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みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ビジョナル、人手不足で業績拡大  ビジョナル<4194.T>に注目したい。同社はプロフェッショナル人材に特化した転職プラットフォーム「ビズリーチ」を展開。人手不足が続くなか、企業の中途採用は活発化している。第2四半期(23年8月~24年1月)の連結営業利益は前年同期比68.1%増の97億9100万円と好調。24年7月期の同利益は160億円(前期比21.0%増)の見込みだが、進捗率は61%に達しており170億円前後へ増額が期待できる。  株価は3月に1万160円の高値をつけた後は調整局面にあるが、業績は最高益基調にあり、見直し余地は大きい。成長期待は強く1万円台回復から21年12月につけた最高値1万1550円更新を狙う強調展開が期待できる。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/15 10:00 みんかぶニュース コラム 15日の株式相場見通し=急反落、3万9000円台割れが視野に  15日の東京株式市場は日経平均株価が急反落を余儀なくされ、フシ目の3万9000円台を割り込む可能性がある。前週末の米国株市場は波乱含みの下げに見舞われており、足もとで投資家のセンチメントが弱気に傾くことは避けられそうにない。米国株市場ではNYダウが470ドルあまりの下落をみせ5日続落、一時は600ドル近い下げを強いられる場面もあった。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は更に深押しとなり、下落率でダウを上回った。イランとイスラエルの対立激化による中東情勢の緊迫化を背景に、地政学リスクが意識されるなかで原油価格も大幅上昇、これを嫌気する形で売りがかさんだ。VIX指数は一時19を超え、昨年10月末以来約半年ぶりの水準に跳ね上がっている。東京市場では前週末に日経平均株価が反発したものの、後半値を消す形で小幅の上昇にとどまった。ひと頃と比べ上値に対する期待が後退し、利益確定を急ぐ動きが観測される状況にあり、きょうはリスク回避ムードの中で買いポジションを減らす流れが強まりそうだ。ただ、イランによるイスラエルへの報復攻撃が行われたことから、目先的にはアク抜け感も生じやすく、買い一巡後は米株価指数先物や外国為替市場の動向などを横目に下げ渋る可能性もある。  12日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比475ドル84セント安の3万7983ドル24セントと5日続落。ナスダック総合株価指数は同267.104ポイント安の1万6175.094だった。  日程面では、きょうは2月の機械受注など。海外では2月のユーロ圏鉱工業生産、3月の米小売売上高、4月のNY連銀製造業景況指数、2月の米企業在庫、4月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/15 08:02 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=TSMC決算で半導体相場の行方を探る  12日の日経平均株価は前日比80円高と3日ぶりに反発した。前日にナスダック指数が最高値を更新したことを受け、半導体関連株などが値を上げた。  市場関係者からは「4月の年度始まりの年金売りは、ほぼ一巡しただろう。ただ、全体相場のモヤモヤ感は残り、しばらく一進一退が続くかもしれない」(アナリスト)という声が出ている。その不透明感を高めている最大の要因のひとつが、米国の金融政策だ。10日の米3月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、6月利下げの期待が後退するとNYダウは大幅安となったが、11日の同卸売物価指数(PPI)が予想を下回ると、今度は一転して半導体株が買われ、ナスダック指数は最高値を更新した。当面は、米金融政策の行方を巡り重要経済指標からは目が離せない。  そして、日米は決算シーズンを迎える。特に、米国は日本に先駆けて決算発表が本格化するが、来週は17日にオランダのASMLホールディング<ASML>、そして18日には台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>という大手半導体関連企業が決算発表を行う。半導体関連の大本命であるエヌビディア<NVDA>の決算発表は5月22日ともう少し先だが、その前哨戦となるASMLとTSMCへの注目度は高い。特に、半導体受託生産で世界最大手のTSMCの決算は関心を集めそうだ。年初のテック株相場では1月のTSMCの決算発表が起点となり、半導体関連株が急伸した。今回も同様の展開を描くことができるのかが焦点となる。  他の米国企業決算では、15日にゴールドマン<GS>、16日にバンカメ<BAC>、18日にネットフリックス<NFLX>、19日にアメックス<AXP>、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>などが予定されている。経済指標では15日に米3月小売売上高、16日に中国1~3月GDP、IMF世界経済見通しなどが予定されている。  日本では15日に2月機械受注、17日に3月訪日外客数、19日に3月消費者物価指数(CPI)が発表される。15日に東宝<9602.T>、J.フロント リテイリング<3086.T>、18日にブロンコビリー<3091.T>などが決算発表を行う。また、16日にWill Smart<175A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9100~4万100円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/12 17:21 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=トラースOP、AI電力削減ソリューションに期待  トラース・オン・プロダクト<6696.T>は小型株ならではの値動きの良さをみせている。同社はIoT機器メーカー。今月5日、自社開発したAI電力削減ソリューション「AIrux8」を丸紅情報システムズへ販売パートナーとして提供開始すると発表し、今後の業績貢献への期待から物色人気化している。  25年1月期通期の単独業績予想は、売上高が前期比31.2%増の4億800万円、営業損益が前期実績(6900万円の赤字)から1100万円の赤字に縮小する見通し。主力の「AIrux8」や流通小売り向け製品「店舗の星」の拡大を目指すほか、受注案件の獲得を図っていく。また、引き続き経費の見直し・圧縮も進めていく方針。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/12 10:00 みんかぶニュース コラム 12日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株高受け買い戻し  12日の東京株式市場は主力株を中心に広範囲に買い戻しが入り、日経平均株価は反発する可能性が高そうだ。3万9000円台後半で終日頑強に推移する展開が予想される。前日の欧州株市場では独DAXや仏CAC40など主要国の株価指数が総じて軟調な展開を強いられたが、米国株市場ではハイテク系グロース株を中心に買いが集まった。NYダウはわずかながらマイナス圏で着地し4日続落となったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は大幅反発し、分水嶺となっていた25日移動平均線を上回るとともに史上最高値を更新した。この日の朝方に発表された3月の米卸売物価指数(PPI)が事前コンセンサスを下回り、過度なインフレ懸念が後退した。東京市場でも米ハイテク株高を受けて、日経平均は半導体関連などをはじめハイテクセクターを中心に買いが優勢となりそうだ。外国為替市場で円安基調が続いていることは市場のセンチメント改善につながりやすく、米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅高となったことで、東京市場でも同関連株に追い風となる公算が大きい。なお、きょうはオプションSQ算出日にあたり、全体売買代金は通常より膨らむことが予想される。  11日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比2ドル43セント安の3万8459ドル08セントと4日続落。ナスダック総合株価指数は同271.838ポイント高の1万6442.198だった。  日程面では、きょうは3カ月物国庫短期証券の入札、2月の鉱工業生産確報値など。また、オプションSQ算出日にあたる。海外では韓国中銀の政策金利発表、シンガポール金融通貨庁の金融政策発表、3月の中国貿易統計、シンガポールの1~3月期国内総生産(GDP)、3月の米輸出入物価指数、4月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。なお、タイ、インドネシア市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/12 08:02 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=米利下げ遠のき日銀は利上げ準備へ  きょう(11日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比139円安の3万9442円と続落。再び前方視界不良の地合いを余儀なくされている。振り返って新年度入り第1週となった前週は、日経平均が週間で1400円近い下げをみせた。そして今週は週末にオプションSQ算出を控え、仕掛け的な売りも警戒されたが、前半2日間は上昇し合計で780円程度水準を切り上げ、市場関係者の間にも安堵感が漂った。しかし、この安堵感が株高に向けた自信や確信へと変わっていくには、まだ大分距離があるようだ。  外部環境の不透明感が拭えない。米株市場ではNYダウが前日に大きく下げて75日移動平均線を下回ったことから、東京市場でも再び疑心暗鬼ムードが高まりつつある。耳目を集めた3月の米消費者物価指数(CPI)は、前日の米株市場の朝方取引開始前に発表されたが、前年同月比の上昇率が3.5%と2月の3.2%から伸びが加速し、エネルギーと食品を除くコア指数の前年同月比の上昇率は2月と並びの3.8%だった。結果として総合・コアいずれも事前コンセンサスを上回った。  これを受け、FRBによる6月利下げ実施の可能性はかなり後退したと言わざるを得なくなった。市場関係者からは「高止まりするサービス価格に加え、足もとの原油をはじめとするコモディティ価格の高騰を考えれば、利下げどころか利上げの必要性すら想起させる。年内は3回の利下げ見通しが2回に減少するというような話しではなく、利下げそのものができない可能性も高い」(ネット証券マーケットアナリスト)という見方が示されていた。CPI発表を受けて米長期金利が4.5%台半ばまで上昇し、株式市場の相対的な割高感が意識されるお決まりのコースで、NYダウは一時580ドル近い下げを強いられた。  NYダウ大幅安を引き継いだ東京市場だったが、リスクオフの緩衝材として期待されたのは外国為替市場の動向である。想定を上回る強い内容だったCPIは米長期金利を跳ね上げるとともに、日米金利差拡大を背景としたドル高・円安を加速度的に誘導、一気に1ドル=153円台まで円が売り込まれる場面に遭遇した。FXトレーダーが歓声あるいは悲鳴の嵐となったことは想像に難くないが、株式市場においても約34年ぶりといわれる急激な円安はインパクトのある材料であることに変わりない。  株式市場では通常、円安はポジティブに作用する。日本はハイテクや自動車など外需依存型の産業構造で、円安は企業の全体収益を押し上げる効果があるためだが、理屈的な部分はともかく、感覚的にも昔から「円安はリスクオンで、円高はリスクオフ」という不文律がマーケットに浸透し切っている。円安は株式市場にフレンドリーであり、これは政府・日銀が抱いている思惑と軌を一にしない。ちなみにトヨタ自動車<7203.T>は1円のドル高・円安によって営業利益ベースで約500億円の押し上げ効果が発現する。同社の前期(24年3月期)想定為替レートは1ドル=143円であるから、実勢との比較で(机上論として)ざっくり5000億円の上振れ要因である。もっとも、きょうのトヨタの株価は堅調ではあったが、前日の下げ分を埋める程度で勢いを欠いた。なお、日産自動車<7201.T>やホンダ<7267.T>、マツダ<7261.T>といった他の自動車メーカーは軟調な銘柄が目立つ。ドル買い・円売りの動きが早晩逆流する可能性を気にしているように見えなくもない。  きょうは鈴木俊一財務相が「行き過ぎた動き(円安)にはあらゆるオプションを排除せず、適切に対応していく」とかなり強い姿勢で牽制発言を行っている。実質賃金減少が続くなか、政府・日銀サイドとしては需要が主導しないコストプッシュ型インフレは是が非でも避けたいという意思が感じられる。だが、為替介入では投機筋の動きに明確なブレーキはかからない。つまり、国内ではいつ日銀が利上げのカードを切るかに焦点が当たり始めた。歯止めのかからない円安が日銀に強烈なプレッシャーをかけ、植田総裁がたまらず利上げカードを切るまでのカウントダウンが始まれば、株式市場も耳をふさぐことはできない。  あすのスケジュールでは、3カ月物国庫短期証券の入札、2月の鉱工業生産確報値など。また、この日はオプションSQ算出日にあたる。海外では韓国中銀の政策金利が開示されるほか、シンガポール金融通貨庁が金融政策の発表を行う。また、3月の中国貿易統計、シンガポールの1~3月期国内総生産(GDP)、3月の米輸出入物価指数、4月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。なお、タイ、インドネシア市場は休場。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/11 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=HIS、GW海外旅行予約数23%増  エイチ・アイ・エス<9603.T>は4日、ゴールデンウイーク(GW、4月26日〜5月6日)期間中の海外旅行の予約者数が前年同期に比べ23.2%増になったと発表した。国際線定期便の運行再開などが後押ししているという。  また、足もとで旅行事業が好調なことやホテル事業で収益性が向上していることを踏まえ、3月15日には24年10月期通期の連結業績予想を修正。売上高の見通しは従来通り3500億円(前期比39.0%増)で据え置いたが、経常利益の見通しは従来の72億円から90億円(同6.2倍)に引き上げている。  株価は3月18日に年初来高値2019円をつけたあと上げ一服商状となっているが、25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが実現していることから更なる上値を試す展開が期待できそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/11 10:00 みんかぶニュース コラム 11日の株式相場見通し=続落、CPI発表後の米株安受けリスクオフに  11日の東京株式市場は主力大型株を中心に広範囲に売りが広がり、日経平均株価は前日に続いて下値を探る展開となりそうだ。前日の米国株市場では取引開始前に発表された3月の米消費者物価指数(CPI)が嫌気され、NYダウが一時570ドルあまりの大幅安となり、大引けも400ドルを超える下げとなるなど波乱含みの展開を余儀なくされた。また、ここ戻り歩調にあったハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数もこの日は売り圧力に抗せず4日ぶりに反落となった。米CPIは総合指数、コア指数ともに事前の市場コンセンサスを上回る強い内容で、FRBによる早期利下げ期待が後ズレするとの見方が強まった。米長期金利は4.5%台半ばまで急速に水準が切り上がり株式の相対的な割高感が意識されるなか、機関投資家の持ち高を減らす動きが全体指数を押し下げている。また、この日の午後に開示されたFOMC議事要旨(3月開催分)の内容も利下げの開始に慎重な見方が示されており、これも投資家のセンチメントを悪化させた。米株安を受けて、東京市場でもリスク回避目的の売りがかさむ可能性が高い。外国為替市場では1ドル=153円台まで急速なドル高・円安が進んでいるが、リスクオフムードが高まるなかハイテク株に買い向かう動きも限定的となりそうだ。見送りムードが強まれば、日経平均株価は3万9000円近辺まで水準を切り下げる場面も想定される。  10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比422ドル16セント安の3万8461ドル51セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同136.279ポイント安の1万6170.360だった。  日程面では、きょうは3月のマネーストック、3月のオフィス空室率、3月の投信概況が開示される。海外では3月の中国消費者物価指数(CPI)、3月の中国卸売物価指数(PPI)、ECB理事会の結果発表とラガルド総裁の記者会見、週間の米新規失業保険申請件数、3月の米卸売物価指数(PPI)など。なお、インド、インドネシア、マレーシア市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/11 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=桜満開モードの「データセンター関連」  きょう(10日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比191円安の3万9581円と3日ぶり反落。今週に入って前週とは相場の趣きがガラリと変わっているが、きょうは4万円台を無理に取りに行くタイミングではない。3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を日本時間今晩に控え、とりあえず持ち高調整の売りが全体指数に反映されたが、これは至ってノーマルな流れといえる。指数は安かったものの個別株の物色意欲は旺盛だ。プライム市場の売買代金が連日で4兆円台を下回ったとはいえ、株式市場から資金が退避しているような印象はない。値上がり銘柄数が800を超え、値下がり銘柄数を上回った現実が、今の相場と前傾姿勢で対峙している投資家の存在を暗示する。  きょうのマーケットでは生成AIの派生テーマともいえるデータセンター関連株に物色の矛先が向いた。日米首脳会談では脱中国を念頭に置いた半導体戦略における日米での協調路線、また人工知能(AI)分野での連携など、これまで米国が敷いてきたレールの確認作業のような意味合いも強いが、これらに関連する大手民間企業の動きがより具体的な形で顕在化する契機となる。その皮切りとして、きょうは米マイクロソフト<MSFT>の動きが耳目を驚かせた。日米首脳会談に先立って、同社のスミス社長が岸田文雄首相と会談し生成AIとサイバーセキュリティー分野での協力を確認、日本でのデータセンター拡充を目的に2年間で29億ドル(日本円で約4400億円)を投資する計画を表明した。膨大なビッグデータの管理と高速演算処理を可能にするための最先端半導体の組み込みなど、米国を代表する時価総額最大のIT企業が惜しみなく資本を投下する構えを示した。そのインパクトは大きく、言うに及ばず関連銘柄の株価を強く刺激する格好となった。  まず、輝きを取り戻したのが独立系データセンター大手のさくらインターネット<3778.T>だ。プライム全上場企業のなかで売買代金第6位に食い込み、株価はストップ高の5570円まで駆け上がる人気となった。さくらネットは政府クラウドの提供事業者に選定されているほか、北海道石狩市のデータセンターにエヌビディア<NVDA>との連携でGPUを搭載し、クラウドサービスを開始していることもあって、“国策銘柄”という位置付けで人気が再燃している。株式需給も信用倍率が1.3倍台とがっぷり四つで、日証金では株不足で逆日歩がついている状態にあり、例によって踏み上げ相場の様相を呈した。  一方、もうひとつの「桜」であるさくらケーシーエス<4761.T>もストップ高に買われる人気。こちらは三井住友系のシステム開発会社で時価総額200億円未満の小型株ながら、高度なセキュリティーを売り物とするデータセンター事業を展開していることから、持ち前の仕手性に再び火がついた。きょうは日経平均とTOPIXいずれも反落したものの、株高満開となったこの2銘柄が、くしくも投資家の“株心”健在をアピールする形となった。  このほか、きょうは「データセンター関連株」に投資マネーが燎原の火のごとく広がっている。生産工場にせよデータセンターにせよ、半導体の集積地では膨大な電力需要が発生する。したがって電力株は隠れ半導体関連の急先鋒と化しているのだが、きょうは東京電力ホールディングス<9501.T>をはじめ一斉高を演じた。特に、前述のさくらネットやラピダスと地理的に関係性の深い北海道電力<9509.T>の上げ足が際立つ。また、データセンター増設が相次げば空調工事にも特需が生まれる。高砂熱学工業<1969.T>、三機工業<1961.T>、新日本空調<1952.T>、ダイダン<1980.T>などが軒並み高値圏で舞い踊った。  データセンター関連は、今回のマイクロソフトにとどまらず日米の官民連携による二の矢三の矢が想起されることで、中期的なテーマ性を帯びる可能性がある。アイネット<9600.T>を筆頭に、ブロードバンドタワー<3776.T>、NSW<9739.T>、フィックスターズ<3687.T>などをマーク。また、穴株としてはりそなホールディングス<8308.T>を主要顧客とするデータセンター運用・システム開発会社のAGS<3648.T>に意外性がある。  あすのスケジュールでは、3月のマネーストック、3月のオフィス空室率、3月の投信概況が開示される。また、東証グロース市場にハンモック<173A.T>が新規上場する。海外では3月の中国消費者物価指数(CPI)、3月の中国卸売物価指数(PPI)、ECB理事会の結果発表とラガルド総裁の記者会見、週間の米新規失業保険申請件数、3月の米卸売物価指数(PPI)など。なお、インド、インドネシア、マレーシア市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/10 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=アズビル、再開発や工場新設増加が追い風  アズビル<6845.T>は3月12日の年初来安値4028円を底に反騰機運を強めている。  同社は、ビルや工場・プラント向け制御・自動化機器の大手。足もとでは、都市再開発案件や工場向け空調の需要が高い水準で継続。また、2000年代前半に建設された大型オフィスビルは改修期を迎えており、省エネやCO2排出量削減対策などの需要も堅調に推移している。  24年3月期は、23年10~12月期から半導体製造装置用制御機器を中心に循環的な需要の減少期に入ったことからAA(アドバンスオートメーション)事業の受注こそ減少しているものの、BA(ビルディングオートメーション)事業の受注が好調。売り上げ面ではBA事業はもちろん、豊富な受注残のもとAA事業も伸長している。また、過去数年にわたって取り組んできた選別受注や値上げ効果もあり、24年3月期第3四半期累計連結決算では営業利益が232億1000万円(前年同期比45.7%増)と大幅増益となった。  通期は営業利益337億円(前の期比7.8%増)を予想するが、第3四半期時点で会社側は計画通りに進捗しているとコメントしており、達成確度は高い。都市再開発案件や工場、データセンターの新設が続いていることに加えて、カーボンニュートラル投資の拡大などは同社にとって追い風となり、当面増益基調が継続しそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/10 10:00 みんかぶニュース コラム 10日の株式相場見通し=売り優勢か、米CPI発表前で買い手控え  10日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均は3万9000円台後半でやや弱含みで推移することが予想される。前日の欧州株市場は高安まちまちながら、独DAXや仏CAC40など主要国の株価指数が総じて軟調な値動きだった。また、米国株市場では引き続き模様眺めムードで、NYダウがわずかながら続落となった一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸するなど強さを発揮した。3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控え、売りも買いもポジションを一方向に傾けるような動きは見られなかった。3月のCPIについてはコア指数の伸び率が鈍化するとの見方が優勢ながら、仮にコンセンサスを上振れた場合は、FRBによる6月の利下げが後ずれする可能性が意識されるだけに、マーケットには警戒感も漂う。ただ、足もとで米長期金利の上昇が一服したことからハイテクセクターが相対的に強さを発揮し全体相場を支えた。東京市場では今週に入り日経平均が切り返し歩調を鮮明としており、前日は400円を超える上昇で続伸し高値引けとなった。しかし、4万円大台近辺では目先筋の利益確定の動きや戻り売り圧力が強く、上値が重くなる可能性がある。きょうは米CPIの内容を見極めたいとの思惑から一段と持ち高を増やす動きは見込みづらく、目先外国為替市場で円安が一服していることもあって、やや売り優勢の地合いを強いられそうだ。   9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比9ドル13セント安の3万8883ドル67セントと小幅続落。ナスダック総合株価指数は同52.684ポイント高の1万6306.639だった。  日程面では、きょうは3月の貸出・預金動向、3月の企業物価指数、2月の特定サービス産業動態統計など。また、日米首脳会談が行われる。海外ではニュージーランド中銀、タイ中銀、カナダ中銀が政策金利を発表、韓国総選挙の投開票、3月の米消費者物価指数(CPI)、2月の米卸売在庫・売上高、3月の米財政収支、FOMC議事要旨(3月開催分)、米10年物国債の入札など。韓国、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/10 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=コモディティ高騰のビッグウェーブに乗る  きょう(9日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比426円高の3万9773円と大幅続伸。前日の米国株市場は模様眺めムードに支配され、プラス圏とマイナス圏の狭間で方向感なくもみ合った。日本時間あす(10日)の夜9時半に発表される3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、売りも買いも一方向にポジションを傾けにくいタイミングにあり、NYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも狭い路地を千鳥足でフラフラ進むような曖昧な地合いに終始した。  結局ダウは小幅安で引け、ナスダック指数の方はわずかながらプラス圏で着地したのだが、いずれも前の日の終値と大差なく、双六でいえば一回休みのような日だった。東京市場も米株市場の地合いを引き継いで前場は気迷いムードで、日経平均は買い優勢ながら上値の重い展開だった。ところが、後場に入ると先物に買いスイッチが入り、日経平均はこれに連動して一貫して水準を切り上げる強調地合いへと変わった。先物効果の典型でこの日の高値で取引を終えている。400円を超える上昇となったが、4月第1週とは打って変わり、第2週は前半の2営業日合計で780円あまりの上昇。これはちょうど前週末5日の急落分を帳消にした格好となる。  FRBによる6月利下げの可能性が遠のいたことを米株市場は既にかなり織り込んではいるものの、それでもやはり3月CPIの結果は気になるところ。ここを通過しないことには、見切り発車で実需買いを入れるのはなかなか難しく、これは米国株市場だけではなく東京市場でも同じことがいえる。エネルギー・食品を除いたコア指数は鈍化傾向が見込まれているが、これが想定通りであれば波乱相場への懸念は杞憂となるが果たしてどうか。今週は週末のオプションSQ算出を含め後半の値動きがカギを握る。  なお、10日は米CPIだけではなく日米首脳会談というビッグイベントがある。岸田文雄首相の国賓待遇での渡米は、株式市場ではあまり注目度が高くないようだが、日米関係の緊密化という点では、米系ファンドなど海外資金の一段の日本上陸にもつながる話でポジティブと捉えてよい。岸田首相に議会演説の場が用意されたこともプラスに評価する市場関係者は多いようだ。バイデン米政権にすれば、国賓待遇の裏側で日本に対して米国への貢献度を高める方向で圧力をかけるような意味合いが無きにしも非ずだが、としても株式市場の見地から今回の日米首脳会談がマイナスに働くことは考えにくい。  もっとも、11月の米大統領選まで半年あまりの時点で「ほぼトラ」などと揶揄されるなか、バイデン政権との“蜜月もどき”のツケがトランプ再選となった時に回ってくる可能性も否定できない。「岸田首相は参勤交代のような服属儀礼とならないように存在感を示してほしい」(中堅証券ストラテジスト)というのもうなずける。  前日はWTI原油価格こそ上昇一服となったが、最高値圏を行く金市況をはじめ銀や銅などの市況も上げ足に弾みがついた状態で、経済のインフレモードが改めて意識される状況にある。ただし、株式市場ではインフレを警戒する一方でコモディティ価格の上昇そのものがテーマ買いの材料となってきている。住友金属鉱山<5713.T>、松田産業<7456.T>が順調に上値指向にあるほか、直近取り上げた千代田化工建設<6366.T>も足もとで急速人気化した。このほか、きょうは長い上ヒゲをつけた形となったが、アサカ理研<5724.T>や黒谷<3168.T>なども急騰パフォーマンスを演じマーケットの視線を集めた。ここからマークしておきたい銘柄としては、相対的に出遅れている貴金属リサイクルや精錬を手掛けるAREホールディングス<5857.T>などが挙げられる。  あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に3月の貸出・預金動向と3月の企業物価指数が開示。午後取引時間中には2月の特定サービス産業動態統計が発表される。また、岸田文雄首相が訪米し日米首脳会談が行われる。このほか、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>、エービーシー・マート<2670.T>が決算発表の予定。海外ではニュージーランド中銀、タイ中銀、カナダ中銀が政策金利を発表するほか、韓国総選挙の投開票。このほか、3月の米消費者物価指数(CPI)、2月の米卸売在庫・売上高、3月の米財政収支、FOMC議事要旨(3月開催分)、米10年物国債の入札など。また、韓国、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/09 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=GCジョイコ、需給改善で好業績再評価へ  ゲームカード・ジョイコホールディングス<6249.T>はここ下値を探る展開にあったが、時価は75日移動平均線近辺まで水準を切り下げてきたことで、強気に買い向かって妙味がありそうだ。同社はパチンコなど遊技機向けプリペイドカードシステムの提供を主力とするが、スマートスロットやスマートパチンコなどスマート遊技機対応の特需を捉え、業績を躍進させている。24年3月期営業利益は前の期比2.2倍の100億円を計画、更に25年3月期についても2ケタの利益成長の可能性が高い。  時価予想PERは5倍前後、PBRも0.6倍台と超割安で無借金経営。株式需給面からは、警戒されていた新株予約権について残存分をすべて取得・消却したことも注目材料。貸株市場を経由した空売りが溜まっていることで、早晩その買い戻しも株価に浮揚力を与えそうだ。昨年11月に開けたマドを埋める展開で3000円台を目指す展開に。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/09 10:00 みんかぶニュース コラム 9日の株式相場見通し=一進一退か、様子見ムードも円安は追い風  9日の東京株式市場は強弱観対立のなか前日終値を挟み一進一退の展開か。前日の欧州株市場は主要国の株価指数がほぼ全面高様相となったが、米国株市場では方向感の見えにくい地合いで、NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも前の日の終値近辺で引けた。ダウはわずかに安くなったものの、ハイテク株比率の高いナスダック指数はかろうじてプラス圏で着地している。FRB高官による相次ぐタカ派的な発言を受けて早期利下げ期待が後退するなか、この日は米長期金利が4.4%台まで上昇し株式の相対的な割高感が意識された。10日には3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、この内容を見極めたいとの思惑も買い手控えムードにつながっている。東京市場では前日に日経平均が350円あまりの反発をみせたものの、後場に入ってから伸び悩み上値の重さも目立った。きょうは下値に対する抵抗力は発揮されそうだが、米CPI発表を前に積極的に上値を買い進む動きも見込みにくい。ただ、外国為替市場で一段と円安含みで推移していることは、半導体セクターなど主力ハイテク株には追い風材料となりそうだ。  8日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比11ドル24セント安の3万8892ドル80セントと小反落。ナスダック総合株価指数は同5.435ポイント高の1万6253.955だった。  日程面では、きょうは6カ月物国庫短期証券の入札と5年物国債の入札、3月の消費動向調査、3月の工作機械受注額(速報値)など。海外では3月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数、米3年物国債の入札など。フィリピン、インドネシア市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/09 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=半導体周辺の金鉱脈に眠る株  週明け8日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比354円高の3万9347円と反発。新年度入りとなった前週の日経平均は週間で差し引き1377円の下落と大きく値を崩したが、上げ下げのリズムとしては3月26日以降約2週間にわたって、高い日と安い日が交互に繰り返されている。一方的なリスクオフの流れが形成されているわけではなく、たまたま下げる時に深押しが続いたことで水準が切り下がった。これは例年この時期お馴染みの需給事情であり、年度替わりの初っ端に機関投資家の益出しの動きが顕在化することによる影響が大きい。そして、4月第2週以降は海外投資家の新規の買い需要などで盛り返すケースが少なくない。過去10年間を振り返って4月の日経平均は月足で高く引けたことが6回、つまり6勝4敗で勝ち越している。  前週末5日の日経平均は先物主導で781円安と急落を強いられたが、心理的にそのリスクオフの源泉となっていたのが日本時間の同日夜に発表が予定されていた3月の米雇用統計だ。今は米雇用に関する数字が強いほど株式市場にとってはマイナスに作用しやすい。FRBによる早期の利下げ期待が剥落するためだが、今回の統計についてもマーケットは前週前半の早い段階から気を揉む状況にあった。  実際フタを開けてみると、非農業部門の雇用者数は予想を10万人あまり上回る30万人と高水準だったのだが、ネガティブサプライズとはならずNYダウなど主要3指数はいずれも反発した。市場では、平均時給の伸び率が前月比でプラス0.3%、前年比でプラス4.1%と市場予想と合致したことで不安心理が後退したという解説だったが、これは株価上昇を見たうえでの後講釈的な色合いが強い。伸び率が鈍化したとはいえ、前年対比で4%の賃金上昇はサービス価格のインフレの沈静化を示唆しているとは言えない。  ただし、株式需給面では事前に売り建てていた投資家が多かったことが、手仕舞い売りならぬ「手仕舞い買い」いわゆるショートカバーを促し、全体相場に浮揚力が働いた。今回はこれまでのFRB高官の相次ぐタカ派的な発言によって、「6月利下げ開始及び年内3回の利下げ」という分厚いコンセンサスが大分薄められてきた後の雇用統計発表、というところがミソであった。したがって、おそらくは内容に関係なく、イベント通過という時点で株価はリバウンドする公算が大きかったともいえる。もっとも、今週以降これを契機に素直に戻りトレンドに転じるかどうかは定かではない。今週は10日に3月の米消費者物価指数(CPI)発表(日本時間夜9時半)を控えるが、10日はSQ週の魔の水曜日でもあり売り方が暗躍しやすい。当面は不安定な地合いを覚悟しておく必要がある。  そうしたなか、物色対象としてはエネルギー関連と半導体関連という対極的なセクターを同時並行的にマークしておきたい。金市況をはじめとするコモディティ価格上昇を背景に引き続き住友金属鉱山<5713.T>や松田産業<7456.T>などの株価に目を配りつつ、人気が再燃している半導体関連株の一角からも視線が外せない。  日の丸半導体ラピダスへの国策支援が一段と浮き彫りとなっているが、直近6日土曜日にアップされた株探トップ特集「半導体沸騰相場の号砲鳴る! 天空を翔ける『ラピダス関連5銘柄』」でも紹介されたソシオネクスト<6526.T>が全上場企業のなかで売買代金断トツとなる人気で大きく上値を伸ばしている。また、小型株のジェイ・イー・ティ<6228.T>はストップ高カイ気配に張り付いた。やはり半導体やAI関連銘柄への注目度は他の業態と一線を画す。野村マイクロ・サイエンス<6254.T>の押し目も拾い場となっている感触だ。このほか半導体関連では、部材や素材関連に着目。シリコンウエハー大手のSUMCO<3436.T>、フォトレジスト首位の東京応化工業<4186.T>、半導体装置向け真空シールで圧倒的シェアを有するフェローテックホールディングス<6890.T>など。また、半導体用特殊ガスで高実績を誇り、ラピダスが構築する半導体サプライチェーンを舞台に商機が現実味を帯びてきた日本酸素ホールディングス<4091.T>もチェックしておきたい。  あすのスケジュールでは、午前中に6カ月物国庫短期証券の入札と5年物国債の入札が予定される。また、3月の消費動向調査、3月の工作機械受注額(速報値)が開示。海外では3月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数が発表されるほか、米3年物国債の入札も予定される。なお、フィリピン、インドネシア市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/08 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=オリックス、コロナ禍からの回復続く  オリックス<8591.T>に注目したい。総合リース最大手の同社の業績は、コロナ禍からの急回復基調にある。コロナ禍の影響で落ち込んだ航空機リース事業や関西国際空港など空港運営事業、旅館・ホテルなど不動産運営事業がインバウンド需要の復活も追い風となり、業績をけん引している。24年3月期の連結純利益は前の期比20.8%増の3300億円と5期ぶりの最高益の見込み。25年3月期も連続増益が期待できる。  株価は上昇基調にあるが、連結PBRは約1倍、配当利回りも3%近辺の水準と依然として割安感は強い。同社の株主重視の姿勢への評価は高く、先行き2006年4月につけた3815円の最高値更新から一段高が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/08 10:06 みんかぶニュース コラム 8日の株式相場見通し=反発、雇用統計発表後の米株高受け買い戻し  8日の東京株式市場は主力ハイテク株中心に広範囲に買い戻される展開となり、日経平均株価はリバウンドに転じる可能性が高そうだ。前週末の日経平均は800円近い下げに見舞われたが、欧州時間でもリスク回避の流れが続き主要国の株価指数がほぼ全面安商状に売られた。しかし、米国株市場ではNYダウが5日ぶりに反発、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も上昇し、いずれも朝方高く始まったあとに漸次水準を切り上げる強調展開となった。注目された3月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が予想を大きく上回る強い数字だったが、平均時給の伸び率は事前のコンセンサスと合致し、賃金インフレに対する過度な警戒感が和らいだ。これを受けて、全体相場は出尽くし感からのショートカバーを誘発する形となっている。東京市場では前週末に日経平均が急落したものの、米株高を受けきょうは投資家のセンチメントが改善し、幅広い銘柄が買い戻される地合いが想定される。今週10日に3月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、買い一巡後は様子見ムードとなる可能性もあるが、3万9000円台前半で終始買い優勢の展開となることが見込まれる。  5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比307ドル06セント高の3万8904ドル04セントと5日ぶりに反発。ナスダック総合株価指数は同199.438ポイント高の1万6248.520だった。  日程面では、きょうは2月毎月勤労統計調査、2月の国際収支、3月景気ウォッチャー調査など。なお、タイ、インドネシア市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/08 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=キナ臭さ増す中東情勢巡りリスク回避強まるか  5日の東京株式市場で日経平均株価は前日比781円安と大幅反落。一時1000円近い下落となり、3月15日以来の3万9000円割れとなった。前日のNYダウが530ドル安と大幅に4日続落したことが響いた。特に、年3回が想定されている米利下げ期待が後退しているうえに、中東情勢はキナ臭さを増している。  なかでも、「今晩の米3月雇用統計、来週10日の米3月消費者物価指数(CPI)という重要指標の発表を控えており、積極的な買いは入れにくい状況」(アナリスト)という。10日には3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。  更に、1日にイランの在シリア大使館周辺がイスラエルによる空爆を受けたことに対し、イランが対抗措置を示唆。各地のイスラエル大使館は、イランによる報復を懸念して一時閉鎖するとも報じられた。足もとでは原油の指標であるWTI価格が約5カ月半ぶりの水準に上昇。原油価格の高騰はインフレ懸念を高め、米利下げ期待を一段と後退させかねない。  こうしたなか「イスラエル・イラン情勢や米金融政策への不透明感が高まるなか、今後1~2週間はリスク回避の姿勢が強まるかもしれない」(市場関係者)との声もある。来週は、東京市場では12日に株価指数オプションの特別清算指数(SQ)算出も予定されている。もっとも、テクニカルアナリストからは「日経平均株価の下値メドは3月12日安値の3万8271円前後。2週連続の下落で値幅的な調整はだいぶ進んだ」との指摘も出ている。    当面は、石油関連株などが注目されそうだ。INPEX<1605.T>やENEOSホールディングス<5020.T>、コスモエネルギーホールディングス<5021.T>などは高配当利回り株であり、バリュー株としても見直し余地がある。銀行や不動産株は急伸後の調整局面とみられ、一服後の出直りが期待される。  上記以外のスケジュールでは、10日には日米首脳会談が開催される。11日には米3月卸売物価指数(PPI)や中国3月CPIが発表され、欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。12日には、米ミシガン大学消費者マインド指数が公表される。12日にJPモルガン<JPM>やシティグループ<C>が決算発表を行う。  国内では、8日に2月毎月勤労統計調査と3月景気ウォッチャー調査が公表される。同日にウエルシアホールディングス<3141.T>、10日にセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>、11日にファーストリテイリング<9983.T>、12日に良品計画<7453.T>が決算発表を行う。更に、8日にイタミアート<168A.T>、11日にハンモック<173A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万8400~3万9600円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/05 17:20 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=松屋フーズ、値上げ効果で今期業績に期待  松屋フーズホールディングス<9887.T>の調整に一服感が出ている。同社は牛丼チェーン「松屋」のほか、とんかつ店「松のや」などを展開。円安に伴う仕入れコスト高や人件費の上昇圧力に直面しながらも、2月5日に24年3月期業績予想の上方修正を発表し、通期の経常利益予想は10億円増額して前の期比27.7%増の50億円に引き上げた。第3四半期累計(4~12月期)の経常利益は前年同期比22.1%増の45億6400万円で、修正後の通期計画に対する進捗率は91%と、業績の更なる上振れに期待が膨らむ。  大都市圏での店舗が相対的に多い「松屋」だが、既存店売上高は2ケタ成長が続き、3月は前年同月比で24.5%増と高い伸びを示した。4月2日には「キムカル丼」など一部メニューの値上げを実施している。加えて、外国為替市場でドル安・円高の流れが進めば、今期業績を一段と押し上げることとなるだろう。  株価は昨年10月以降の騰勢局面が年明けに一服。足もとでは75日移動平均線を下回る価格帯まで水準を切り下げたが、売り疲れ感もにじみ出ている。信用倍率は0.36倍と売り長の状態。年24円を続ける安定的な配当政策を見直し、株主還元を強化する姿勢を見せた場合は、サプライズをもって受け止められそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/05 10:00 みんかぶニュース コラム 5日の株式相場見通し=大幅反落、米株急落受けリスクオフの流れに  5日の東京株式市場は大型株を中心に大きく売り優勢に傾き、日経平均株価は大幅反落を余儀なくされそうだ。3万9000円台前半に水準を切り下げ、場合によっては3万9000円大台攻防を意識させる展開もあり得る。前日の米国株市場ではNYダウが500ドルを超える大幅安となり4日続落、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も200ポイントを超える下げとなった。NYダウは4営業日で1200ドルを上回る下落幅となっている。この日は朝方取引開始前に開示された週間の新規失業保険申請件数が予想を上回ったことで労働需給のタイト感が緩和され、主要株価指数は高く始まったが、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が年内の利下げ見送りの可能性に言及し、これが嫌気される形となり大きく値を崩した。原油市況が一段と水準を切り上げ、一時1バレル=87ドル台後半まで上昇し、約半年ぶりの高値をつけたこともインフレ再燃を想起させ、全体相場の下げを助長している。東京市場では米株市場が波乱含みの下げとなったことを受けリスク回避ムードは避けられず、主力ハイテク株をはじめ広範囲に売りが広がることが予想される。日本時間今晩に3月の米雇用統計発表を控えており、この内容を見極めたいとの思惑もあり押し目に買い向かう動きも限定的となりそうだ。  4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比530ドル16セント安の3万8596ドル98セントと4日続落。ナスダック総合株価指数は同228.376ポイント安の1万6049.082だった。  日程面では、きょうは2月の家計調査、3月上中旬の貿易統計、3カ月物国庫短期証券入札、2月の景気動向指数(速報値)など。海外では、2月の豪貿易収支、2月のユーロ圏小売売上高、3月の米雇用統計、2月の米消費者信用残高など。なお、台湾、中国市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/05 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「エネルギー関連」に怒涛の資金流入  きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比321円高の3万9773円と反発。3月下旬に4万円台固めに入ったと思いきや突風に煽られてバランスを崩し、3万9000円近辺まで急降下、その後は再び真空地帯を駆け上がる荒い値動きが続いている。きょうは先物主導で切り返したが、取引終盤にブレーキがかかった。日経平均は一体どこに向かっているのか。一連の値動きが高値波乱とすれば、きょうの戻り足を素直に信用してはいけないことになる。しかし、ここで日々の上げ下げに気を揉んでも仕方がない。「何事も行き着くところに落ち着くものである」とは『ガルガンチュア物語』の著者として名を馳せたラブレーの言葉。敢えて鈍感になることも大切。また、森全体がどんなにざわめいても強い株は買われる。今のプライム市場はそれが当てはまる地合いだ。  きょうはソシオネクスト<6526.T>が咆哮した。ストップ高に張り付き、大引け買い物を残す急騰パフォーマンスを演じ市場関係者の耳目を驚かせた。SoC(システム・オン・チップ)をファブレス形態で供給、半導体設計大手として国内ではほぼ無双状態。個別のチップを組み合わせて一つの半導体チップを完成させるという「チップレット集積」は半導体の高性能化における必須技術とみられ、これが同社に独占的な活躍の舞台を提供する可能性がある。もっとも、きょうは半導体関連全般が有卦に入った状態ではなかった。「足もとで物色の流れに変化が生じている。目先は世界的なインフレ気配でエネルギー周辺株に投資マネーの視線が移った」(ネット証券アナリスト)と指摘する声も出ていた。  ここにきて、ひと際コモディティ価格の高騰が目立つ。原油市況や金価格の高騰はもとより銀や銅、アルミ価格も揃って急上昇しており、言うに及ばずインフレの匂いが強烈に漂う。特に原油市況については、イスラエルとイランの対立が先鋭化するなか地政学リスクが強く意識され、「資源・エネルギー」という範疇で投資マネーを誘引している。直近の電力株高は政治的な背景、いわゆる岸田政権の原子力政策に対する思惑が大きいのだが、今の相場の地合いにマッチしているからこそ人気化しているともいえる。  そして次に来るワードとして「水素」に着目。水素はクリーンエネルギーの代表で燃焼時にCO2を排出しない特性を有することで、脱炭素戦略では重要なポジションを担う。製造はもちろんのこと貯蔵や運搬にも多くの企業が携わる。更に自動車業界や鉄鋼業界向けなどをはじめ利用する側の産業エリアも広範にわたり、ひとつの経済圏としてみた場合、想像以上に裾野が広いテーマである。原子力と並び水素を前面に押し出した政府のエネルギー政策は、株式市場でもインパクトのある投資テーマとして中期的に脚光を浴びやすい。   そうしたなか、直近では、政府が原子力を活用した水素製造の実証を2028年にも始めるとの報道がなされた。水素を次世代原子炉で製造する技術にメドがついたということを意味しており、関連企業はにわかに色めき立つことになる。きょうは産業用ガスの専門商社で水素事業への注力姿勢を明示している岩谷産業<8088.T>がマドを開けて買われ上場来高値を更新した。また、株価低位のユニチカ<3103.T>も急騰、50円高はストップ高となる218円でカイ気配に張り付いたが、これも水素絡み。ハイエントロピー合金を合成する技術を開発したことを発表し材料視されたものだが、同技術は水素利用を促進する高性能な水素生成電極や燃料電池用電極触媒への応用で注目されている。  そして、ここで目を向けてみたいのが三菱商事系の総合エンジニアリング企業である千代田化工建設<6366.T>だ。水素ビジネスで先行し、とりわけ同社独自の貯蔵・運搬技術に注目度が高い。また、トヨタ自動車<7203.T>とは水素電解システムの開発で協業体制にあり、今後折に触れて話題となりそうだ。業績も23年3月期を境に急回復トレンドに突入している。このほか、水素ステーション向け圧力計測器をほぼ独占供給し、トヨタの燃料電池車ミライ向けに圧力センサー納入実績を持つ長野計器<7715.T>も要マークといえる。  あすのスケジュールでは、2月の家計調査、3月上中旬の貿易統計がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券入札が予定されている。午後取引時間中には2月の景気動向指数(速報値)が発表される。海外では、2月の豪貿易収支、2月のユーロ圏小売売上高のほか、3月の米雇用統計にマーケットの関心が高い。このほか米国では2月の消費者信用残高も開示される。なお、台湾、中国市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/04 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=コーセル、受注残解消に向けた増産が好業績に寄与  コーセル<6905.T>は電子機器や電機機械器具の製造・販売を手掛けており、半導体の高速スイッチング作用を利用したスイッチング電源が主力製品となっている。  足もと業績は好調で、3月22日に公表した24年5月期第3四半期累計の連結経常利益は前年同期比87.0%増の67億2300万円で着地。部品材料の調達状況が改善してきたことを受け、受注残の解消に向けた増産対応を継続したことが寄与した。通期の連結経常利益予想は73億100万円(前期比38.4%増)で据え置いているが、進捗率は92%超に達していることから上振れ余地が大きいといえそうだ。  株価は3月22日に年初来高値1644円をつけ、その後は上げ一服商状となっている。ただ、PERは依然として割安感があり、時価は押し目買い好機と捉えたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/04 10:00 みんかぶニュース コラム 4日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株堅調受け買い戻し優勢  4日の東京株式市場は主力株中心に買い戻しが優勢となり、日経平均株価は先物主導でリバウンドに転じる公算が大きい。前日の欧州株市場では3月のユーロ圏消費者物価指数が予想を下回る内容だったことで、ECBによる利下げ期待が高まり、主要国の株価指数が総じて堅調に推移した。一方、米国株市場ではNYダウが3日続落となったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発した。朝方に発表された3月のADP全米雇用リポートが事前コンセンサスを上回る強い内容だったことや、アトランタ連銀のボスティック総裁やパウエルFRB議長の発言を背景にやや不安定な値動きとなったものの、3月の米ISMサービス業景況感指数が予想を下回る内容だったことは、全体相場に下支え効果をもたらした。米長期金利の上昇が一服したことを背景にIT関連の一角には買い戻しの動きが観測された。ただ、取引終盤は手仕舞い売りが出て地合いが軟化している。東京市場では前日に日経平均が一時600円を超える大幅安をみせ、終値でも400円近い下げとなった。しかし先物主導で下げ過ぎた感も拭えず、今日はその買い戻しが見込まれそうだ。外国為替市場で一時1ドル=152円近辺まで円安が進んだことは輸出セクター中心に追い風として意識されやすい。  3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比43ドル10セント安の3万9127ドル14セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同37.009ポイント高の1万6277.458だった。  日程面では、きょうは3月の輸入車販売と3月の車名別新車販売、3月の軽自動車販売、4月の日銀地域経済報告(さくらリポート)、30年物国債の入札など。海外では、2月の米貿易収支、週間の新規失業保険申請件数など。なお、香港、台湾、中国市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/04 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=“ラピダス経済効果”で出世株輩出へ  きょう(3日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比387円安の3万9451円と反落。足もとで全体相場の流れが悪くなっており、日経平均は朝方に想定外の崩れ足で600円以上の下落を示しヒヤリとさせられる場面もあった。  3月19日に4万円大台に回帰し、4万円台固めから上値追い再開かと思われた矢先にあえなく滑り落ち、きょうはあっという間に3万9200円近辺まで水準を切り下げる展開。どんな強気相場であっても“好事魔多し”という言葉が当てはまることを痛感させられるが、3月中旬の小波乱と同じく、25日移動平均線を小幅に下回ったところで踏みとどまることができれば、今回もご多分に漏れず絶好の押し目買い場提供となり得る。きょうは、日経平均が大きく下げるなかも、値上がり銘柄数が800を超え値下がりを上回った。これは株価指数先物と絡まない次元で個別株に対する純粋な物色意欲を反映している。  ただし、足もとで新たな警戒材料が発現していることには注意が必要となる。市場関係者によると「2つの悪材料が立て続けに出た。一つはイスラエルによるイラン大使館への空爆。両国の対立先鋭化は避けられず、ともすると『イラン・ロシアVSイスラエル・米国』という政治的な色合いが強まるなか、地政学リスクによる原油価格の一段の高騰が懸念される。そして、もう一つは今朝方に発生した台湾付近を震源とする地震で、TSMC<TSM>の半導体工場がストップしていること。半導体のサプライチェーン・リスクが再び警戒される場面にある」(ネット証券アナリスト)という。原油価格の高騰と半導体供給トラブルに伴う製品価格上昇圧力は、いずれも世界的なインフレモード再燃へとつながっていく。米国の6月利下げ観測の後ずれはもとより、年内3回どころか利下げ自体が難しいというようなコンセンサスが生まれれば、これは株高シナリオの変更につながりかねない。  そうしたなか、きょうの東京市場では電力株が軒並み高に買われ目を引いた。前日取り上げた北海道電力<9509.T>は前引け時点でプライム市場の値上がり率トップとなる大立ち回りをみせたが、東京電力ホールディングス<9501.T>も柏崎刈羽原発の再稼働思惑を背景に、売買代金で上位に食い込む活況を呈し、上値追い態勢を維持した。このまま行くと原油高に加え円安による輸入コストの上昇で、電力料金の上昇圧力も拭えなくなる。概念的にデフレ脱却は望むところだが、現実問題としてコストプッシュ型インフレは解散総選挙を念頭に置く岸田政権にとって是が非でも回避したいのが本音のはず。したがって、供給不足をクリアする原発稼働への道筋は、政権維持の上でも必要条件となっている。特に、次世代半導体量産を担うラピダスの千歳工場の稼働で生じる膨大な電力需要は、泊原発の稼働が必須となる。その意味で北海電の株価刺激材料には事欠かない。  PERなどを考慮すると北海電の上値の伸びしろが4ケタ大台ラインの手前で消滅することはなさそうだ。だが、ラピダス関連の切り口で商機をつかむ銘柄は電力株や半導体関連にとどまるものではない。例えば、北海道が拠点の建機レンタル大手カナモト<9678.T>はマークしておく価値がありそうだ。同類項として北海道を地盤とする建設資材商社であるクワザワホールディングス<8104.T>が既に人気化しており、これに追随できるか注目となる。カナモトは24年10月期営業18%増益予想で75円配当は配当利回りにして2.8%台。しかも、PBR0.7倍前後で一段の株主還元強化も期待できる。  また、熊本同様に“半導体城下町”効果による経済活性化で活躍機会が増すのが地銀である。低PBR株の宝庫で再編思惑など株価の刺激材料にも事欠かないセクターだが、そのなか北海道を地盤に第2地銀で最大規模の資金量を誇る北洋銀行<8524.T>は買い安心感がある。株価も400円台と値ごろ感があり、しかもPBRは0.4倍に過ぎない。  あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、午前取引時間中に3月の輸入車販売と3月の車名別新車販売、3月の軽自動車販売が発表される。また、4月の日銀地域経済報告(さくらリポート)にも注目が集まる。このほか、午前中に30年物国債の入札が予定されている。この日はIPOが1社予定されており、東証スタンダード市場にアズパートナーズ<160A.T>が新規上場する。海外では、2月の米貿易収支、週間の新規失業保険申請件数などにマーケットの関心が高い。なお、香港、台湾、中国市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/03 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=Lドリンク、消費者の低価格志向が追い風  ライフドリンク カンパニー<2585.T>は2月8日に年初来高値6040円をつけた後下落していたが、調整一巡から再騰機運を高めている。  同社は水や茶系飲料、炭酸飲料、茶葉製品の製造・販売が主な事業。自社製品に加えて、他社PB商品受託製造を手掛けており、低価格での商品提供が強みだ。  近年では食料品の相次ぐ値上げで、消費者はより安い商品を求める傾向にあり、こうしたPB商品の需要が拡大。同社の24年3月期第3四半期累計決算でも既存工場の生産能力増強投資や23年1月に子会社化したニットービバレッジの貢献もあり、生産数量は前年同期比15%増と伸長した。これに加えて、生産数量増に対応した販売先確保やコスト増に対応した価格改定の効果もあり、営業利益は40億2900万円と、通期計画に対する進捗率88%を記録。通期では同46億円を見込むが、進捗率の高さから上振れが期待されている。  25年3月期は、引き続き消費者の低価格志向が追い風となる。御殿場新工場の稼働が売り上げ増に寄与する一方、償却費負担から増益率は鈍るとみられるものの、2ケタ増益を継続すると見る調査機関が多いようだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/03 10:00 みんかぶニュース コラム 3日の株式相場見通し=売り優勢、欧米株安受けリスク回避ムード  3日の東京株式市場は売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は3万9000円台後半で軟調に推移する公算が大きい。前日の欧州株市場では最高値更新の続いていた独DAXが9日ぶりに反落するなど総じて軟調な地合いで主要国の株価指数が揃って下落、米国株市場でもリスク回避の流れは止まらず、NYダウは一時500ドルを超える下げをみせるなど下値模索の動きを強いられた。発表される米経済指標が相次いで強い数字を示していることで、FRBによる利下げが年後半に後ずれするとの思惑が強まっている。この日は米10年債利回りが一時4.4%台まで水準を切り上げるなど、金利の上昇基調が一段と鮮明となり、株式の相対的な割高感が意識された。個別では電気自動車(EV)大手のテスラ<TSLA>が1~3月期の世界販売台数の不振を受けて5%近い下落をみせたことも、市場センチメントを冷やす形となった。東京市場では前日に日経平均株価が反発したものの上げ幅はわずかで、値下がり銘柄数がプライム市場全体の8割以上を占めるなど実質的には下げ相場が続いている。きょうは機関投資家の益出しの動きが一巡するものの、欧米株安を受け、引き続き買い手控えムードが拭えない状況といえる。今週末に発表される3月の米雇用統計を前に、この結果を見極めたいとの思惑も上値を重くしそうだ。  2日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比396ドル61セント安の3万9170ドル24セントと続落。ナスダック総合株価指数は同156.383ポイント安の1万6240.449だった。  日程面では、きょうは4月の日銀当座預金増減要因見込み、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では3月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、2月のユーロ圏失業率、3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、3月のADP全米雇用リポート、3月のサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/03 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=ラピダス関連最右翼に浮上した意外な株  きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比35円高の3万9838円と小幅反発。高く引けたとはいえ、途中は前日終値を下回る時間帯もあり、TOPIXの方は、後場は終始マイナス圏で推移した。値下がり銘柄数は1300超と全体の8割以上を占めており、実質的に前日同様の下げ相場が続いたといってもよい。とりわけ東証グロース市場の下げは厳しく、投資家の体感温度は冬の寒さに逆戻りした状態かもしれない。  前日の米国株市場ではNYダウは反落したものの大手IT株が総じて堅調だった。マグニフィセントセブンもアップル<AAPL>とテスラ<TSLA>を除き上昇、ナスダック総合株価指数は小幅ながらプラス圏で着地した。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日続伸と戻り足を強めており、東京市場にとってもポジティブな流れであったはずだ。しかし、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>、ディスコ<6146.T>といった大所が買われはしたが、今ひとつ盛り上がりを欠いた。本来であればもう少し半導体セクターの銘柄が派手に買われてよい場面であった。  なぜなら、このタイミングで日の丸半導体会社ラピダスへの政府による大規模追加支援が発表されたからだ。ラピダスは2027年に線幅2ナノメートルの次世代半導体の量産を目標に掲げているが、経済産業省は2日、同社の半導体開発に2024年度で最大5900億円の追加支援を明らかにした。支援総額では1兆円に迫る水準となり、TSMC<TSM>の熊本第1工場・第2工場の支援規模に早くも肩を並べそうな勢いにある。  米国の意思が反映された部分も大きいと思われるが、まさに唸りを上げてエンジンの回転数を上げるがごとし、日本の半導体政策が目を見張るスピードで加速してきた。SOX指数の上げ下げに一喜一憂するよりも、こうした国内の半導体支援の動きが関連銘柄にとってはこの上ない強力なフォローウインドとなる。その割に熱量が足りない印象を受けるのは、全体相場の調整モードが続いていることによる。きょうは依然として金融機関や年金資金の益出しの動きが観測される一方、海外マネーの本格攻勢には若干のタイムラグがあり、その時間軸の狭間に沈む形で値動きに冴えを欠いた。  そうしたなか、ラピダス関連の意外な有望株として市場関係者の間で話題となっていたのが、北海道電力<9509.T>だ。電力株は原発再稼働の思惑を背景に需給相場の色彩を強めていたが、特に柏崎刈羽原発を有する東京電力ホールディングス<9501.T>が、常に投資家の関心の中心軸に位置していた。実際、東電HDの株価は22年1月に300円前後だったが、今年3月15日には967円30銭の高値をつけ2年ちょっとで3倍以上に化けた。ただし、23年1月からの株価推移をみると九州電力<9508.T>がむしろ主役。700円台だった株価を直近3月22日には1403円とおよそ2倍化させている。これはいうまでもなくTSMCの熊本工場の絡みで、半導体製造に使う膨大な電力需要創出に対する思惑が、九州電の株高シナリオと共鳴したものだ。  こうなると、次はラピダスの順番となり、千歳工場の本格稼働による電力需要エリアを管轄する北海電に視線が向くのは自然だ。しかも、こちらは超先端2ナノ品の量産を目指す純国産製造ラインである。北海電の株価は2月下旬からスイッチが入り“本番モード”となったが、株価は1カ月半で3割強の上昇をみせたに過ぎない。近い将来に半導体工場稼働となれば電力供給は圧倒的な需要に追いつかないことは自明であり、市場では「政府としてはラピダスの工場稼働までには、何としても泊原発を稼働させる形に持っていきたいという考えがある」(ネット証券アナリスト)と指摘する。その意味で、ここからの北海電の株価は東電HD以上に熱視線を浴びる可能性がある。なお、同社の予想PERは、最終利益がイレギュラーとはいえ、わずか2倍台に過ぎず、ここからの水準訂正余地を暗示している。  あすのスケジュールでは、4月の日銀当座預金増減要因見込みが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。午後取引時間中には需給ギャップと潜在成長率が発表される。海外では3月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が開示され、欧州では2月のユーロ圏失業率、3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、米国では3月のADP全米雇用リポートや、3月のサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数に対する市場の関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/02 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=RSテクノ、再生ウエハーの需要拡大に期待  RS Technologies<3445.T>を半導体関連の出遅れとしてマークしたい。同社は半導体製造工程で使われる再生ウエハーの受託加工を行うが、世界シェアトップの実力を誇り、今後中期的に半導体需要の拡大が追い風として意識されそうだ。中国、台湾などを中心に海外向けが売り上げの大半を占めているが、国内でも台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>の熊本工場向けなどで新たな需要獲得が見込まれ、業績拡大に弾みがつく可能性がある。  24年12月期は営業利益段階で前期比18%増の140億円を見込むが、続く25年12月期も2ケタの利益成長が視野に入りそうだ。時価予想PER10倍台は割安感があり、3230円の年初来高値奪回を通過点に、早晩3500円近辺への上値チャレンジが有力視される。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/02 10:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=コマツ、業績最高益基調が続く  コマツ<6301.T>に注目したい。建機最大手である同社の第3四半期累計(23年4~12月)の連結純利益は前年同期比31.2%増の3042億6700万円だった。北米での建機需要が堅調なほか、鉱山機械も伸びた。販売価格の引き上げも寄与した。24年3月期の同利益は前の期比4.2%増の3400億円と最高益が予想されているが、第3四半期までの進捗率は89%に達しており、3700億円前後へ上振れも期待できる。  25年3月期も堅調な建機需要が予想され、同利益は3900億円前後への連続増益が見込める。株価は最高値圏にあるが、3%近辺の配当利回りも期待でき、なお割安感は強い。先行き5000円乗せから一段高が予想される。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/01 10:00 みんかぶニュース コラム 1日の株式相場見通し=強弱観対立のなか、4万円トビ台でもみ合う展開  1日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は4万円トビ台前半でもみ合う展開か。前週末の欧米株式市場がグッドフライデーの祝日に伴い揃って休場だったことから、手掛かり材料に乏しく、強弱観対立のなか比較的狭いゾーンでのもみ合いが想定される。きょうから名実ともに新年度入りとなる東京市場では機関投資家による新たな買い需要が見込まれ、全体相場を下支えする可能性があるものの、積極的に上値が買い進まれる展開は想定しにくい面もある。外国為替市場では1ドル=151円台前半の推移で円安水準は維持されていることで、輸出セクターやインバウンド関連にはポジティブに作用しそうだ。また、31日に発表された3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)や中国非製造業PMIはいずれも50を上回り、市場コンセンサスを上回る強い数字だったことは、中国景気に対する警戒感の後退につながり、これも投資家心理にプラスに働きやすい。一方、朝方取引開始前に開示される日銀短観が全体相場に影響を与える可能性もあり、その内容が注目されそうだ。  日程面では、きょうは3月の日銀全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、3月の新車販売台数、3月の軽自動車販売台数など。海外では3月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、3月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、2月の米建設支出など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/01 07:59

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