6月分も916.5万件と、958.2万件から大幅に下方修正された。平均的な推移を判断するために用いられる3カ月の減少数では150万件と、統計開始以降で2番目に大きい。連邦準備制度理事会(FRB)が労働者の雇用市場への自信をあらわすと注目している自主的退職者数は25.3万人減の354万人と、21年2月来で最低。自主的退職率は2.3%と、前月2.4%から低下。前年は2.6%だった。採用者数も16.7万人減の577万人と2021年1月来で最低。採用率は3.7%と、6月3.8%や前年の4.1%を下回っており、労働市場のひっ迫緩和基調が継続していることが証明された。パウエル議長も労働市場の需給の動向を判断する上で同指数を注視している。労働市場の減速が証明されつつあることはFRBの追加利上げの確率を弱める。また、JOLTの回答者が31%にまで低下していることで、統計の正確性が疑問視されており、実際は労働市場が一段と悪化していると警戒している市場参加者も少なくない。■7月労働市場ダッシュボード求人件数:5.3%(6月5.5%、2022年6.9%)雇用削減率:1.0%(1.0%、1.0%)自主的退職率:2.3%(2.4%、2.6%)採用率:3.7%(3.8%、4.1%)失業率:3.5%(3.6%)不完全雇用率(U6):6.7%(6.9%)非農業部門雇用者数:+18.7万人(+18.5万人)平均時給:前月比+0.4%、前年比+4.4%(+0.4%、+4.4%) <CS> 2023/08/30 07:44 注目トピックス 経済総合 NYの視点:パウエルFRB議長は今後の金融政策の軌道明確化せず、市場は年内あと1回の利上げ予想維持 *07:42JST NYの視点:パウエルFRB議長は今後の金融政策の軌道明確化せず、市場は年内あと1回の利上げ予想維持 連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、カンザスシティ連銀がワイオミング州、ジャクソンホールで開催したシンポジウムでインフレが改善も制御までには長い道のりで利上げの準備があると主張した。労働市場の強さが続いた場合、金融政策で対処する姿勢を示した。今後の金融政策に関しては明確なシグナルを示さなかった。議長が利上げの終了を示唆しなかったため、市場は年内のあと1回の利上げ予想を維持している。今週発表が予定されている8月雇用統計、4-6月期国内総生産(GDP)改定値、7月JOLT求人件数、また、FRBがインフレ指標として注視している7月PCEコア価格指数が、9月連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定において、重要となる。特に7月PCEコア価格指数は前年比+4.2%で6月から伸びが再び拡大する見込みで、インフレの制御には時間を要することをあらためて証明する可能性がある。8月ダラス連銀製造業活動では、材料費が再び上昇している兆候が見られたが企業は商品にコストの上昇をまだ反映させていないことが明らかになった。さらに、8月雇用統計では失業率が3.5%と依然50年超ぶりの低水準付近での推移で労働市場のひっ迫鎮静化の兆候は見られないと予想されており、年内の利上げ観測が強まる可能性がある。一方で、パウエル議長が注目している7月JOLT求人件数は急速に減少しつつあり、9月FOMCの利上げ見送りを正当化する可能性がある。 <CS> 2023/08/29 07:42 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は5.06%高でスタート、米金融政策の不透明感が後退(訂正) *10:49JST (中国)上海総合指数は5.06%高でスタート、米金融政策の不透明感が後退(訂正) 28日の上海総合指数は買い先行。前日比5.06%高の3219.04ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時39分現在、3.05%高の3157.67ptで推移している。米金融政策の不透明感が後退していることが支援材料。また、企業業績や金融緩和を含む景気対策への期待が高まっていることも好感されている。 <AN> 2023/08/28 10:49 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】米雇用統計、ISM製造業、コア価格指数、ユーロ圏CPI、中国PMI *07:44JST NYの視点:【今週の注目イベント】米雇用統計、ISM製造業、コア価格指数、ユーロ圏CPI、中国PMI 今週は、米国の8月雇用統計や7月コア価格指数、4-6月期GDP改定値、8月ISM製造業景況指数、欧州の消費者物価指数(CPI)、また、中国PMIが注目材料となる。PMIの結果などから欧州の景気の急速な鈍化が明らかになりつつあり、欧州中央銀行(ECB)当局者が成長見通しを懸念し、利上げ停止に向けた勢いが拡大していると報じられた。欧州のインフレ指標で鈍化基調が確認されると追加利上げ観測が一段と後退し、さらなるユーロ売りにつながる可能性がある。ECBはまた、前回会合の議事要旨を公表する予定で注目される。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はジャクソンホール会合でインフレ改善もまだ始まったばかりで、道のりは長く適切であれば追加利上げを実施する姿勢を再表明した。FRBは9月FOMCで利上げを見送るが、11月に0.25%の利上げを再開するとの見通しが一段と強まった。6月JOLT求人件数は2021年以来の低水準になるなど、一部では雇用ひっ迫緩和の兆候も見られる。一方で、週次新規失業保険申請件数は依然低水準を維持。8月雇用統計でも失業率が3.5%と50年ぶりの低水準付近で推移する見込みとなっている。非農業部門雇用者数は16.8万人増と、7月からは伸びの鈍化が予想されており、9月の政策金利据え置きを正当化する可能性がある。同時に、FRBがインフレ指標として注視している7月のコア価格指数は前年比で伸びが拡大すると予想されており、もし、予想通りにインフレ鈍化が進まないと、年内の追加利上げを正当化する。また、米中関係修復を目指し米国のレイモンド商務長官が訪中を予定している。■今週の主な注目イベント●米国28日:8月ダラス連銀製造業活動、バーFRB副議長が金融サービスに関し講演29日:6月FHFA住宅価格指数、6月S&P20都市価格指数、7月JOLT求人、8月消費者信頼感指数、バーFRB副議長が金融サービスに関し講演30日:8月ADP雇用統計、7月前渡商品貿易収支、4-6月期GDP改定値、7月中古住宅販売仮契約31日:8月週次新規失業保険申請件数、7月PCEコア価格指数、8月シカゴPMIボスティック・アトランタ連銀総裁講演、コリンズ米ボストン連銀総裁がイベントで講演9月1日:8月雇用統計、8月製造業PMI確定値、8月ISM製造業景況指数、ボスティック・アトランタ連銀総裁講演、メスター米クリーブランド連銀総裁●中国31日:製造業・非製造業PMI9月1日:中国財新製造業PMI●欧州30日:ユーロ圏経済信頼感、消費者信頼感、独CPI31日:ユーロ圏CPI、失業率、仏CPI、GDP、独失業率、ECB理事会議事要旨デギンドスECB副総裁講演9月1日:ユーロ圏、仏、独、製造業PMI●日本29日:失業率31日:鉱工業生産、小売売上高●英29日:英中銀、金融政策を巡り会見31日:英中銀、チーフエコノミスト、ピル氏講演 <CS> 2023/08/28 07:44 注目トピックス 経済総合 欧米の注目経済指標:8月米雇用統計で非農業部門雇用者数は7月実績を下回る見込み *14:07JST 欧米の注目経済指標:8月米雇用統計で非農業部門雇用者数は7月実績を下回る見込み 8月28日-9月1日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■8月30日(水)午後9時30分発表予定○(米) 4-6月期国内総生産(GDP)改定値-予想は前期比年率+2.4%参考となる速報値は+2.4%。個人消費は減速したが、設備投資の拡大が寄与した。財政支援などが押し上げ要因になったとみられる。改定値では一部項目が上方修正される可能性があるが、速報値と同水準となる見込み。■8月31日(木)午後6時発表予定○(欧)8月ユーロ消費者物価コア指数-予想は前年比+5.2%参考となる7月実績は前年比+5.5%。インフレ率は鈍化傾向にあるが、サービス価格の高止まりが続いている。8月については7月実績を下回る見込みだが、5%超のインフレ率となる可能性が高い。■8月31日(木)午後9時30分発表予定○(米)7月PCEコア価格指数-予想は前年比+4.2%参考となる6月実績は前年比+4.1%にとどまり、伸び率は2021年9月以来の低水準となった。2022年における物価高騰の影響で前年比の伸び率は鈍化。7月については複数の項目で上昇率が鈍っているが、住居費などの上昇でインフレ率は6月実績を上回る可能性がある。■9月1日(金)午後9時30分発表予定○(米)8月雇用統計-予想は非農業部門雇用者数は前月比+16.3万人、失業率は3.6%7月については、賃金は底堅い伸びを維持、失業率は低下したが、5・6月分の雇用者数の伸びは下方改定されていた。8月についてはレジャー・接客業の雇用者数の伸びは鈍化すると予想されており、非農業部門雇用者数は7月実績を下回る可能性がある。失業率は横ばいか、わずかに上昇する見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・8月29日(火):(日)7月失業率、(米)8月CB消費者信頼感指数・8月30日(水):(独)8月消費者物価指数、(米)8月ADP雇用統計・8月31日(木):(日)7月鉱工業生産速報、(欧)7月ユーロ圏失業率・9月1日(金):(米)8月ISM製造業景況指数 <FA> 2023/08/26 14:07 注目トピックス 経済総合 金は9000円に迫るか サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:54JST 金は9000円に迫るか サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金は9000円に迫るか』と述べています。続いて、『23日のNY金は、米S&Pグローバルが発表した8月米総合購買担当者景気指数(PMI)がさえない内容だったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ長期化への懸念が後退した。米長期金利が低下し、ドル指数も下落したため、NY金は押し上げられた』と伝えています。しかし、『24~26日に開催される「ジャクソンホール会議」を控え、様子見が強まり節目の1950ドルはブレイクできなかった』とし、『NY金は約1カ月半ぶりの安値1913.60ドルを付けた後、200日移動平均線近辺で反発したため、下値の堅さが意識されている』と解説しています。こうしたことから、陳さんは、金について、『ジャクソン・ホール会合でのパウエルFRB議長の発言次第で上にも下にも振れる可能性があるが、ドル建て金が下落する時は円安が進み、円高が進む時はドル建て金が上昇するため、JPX金は保ち合いながら底堅く推移しよう』と考察、『JPX金日足の一目均衡表は、「三役好転」が形成されている。RSIも50%を超えて上向いており、1日に付けた上場来最高値9010円を更新する可能性がある』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の8月24日付「金は9000円に迫るか」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/08/25 17:54 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FRBの年内の追加利上げ観測根強い *07:42JST NYの視点:FRBの年内の追加利上げ観測根強い ジャクソンホール会合での米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長講演を控え市場では追加利上げ観測が根強い。消費の鈍化傾向が見られるものの労働市場は依然力強く、今後も米経済の7割を占める消費を支えていく可能性がある。米労働省が発表した週次新規失業保険申請件数は前週比1万件減の23万件と、前回から予想外に減少し、7月末以来の低水準となった。失業保険継続受給者数は170.2万人と、前回171.6万人から予想以上に減少。労働市場の強さが再確認された。米商務省が使用しているものと類似したモデルを使用していることから注目されるアトランタ連銀の7-9月期国内総生産(GDP)成長見通しは5.91%と、前回5.76%からさらに引き上げられた。セントルイス連銀のブラード前総裁は米経済の再加速がFRBの利上げ終了を遅らせる可能性を指摘。さらに、ボストン連銀のコリンズ総裁はインフレ制御で2%目標達成には時間を要するとし、FRBは辛抱強く、断固とした姿勢が必要と主張した。金利を維持する水準に近づいた可能性があるとしながらも、追加利上げが必要となる可能性を指摘。同総裁は本年の投票権を持たない。一方、本年の投票権を持ち通常はタカ派として知られるフィラデルフィア連銀のハーカ―総裁は利上げに加え、バランスシート縮小で信用がひっ迫しており現状で十分に政策を行ったとの判断で、利上げ終了の可能性を示唆した。ただ、パウエル議長は25日に予定されているジャクソンホール会合での公演で、NY連銀のウィリアムズ総裁やフィラデルフィア連銀のハーカー総裁のように現状で引き締めは十分に行ったとの判断を下す可能性は少ないと見る。 <CS> 2023/08/25 07:42 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(8月21日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:00JST 南アフリカランド円今週の予想(8月21日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週の南アランド円は、保ち合いとなりそうだ』と述べています。続いて、『南アフリカ経済は、高インフレに加え低成長が続き、厳しい経済環境が続いている。6月消費者物価指数(速報値)は前年同月比5.4%上昇した。伸び率は5月の6.3%から鈍化し、2021年10月以来の低水準となった。食品や油脂価格の下落が寄与した』とし、『ただ、中期的なインフレ見通しに対する上振れリスクは残るとして、中銀は4.5%の物価目標に戻すことを目指す方針だ。深刻な電力不足やインフラ問題、高水準の公的債務、投資の低迷が成長の重しとなろう』と解説しています。また、『南ア6月小売売上高が市場予想を下回ったことや重要な貿易相手国である中国経済の先行き不透明感や米金利上昇に伴うドル高を受けて、南アランドの上値は重くなっている。ただ、南ア4-6月期失業率が32.6%と予想の32.8%から改善したこと、中国人民銀行が利下げを決定し、金融緩和で景気を下支えする姿勢を明確化したこと、南ア7月景況感指数が改善したこともあって、下値追いには至っていない』と伝えています。陳さんは、『今週は南ア7月消費者物価指数(CPI)が発表される。市場予想を上回る場合は利上げの可能性から南アランド買いで反応し、市場予想を下回る場合は、利上げ観測後退から売りで反応しよう』と考察しています。こうしたことから、陳さんは、南アフリカランド円の今週のレンジについて、『7.5円~7.8円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の8月22日付「南アフリカランド円今週の予想(8月21日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/08/24 17:00 注目トピックス 経済総合 トルコリラ円今週の予想(8月21日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *16:59JST トルコリラ円今週の予想(8月21日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『今週のトルコリラ円は、戻り売りが続きそうだ』と述べています。続けて、『先週のトルコリラ円は、円安が146円台まで進んだこと、トルコ株が堅調に推移したこと、トルコ6月財政収支が485.7億リラの黒字となって前回の2196億リラ赤字から黒字転換したこと、トルコのシムシェク財務相による「2023年のトルコ経済は4.5%前後の成長を予測している」との前向きな発言が支援材料となって上昇した』と伝え、『しかし、週後半にはドル円の急落や中国不動産大手の中国恒大集団がニューヨークで連邦破産法15条の適用を申請したことも嫌気されて下落に転じた。トルコ経済は、7月製造業PMIが7ヵ月ぶりに好不況の分岐点となる50を下回ったことやインフレ率の再上昇懸念から不透明感が強く、トルコリラの戻りも鈍くなろう』と述べています。陳さんは、『今週は24日にトルコ中銀会合があり、政策金利の0.25%引き上げ(17.5%→20.0%)が見込まれている。ただ、トルコの7月消費者物価指数(CPI)が前年比+47.83%と予想+47.00%、前回+38.21%を大幅に上回ったことや、コアCPIも前年比+56.09%と予想+54.50%、前回+47.33%を大幅に上回ったことを考えると、この程度の利上げでは市場の失望感を強めるだけだろう。一時的に反発しても戻り売りが強まると予想する』と考察しています。なお、23日にはトルコ8月消費者信頼感指数や、25日にはトルコ8月製造業信頼感指数、設備稼働率なども発表されます。こうしたことから、トルコリラ円の今週のレンジについては、『5.10円~5.50円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の8月22日付「トルコリラ円今週の予想(8月21日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/08/24 16:59 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.24%高でスタート、米長期金利の低下などを好感 *10:44JST (中国)上海総合指数は0.24%高でスタート、米長期金利の低下などを好感 24日の上海総合指数は買い先行。前日比0.24%安の3085.91ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時37分現在、0.22%高の3085.26ptで推移している。米長期金利の低下が好感されている。また、前日の欧米市場の上昇も買い安心感を与えている。一方、指数の上値は重い。国内の景気低迷、不動産デベロッパーや地方政府の債務問題など払拭されていないことが引き続き足かせとなっている。 <AN> 2023/08/24 10:44 注目トピックス 経済総合 メキシコペソ円今週の予想(8月21日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *10:08JST メキシコペソ円今週の予想(8月21日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『メキシコペソ円は、堅調に推移しよう』と述べています。続けて、『メキシコ中央銀行は10日に開いた政策決定会合で、政策金利を11.25%に据え置くと決定した。据え置きは3会合連続で、予想通り。決定は全会一致だった。中銀はインフレ見通しはなお「極めて複雑」とし、当面は金利が現行水準に据え置かれる可能性を示唆した』と伝えています。また、『メキシコの7月消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.79%上昇。伸びは6カ月連続で鈍化した。ただ、メキシコ中銀が設定するインフレ目標(3%の上下1%)はなお上回っており、中南米の一部の中欧銀行が利下げに転じる中でも、メキシコ中銀は慎重姿勢を崩していない』と解説、『少なくとも今年終盤まで利下げはないと見られている。なお、中南米ではブラジル、チリ、コスタリカ、ウルグアイの中央銀行が利下げに転じている』と言及しています。次に、『米国のモノの輸入に占める割合で2023年1~6月にメキシコが中国を抜き、首位に立った。中国の首位陥落は15年ぶり。メキシコは比較可能な2001年以降で初めてトップになった』と伝え、『米国は友好国とサプライチェーン(供給網)を構築する「フレンドショアリング」を進めている。米中対立を背景にモノの流れが変わり始めた。6月の米貿易統計によると、1~6月のメキシコからの輸入額は過去最高の約2360億ドル(約34兆円)で前年同期比5%超増えた。メキシコの伸びに大きく寄与したのは自動車を含めた輸送関連全般だ。1~5月の輸入額は510億ドルで前年比17%増加した』と解説しています。こうしたことから、メキシコペソ円の今週のレンジについては、『8.40円~8.70円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の8月22日付「メキシコペソ円今週の予想(8月21日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/08/24 10:08 注目トピックス 経済総合 金は決め手に欠ける、レンジ相場が続こう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *10:06JST 金は決め手に欠ける、レンジ相場が続こう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金は決め手に欠ける、レンジ相場が続こう』と述べています。続いて、『最近の堅調な米経済指標を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ打ち止め期待が後退している。7月米小売売上高は、前月比0.7%増と市場予想を上回った。FRBの利上げがなお続く可能性が意識された』と伝えています。また、『米長期金利の指標10年債利回りは4.2%と一時約10カ月ぶりの高水準に上昇し、金利を生まない金相場を圧迫した。米金利の上昇もあって、金投資への意欲は低下し、金ETF保有高は節目の900トンを下回った』と言及しています。さらに、『主要消費国である中国の需要後退懸念もあって、NY金は上値の重い展開が続き、下値の節目1900ドルが視野に入りつつある』とし、『ただ、逆に見ると、この長期金利の高さにもかかわらず、1900ドルを割り込んでいない点は注目される』と述べています。こうしたことから、陳さんは、NY金について、『為替市場では円安が進んでおり、JPX金は底堅く推移しているが、NY金の上値の重さを受けて伸び悩んでいることから、レンジ相が続きそうだ。』を想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の8月16日付「金は決め手に欠ける、レンジ相場が続こう」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/08/24 10:06 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米国のPMI悪化も他国に比べ良好、ドル底堅く推移か *07:41JST NYの視点:米国のPMI悪化も他国に比べ良好、ドル底堅く推移か 英国の8月サービス業PMIは予想外に50割れと1月来の活動縮小域に落ち込んだ。過去最低を記録した21年1月来で最低となった。PMI総合も予想外の50割れで21年1月来で最低。ユーロ圏8月の総合PMIも予想外に昨年12月来で初めて50を割り込んだ。21年2月以降ほぼ2年半ぶりの低水準に落ち込んだ。ドイツの総合PMIも少なくとも2020年8月来で最低を記録した。低調な結果を受けて、欧州中央銀行(ECB)の9月追加利上げ確率はPMI発表前の6割から4割に低下。米国も例外ではなく8月PMI速報値は予想以上に悪化した。サービス業PMIは51.0と、7月52.3から予想以上に低下し、2月来で最低。PMI総合も50.4と、2月来で最低となった。高い物価や高金利で需要が一段と低迷したと、統計を発表したS&Pグローバルマーケットのチーフエコノミストは指摘した。賃金や材料費の伸びは一段と拡大したが、商品価格の伸びは若干緩和。企業はコストを商品価格に完全に反映させていない。需要の低迷、受注も減り米企業は人員削減、または、新規採用を制御すると見られる。ただ、他国に比べて、唯一米国の総合PMIは活動の拡大域をかろうじて維持しているため、ドル買い材料になると見られる。■8月製造業PMI速報値米:47.0(予想:49.0、7月:49.0)仏:46.4(予想45.0、7月45.1)独:39.1(予想38.8、7月38.8)ユーロ圏:43.7(予想42.7、7月42.7)英:42.5(予想:45.0、7月:45.3)■8月サービス業PMI速報値:米:51.0 (予想:52.0、7月:52.3)仏:46.7(予想47.5、7月47.1)独:47.3(予想51.5、7月52.3)ユーロ圏:48.3(予想50.5、7月50.9)英:48.7(予想:51.0、7月:51.5)■8月総合PMI速報値:米:50.4(予想:51.5、7月:52.0)仏:46.6(予想47.1、7月46.6)独:44.7(予想48.3、7月48.5)ユーロ圏:47.0(予想48.5、7月48.6)英:47.9(予想:50.4、7月:50.8) <CS> 2023/08/24 07:41 注目トピックス 経済総合 ウォール街を知るハッチの独り言 ジャクソンホール(マネックス証券 岡元 兵八郎) *09:25JST ウォール街を知るハッチの独り言 ジャクソンホール(マネックス証券 岡元 兵八郎) さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、8月21日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のコラム「ジャクソンホール」の内容をご紹介いたします。金融の世界では8月の後半になるとジャクソンホールという単語がよく聞かれるようになります。ジャクソンホールとは、どこかのホール(会場)ではなく、アメリカのワイオミング州に位置するリゾート地がある渓谷の名前なのです。グランド・ティトン国立公園の隣で、近くにはイエローストーン国立公園もあり、自然の美しさ、野生動物、スキーやスノーボード、ハイキング、登山、釣りなどのアウトドア活動を楽しめることで知られています。ジャクソンホールにあるジャクソンホール空港は、ジャクソンホールの街の中心地から10マイル。この街の人口はおよそ1万人です。冬と夏のピークシーズンには、 ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、など、米国の13の空港からジャクソンホールの直行便がありますが、繁忙期以外の航空会社の便はダラス、デンバーなどハブからのフライトに限定されています。そんなジャクソンホールですが、8月に行われる「ジャクソンホール経済シンポジウム」の開催地として知られ、このシンポジウムはジャクソンレイクロッジというホテルで開催されています。このイベントで行われるアメリカの中央銀行トップのスピーチは、投資家のセンチメントや金利や株価の方向性にも影響を与えることが多く、夏の時期に世界中の金融関係者に最も注目されるイベントとなっています。この年次イベントの歴史は古く、この地域を管轄しているカンザスシティ連邦準備銀行により1980年代から開催されています。過去のジャクソンホールでのスピーチで、マーケットに影響を与えた例としては、2010年に当時FRBのトップであった、ベン・バーナンキ議長が第二次量的緩和策 (QE2) の実施を示唆しました。これは2008年の金融危機後の重要な時点であり、マーケットは追加の金融刺激策を期待、その後米国株と債券が大きく上昇しました。2022年のスピーチでは、パウエル議長は積極的な金利引き上げを継続することを示唆し、現時点での『ある程度の』経済的な痛みは後にもっと大きな痛みを避けるために必要であると述べました。この時点でFRBは既に直近2回のFOMCにおいて、それぞれ75ベーシス・ポイント(0.75%)の利上げを行っていました。このジャクソンホールでの発言後、FRBは年末までに9月と11月それぞれ2回75ベーシス・ポイントの追加利上げを行なったのです。パウエル議長の発言を受け、その後米国株は10月まで大きく下落しました。今年のパウエル議長のスピーチは、日本時間8月25日23時5分から予定されています。米国政策金利の行方が、世界中の金融関係者だけでなく、私たち個人投資家の資産の動向にも影響与えるジャクソンホールでのスピーチ、どのような内容となるのか、大変興味深いところです。マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎(出所:8/21配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋) <CS> 2023/08/23 09:25 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米7月中古住宅販売件数は2010年来の低水準付近、在庫不足が原因 *07:38JST NYの視点:米7月中古住宅販売件数は2010年来の低水準付近、在庫不足が原因 全米不動産協会(NAR)が発表した7月中古住宅販売件数は前月比‐2.2%の407万戸と、6月416万戸から予想以上に減少した。2カ月連続減少で、2010年来の低水準となった1月来で最低となった。調整前の前年同月比では18%超安。住宅ローン金利の上昇や雇用市場のひっ迫も緩和傾向にあるため需要が落ち着いたことと、在庫不足が影響した。在庫は7月末時点で111万戸。1999年以降の7月としては最小。販売までにかかる期間は3.3カ月。5カ月以下は市場がタイトと判断される。中間販売価格は前年比1.9%増の40.67万ドル。全物件の7割は1カ月以内に売却された。住宅市場の健全性を見極める上で重要な一戸建て住宅の販売は減少。また、初めての住宅購入者の割合も30%と、6月の27%から上昇。一方で、投資家の占める割合は16%と、18%から低下も昨年の14%からは上昇した。NARのチーフエコノミスト、Yun氏の見解では2カ月連続で減少も在庫不足が響いており住宅市場が底入れしたと、楽観的な見方。米国の住宅は慢性的な在庫不足で、住宅建設を拡大する必要があると主張した。住宅市場の底入れは成長をさらに支援、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを正当化する。 <CS> 2023/08/23 07:38 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米、物価状況改善も年内の利上げ観測根強い *07:45JST NYの視点:米、物価状況改善も年内の利上げ観測根強い 市場は24日から26日にかけてワイオミング州、ジャクソンホールで開催される年次経済シンポジウムに注目している。この会合は度々、連邦準備制度理事会(FRB)議長が政策変更などを巡りヒントを与える場として利用するため、特にパウエル議長発言に注目が集まる。果たして利上げが近いことに言及するかどうかが焦点となる。中銀の政策金利がピークに近づきつつあるものの、インフレは依然FRBの目標である2%には程遠く、年内の利上げ観測は根強い。FRBが注目しているインフレ指標は鈍化基調が証明されつつある。CPI(前年比)は昨年の8.3%から今年は3.2%と伸びはかなり鈍化。ただ、FRBが注視しているコアCPIは6.3%から4.7%へ伸び鈍化もまだ目標2%には程遠く、長期にわたり高金利の維持が必要となる可能性が強い。労働市場にもひっ迫が緩和する兆候が見られるものの依然強い。昨年のジャクソンホール開催時の8月失業率は3.7%で、今年の失業率は3.5%で一段と低下し、50年ぶりの低水準を維持。経済も想定以上に強い。アトランタ連銀の現在の7-9月期国内総生産(GDP)予想は+5.8%で、成長減速の兆しもいまだ、見られない。金融市場はほぼ9割の確率で9月FOMCでは利上げが見送られると見ている。ただ、11月には0.25%の利上げを再開することを3割近く織り込んだ。■インフレと経済の状況22年8月    23年8月CPI(前年比):8.3% 3.2%コアCPI:6.3%  4.7%GDP:3.2% 2.4%失業率:3.7% 3.5% <CS> 2023/08/22 07:45 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.19%安でスタート、人民銀が指標金利「LPR」を据え置く *10:54JST (中国)上海総合指数は0.19%安でスタート、人民銀が指標金利「LPR」を据え置く 21日の上海総合指数は売り先行。前日比0.19%安の3125.99ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時46分現在、0.48%安の3117.06ptで推移している。中国人民銀行(中央銀行)が最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を市場予想に反して据え置くと発表したことが嫌気されている。市場では、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが4.20→4.05%、銀行貸出の指標となる1年物LPRが3.55→3.40%に引き下げられると予想されている。また、不動産デベロッパーや地方政府の債務問題、消費低迷など内部環境の不透明感も引き続き圧迫材料となっている。 <AN> 2023/08/21 10:54 注目トピックス 経済総合 戦略的提携とグローバル・パートナーシップが拓く 台湾CPTPP加盟への道 PartIV(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:39JST 戦略的提携とグローバル・パートナーシップが拓く 台湾CPTPP加盟への道 PartIV(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「戦略的提携とグローバル・パートナーシップが拓く、 台湾CPTPP加盟への道 PartIV(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。8.結論包括的経済統合を目指す台湾の壮大な旅を描いたタペストリーにおいて、戦略的提携関係とイニシアチブは決定的な役割を担っている。この果てしない旅によって、駆け引き、経済分野における優れた能力、先見性のあるリーダーシップという糸は、CPTPP加盟への道を進むための真摯な取り組みという一つの絵柄へと織りあげられる。台湾はシンガポール、ニュージーランド、日本、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ベトナム、マレーシアなどの国々と切れることのない絆を結び、価値観ならびに繁栄の共有を土台にした提携関係を構築している。このようなパートナーシップの中で、ダイナミックなバランス感覚と適応力を足掛かりに、様々な難題やチャンスに巧みに対処する台湾の手腕が光っている。台湾の戦略の中心にあるのは、グローバルな動態が奏でるリズムの変化に調子を合わせることのできる、ダイナミックな流動性である。様々に形を変えながら変化する世界において、台湾はそうした変化を、経済的アプローチを洗練させるチャンスとして受け入れている。こうした順応性は、経済統合を学習、成長、そして絶え間ない革新が続く長い航海と捉えている国家のまさに真骨頂である。『鏡の国のアリス』(原題:Through the Looking-Glass, and What Alice Found There)に登場する「赤の女王」による喩えは、経済という世界の旅路を行く台湾の様子を的確にとらえている。同じ場所にとどまるため、アリスが2倍の速さで走らなくてはならなかったように、戦略的提携に向けた台湾の取り組みは、競合他国を出し抜き、激しい競争が繰り広げられる国際貿易の世界で地位を確保せざるを得ない台湾の事情を反映している。この物語に触発されているかのように、経済統合を追求する台湾の姿はまさに、赤の女王の忠告そのままだ。各国が先を争うなかで、台湾は参加するだけでなく、他を大きく突き放している。この物語は、経済統合への道には、絶え間ない前進と環境の変化への迅速な適応が求められることを強調しているのだ。CPTPP加盟に向けた道のりは複雑な地形景観のなかを進むものであるが、台湾が採用する戦略的提携は、包括性、繁栄の共有、そして賢明な経済慣行を約束するものとして、行く道を照らしている。こうした変幻自在のアプローチは、駆け引き、イノベーション、持続性を調和させたものこそが戦略的パートナーシップである、という理解を反映したものとなっている。調和化をめぐる展望:主権と経済成長の両立戦略的提携が盛り上がりを見せるなか、複雑に絡み合う状況であるとか国家主権に対する影響について、懸念を表明する者が現れる可能性はある。だが、台湾はバランスの取れたほどよい対応を維持しており、制約を課すものとしてではなく、経済成長の手段として同盟を利用しつつ、巧みなダンスを披露している。こうした同盟は台湾に譲歩を強いるものではなく、強化のための手段であり、本質的なものは守りつつも、複雑さを呈する世界状況における舵取りを可能にしている。台湾による先見の明あるアプローチは、世界との調和を実現するだけでなく、台湾がさらなる高みへと上るためのものだ。戦略的提携関係がもたらす相互作用を見れば、台湾が自らの自主性を損なうことなく経済統合の舵を切る能力を持つことが容易に見て取れる。台湾はこうした同盟関係を通じて、国益を最優先させつつも経済的展望を確立し、地位向上のための道を切り開いている。台湾の主権を守りながらも、世界における地位向上を目指して慎重に統合を進めるこのバランス感覚は、まさに芸術的である。世界情勢が奏でる交響曲において、台湾は名指揮者として登場し、戦略的パートナーシップによるハーモニーを巧みに指揮し、経済発展と自律を主題にした大曲を作り上げている。このように、台湾の戦略的提携が描きだす壮大な図柄は、国家間の複雑な相互作用だけでなく、今後何世代も続く地域経済統合の輪郭を改めて描き直して、回復力、先見性、そして統治者の洞察力が織りなすタペストリーを浮かび上がらせてくれる。写真: AP Photo/Esteban Felix(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2023/08/21 10:39 注目トピックス 経済総合 戦略的提携とグローバル・パートナーシップが拓く 台湾CPTPP加盟への道 PartIV(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:36JST 戦略的提携とグローバル・パートナーシップが拓く 台湾CPTPP加盟への道 PartIV(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。7.二国間貿易協定の強化:主要パートナーが果たす役割地域経済統合の強化とCPTPP加盟を絶え間なく追求するなか、台湾はグローバルな提携関係それぞれにおいて、機会と障害が複雑に絡み合っていることを認識している。シンガポール、ニュージーランド、日本、オーストラリア、カナダ、メキシコ、ベトナム、マレーシアといったパートナー諸国との間に慎重に築かれた提携関係は、経済的関与に対する台湾の戦略的アプローチの象徴である、挑戦と勝利という深遠な二面性を体現するものとなっている。A.シンガポールとのイノベーションおよび技術協力:巧みなバランス感覚台湾とシンガポールの提携関係からは、イノベーションと技術力が織りなすシンフォニーの響きが聴こえてくるようだ。このパートナーシップは、知識交換と共同研究の調和のとれた共鳴を約束するものであるが、困難とまったく無縁というわけでもない。台湾の技術主導型産業とシンガポールのイノベーションエコシステムが連携を行うとき、アイデアを市場性のある製品へと変換する道のりには相応の複雑さが待ち構えている。研究に関するシンガポールの専門知識を活用し、知的財産権保護をめぐる様々な可能性にも対処しながら、相互の技術進歩のための肥沃な土壌を育成する方向でバランスを取ることを通じて、台湾は多面的な課題を巧みに乗り切る力量を存分に知らしめている。例:台湾はシンガポールの科学技術研究庁(A*STAR)と、バイオテクノロジーや精密工学などの分野で共同研究開発に取り組んでいる。このパートナーシップにより画期的な医療機器や革新的な製造プロセスが開発され、台湾の製造能力とシンガポールの研究ノウハウの融合が生み出すパワーが証明された。B.ニュージーランドとの持続可能な開発パートナーシップ:環境問題への対応ニュージーランドとの戦略的提携関係は、持続可能な成長と環境への配慮という両者共通の願望を具現化するものだ。このパートナーシップにおいては、再生可能エネルギー、環境に優しい貿易慣行、責任ある資源管理における相乗効果を活用するための態勢が整っている。しかし、経済成長と環境保護の両立には困難が伴うだろう。公平な経済的利益を確保しながら持続可能な形で資源を利用することなどは、台湾の巧みなバランス感覚を示す一例である。経済拡大と生態系保護の両立ができるものかと疑問視する潜在的な批判に対処することで、責任ある成長を目指す台湾の真摯な姿勢は、現実的な駆け引きの導き手となる不朽の道標として輝きを放っている。例:酪農産業における台湾とニュージーランドのパートナーシップにおいては、持続可能な農法と環境に優しい生産方法が推進されてきた。ここでの協力関係は、台湾の酪農輸出を押し上げるだけでなく、責任ある資源管理の奨励を通じて、環境保護に真っ向から取り組むニュージーランドの姿勢を支援するものともなっている。C.メキシコ、チリ、ペルーとの地域経済の架け橋:文化的ダイナミクスへの適応メキシコ、チリ、ペルーを戦略的パートナーに迎え入れているという事実は、台湾が多様な文化的・経済的状況に適応する繊細な技を備えていることを物語っている。相互繁栄と市場アクセスを追求するには、各国の商習慣、法的枠組み、社会的価値観を仔細に理解する必要がある。規制基準との調和化、労働者の権利の確保、国によって異なる貿易特恵への対応などは、難易度が高いかもしれない。各国のアイデンティティを尊重しつつ共通の基盤を模索しようとする台湾のアプローチにおいては、文化的なニュアンスのレベルを超越した貿易関係を育むにあたって如才ない手際のよさが光っている。例:台湾によるメキシコの自動車分野への投資によって設立された製造施設は、雇用創出と地域経済の活性化につながっている。ここでの提携が技術的専門知識の交換を促し、自動車製造業界におけるハブとしてのメキシコの台頭と、北米市場における台湾の存在感の増大に貢献している。D.ベトナム、マレーシアとの貿易・投資の架け橋を育む:難関を切り抜ける力実際にベトナムとマレーシアは、半導体ならびにテクノロジー分野の発展に強い関心を示しており、TSMC社の成功モデルを手本にしている。CPTPP加盟国である両国は、強固なハイテク産業の育成が経済効果と雇用機会をもたらすという潜在的な可能性に気付いている。外国投資を誘致して経済成長を促すため、両国は技術力を強化し、これら分野で事業を展開する企業にとって有利な条件を整えるべく、多大な努力を払ってきた。両国のアプローチはTSMC社のモデルとは異なるかもしれないが、技術産業を強化し、世界市場を勝ち抜く力を持ったプレイヤーになる、という全体的な目標はいずれも同じである。ベトナムやマレーシアとの経済関係というデリケートな領域を渡り歩くには、駆け引きと絶妙なバランス感覚が必要だ。貿易ならびに投資の拡大を目指す両国に対し、台湾の側では各国特有の経済的優先順位と懸念事項を考慮することが不可欠となる。公正な競争、国内産業の保護、両当事者にとって公平な利益の確保といった問題に対処することは、持続可能で互恵的なパートナーシップを構築する上で極めて重要である。各国の状況に合わせた経済協力に向けて台湾が積極的に取り組んでいる事実は、貿易相手国の利益を尊重しつつ、成長と繁栄を促進しようという姿勢の証である。協調して課題に取り組み、機会を受け入れることによって、両国との提携関係はCPTPPの枠組みにおける調和のとれた経済統合に寄与するものとなる。結果として、すべての関係国が、共通の目標と相互協力によって生み出される相乗効果から利益を得るようになる。E.潜在的批判者への対応:繊細なバランス感覚戦略的提携のタペストリーを織り進めている台湾であるが、こうした多面的なアプローチの有効性を疑問視する潜在的な批判者にも巧みに対処している。例えば、シンガポールと台湾が包括的貿易協定を締結した際には、競争激化による雇用減少を懸念する声が批評家から上がっていた。だが、台湾が採用した先見の明のあるアプローチには、労働者のスキルアップや起業家精神育成のためのイニシアチブが含まれており、雇用の喪失を軽減するだけでなく、技術革新と新規事業による活気ある生態系をも作り出して見せた。チャンスと障壁のバランスを取って見せることで、台湾は経済的関与がもたらす報酬と複雑さの両方を丸ごと受け入れるという、現実的な姿勢を伝えている。個々の提携関係は、刻々と変化する世界経済の情勢に対して台湾が意図的に対応したことの現れであり、持続可能な成長、責任ある慣行、巧みなバランス感覚が織りなす台湾の断固とした姿勢を示すものである。例えば、貿易の拡大によって環境が被るおそれのある影響への懸念にあらかじめ備えるべく、台湾とニュージーランドは協力して持続可能な貿易認証プログラムの創設にあたっている。この取り組みによって、両国間で取引される製品が厳格な環境基準を遵守していることが保証され、環境影響に関する懸念が解消された。そうして責任ある貿易慣行の、よき先例となった。結局のところ、これまで紹介してきたような戦略的提携関係に後押しされた台湾の地域経済統合への道のりは、困難かチャンスか、という二者択一のレベルをゆうに超越している。踏み出す一歩一歩が、台湾の如才ない手際のよさと現実的な駆け引きの証しであり、まるで巧みな舞踏を見ているかのようだ。各パートナーシップにおいて生じる複雑な状況は、煩わしい障害というよりも、むしろ台湾の経済関係に豊かな彩りを加え、回復力、適応力、繁栄の共有という物語を紡ぎ出す、幾筋もの糸と形容するのが相応しいものだ。「戦略的提携とグローバル・パートナーシップが拓く、 台湾CPTPP加盟への道 PartIV(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: AP Photo/Esteban Felix(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2023/08/21 10:36 注目トピックス 経済総合 戦略的提携とグローバル・パートナーシップが拓く、 台湾CPTPP加盟への道 PartIII【中国問題グローバル研究所】 *10:14JST 戦略的提携とグローバル・パートナーシップが拓く、 台湾CPTPP加盟への道 PartIII【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。6.戦略的提携とCPTPP加盟地域経済統合をめぐるダイナミックな展開において、台湾による主要国との戦略的提携が、経済成長と協力関係を促進する上で重要であることが証明されている。市場アクセスの強化にとどまらず、グローバルな舞台において信頼に足りる、責任ある貿易相手国としての役割を台湾が担っていることを示すためにも、こうした提携関係は極めて重要である。ここからは、台湾の経済発展に大きなチャンスをもたらした、日本、オーストラリア、メキシコ、チリ、ペルーとの協力関係について検証しよう。A.日本との技術協力、イノベーション、持続可能な発展の推進日本との戦略的提携は、両国における技術協力の促進とイノベーションの推進に役立っている。こうした協力関係の代表的な例として挙げられるのが、日本国内におけるTSMC社の事業拡大である。半導体製造分野の世界的リーダーであるTSMC社は、日本企業と戦略的に提携して、最先端技術の開発や半導体研究の推進に取り組んでいる。この提携を通じて、台湾側は先端技術や研究能力における日本の専門知識を活用し、日本側はTSMC社が擁する最先端の製造プロセスや製造能力の恩恵を受けている。さらに、この提携関係は知識交換、共同研究開発イニシアチブ、人材流動化を促進し、相互の技術的進歩にも貢献している。ここでの戦略的パートナーシップによって、世界市場におけるハイテク大国としての台湾の地位は向上し、半導体産業における重要なプレイヤーとしての日本の地位も確固たるものとなった。この協力関係によって、両国が技術的影響力を拡大し、将来のイノベーション発展に役立つプラットフォームも誕生している。さらに、台湾と日本の戦略的提携関係は技術協力にとどまらず、持続可能な貿易や環境への取り組みにも及んでいる。環境保護とクリーンエネルギーソリューションに取り組む日本の姿勢は、持続可能性と責任あるビジネス慣行を重視する台湾の姿勢と共鳴するものだ。両国とも、気候変動への対応と、より持続可能な未来を実現するためのグリーンソリューション推進が急務であることを認識している。再生可能エネルギープロジェクトの実施や省エネ促進における日本の経験は、低炭素経済への移行を目指す台湾の努力とも合致する。二国間協定や共同イニシアチブを通じて、台湾と日本は再生可能エネルギー技術、廃棄物管理システム、環境に優しい製品などの分野で貿易関係を強化してきた。グリーンイノベーション分野における共同研究開発プロジェクトは、環境に優しいソリューションに対する世界的な需要の高まりに応える、革新的な製品の創出につながった。さらに両国は、気候変動対策を提唱して持続可能な開発を促進する国際フォーラムにも積極的に参加している。環境保護に共同で取り組むことにより、経済成長が促進されるだけでなく、気候変動を緩和し、より緑豊かで持続可能な地球を実現するための世界的な取り組みへの貢献にもつながっている。台湾と日本のパートナーシップは、差し迫った環境問題に対処し、より持続可能で豊かな未来への道を切り開くために各国がいかに協力できるかを示す、希望と進歩の道標となっている。B.オーストラリアとの、持続可能な貿易イニシアチブならびにクリーンエネルギーソリューションの推進オーストラリアが掲げるクリーンエネルギー構想の重要な柱のひとつが、化石燃料からの脱却と再生可能エネルギーの導入である。同国は太陽光、風力、水力エネルギーの利用において大きく前進し、温室効果ガス排出量の削減と、より持続可能なエネルギー環境の実現を果たしている。オーストラリアのクリーンエネルギーソリューションは、よりグリーンな環境の実現に貢献しているほか、多くの経済的機会をもたらしている。同国はクリーンエネルギー技術の研究開発への投資を積極的に行い、再生可能エネルギー分野における革新的産業の成長と雇用創出につなげている。さらに、責任あるエネルギー消費と省エネ対策を重視するオーストラリアの姿勢は、他の国々が模範とすべき手本ともなっている。様々な政策やイニシアチブを通じて、オーストラリアは企業や個人に対して持続可能な慣行の導入を奨励しており、二酸化炭素排出量の削減や、よりクリーンな地球の実現に貢献している。台湾とオーストラリアによる戦略的提携は、持続可能な貿易イニシアチブとクリーンエネルギーソリューションの推進に重点を置くものだ。両国は環境保護ならびにグリーンな慣行に対する責任意識を共有しており、持続可能な経済成長を目指す台湾の取り組みにとって、オーストラリアは理想的なパートナーである。両国の提携関係は、環境に優しい貿易慣行、再生可能エネルギープロジェクト、環境保護を最優先した責任あるビジネス慣行に重点を置いたものとなっている。オーストラリアの豊富な天然資源とクリーンエネルギー技術に関する専門知識を活用することで、台湾はイノベーションを推進し、環境に優しい製品やソリューションの開発を促進することができる。この提携関係を通じて台湾は、グリーン製造と責任ある貿易への真摯な取り組みの屋台骨となる、クリーンエネルギーと持続可能な資源の信頼できる供給源を得ている。同時に、オーストラリアの側も、台湾からの投資と技術移転による恩恵を受け、自国の経済成長と技術進歩に貢献している。ここでの戦略的パートナーシップは、地域経済統合に向けた台湾の取り組みを強化し、持続可能な貿易イニシアチブの責任ある積極的な加盟国としての評判を高めることにつながっている。C.メキシコ、チリ、ペルーとの貿易・投資提携:北米と中南米をつなぐ重要な架け橋を強化台湾とメキシコ、チリ、ペルーとの戦略的提携関係は、北米と中南米の経済を結びつけて関係国間の貿易・投資機会の拡大を促す、極めて重要な架け橋として注目を集めている。メキシコは米国にとって主要な輸出国であり、提携関係を結ぶことによって、同国が擁する安定した貿易ルートを通じて台湾から北米市場にアクセスする、という大きな可能性を秘めている。その多様な経済環境と戦略的立地からしても、市場拡大を目指す台湾企業にとってメキシコは魅力的なパートナーである。これに対してチリとペルーは、台湾がラテンアメリカ市場に参入するための貴重な機会を提供している。いずれも輸出志向の経済が盛んで天然資源に恵まれていることもあって、これら地域への投資を目指す台湾企業にとって有利な展望が開けている。台湾では、オーストラリアと共に掲げるクリーンエネルギーソリューションのコンセプトを重視しているが、その点では、持続可能な開発と再生可能エネルギープロジェクトを重視するチリとも足並みが揃いやすい。クリーンエネルギー分野でチリと協力することにより、両国に利益をもたらす技術交流や研究イニシアチブへの道を開き、気候変動に対抗する世界的な取り組みにも貢献できるだろう。これに加えて、ペルーの豊富な天然資源と戦略的立地が、台湾が南米における貿易と投資のプレゼンスを高める機会を提供してくれる。ペルーとの提携関係においては、鉱業、農業、製造業といった分野での協力が相互の成長促進につながるだろう。メキシコ、チリ、ペルーと貿易上、投資上の強力な提携関係を結ぶことにより、台湾はアメリカ大陸全域へと経済圏を拡大し、北中南米経済の架け橋として極めて重要な役割を果たすことができるだろう。各国の強みを活かし、持続可能な発展への真摯な姿勢を共有するこの戦略的提携関係は、すべての関係国に相互繁栄と経済成長への有望な道筋を提供するものとなる。台湾が北中南米地域の経済統合に積極的に参加する状況において、この提携関係は、グローバルな舞台において台湾が責任ある包括的な貿易慣行に努めていることの証となる。Part IVに続く写真: AP Photo/Esteban Felix(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2023/08/21 10:14 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】欧米PMI、ジャクソンホール会合、パウエルFRB議長、ラガルドECB総裁講演 *07:49JST NYの視点:【今週の注目イベント】欧米PMI、ジャクソンホール会合、パウエルFRB議長、ラガルドECB総裁講演 今週は、欧米のPMIに加えて、24日から26日にかけてワイオミング州、ジャクソンホールで開催される23年度の経済シンポジウムに注目が集まる。各国でインフレ長期化で、急速にすすめられた金融引き締めがピークに近づく中、財務相、中銀総裁などが経済や金融政策を巡り議論する。FRBのパウエル議長やECBのラガルド総裁は25日に講演を予定。利上げ終了の条件などが焦点となる。この会合は度々、FRB議長が政策変更などを巡りヒントを与える場として利用しているため、議長の発言に注目が集まる。経済が想定以上に強く景気後退も回避可能との見方も強まりつつある。ロイターの調査によると、回答したエコノミストの半分はFRBの利下げが少なくとも来年4月以降になると見ていることが明らかになった。同時に、金利が十分に高い水準との見方も強く、9割が9月の利上げ見送り、8割が年内の利上げはないと見ている。FRBが金融政策を決定する上で特に注視しているコアインフレは鈍化基調を維持しているものの目標2%には程遠い。さらに、金融システムは強く、不透明感は残るが地銀などの金融混乱は収拾しつつあり、ほとんどの金融政策者は追加利上げを除外していない。先々週公表された前回会合の議事要旨でも追加利上げの可能性に言及している。議長は今後の金融政策が経済やインフレの動向次第との姿勢を大きく修正するとは考えにくい。ただ、前回会合以降に発表された6月コア物価指数や7月の消費者物価指数(CPI)は前月に続き鈍化傾向を維持。FRBの望む方向に進んでいることが証明されている。10年債利回りは2007年以降の高水準に達するなど警戒感も高まり始めた。もし、議長がタカ派色を弱めた場合はドル買いの勢いが失速する可能性がある。そのほか23日には共和党大統領候補の討論会が予定されており、注目イベントだ。ただ、最近の世論調査で最有力候補と見られているトランプ前大統領は欠席する意向。■今週の主な注目イベント●米国22日:7月中古住宅販売件数、8月リッチモンド連銀総裁、グールズビー米シカゴ連銀総裁講演23日:8月製造業・サービス業PMI、7月新築住宅販売、共和党大統領候補の討論会24日:週次新規失業保険申請件数、7月耐久財受注速報値、8月カンザスシティ連銀製造業活動指数、ジャクソンホール会合(26日まで)25日:8月ミシガン大消費者信頼感指数確定値(25日)、パウエルFRB議長講演●中国22日:国家主席、南ア大統領と会談●欧州23日:ユーロ圏サービス&製造業PMI、消費者信頼感、仏、独製造業PMI25日:独IFO、GDP、ラガルドECB総裁がジャクソンホール会合で講演●日本25日:東京CPI●英23日:製造業PMI <CS> 2023/08/21 07:49 注目トピックス 経済総合 注目の欧米経済指標:7月米耐久財受注は反動減の予想 *14:42JST 注目の欧米経済指標:7月米耐久財受注は反動減の予想 8月21日-25日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■22日(火)午後11時発表予定○(米)7月中古住宅販売件数-予想は415万戸参考となる6月実績は416万件。また、中古住宅販売価格(中央値)は前年同月比-0.9%。販売価格は伸び悩んでいるが、在庫水準が低いことが要因。7月については在庫水準の回復は期待されていないことから、6月実績と同水準となりそうだ。■23日(水)午後5時発表予定○(欧)8月HCOBユーロ圏製造業PMI -7月実績は42.7参考となる7月実績は42.7で2020年5月以来の低水準。インフレ鈍化につながる数値となった。8月については生産や新規受注がさえない状況となっており、大幅な改善は期待できない。■23日(水)午後10時45分発表予定○(米)S&Pグローバル8月サービス業PMI -予想は52.0参考となる7月実績は市場予想を下回った。営業経費の増加が影響しているものとみられる。8月については賃金コストの上昇が引き続き影響すると予想されており、7月実績と差のない水準にとどまる見込み。■24日(木)午後9時30分発表予定○(米)7月耐久財受注-予想は前月比-4.0%6月実績は前月比+4.7%。民間航空機の受注増が要因。コンピュータ、金属、通信機器の受注増も目立った。航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注は前月比+0.2%。7月については民間航空機の受注減が予想されることから、6月に増加した反動で全体的には減少するとみられる。○その他の主な経済指標の発表予定・21日(月):(中)1年物LPR・22日(火):(欧)6月ユーロ圏経常収支・23日(水):(独)8月製造業PMI、(英)8月サービス業PMI、(米)7月新築住宅販売件数・25日(金):(独)4-6月期国内総生産改定値 <FA> 2023/08/19 14:42

ニュースカテゴリ