みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=オルガノ、最先端半導体分野で脚光再び
オルガノ<6368.T>は7000円台のもみ合いから早晩上放れる可能性が高そうだ。総合水処理エンジニアリング企業として、エレクトロニクス産業の幅広いニーズを捉えているが、特に半導体向け純水製造装置で高水準の需要を獲得し業績の飛躍的な伸びに反映させている。
高集積化・微細化の進む半導体洗浄用途で使われる水は、極微の不純物の存在すら許されない文字通り超ハイレベルの純水製造が不可欠となるが、同社はこの分野で屈指の技術力と実績を有している。とりわけ生成AI市場の急速な成長を背景に、世界的に開発競争が加速している2ナノメートルプロセスの最先端半導体分野で、存在感を今後更に高めていくことが予想される。
24年3月期は営業利益段階で前の期比45%増の220億円見通しと大幅な伸びで連続ピーク利益更新が見込まれている。株価は25日移動平均線を絡めた中段もみ合いだが、ここを足場に上値追い局面に移行し、8000円台活躍を視野に入れる可能性も。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/30 10:00
みんかぶニュース コラム
30日の株式相場見通し=続伸、米株高受け3万8000円台回復へ
30日の東京株式市場はリスク選好ムードのなか日経平均株価は続伸し3万8000円台を回復する展開が予想される。3連休明けとなる東京市場だが、この間に米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに続伸しており、半導体関連などを中心にハイテクセクターへの買いも顕著だったことで、この流れが波及する公算が大きそうだ。FRBによる利下げへの期待が剥落していることでここ米株市場は不安定な動きを続けていたが、NYダウは前週末を境に再び買い優勢の地合いに変わり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は25日移動平均線との下方カイ離をほぼ解消する水準まで戻りを示している。一方、外国為替市場ではドル・円相場が大荒れの展開となり、一時1ドル=160円台までドル高・円安が進んだが、その後政府・日銀による円買い介入の思惑を背景に一気に154円台まで円高方向に押し戻される場面があった。ここ急激な円安の進行を受け、株式市場もこれを好感する動きが薄れていただけに、いったん円安に歯止めがかかったことは安心感につながるが、足もとで上下にボラティリティの高いドル・円相場の値動きが投資マインドに影響を与える可能性もある。今週はあす1日までの日程でFOMCが開催されることで、この結果にマーケットの視線が注がれることになる。
29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比146ドル43セント高の3万8386ドル09セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同55.184ポイント高の1万5983.084だった。
日程面では、きょうは3月の失業率・有効求人倍率、3月の鉱工業生産など。海外では4月の中国製造業・非製造業PMIのほか、米国ではFOMCが5月1日までの日程で開催される。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/30 07:59
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=5月「FOMC」経てハイテク株上昇はあるか
4月26日の東京市場で、日経平均株価は一時400円を超える上昇となった。この日の株高の原動力となったのは、日銀金融政策決定会合で「現状維持」が発表されたことだ。もちろん金融政策の据え置きは予想通りの結果だったが、一部から「日銀が国債購入縮小の方法を検討」との報道が流れていたことから、事実上の引き締めへの警戒感が強まっていた。
しかし、日銀の声明文では国債購入縮小には触れられず、月間6兆円程度の買い入れは続く方向性が示された。この発表を受け「金融引き締めに身構えていた投機筋などが一気に円売り・株買いに動いた」(市場関係者)という。これを受け、日経平均株価は一時3万8000円台を回復したが、引けにかけては伸び悩んだ。
東京市場は明日からゴールデンウイークに突入し、来週の立ち会いは3日間のみ。ただ、海外では重要イベントが続き、場合によっては相場が荒れる可能性があることには注意が必要だ。足もとでは、政府・日銀の為替介入がいつあるかが注目されている。また、今晩は米3月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表されるほか、何と言っても4月30日~5月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。
米国では年3回の利下げが予想されてきたが、足もとでは「年1回かゼロ、場合によっては利上げの議論が浮上する可能性も」(アナリスト)と警戒されている。来週のFOMCでは金融政策は据え置きの見通しだが、パウエル議長が記者会見で今後の金融政策に対し、どのような姿勢を示すかが焦点だ。FOMCの結果次第では、金利に敏感なハイテク株、とりわけ半導体関連株に大きな影響が出てくることが予想される。更に、3日には米4月雇用統計も発表されるだけに気は抜けないだろう。
上記以外のイベントでは、30日には米4月消費者信頼感指数、1日に米4月ISM製造業景況指数、同ADP雇用統計、3日に米4月ISM非製造業景況感指数が発表される。30日には韓国サムスン電子、アマゾン<AMZN>、5月2日にはアップル<AAPL>の決算発表も予定されている。特に、足もとの株価が軟調なアップルの決算内容は注目されそうだ。
国内では30日にレーザーテック<6920.T>のほか、JR東日本<9020.T>や東京電力ホールディングス<9501.T>、1日には三井物産<8031.T>、2日には三菱商事<8058.T>や日本航空<9201.T>などの決算が予定されている。更に、28日には衆議院の3選挙区の補欠選挙が予定されている。その結果次第では岸田政権の基盤が揺らぐ可能性もあり無視はできない。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万7400~3万8400円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/26 17:23
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<注目銘柄>=ACCESS、今期黒字見通しのIOWN関連有力株
ACCESS<4813.T>はソフトウェア開発会社。日本電信電話<9432.T>と次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の実用化で資本・業務提携すると昨年末に発表し、これを機にIOWN関連の有力株として人気化。提携発表前に600円台だった株価は今年3月に1800円台まで上昇し、足もとでも1400円近辺で推移している。
短期急騰で高値警戒感が依然意識されやすいが、業績面からのサポートに期待したい。3月に発表した24年1月期決算は通信キャリアやデータセンター事業者向けで製品販売が伸び、大幅増収・営業赤字縮小で着地。続く25年1月期は増収基調を継続するとともに、5期ぶりに黒字転換を果たす見通しだ。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/26 10:00
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26日の株式相場見通し=強弱観対立、日銀決定会合も絡み不安定な値動きに
26日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は3万7000円台後半で売り買いを交錯させる展開が予想される。前日の米国株市場ではリスク回避目的の売りが加速し、NYダウが一時700ドルを超える下げをみせた。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は今週に入って相対的に強さを維持していたが、この日は4日ぶりに反落を余儀なくされている。発表された今年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回ったが、同時に発表されたPCE物価指数(コア指数)の伸び率が事前コンセンサスを上回ったことで、米景気減速の一方でインフレが加速する悪循環が意識され、投資家心理が冷やされる格好となった。米10年債利回りが4.7%台まで上昇し一段と株式の割高感が強まったことも下げを助長している。これを受けて東京市場でもリスクオフの流れは拭えないが、日経平均は前日に先物主導で800円を超える急落を余儀なくされており、その分下値抵抗力を発揮する可能性が高い。ただ、きょう取引時間中に開示される日銀の金融政策決定会合の結果や、引け後の植田日銀総裁の記者会見などに投資家の関心が高く、“日銀プレー”で不安定な値動きとなることも予想される。
25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比375ドル12セント安の3万8085ドル80セントと大幅続落。ナスダック総合株価指数は同100.989ポイント安の1万5611.760だった。
日程面では、きょうは4月の都区部消費者物価指数(CPI)、日銀の金融政策決定会合と植田日銀総裁の記者会見など。海外では3月の米個人所得・消費支出(PCE)など。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/26 08:00
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明日の株式相場に向けて=日銀決定会合後の動向に関心集まる
今週は注目イベントが相次ぐが、日経平均株価が大幅安となった今日の東京市場に大きな影響を与えたのは、24日のメタ・プラットフォームズ<META>の決算発表だった。同社の4~6月期売上高見通しは市場予想に達せず、時間外取引で株価は急落。ナスダック指数先物が下落したことを受け、東京市場も急落した。
25日の日経平均株価は831円安の3万7628円となり、前日に907円高と急伸した上昇分の多くを吐き出し、再び3万8000円を割り込んだ。今晩もマイクロソフト<MSFT>やアルファベットといったビッグテック企業の決算が予定されているほか、米1~3月期国内総生産(GDP)の発表も予定されている。
そして、明日は日銀金融政策決定会合の結果が発表される。3月の会合でマイナス金利政策の解除を決定した直後だけに、「現状維持」との見方は少なくない。ただ、日銀の政策スタンスに大きな変化はない、との方向性を見透かしたかのように為替相場では約34年ぶりとなる1ドル=155円後半への円安が進んでいる。
明日の日銀会合の結果を受け、一段の円安進行はあるのか。そして、政府・日銀による為替介入はあるのか。株式市場では、かつてのようには円安を好感していないだけに、為替市場の動向に株価がどう反応するかは大きなポイントとなる。明日はゴールデンウイークを控えた週末ということもあり、株式市場ではいったん手仕舞い売りが出るかもしれない。
足もとでは、米国の10年債利回りが4.6%台で上昇基調にあることが関心を集めているが、日本でも同利回りは0.89%前後と強含んでいる。日本では円安進行も追い風となり長期金利の上昇基調は変わらないとみられるだけに、金融株の見直し余地はまだ大きいだろう。三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>やみずほフィナンシャルグループ<8411.T>のほか、七十七銀行<8341.T>や千葉銀行<8331.T>、ふくおかフィナンシャルグループ<8354.T>、宮崎銀行<8393.T>などといった地銀株にも注目したい。
他の明日のスケジュールでは、明晩に米3月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表されるほか、国内では引け後にアドバンテスト<6857.T>や日立製作所<6501.T>、NEC<6701.T>、野村ホールディングス<8604.T>、TDK<6762.T>などが決算発表を行う。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/25 17:01
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<注目銘柄>=グロービー、開発中のAI英会話サービスに期待
Globee<5575.T>は人工知能(AI)英語学習プラットフォーム「abceed(エービーシード)」を開発・運営。2月末時点の有料会員数は9万2000人と順調に伸びている。
1月に実施したキャンペーンの効果もあって、4月12日に公表した24年5月期第3四半期累計の単独経常利益は前年同期比42.2%増の2億3600万円で着地。通期見通しは従来通り3億1600万円(前期比30.9%増)で据え置いているが、3月に行ったProプランの値上げ効果などから上方修正される可能性がありそうだ。また、開発中のAI英会話サービスは今期末もしくは来期の初めごろにリリース予定だとしており、新規有料会員の更なる増加が期待される。
株価は4月12日につけた直近安値1155円を底に下値を切り上げる展開。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが目前で、時価は仕込み好機と捉えたい。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/25 10:00
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25日の株式相場見通し=反落、重要イベント控え持ち高調整の売り優勢に
25日の東京株式市場は売り優勢の展開となり、日経平均株価は反落し3万8000円大台攻防を視野に入れる軟調な地合いとなりそうだ。前日は東京市場を含めアジア株市場が全面高で世界的な株価上昇局面にあったが、欧州時間の取引終盤にリスクオフムードとなり値を消し、主要国の株価が軒並み下落する展開となった。米国株市場では米10年債利回りが再び上昇に転じたことを受け買いが手控えられ、NYダウが小幅ながら5日ぶりに反落した。主力ハイテク企業の決算発表を前にこの内容を見極めたいとの思惑も上値を重くしている。ただ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はプラス圏で着地し3日続伸となった。東京市場では前日に日経平均が900円を超える上昇を示したが、先物主導で買われ過ぎた面もあり、きょうはその反動が出そうだ。週末26日に日銀の金融政策決定会合の結果発表と展望リポートの開示、植田日銀総裁の記者会見を控えるほか、米国ではPCEデフレーターに市場の関心が高く、買いポジションを高めにくいタイミングでもある。外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが一段と進み、約34年ぶりに1ドル=155円台の円安となっているが、介入思惑もくすぶるなかでこれを好感する動きは限定的なものにとどまりそうだ。
24日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比42ドル77セント安の3万8460ドル92セントと5日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同16.109ポイント高の1万5712.749だった。
日程面では、きょうは2月の景気動向指数改定値、3月の外食売上高、3月の全国百貨店売上高など。海外では1~3月期韓国国内総生産(GDP)、トルコ中銀による政策金利発表、週間の米新規失業保険申請件数、1~3月期米GDP速報値、3月の米仮契約住宅販売件数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/25 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=半導体関連が満を持して逆襲高へ
きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比907円高の3万8460円と続急騰。引け際に先物主導の巻き戻しで高値引けとなるのはAIアルゴリズムお決まりのコース。中東の地政学リスクを口実に売り仕掛けが入ったものの、イランとイスラエルの対立が先鋭化したとしても、これによって株式市場のトレンド自体が変わることはないというのは、これまで繰り返してきた通りだ。ネタニヤフ首相がバイデン大統領の忠告に従ったことで過度な不安心理が後退し、リスクオフの巻き戻しが入ったという一連の流れは、後付け講釈であって本質ではない。もし相場が立ち直れなければ中東情勢以外の別の理由があるはずだったが、今回それは杞憂だったようだ。
穿った見方ならイラン大使館攻撃に始まった顛末は、株価波乱のトリガーを引いたのではなく、引かせたように見せたという方が的を射ているかもしれない。裏返せば今回のイラン・イスラエルの対立先鋭化がなくとも、何かしらの理由で相場は調整を強いられる時間軸にあったということになる。
これまでの日経平均急落の象徴は半導体セクターの総崩れだったわけだが、きょうは分かりやすく半導体復活を原寸大で投影したような相場だった。半導体関連は決算発表絡みで主力どころの銘柄は特に手を出しにくいが、きょうの戻りは純粋な値ごろ感からの押し目買いが機能したわけではなく、ショート筋の買い戻しが株価押し上げの原動力となった。売買代金第4位までを半導体セクターを代表する銘柄群が独占し、その中でも日経平均寄与度トップの東京エレクトロン<8035.T>の上げ足が鮮烈だった。
また、ソシオネクスト<6526.T>などは直近、外資系証券経由の空売りがかなり積み上がっていたことから、そのアンワインドの動きが続く可能性がある。ただし、同社は今週末26日に24年3月期通期の決算発表を控えているだけに安易に買いも入れにくい。24年3月期は大幅増益で仮に計画を上振れて着地しても、25年3月期予想は保守的に出してくる可能性がそれなりに高いからだ。したがって、見切り発車で追撃するのは賭けである。同社は2ナノ半導体関連の急先鋒として将来的な成長に向けたキャパシティーは十分であり、ここは決算発表通過を待って、株価が上下どちらに振れてもタイミングを見て入り直すというのが“急がば回れ”の正攻法といえる。
このほか、直近で決算発表が絡まない中小型株に照準を合わせる手もある。データセンター関連の穴株では光関連デバイスを手掛ける精工技研<6834.T>に着目。24年3月期は大幅減益見通しながら株価には既に織り込まれている。進捗率から上振れて着地する公算が大きいが、それ以上に同社株の場合は25年3月期の急回復シナリオが期待できる点が強み。データセンター向けに同社が生産する光コネクタや同製造装置、測定装置などが引っ張りだこになるシナリオが見え隠れする。
更に時価総額100億円未満の小型株ながらシステム受託開発で高実績を有する東海ソフト<4430.T>もマークしたい。5月期決算企業で、この時期“決算跨ぎ縛り”に該当しない銘柄である点はポイント。高い技術力に加え、地の利を生かしてトヨタ自動車<7203.T>向け車載用電子制御ユニット(ECU)などで将来性が見込まれる。業績は目を見張る高成長路線を走るが、時価予想PERは10倍を割り込み、株主還元も今期配当利回り3%超と申し分がない。加えて、ROEが14%台と高いにも関わらず、PBRが1.3倍台というのは評価不足が際立つ。株価はここ急速に見直されているとはいえ、水準訂正余地はむしろここからの方が大きい可能性がある。
あすのスケジュールでは、2月の景気動向指数改定値、3月の外食売上高、3月の全国百貨店売上高など。また、この日は東証グロース市場にコージンバイオ<177A.T>が新規上場する。海外では1~3月期韓国国内総生産(GDP)、トルコ中銀による政策金利発表のほか、米国では週間の新規失業保険申請件数、1~3月期米GDP速報値、3月の米仮契約住宅販売件数が注目される。なお、国内主要企業の決算発表では信越化学工業<4063.T>、ディスコ<6146.T>、富士通<6702.T>、キーエンス<6861.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>などが予定。海外主要企業ではマイクロソフト<MSFT>、アルファベット<GOOGL>、インテル<INTC>、キャタピラー<CAT>などの決算発表に市場の関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/24 17:00
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24日の株式相場見通し=続伸、欧米株高続きセンチメント改善続く
24日の東京株式市場はリスク選好の地合いが続き日経平均株価は3日続伸と戻り足を強めそうだ。今週は世界的に株高傾向へと流れが変わってきている。前日の欧州株市場はほぼ全面高様相となり、英国では主要株価指数が史上最高値を更新したほか、米国株市場でもNYダウが4連騰。ここ下げがきつかったナスダック総合株価指数も続伸し、直近2営業日合計の上昇幅は400ポイントを超えた。中東情勢に対する不安心理が後退するなか、地政学リスクに対する警戒感の緩和が米長期金利の低下につながり、10年債利回りは一時4.6%台を下回り、ハイテク株を買い戻す動きを誘発している。この日はエヌビディア<NVDA>やテスラ<TSLA>をはじめマグニフィセントセブンも全面高となり、市場のセンチメント改善を後押ししている。恐怖指数と言われるVIX指数も大幅低下し再び15ポイント台まで水準を切り下げた。これを受けて東京市場でも主力株をはじめ幅広い銘柄に買いが広がり、日経平均は3万7000円台後半から3万8000円大台近辺をうかがう強調展開が見込まれる。ただ、今週末の日銀金融政策決定会合の結果発表や米国のPCEデフレーターの開示を控えていることで、これらの内容を見極めたいとの思惑から買い一巡後は上げ幅を縮小する可能性もありそうだ。
23日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比263ドル71セント高の3万8503ドル69セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同245.335ポイント高の1万5696.640だった。
日程面では、きょうは3月の企業向けサービス価格指数など。海外では、インドネシア中銀が政策金利を発表、4月の独Ifo企業景況感指数、3月の米耐久財受注額など。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/24 08:02
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=渇望される米利下げと恐怖のアノマリー
きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比113円高の3万7552円と続伸。日経平均は高かったものの、ショート筋の買い戻しが一巡すると実需の買いが続かず戻りの勢いは弱い。取引開始直後に380円ほど上昇したが、ほぼ寄り天状態で下値を切り下げ、マイナス圏に沈む場面もあった。相変わらず半導体関連が冴えない。売買代金で圧倒的首位の座をキープしたレーザーテック<6920.T>が、断崖チャートを形成し連日の年初来安値に叩かれているというのもある種異様な光景である。
前日の欧州株市場はイタリアを除きほぼ全面高、米国株市場でもようやくハイテク株が買い戻される展開となり、ナスダック総合株価指数が7日ぶりに反発した。これに円安が加わり東京市場にとっても流れは悪くなかったが、強かったのはスタート直後だけで、後は例によって慣性の法則で坂道を転がるように軟化した。売り一巡後に日経平均は再び上昇に転じたとはいえ、終始覇気の感じられない地合いだった。
米国に続き日本でも企業の決算発表が本格化するなか、全体観として市場関係者は一様に日米揃って好調な決算内容を予想する。だが、逆に期待のハードルが高いことがリスクとして意識され、ちょっと手が出しにくいというのが投資家の本音といえる。また、今の株式市場には何か需給面で芳しくない事情を暗示するような上値の重さがある。「ヘッジファンドの売り仕掛けといった投機性の強い戦略的売買ではなく、過剰に組み入れ過ぎたファンドのロングポジション調整が相次ぎ、束になることで増幅されたような、合成の誤謬的な売り圧力」(中堅証券ストラテジスト)という見方もある。
一体、今のリスクオフの正体は何か。米国の政策金利が5.25~5.5%と高止まりする中で、米国経済の強さが七不思議のように取り沙汰されているが、マーケットはその経済の強さが実はイミテーションではないかという疑念を持ち始めているのではないか。世界株市場を牽引してきた米国株が危機的な下げに遭遇するとすれば、強すぎるはずの経済が、急転直下で冷え込むような場面が想定された時。長短金利の逆転現象(米10年債利回りと2年債利回りの逆イールド)が長く続いているが、もしこの金利差が急速に縮小する動きをみせたら、その時は投資家も身構えなければならない。
一部報道では米国債の逆イールドは3月下旬時点で過去最長を更新したもようで、それまでは1978年オイルショック時に記録した624営業日が最長だったという。なお、市場関係者は「リーマン・ショックがあった2008年にも540日にわたる逆イールドが生じている」(ネット証券アナリスト)と指摘する。この逆転現象が修正されるとすれば、FRBによる利下げ開始が挙げられる。今はその時期の後ずれ観測が相場の重荷となっているが、利下げによる逆イールド解消はリセッションが始まる直前に実現するケースが多い。利下げが経済の実勢悪のスピードに追いつかないためだ。そして、過去のケースから逆イールドはその期間が長いほど景気の谷も深く、株価の下振れ余地もそれに連動する。今はまだモラトリアムな時間帯にあるが、米利下げに対する渇望は、実はその瞬間が近づくほどに相場がリスクオフモードに傾くという皮肉な結末となる可能性もある。
きょうの東京市場に目を向けると、プライム市場の覇気のなさはともかく、グロース市場の弱さが気になるところ。グロース市場指数、グロース250指数ともに水準的には大底圏で拾い場を示唆しているように見えるが、売買代金の少なさが投資マインドの低迷を如実に物語る。短期スタンスで臨むなら唯一の例外エリアが直近IPOのリバウンドで、人工知能(AI)関連の新星トライアルホールディングス<141A.T>や、サイバー防衛の精鋭カウリス<153A.T>などに着目してみるのも一法だ。
あすのスケジュールでは、3月の企業向けサービス価格指数が朝方取引開始前に開示される。また、環境省と気象庁が「熱中症警戒アラート」の運用を開始する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にレジル<176A.T>が新規上場する。また、ファナック<6954.T>の3月期通期決算やキヤノン<7751.T>の1~3月期決算が発表される。海外では、インドネシア中銀が政策金利を発表するほか、4月の独Ifo企業景況感指数、3月の米耐久財受注額などにマーケットの視線が集まる。主要企業の決算発表ではメタ・プラットフォームズ<META>、IBM<IBM>、ボーイング<BA>などが予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/23 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=サンアスタ、DXで業績成長続き底値買い好機
Sun Asterisk<4053.T>の900円近辺のもみ合いは底値買いの好機とみたい。ソフトウェアの受託開発を主力に企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援ビジネスを展開している。ソフト開発に付随する形で企画・開発・運用まで一気通貫で顧客に提供できるのが同社の強み。また、IT人材の育成も手掛けており、ベトナム子会社からの人材供給で優位性を発揮し商機を捉えている。24年12月期は大企業を中心に顧客数の更なる拡大が見込め、大幅増収増益が続く公算大。人件費の増加を吸収して営業利益段階で前期比22%増の21億6200万円を見込んでいる。
株価は2月下旬に1088円の年初来高値を形成した後は調整色を強めているが、時価近辺は売り物がこなれており、上放れのタイミングを待つ状態。テクニカル的には960円近辺を横に走る75日移動平均線が目先の戻りメドとして意識され、ここをクリアしての4ケタ大台復帰も視野に入る。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/23 10:02
みんかぶニュース コラム
23日の株式相場見通し=続伸、欧米株高を受け戻り歩調続く
23日の東京株式市場は前日に続き値ごろ感からの押し目買いや空売り筋のショートカバーが優勢となり、日経平均株価は続伸する公算が大きい。3万7000円台後半に水準を切り上げる展開が想定される。前日の欧州株市場はほぼ全面高様相となったほか、米国株市場でもNYダウが一時450ドルを超える上昇を示すなど、買い気の強い地合いとなった。中東情勢に対する過度な不安心理が後退し、ハイテク系グロース株を含めた幅広い銘柄に投資資金が流入した。これまでハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の下値模索が続いていたが、この日は米長期金利の低下を背景に7日ぶりに上昇に転じている。調整色を強めていたエヌビディア<NVDA>が4%を超える急反発をみせたのをはじめ半導体セクターに買いが流入、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4日ぶりに切り返しに転じている。東京市場では前週末に日経平均株価が1000円あまりの大幅安を強いられたが、週明けはリバウンド狙いの買いが表面化した。きょうも欧米株高を受けリスク選好の地合いが見込まれる。外国為替市場で1ドル=154円台後半まで円安が進んでいることもあり、半導体関連株の切り返しが期待されるところ。一方、本格化する企業の決算発表を横にらみに個別には好業績株が買われる一方、決算内容が芳しくない銘柄は売りの対象となりやすく、神経質な展開となることも予想される。
22日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比253ドル58セント高の3万8239ドル98セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同169.295ポイント高の1万5451.305だった。
日程面では、きょうは2年物国債の入札、3月の食品スーパー売上高、3月の全国スーパー売上高など。海外では4月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)、4月の米PMI(S&Pグローバル調査・速報値)、3月の米新築住宅販売件数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/23 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=全面リバウンドでも嵐が続く半導体関連
週明け22日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比370円高の3万7438円と反発。前週末に日経平均は先物に引きずられ1000円超の急落を余儀なくされたが、きょうはその巻き戻しの動きが顕在化した。75日移動平均線割れで投げ売りを誘ったところがいったん拾い場となる裏セオリーが機能した形だ。もっとも、自律反発とはいえ中身を見ると稀に見る変調な地合いであったといえる。個別株は幅広くリバウンド狙いの買いが流入、プライム市場の約90%の銘柄が値上がりするほぼ全面高商状となった。ところが、そうした中で相場の体感温度は低く、むしろ悪寒を感じるような地合いだったかもしれない。売買代金トップのレーザーテック<6920.T>がかろうじて小幅プラス圏に切り返したのみで、そのほか売買代金上位を占める半導体主力銘柄は文字通りの全面安だった。
売買代金だけみれば上位を独占し、大活況を呈する半導体セクターが、実際は一様に売り叩かれているという状況も異様な光景ではあるが、半導体以外の銘柄が赤一色、いわゆる9割の銘柄が上昇する相場というのは同じ日の出来事とは到底思えないほどの違和感がある。これを、どう解釈するかの問題だが、半導体関連が下値模索のオンパレードであっても、他の銘柄がこれに流されないことを「相場の強さ」として評価するのか、それとも半導体の弱さが「相場の先安懸念」を暗示するものと捉えるべきかは難しいところだ。
全体相場は4月新年度入りから急勾配の下り坂に遭遇した。日経平均は4月1日の始値が4万646円だったから、そこから前週末19日の終値3万7068円まで3578円の下落。これは下り坂というよりは“まさか”という崩落ぶりで、これを月初に予想した向きはほとんどいなかったと思われる。しかし、もう少し立ち位置を引いて眺めると、今年は3月22日に史上最高値4万888円(終値ベース)をつけたのだが、この時点で年初から7700円弱も水準を切り上げている。これもまた平凡な上り坂ではなかった。冷静に俯瞰すれば、今はまだ高値水準からの半値押しであり、まさかの上昇に見合う調整局面といえなくもない。全体相場の長期トレンドが終焉したとみなすのは早計である。
仮に全体相場が長期下降トレンドに移行した場合、これは中東情勢によるものではない。地政学リスクが相場の波動そのものを変えることがないのは過去の歴史が証明している。売りの口実に使われても、もし相場が他にトレンドブレイクの要素を孕(はら)んでいなければ早晩立ち直るはず。日経平均は今回と同様に、昨年9月下旬から10月にかけて75日線を下放れ、トレンド転換を印象づけた経緯がある。この時は三尊天井(三点天井)形成も喧伝され売り方を勢いづかせたが、その後に待っていたのは踏み上げ相場だった。
『メディア論』で知られる文学者マクルーハンは「人は前を見ているつもりで、実はバックミラーを見ている」という至言を残している。過去の軌跡を見ながら前方を見ている気分になるのは、未来を知り得ない人間に共通した“錯覚”である。例えばイランとイスラエルの紛争は確かに根深いが、ではロシアのウクライナ侵攻に関してどうだったかといえば、今なお終結のメドが立っていない。戦争が延々と続く中で米国や日本、そしてドイツやフランスなど欧州主要国は史上最高値を更新した。今の中東情勢に目を向け悲観しても、それはバックミラーを見て頭を悩ませているに過ぎない。これは米国の強い経済指標が早期利下げ期待を剥落させていることもしかり、である。
本当に狼がやって来るとすれば米利下げ期待の剥落ではなく、強いはずの米景気が失速するケース、サプライズ的なハードランディング懸念が浮上した時と思われる。言い換えれば米10年債利回りと2年債利回りが次にクロスする場面(逆イールド解消場面)で、株式市場は危殆に瀕する可能性があり、そのタイミングには注意を払っておきたい。
あすのスケジュールでは、午前中に2年物国債の入札が行われるほか、午後取引時間中に3月の食品スーパー売上高、3月の全国スーパー売上高が発表される。また、日銀から基調的なインフレ率を捕捉するための指標が開示されるほか、4月の月例経済報告も注目される。また、この日はニデック<6594.T>の3月期決算発表が予定されている。海外では4月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)、4月の米PMI(S&Pグローバル調査・速報値)、3月の米新築住宅販売件数など。海外主要企業の決算ではテスラ<TSLA>の1~3月期決算にマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/22 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=DMG森精機、業績増額期待で一段高へ
DMG森精機<6141.T>に注目したい。工作機械大手の同社の業績は好調に推移している。24年12月期の連結純利益は前期比3.1%増の350億円と最高益更新が見込まれている。5軸加工機や複合加工機などの需要は堅調で、宇宙、航空、医療、半導体製造装置関連などが伸びている。今期配当も前期比10円増の100円が計画されている。足もとの円安も業績面の追い風に働き、今期業績の増額修正期待も膨らんでいる。
好調な業績を背景に株価は上昇基調を強めている。工場自動化などに絡み同社製品への需要は高まっている。先行きバブル期の1989年10月につけた4810円の最高値更新から5000円台の活躍が期待できる。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/22 10:00
みんかぶニュース コラム
22日の株式相場見通し=強弱観対立、急落の反動見込まれるも上値重いか
22日の東京株式市場は日経平均株価が前週末終値近辺で強弱観を対立させ一進一退の展開か。前週末は先物主導で大きく売り込まれたが、その反動から買い戻しを誘発しやすいが、一方で実需の買いは限定的で上値も重い地合いが想定される。前週末の米国株市場では中東の地政学リスクに対する過度な不安心理が和らぎ、NYダウが200ドルを超える上昇を示した。しかし、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は下げ止まらず、6日続落で今年1月末以来の水準まで売り込まれた。画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が10%あまりの急落を示すなど半導体関連株の下げが目立っており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4%超の大幅安となった。これを受け東京市場でも半導体関連中心に逆風が強い。ただ、日経平均は前週末に先物主導で1000円超の急落を示しており、前週1週間でみても2400円以上も水準を切り下げている。目先下げ過ぎ是正を狙った押し目買いの動きも期待できそうだ。外国為替市場では1ドル=154円台後半の推移で円安水準を維持しており、これも輸出セクター中心に追い風となる。一方、中東情勢を横にらみに地政学リスクに対する警戒感から上値も重い可能性がある。
19日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比211ドル02セント高の3万7986ドル40セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同319.489ポイント安の1万5282.010だった。
日程面では、きょうは3月の白物家電出荷額、3月の主要コンビニエンスストア売上高など。海外では、中国最優遇貸出金利など。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/22 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=リスクオフ相場の先行きを探る展開に
19日の東京株式市場は、日経平均株価が1011円安と今年最大の下げを記録。一時3万7000円を割り込む場面もあり、2月9日以来、約2カ月ぶりの水準に落ち込んだ。この日の株価急落の要因には、台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>が決算発表を行い半導体市場の見通しを引き下げたことから、東京エレクトロン<8035.T>などが急落したことがある。
そこへ更に「イスラエルがイランに空爆を行った」と伝わり、中東情勢緊迫化を警戒するリスクオフの売りに見舞われた。特に、イラン空爆の報道は相場にショック安をもたらした。市場関係者からは「イスラエルとイランの抗争がウクライナ戦争と異なるのは、状況次第では両国が持つ核の脅威へとつながっていくことだ」と指摘する。更に、この日の市場ではイランによるホルムズ海峡閉鎖まで警戒されたようだ。
しかし、「日経平均株価が一時1300円安まで売られたことで、目先のリスク要因は相当織り込んだのではないか」(アナリスト)との見方も出ている。イラン政府高官は「即時に報復する計画はない」と語った、とも伝えられている。ただ、更に危機が深刻化すれば一段の下値を模索することもあり得るだけに、中東情勢からは目が離せないだろう。
そんななか、来週も注目イベントは満載であり気を許せない状況は続きそうだ。4月30~5月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)が注視されているが、その内容を探る意味でも26日の米3月個人消費支出(PCEデフレーター)は高い関心を集めそうだ。また、25日には米1~3月期国内総生産(GDP)が発表される。米決算発表も要注目だ。23日にはテキサスインスツルメンツ<TXN>とテスラ<TSLA>、24日にはメタ・プラットフォームズ<META>、25日にはマイクロソフト<MSFT>とアルファベットなどが決算を行う。
国内では、25~26日に日銀金融政策決定会合が開催される。3月にマイナス金利の解除を決定しているだけに金融政策は現状維持が予想されるが、足もとで円安が進行するなか植田総裁のコメントは注視されそうだ。
更に、日本でも23日のニデック<6594.T>を皮切りに決算発表が本格化する。24日にファナック<6954.T>、25日にディスコ<6146.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>、富士通<6702.T>、26日にアドバンテスト<6857.T>、日立製作所<6501.T>などが予定されている。24日にレジル<176A.T>、25日にコージンバイオ<177A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万6500~3万7700円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/19 17:26
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=デサント、中国好調・パリ五輪関連の物色に期待
デサント<8114.T>が仕切り直しの局面を迎えている。伊藤忠商事<8001.T>が2019年にデサントに対し株式公開買い付け(TOB)を実施して傘下に収めた後、業績は一時的に低迷したものの、24年3月期の最終利益は過去最高益を更新する見込み。業績のV字回復が顕著だが、株価は年初来の安値圏で推移する。
ロックダウン後に人流が回復した中国での販売が絶好調で、持ち分法適用関連会社が展開する「デサント」ブランドも高い成長率を示している。マクロ景気の減速に対する警戒感がくすぶる中国ではあるが、現地では高級スポーツブランドとして同社製品を購入しようとするニーズが底堅く推移しているとみられている。また、グローバルでのブランド力の強化に向け「DIOR」や「ランボルギーニ」とのコラボレーションも展開。日本国内の主要工場である水沢工場を刷新してモノづくり力を強化し、27年3月期までの3カ年の新たな中期経営計画中に「デサント」ブランドの日本・韓国・中国での収益倍増を目指す方針を示している。
今年7月から始まるパリ五輪に向けて、競泳向けの「アリーナ」ブランドなど同社製品のメディアにおける露出度が一段と高まることも見込まれ、パリ五輪関連銘柄として関心を集める余地は大きい。株価は3000円を手前に下値抵抗力も示しており、押し目買いの好機として受け止めたい。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/19 10:00
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19日の株式相場見通し=反落へ、米ハイテク株安で75日移動平均線近辺の攻防に
19日の東京株式市場で、日経平均株価は反落の見通し。前日の米株式市場でNYダウは小反発した一方、米ナスダック総合株価指数は5日続落と下げが止まらず、およそ2カ月ぶりの安値圏で引けた。日本時間の18日の取引時間中に発表された台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の決算は市場予想を上回る内容だった。米半導体大手エヌビディア<NVDA>は上昇したものの個別物色にとどまり、米フィラデルフィア半導体株指数は1%を超す下げとなった。米国の週間新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったほか、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数は前月から上昇。更に、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が講演で、利下げの緊急性はないとの認識を示したこともあって、米景気の底堅さが意識されるなかで、FRBによる利下げ開始時期が後ずれするとの見方が強まっている。米長期金利は再び4.6%台に上昇し、米国のハイテク株の売りを促す要因となっており、東京市場でも半導体関連株の重荷となると想定される。半面、外国為替市場ではドル買いの流れが強まり、ドル円相場は1ドル=154円台60銭近辺と円安基調となっている点は、輸出関連株の下値を支えるだろう。国内では3月期の決算発表シーズンの本格化を前に手掛かり材料が乏しい一日となる。外部要因をもとに朝方に先物主導で売られ、75日移動平均線(3万7884円)を下回った後は、損失覚悟の売りが膨らむことが警戒されるが、日経平均は今月に入り前日まで2300円近い下げとなっており、押し目待ちの投資家による資金流入期待は根強い。売り方が勢いづいて下げに拍車が掛かり、ボリンジャーバンドのマイナス3シグマ(3万7262円)に迫るような動きを見せた場合は、自律反発狙いの買いを誘う展開も予想される。
18日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比22ドル07セント高の3万7775.38ドルと小反発。ナスダック総合株価指数は同81.874ポイント安の1万5601.499だった。
日程面では、きょうは国内では3月の全国消費者物価指数が公表される。海外ではドイツの3月生産者物価指数の発表が控えている。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/19 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=TSMC決算通過も疑心暗鬼の半導体株
きょう(18日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比117円高の3万8079円と反発。前日引け際に3万8000円台を割り込んだが、きょうは朝安後に切り返し大台復帰を果たした。前日の米国株市場では、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の下値模索が続き4日続落。ダウに比べ相対的に強いチャートを形成していたナスダック指数だったが、遂に75日移動平均線を下回って引けた。こうなると、日経平均やTOPIXも75日線を巡る攻防を意識せざるを得ず、実際に日経平均は朝方300円を上回る下げで同移動平均線を下に抜けた。しかし、結果的にきょうは陽線で踏ん張り3万8000円トビ台で着地している。
短期的には買い向かって報われやすい場面であった。売り方にすれば、いったん買い戻して様子を見るところで、全体地合いが弱いと見れば改めて売り崩してくるが、押し目買いニーズが強いとなれば目先リバウンド相場の軌道に乗る。前日までの3営業日で日経平均は1500円以上下落しているが、国内要因として政局不安はあるものの表立った売り材料は見当たらない。世界的な株安に歩調を合わせていたのであれば、これ以上売り込まれる道理には乏しく、押し目買いに動くタイミングとして拙速ということはない。
もちろん、ここから一直線に戻り相場が期待できるほど楽観的ではない。前週末12日申し込み現在の信用買い残高は3週連続の増加で4兆6000億円弱まで拡大、これは約18年ぶりの高水準と伝わっているが、今週に入ってからの日経平均の崩れ足で完全に思惑を外した格好となっている。したがって戻り売り圧力の強さは拭えないが、相場が弱気に傾き投げが出ればそこは買い場という判断が働く、今はそういう時間軸にある。
そうしたなか、投資家の最も関心の高いセクターは半導体関連であろう。直近は「ASMLショック」に日米の株式市場は揺さぶられたが、きょうは後場取引時間中に発表された台湾の半導体受託生産最大手のTSMC<TSM>の1~3月期決算が過去最高水準で事前コンセンサスも上回ったことから買い戻しが利いた。ただ、まだ疑心暗鬼ムードが漂う状況にある。きょう大きく切り返したアドバンテスト<6857.T>なども来週に決算発表を控えており、本腰を入れて下値を拾うには今しばらくの時間が必要だ。半導体関連以外では、人工知能(AI)やサイバー防衛など、先般の日米首脳会談で議題に上がった項目で今後も政策アナウンスが出やすいテーマに着目。AI関連ではシリウスビジョン<6276.T>の我が道を行く上昇トレンドが目を引く。サイバーセキュリティーでは業績好調が際立つFFRIセキュリティ<3692.T>の押し目に目を配っておきたい。
また、全体相場の地合いがリスクオフに傾き主力株が動きを止めている間に投機性の強い短期資金が株価低位の銘柄群に流れ込む動きも観測されている。ファンダメンタルズは不問というと語弊があるが、需給思惑オンリーで大きく株価の居どころを変えている銘柄もいくつか出現している。例えば、倉元製作所<5216.T>は2月20日に30円高のストップ高で115円に買われた後に確変モードとなり、特にここ最近は仕手化様相をみせ、きょうの高値345円まで直近10営業日で株価水準を2.3倍化させた。結局上ヒゲ陰線で引けたのだが、これを受けて2匹目のドジョウ探しという話しには中々ならないものの、同社株の一連の急騰劇は低位株に対する短期筋の視線が熱を帯びるきっかけにはなっている。
株価100~300円台の低位株では、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を追い風にトップラインの伸びが続くノムラシステムコーポレーション<3940.T>、サイバーセキュリティー関連人材へのニーズが急増するなか情報セキュリティーエンジニアの派遣を行うセキュアヴェイル<3042.T>、フグだけでなく夏場の鰻料理も手掛けインバウンド消費需要が中期的に期待できる関門海<3372.T>などが面白い存在か。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に3月の全国消費者物価指数(CPI)と23年度の全国CPIが発表される。同じく朝方に日銀から4月の主要銀行貸出動向アンケート調査が開示される。このほか、3カ月物国庫短期証券の入札が午前中に行われる。海外ではマレーシアの1~3月期国内総生産(GDP)速報値、3月の英小売売上高が発表される。また、海外主要企業の決算では、プロクター・アンド・ギャンブル<PG>、アメリカン・エキスプレス<AXP>の1~3月期決算が注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/18 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=JRC、ソリューションの売上拡大に注力
JRC<6224.T>は12日、25年2月期通期の連結業績予想を公表。経常利益は前期比25.9%増の16億400万円を見込み、期末一括配当は前期比5円増配の26円を計画している。
主力のコンベヤ事業は安定した受注状況のもと、ソリューション売上比率の更なる拡大を図るとともに、環境プラント向けソリューションにも注力する構え。ロボットSI事業については、引き続き食品・医薬業界を中心とした新規案件の獲得に努めるほか、既存顧客からのリピート需要の取り込みを狙う。加えて、積極的なM&A戦略の実行により、両事業の成長を図るとしている。
株価は15日に年初来高値944円をつけたあと上げ一服となっているが、25日移動平均線や75日移動平均線は上昇基調を維持。PERに割高感はなく、上値を試す展開が期待できそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/18 10:00
みんかぶニュース コラム
18日の株式相場見通し=売り優勢か、米半導体株安嫌気も下値抵抗力発揮
18日の東京株式市場は強弱観対立のなかも売り優勢、日経平均株価は3万7000円台後半で売り物をこなす地合いが想定されるが、3万7800円近辺に位置する75日移動平均線が攻防ラインとして意識され、ここを下抜ける可能性もあり、神経質な値動きとなりそうだ。前日の欧州株市場では独DAX、仏CAC40など主要国の株価指数は総じて上昇し、米国株市場でもリスク選好の欧州時間を引き継いで朝方は高く始まったものの、その後は買いが続かなかった。NYダウが小幅ながら反落したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は下落率が大きくなった。特にオランダのASML<ASML>は決算発表を嫌気され大きく売り込まれ、これが他の半導体関連株にも波及、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3%を超える大幅安となった。これを受けて東京市場でも半導体関連株への売り圧力が拭えず、全体相場の重荷となりそうだ。日経平均株価は直近3営業日続落で1600円近く水準を切り下げており、目先値ごろ感からの押し目買いも想定され、売り一巡後は下げ渋る展開も予想される。きょうは台湾のTSMC<TSM>の決算発表が予定されており、その内容にもマーケットの関心が集まる。
17日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比45ドル66セント安の3万7753ドル31セントと反落。ナスダック総合株価指数は同181.878ポイント安の1万5683.373だった。
日程面では、きょうは2月の第3次産業活動指数、3月の首都圏マンション販売など。海外では、週間の米新規失業保険申請件数、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の米中古住宅販売件数、3月の米景気先行指標総合指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/18 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=75日線下抜けは逆に買いの好機到来
きょう(17日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比509円安の3万7961円と大幅安で3日続落。フシ目の3万8000円大台を終値で下回った。というよりは大引け数分前の先物を使った売りラッシュで大台を下回らせた、という方が当を得ているかもしれない。75日線を目標にしたある意味わかりやすい売り仕掛けといえる。
前日の米国株市場でNYダウが何とか下げ止まったことで、それを好感する形できょうは日経平均が高く始まったが、強気ムードも束の間、ほぼ寄り付き天井であっという間に値を消しマイナス圏に沈んだ。そして、後場は先物主導でつるべ落としの下げ。絵に描いたような安値引けとなり「寄り天・安値引けの大幅安かつフシ目の3万8000円大台割れ」という“全部乗せ”状態で下げトレンド転換を意識させる大荒れの地合いとなった。
日経平均は75日移動平均線に急接近しており、NYダウに追随する形でこの中期波動の分水嶺を下回ることになるのかどうか、テクニカル的にも正念場といえる。しかし、正念場というのは見方を変えればチャンスの到来でもある。同移動平均線を下回ったら、ただちに中長期下降トレンド入りかといえば必ずしもそういうことではない。75日線を下抜けたことで、これまで辛抱していた向きの投げを誘発し一段下げとなり、シコリ玉が解消されてそこが底入れ反転の契機となるケースも実は多い。
個別株戦略において日経平均にこだわる必要はないが、仮に同じ軌道を描くNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570.T>、いわゆる日経レバを投資対象として考えた場合、どういうスタンスをとるべきか。ネガティブ材料を挙げたらキリがなく前方視界を遮るものは多いが、結論を言ってしまえば、敢えて外部環境に目をつぶって買い向かって良い頃合いといえる。「今が買い場かどうかは神のみぞ知るところだが、キャッシュポジションを高く維持している状態なら3万8000円割れは参戦する一手」(中堅証券ストラテジスト)という強気の声もある。一か八かではなく、最初から75日線を下抜けることを念頭に置いたうえで資金に余裕をもたせて段階的に買い下がるイメージで臨めば、大きな痛手は被らない。「75日線割れから投げ売り噴出による一段安」までを想定に入れて対処するなら、機は熟したといえる。
今は日米の金利上昇が再び懸念材料として株式市場に覆いかぶさっている。米国では前日にパウエルFRB議長が明確にタカ派寄りのコメントを発して早期利下げ期待を牽制、想定されたとはいえ金利を高目誘導し、米10年債利回りは4.6%台後半まで水準を切り上げた。米国では利下げのタイミングが後ろ倒しとなることをマーケットが警戒しているが、そうしたなかパウエル発言は「6月の利下げは見送り確定」を一段と印象づけた。
一方、日本では日銀の利上げが当初想定より前倒しになることを気にしている。植田日銀総裁は利上げに向けたアドバルーンと思しき発言を繰り返しているが、「次回4月25~26日の日銀金融政策決定会合で植田総裁は利上げの可能性に言及する可能性がある」(ネット証券アナリスト)とする。その場合は利上げ決定が最短で次々回6月13~14日開催の決定会合となる。今は、この日米の金融政策との距離感を足もとでマーケットがどう織り込んでいくかという段階にある。ただ、これから本格化する日米の企業決算発表は弱い内容とはなりにくい。日本の場合、期初見通しは慎重に出す傾向が強いが、業態にもよるが目先の円安進行を織り込んでいない以上、最初から増額修正の伸びしろを内在させている有利さがある。きょうはオランダのASML<ASML>の1~3月期決算発表が、市場予想に届かなかったことで、半導体関連の下げを加速させる背景となったが、ここは主力どころを中心に買い場となっている銘柄も多い印象。あすのTSMC<TSM>の決算が仮にコンセンサス未達でダメ押しの下げがあれば、そこはレーザーテック<6920.T>やソシオネクスト<6526.T>などをはじめ中期スタンスで絶好の拾い場提供となる可能性がある。
あすのスケジュールでは、2月の第3次産業活動指数、3月の首都圏マンション販売など。なお、午前中に1年物国庫短期証券の入札が予定。海外では、週間の米新規失業保険申請件数、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の米中古住宅販売件数、3月の米景気先行指標総合指数など。海外主要企業の決算発表では、TSMC<TSM>とネットフリックス<NFLX>の1~3月期決算の内容にマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/17 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=サイゼリヤ、店舗オペレーション効率化が業績に貢献
サイゼリヤ<7581.T>は4月10日に年初来高値6170円をつけたあと短期的な調整局面にあるが、押し目は拾い場と考えたい。
4月10日に第2四半期累計(23年9月~24年2月)連結決算を発表し、営業利益は59億3400万円(前年同期比6.6倍)となった。既存店売上高が国内、海外ともに順調に推移。国内外のサイゼリヤにおける店舗オペレーションの効率化で販管費の上昇率が抑えられたことも寄与した。
もっとも、従来予想の営業利益61億円を下回って着地。また、好決算期待から、株価は4月に入って急上昇していたこともあり、業績発表を受けて急落した。
ただ、国内ではコストパフォーマンスを求める消費行動などを背景に客数・客単価の両面が好調に推移しており、店舗オペレーションの効率化も継続。海外ではアジアにおける積極的な出店効果も期待できる。資源価格の高騰と円安による食材価格やエネルギー価格の上昇の影響を受けるものの、会社計画の24年8月期営業利益131億円(前期比81.4%増)は達成可能だろう。
続く25年8月期については、調査機関によっては営業利益160億円を見込むところもある。増益継続見通しを背景に、株価は高値更新から更なる上値を目指す展開が期待できそうだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/17 10:00
みんかぶニュース コラム
17日の株式相場見通し=反発、NYダウ下げ止まり買い戻し誘発
17日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも買い優勢となり、日経平均株価は3万8000円台半ばから後半で頑強な値動きが想定される。前日は日本株を含めアジア株市場が総じて安かったほか、欧州時間でもリスクオフの流れが継続し独DAXや仏CAC40など主要国の株価をはじめほぼ全面安商状となった。しかし、米国株市場では主力大型株の一角に値ごろ感からの押し目買いが観測された。パウエルFRB議長のタカ派寄りの発言を受け、政策金利引き下げが後ずれするとの思惑が高まり、米10年債利回りが大幅上昇したことは株式の相対的な割高感を意識させている。しかし、NYダウは4月に入ってから2000ドル以上の下げをみせていたことから、その買い戻しが利いて下げ止まる形となった。もっとも、上値を積極的に買い進む動きはみられず自律反発の域にとどまっており、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続落となった。そのなか、個別にはエヌビディア<NVDA>が高く、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も高く引けている。東京株式市場では、米株市場が下げ一服となったことで過度な不安心理が後退し、日経平均は底堅さを発揮しそうだ。外国為替市場では1ドル=154円台後半まで円安が進んでおり、輸出ハイテク株には追い風要因となる。ただ、戻り足も限定的なものにとどまりそうで、米株価指数先物の値動きなどに左右されやすい。
16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比63ドル86セント高の3万7798ドル97セントと7日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同19.768ポイント安の1万5865.251だった。
日程面では、きょうは、3月の貿易統計、実質輸出入の動向、3月の訪日外国人客数など。海外では3月の英消費者物価指数(CPI)、3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、2月の対米証券投資など。なお、インド市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/17 07:59
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=金市況高騰で次はプラチナの出番
きょう(16日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比761円安の3万8471円と続急落。一時は900円を超える下落を強いられる局面もあった。気が付けば3万8000円台前半まで水準を切り下げ、89年のバブル絶頂期につけた高値3万8915円の更新で沸いた2月22日以前の水準まで時計の針が逆戻りしてしまった。米国株市場、特にNYダウの崩れ足が目立っており、日本だけでなく世界の株式市場がこれに引っ張られるようにリスクオフの坂道を下っている、そんなイメージである。
NYダウは4月に入ってから前日までの11営業日で高かった日は1営業日のみ。1勝10敗で、この間に2000ドル以上も水準を切り下げている。中長期波動の分水嶺である75日移動平均線を踏み抜き、なお連続陰線で下値を試す展開は、振り返ってもここ半年くらいは経験がなかった弱さである。ダウは昨年9月下旬にも同じような調整局面があったが、この時は75日線を下回ってからリバウンド局面に移行するまでに1カ月強の日柄を要し、株価水準的にも75日線を起点に約7%程度の下落をみた。仮に今回に当てはめると、5月中旬までは売り圧力に抗(あらが)えず、3万6000ドルを下回る水準(3万5000ドル台後半)まで調整が入る算段だ。米国では6月利下げ実施の可能性が希薄化するなか、米10年債利回りが4.6%台まで上昇、ハイテクセクターを中心に風向きの悪さは否めない。ということで、今は全体観として東京市場でも手を出しにくい時間軸にある。
では米国以外の海外株市場の動向はどうかというと、6月にECBによる利下げ期待が楽しみとして残る欧州株市場は相対的に強さを発揮している。独DAXや仏CAC40などチャートがお辞儀した状態ながらも高値圏でのもみ合いだ。ただ、アジア株市場は意外にも日本株に輪をかけて調整色を強めているマーケットが多い。香港ハンセン指数、韓国KOSPIともに直近にきて75日線を下に抜けた。ベトナム、シンガポール、インドネシアなども同移動平均線を下回り、インドSENSEXはギリギリで同移動平均線の上をキープしてはいるものの、上方カイ離をほぼ解消した状態にある。
こうなると、日経平均やTOPIXも75日線を割り込ませようとする仕掛け的な売り圧力が発生しやすい。特に半導体関連などハイテク株の構成比率が高い日経平均は、売り方にすれば揺さぶり余地が大きい指数である。東京市場では為替の円安進行が株価の下支え材料として機能しづらくなっている点も弱みで、逆張りを狙うにも足もとではまだ中途半端なタイミングといえる。リバウンド局面に入れば半導体セクターの戻りが大きくなるのは自明で、主力どころの銘柄は一斉高で切り返す展開が読めるが、とはいえ無計画に押し目買いを入れて僥倖を期待するのは得策とは言えない。米国株の乱調が収拾するまでは一段の下げに備えて小出しに買い下がるくらいの参戦が妥当である。
目先の物色対象としては、強い銘柄が輩出されているセクター周辺に着目。例えばきょうストップ高を演じたさくらケーシーエス<4761.T>とAGS<3648.T>はデータセンター関連の穴株で、さくらインターネット<3778.T>の余熱で火がついた格好だが、この火は横に広がる可能性がある。データセンターのサービス料金改定効果などが発現し、業績が急拡大している鈴与シンワート<9360.T>は意外性を内包しておりチェックしておきたい。
また、金や銀など貴金属の市況高騰が顕著だが、ここ10年来のチャートを見比べて出遅れが際立つのがプラチナ価格という。「今後は世界的なインフレ環境が意識されるなか、プラチナはゴールドに急速にキャッチアップする可能性がある」(ネット証券アナリスト)という指摘がある。東京市場でプラチナに連動する関連株を探すのは難儀だが、ここは直球勝負で、純プラチナ上場信託(現物国内保管型)<1541.T>やWisdomTree 白金上場投資信託<1674.T>などに投資するのが、中期スタンスで妙味が大きそうだ。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に3月の貿易統計が発表され、午後取引時間中には実質輸出入の動向が開示されるほか、森田日証協会長の会見が予定されている。また、午後取引終了後には3月の訪日外国人客数が発表される。海外では3月の英消費者物価指数(CPI)、3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値のほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、2月の対米証券投資などにマーケットの関心が高い。なお、インド市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/16 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=エスペック、EV・半導体周辺のニッチトップで最高値圏へ
エスペック<6859.T>の3000円近辺は強気に対処してみたい。昨年末を起点に25日移動平均線を下値支持ラインとする上昇トレンドを継続中で、一段の上値追いが期待できる。環境試験器で国内シェア約60%を占め、グローバルベースでもトップメーカーとして実績を積み上げている。恒温恒湿器や冷熱衝撃装置を主力とし、自動車向けやエレクトロニクス向けで需要を獲得。特に電気自動車(EV)や半導体などの成長産業のニーズを取り込み、業績は高成長トレンドを邁進している。EV関連では、愛知県常滑市に全固体電池の安全性を調べる試験所を建設し、来年2月に受託試験サービスを開始予定にあることなども注目材料となる。
業績は好調を極めている。営業利益は23年3月期の2.2倍化に続き、24年3月期も前の期比26%増の55億円予想と大幅増益を見込んでいる。しかも市場では一段の上振れを見込む声が強い。株価は今年3月25日につけた3145円(18年1月末につけた最高値3145円とツラ合わせ)を払拭して青空圏への突入が期待される。浮動株比率が低いうえ、信用買い残も低水準で株式需給面から上値は軽い。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/16 10:00
みんかぶニュース コラム
16日の株式相場見通し=続落、米株安受け3万9000円台割れ
16日の東京株式市場はリスク回避目的の売りに押される地合いが続き、日経平均株価は下値を探る公算が大きい。前日は一時700円を超える下げをみせたもののその後は下げ渋り、安いながらも3万9000円台に戻して引けたが、きょうは改めて大台を割り込む可能性が高い。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて堅調だったが、米国株市場ではこの流れを引き継げず、朝高後に大きく水準を切り下げる展開を強いられた。この日に発表された3月の米小売売上高は事前の市場コンセンサスを上回り、米長期金利が4.6%台まで上昇、ハイテク株を中心に相対的な割高感が意識され売りに拍車がかかった。FRBによる早期利下げ期待が一段と後退するなか、中東の地政学リスクもくすぶっており、投資家心理が冷え込んだ状態が続いている。NYダウは4月に入ってから2000ドル以上も下落しており先安不安が強い。東京市場でも、軟調な米株市場を横目に市場センチメントが悪化しており、下値模索の動きが避けられない。外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが加速し1ドル=154円台前半と1990年6月以来の円安水準となったが、半導体セクターなど足もとでこれを好感する動きは限定的となりそうだ。
15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比248ドル13セント安の3万7735ドル11セントと6日続落。ナスダック総合株価指数は同290.075ポイント安の1万5885.019だった。
日程面では、きょうは1~3月期中国実質国内総生産(GDP)、3月の中国70都市の新築住宅価格動向、3月の中国工業生産高、3月の中国小売売上高、3月の中国固定資産投資、3月の中国不動産開発投資、2月のユーロ圏貿易収支、3月の英失業率、4月の欧州経済センター(ZEW)の独景気予測指数、3月の米住宅着工件数、3月の米鉱工業生産・設備稼働率など。なお、タイ市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/04/16 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=地政学リスクに共鳴する電力株
週明け15日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比290円安の3万9232円と反落。前週末の米株急落を受けて市場のセンチメントは急速に弱気に傾いた。米株市場ではNYダウが4月に入ってから直近までの10営業日で上昇した日がわずか1日だけ、1勝9敗という体たらくで、単なる調整というには憚(はばか)られる崩れ足を形成している。ダウが25日移動平均線を下回ることは今年に入ってからも複数回あったが、今回は25日線はおろか、長期の75日線も一気に踏み抜き、更に逡巡することなく下放れる展開で、投資家の不安心理を煽っている。
欧州経済と比較して米国経済の強さが際立っていること、これが米国株が先駆して売られる背景というと一見不思議な感じもするが、この経済実勢の差がFRBとECBの金融政策の方向性に影響を与えているからにほかならない。ECBは6月利下げに動く公算が大きく、一方でFRBはどうやら6月利下げのカードが切れない可能性の方が高くなってきた。市場関係者の間でタカ派見解を示す向きは「年内に米国は1度も利下げできない」(中堅証券ストラテジスト)という意見すらある。米株市場ではさすがにそこまでは織り込んでいないはずだが、足もとのダウの崩れ方は明らかに変調で、その超タカ派シナリオもおぼろげに意識されている可能性がある。
米国の経済の強さもさることながら、やはりエネルギーや金価格をはじめとするコモディティ市況の高騰がインフレ再来を暗示する。中東の地政学リスクは投機マネーにとって絶好ともいえる仕掛けの糸口となっているだけに予断は許されない。
そうしたなか、イスラエルのイラン大使館攻撃が端緒となり株式市場も迷い道に入ったが、ラマダン明けにイラン側の報復攻撃は想定されたところだった。攻撃規模としては大きくても、被害は小さいということがイラン側も想定していたフシがある。イスラエルの迎撃が可能なミサイルや低速なドローンを使った攻撃は、「プロレス的な要素が強い」(ネット証券マーケットアナリスト)という声も聞かれた。つまり、イランは本気で報復攻撃を仕掛けるつもりはなく、お互い引っ込みがつかなくなるという選択肢は回避したいという思惑が透けて見える。米国としてもやり過ぎのイスラエルを支えるのもさすがに限界。ここにきてバイデン米大統領は報復の連鎖を戒める方向で、ネタニヤフ首相に要請したことが伝わっており、この流れで中東の地政学リスク極大化への懸念はいったん後退しそうだ。
全般不透明感が強まるなか、株式市場ではコモディティに絡む銘柄群に資金をシフトする動きが観測される。きょうも資源・エネルギー関連株が強さを発揮。引き続き住友金属鉱山<5713.T>の上値指向が鮮明で、きょうは今月10日につけた5399円の高値を払拭し新値街道に復帰。中長期波動では昨年3月2日につけた高値5515円が戻りの要衝でここをクリアできれば6000円台活躍が見えてくる。
また、電力株の強さも相変わらずで、低PER・低PBRが光るバリュー株の一群としてもテーマ物色の流れを後押ししている。象徴株として活況高の様相を呈しているのは、柏崎刈羽原発の再稼働に向けた思惑が現実味を帯びてきた東京電力ホールディングス<9501.T>。ただ、同社株については復配が見込めない以上、“巨大仕手株”の位置付けとなる。一方、理論的にも買える銘柄として泊原発再稼働への期待が根強い北海道電力<9509.T>は依然として注目。半導体設備の拡充やデータセンター増設で電力需要の増大が取り沙汰されているが、同社はラピダス関連ということでその最右翼にある。このほか、TSMC熊本工場の電力需要に対応するのは九州電力<9508.T>。こちらは今年2月に、川内原発と玄海原発が新耐震基準に適合していると原子力規制委員会のお墨付きを得て運転継続中だ。
あすのスケジュールでは、国内では特に目立ったイベントは見当たらないが、IPOが1社予定されており、東証グロース市場にWill Smart<175A.T>が新規上場する。海外では、1~3月期中国実質国内総生産(GDP)、3月の中国70都市の新築住宅価格動向、3月の中国工業生産高、3月の中国小売売上高、3月の中国固定資産投資、3月の中国不動産開発投資、2月のユーロ圏貿易収支、3月の英失業率、4月の欧州経済センター(ZEW)の独景気予測指数、3月の米住宅着工件数、3月の米鉱工業生産・設備稼働率など。なお、タイ市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/15 17:01
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ビジョナル、人手不足で業績拡大
ビジョナル<4194.T>に注目したい。同社はプロフェッショナル人材に特化した転職プラットフォーム「ビズリーチ」を展開。人手不足が続くなか、企業の中途採用は活発化している。第2四半期(23年8月~24年1月)の連結営業利益は前年同期比68.1%増の97億9100万円と好調。24年7月期の同利益は160億円(前期比21.0%増)の見込みだが、進捗率は61%に達しており170億円前後へ増額が期待できる。
株価は3月に1万160円の高値をつけた後は調整局面にあるが、業績は最高益基調にあり、見直し余地は大きい。成長期待は強く1万円台回復から21年12月につけた最高値1万1550円更新を狙う強調展開が期待できる。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/04/15 10:00