みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
2日の株式相場見通し=続伸、3万9000円台回復か
2日の東京株式市場は主力株中心に買い優勢の展開となり日経平均株価は続伸する公算が大きい。フシ目の3万9000円台を回復する場面もありそうだ。前週末の米国株市場ではNYダウが続伸し史上最高値を更新、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発した。FRBによる利下げ期待を背景に引き続きダウは最高値圏で上値を指向している。この日発表された7月のPCEデフレーターは総合指数、コア指数ともに市場コンセンサスと一致し、FRBが9月以降も段階的に利下げを行うとの見方が強まった。個別には半導体大手のインテル<INTC>が10%近い上昇を示し、これに引っ張られる形で半導体セクターへの資金流入が目立っている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3日ぶりに大幅反発した。東京市場では、前週末の米国株市場が強い動きを示したことで投資家心理が強気に傾きそうだ。外国為替市場で1ドル=146円台までドル高・円安方向に振れており、これが輸出セクター中心にポジティブ視されることが予想される。日本時間今晩の米国株市場はレーバーデーのため休場となることもあり、買い一巡後は模様眺めムードが広がる可能性もある。
30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比228ドル03セント高の4万1563ドル08セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同197.193ポイント高の1万7713.624だった。
日程面では、きょうは4~6月期の法人企業統計調査、8月の新車販売台数、8月の軽自動車販売台数など。海外では8月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)など。また、レーバーデーで米国株市場は休場。このほかベトナムも休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/02 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=「雇用統計ショック」からのリベンジはあるか
30日の日経平均株価は前日比285円高の3万8647円と反発。日経平均株価は7月31日以来の水準に値を戻し、8月初旬の暴落時に形成されたチャート上の窓埋めも終えるなか反騰色を強めている。
8月は一時3万1000円台まで下落する大暴落を経験したが、ここまでの戻り足は順調といえる。もともと8月の大波乱相場は、7月30~31日の日銀金融政策決定会合で追加利上げが決定され、植田日銀総裁が想定以上のタカ派姿勢を示したことの影響は無視でない。そこへ更に、2日の「雇用統計ショック」が追い打ちをかけたことが背景にはある。特に、米7月雇用統計で失業率が上昇し、直近3カ月間の平均失業率が過去1年の最低値を0.5ポイント上回れば景気後退が始まった可能性が高いという「サーム・ルール」が発動された。これらを背景に、膨れ上がっていた「円キャリートレード」のドル買い・円売りのポジションが一気に解消され、急激な円高が進むとともに日本株も大暴落した格好だ。
足もとで米経済指標は底堅く景気後退懸念は薄らいでいる。ただ、来週は6日に米8月雇用統計が発表される。その内容が底堅ければ、前月からのリベンジが期待できそうだ。しかし、再び米雇用に悪化基調が見えれば、足もとの楽観論は消え去り、警戒モードに舞い戻らないともいえない。その際は9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%利下げ論が再び勢いづくだろう。
今晩の米7月個人消費支出(PCE)物価指数に加え、来週は3日に米8月ISM製造業景況感指数が発表されるなど重要経済の発表が目白押しだ。米経済のソフトランディング期待を背景にした上昇相場が続くか、どうかの分岐点となる可能性もある。
上記以外のスケジュールでは、海外では2日はレーバーデーで米国は休場、4日には米7月JOLTS求人件数、5日には米8月ISM非製造業景況感指数、同ADP雇用統計が公表される。5日にブロードコム<AVGO>が決算を発表する。国内では、2日には4~6月期法人企業統計が発表される。5日には7月勤労統計調査、6日には7月家計調査が公表される。
2日には伊藤園<2593.T>、3日には内田洋行<8057.T>、4日にはアインホールディングス<9627.T>、5日には積水ハウス<1928.T>、ロック・フィールド<2910.T>、6日にはクミアイ化学工業<4996.T>、カナモト<9678.T>などが決算を発表する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9100円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/30 17:28
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<注目銘柄>=アルメディオ、第1四半期3.8倍増益と好スタート
アルメディオ<7859.T>は300~400円近辺での底練りを経て再浮上の機をうかがう。同社は祖業であったオーディオ・ビデオ機器などの規準や調整用テストディスクの製造販売事業から撤退し、現在は機能性材料メーカーとして歩みを進めている。主力は断熱材事業で、足もと業績は好調に推移している。
今月2日に発表した4~6月期(第1四半期)決算は、営業利益が前年同期比3.8倍の5億4500万円と急拡大。断熱材事業で国内向けに炉材の販売が増えたほか、中国向けで太陽光発電パネル製造向け拡散炉用ヒーターモジュールの販売が伸びた。株価は今期減益見通しを発表した5月に急落したが、第1四半期の好スタートを受けて買い戻しの動きが出つつある。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/30 10:40
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30日の株式相場見通し=強弱観対立、米経済指標控え様子見ムード
30日の東京株式市場は強弱観対立のなか日経平均株価は前日終値近辺で小幅な値動きとなりそうだ。前日は欧州株市場がほぼ全面高に買われており、特に独DAXの上値指向が顕著で直近18営業日で16営業日上昇し、この日は史上最高値を更新した。米国株市場でも景気敏感株を中心に買われ、NYダウは反発し最高値街道に復帰した。この日は画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が前日の決算発表を受けて材料出尽くし感から大きく売られ、これが半導体セクターなどに影響を与えた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も小幅ながらマイナス圏で引けている。一方、朝方に発表された4~6月期の米実質GDP改定値が前期比3.0%増と速報値から上方修正されたことや、週間の新規失業保険申請件数も前週から改善を示したことは、米経済のハードランディング懸念を和らげ全体相場を支える形となっている。東京市場では前日に日経平均が朝安後に持ち直し、わずかな下げにとどまったものの滞留出来高の多い3万8000円台は上値の重さも意識されている。きょうは週末要因に加えて、日本時間今晩に発表される7月の米PCEデフレーターなどの発表を控えていることから、様子見ムードも漂いやすい。取引時間中は外国為替市場の動向や米株価指数先物の動きなどを横目に不安定な値動きとなることも予想されるが、比較的狭いゾーンでの値動きとなることが予想される。
29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比243ドル63セント高の4万1335ドル05セントと反発。ナスダック総合株価指数は同39.596ポイント安の1万7516.431だった。
日程面では、きょうは8月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の鉱工業生産指数、7月の有効求人倍率、7月の失業率、7月の商業動態統計、7月の自動車輸出実績、7月の住宅着工統計など。海外ではインドの4~6月期国内総生産(GDP)、7月の豪小売売上高、8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、7月のユーロ圏失業率、7月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターなど。
出所:MINKABU PRESS
2024/08/30 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=米利下げ契機にグロース市場は新章突入へ
きょう(29日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比9円安の3万8362円と3日ぶり小反落。固唾をのんだ米エヌビディア<NVDA>の決算は文句なしの内容といってもよかった。5~7月期決算は売上高が2.2倍で最終利益は2.7倍と事前予想を上回ったほか、データセンター向け売上高についても2.5倍と目を見張る伸びを達成。更に市場の関心が高かった8~10月期の売上高見通しもコンセンサスを上回った。加えて新たに500億ドルの自社株買い枠を設定することも発表。手の内にあるエースを4枚立て続けに切ったような決算発表だった。しかし、株価の方は時間外で急落。今回は「過剰な期待」という魔物にさすがのエヌビディアも絡め取られた格好である。だが、その割には東京市場の強さが光った。きょうは先物主導の裁定買いで大型株が強さをみせる一方、中小型株は冴えを欠いたが、ビッグイベント通過で目を向けてみたいのはグロース市場だ。
米国のFRBの金融政策の影響は東京市場の小型グロース株に大きな影響を及ぼす。コロナ禍での世界的な金融緩和によるインフレに対応して、FRBが利上げに踏み切ったのが2022年3月。旧マザーズ指数であるグロース250指数をみると、この直前から急落をはじめ約2年半にわたる低迷を余儀なくされた。「歴史的にみても米国の金融政策と日本のグロース市場(旧マザーズ)の株価相関性は高い」(ネット証券アナリスト)という。
そして2年半の歳月が流れ、今度は再び金融緩和路線にFRBの政策が切り替わる。9月FOMCでは0.25%の利下げが確実視されており、場合によっては利下げ幅が0.5%に及ぶ可能性もある。米利下げは今後も段階的に進むわけで、暗く長いトンネルを走り続けたグロース市場の銘柄群にもようやく光明が見え始めてきた、というのが今の状況だ。
グロース市場は正直、玉石混交である。バイオ関連などは需給先行で値動きは早いが、大幅赤字が続いているような銘柄は、どこでハシゴを外されるか怖い要素もある。株価が崩れた時に、ファンダメンタルズ面から支えがないため下値メドがつきにくい。元来、株は夢を買うものだが、やはり業績の良い銘柄を選別対象とするのは基本で、その方が勝率は高い。成長力を語るには土台があってこそ。もちろん例外はあるが、成長シナリオがいかに魅力的でも、足場がぐらついた状態(赤字や大幅減益)では株価の上昇も続かないのが道理だ。
日経平均が3万9000円台手前で戻り売りをこなしている間は、グロース市場に視点を移したい。8月初旬の暴落で荒れ地となったマーケットから「玉」を拾い上げる動きが続きそうだ。その候補としては、まず、ナレルグループ<9163.T>。建設業界向け人材派遣事業を主力に、ITエンジニア派遣やシステムエンジニアリングサービスを手掛け、建設DXの担い手として存在感を示す。24年10月期予想を含め売上高・営業利益ともに3期連続の2ケタ成長で過去最高更新が続く見通し。
また、コンベヤー用ローラーなどの部品製造を手掛けるJRC<6224.T>。発電用の大型案件を海外で受注するなどグローバルで実力を発揮、ロボットシステムインテグレーター分野も深耕しており、成長性は高い。業績は成長路線をまい進中で、25年2月期は営業25%増益を見込む。更にヌーラボ<5033.T>の800円台半ばでのもみ合い局面も買い場と見ておきたい。同社はクラウドサービスで、プロジェクト管理ツール「Backlog」を主力展開、生成AIを利用した高付加価値化にも余念がなく、料金引き上げの後も新規顧客獲得が進んでいる。営業利益は前期に3.3倍化を果たし、今期は前期比22%増の4億600万円とピーク利益更新が続く見通しだ。このほか、グロース市場銘柄ではないが、同じテイストの小型成長株でクロス・マーケティンググループ<3675.T>の押し目買いも一考。ネット調査から付加価値の高いデジタルマーケティングに重心を移しており、25年6月期は営業6割増益予想。8月7日に年初来安値をつけたが、同日に大陽線で底入れを明示した。その後は急速な戻りで連騰疲れも垣間見えるが、7倍台のPERは割安感が強い。
あすのスケジュールでは、8月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の鉱工業生産指数、7月の有効求人倍率、7月の失業率、7月の商業動態統計、7月の自動車輸出実績、7月の住宅着工統計など。海外ではインドの4~6月期国内総生産(GDP)、7月の豪小売売上高、8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、7月のユーロ圏失業率のほか、7月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターにマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/29 17:02
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<注目銘柄>=松屋R&D、ベトナム新工場や工程自動化が寄与
松屋アールアンドディ<7317.T>は血圧計センサー用腕帯などのメディカルヘルスケア事業と、自動車安全装置縫合システムをはじめとしたセイフティシステム事業が2本柱。前期に完成したベトナム新工場の効果に加え、製造工程の自動化に取り組んでいることがコスト抑制につながっている。
これにより、8月9日に発表した25年3月期第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比2.2倍の4億8800万円で着地。通期予想は従来通り15億3900万円(前期比19.9%増)で据え置いているが、進捗率は31.7%に達していることから上振れが期待できそうだ。
株価は8月6日に年初来安値496円をつけたあとは下値を切り上げる展開。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が接近しつつあり、一段の上値が見込まれる。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/29 10:17
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29日の株式相場見通し=反落、エヌビディアの時間外急落が重荷
29日の東京株式市場は半導体関連株などを中心に売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は3日ぶりに反落となりそうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちながら、独DAXや仏CAC40など主要国の株価は堅調だった。独DAXは直近17営業日で15勝2敗となり、およそ3カ月半ぶりの高値をつけた。しかし、米国株市場では引け後の画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表を控え、半導体セクターなどハイテク株を中心にポジション調整の売りが上値を押さえた。NYダウは4日ぶりに反落、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も1%強の下落となっている。そして注目されたエヌビディアの5~7月期決算は売上高が2.2倍、最終利益が2.7倍となり市場コンセンサスを上回ったほか、データセンター向け売上高も2.5倍と大幅な伸びを達成した。また8~10月期の売上高見通しも事前予想を上回る内容だった。加えて500億ドルの自社株買い枠も新たに設定している。ところが、これだけの条件が揃っても同社株は決算発表後に時間外で急落した。これを受け東京市場では半導体製造装置大手など主力銘柄に売りが先行する可能性が高い。外国為替市場ではドルが買われる展開となっており、足もとドル高・円安方向に振れていることは輸出セクターにポジティブ材料となるが、反応は限られそうだ。
28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比159ドル08セント安の4万1091ドル42セントと4日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同198.793ポイント安の1万7556.027だった。
日程面では、きょうは対外・対内証券売買契約、7月の建機出荷、8月の消費動向調査など。海外では8月の独消費者物価指数(CPI)速報値、週間の新規失業保険申請件数、4~6月期米実質国内総生産(GDP)改定値、7月の米仮契約住宅販売指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/29 07:57
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=天下分け目、エヌビディア祭り後の戦略
きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比83円高の3万8371円と続伸。日本時間明朝に判明するエヌビディア<NVDA>の決算をとりあえず待つよりないというところ。そうしたなかも日経平均、TOPIXともに全体指数は強さを発揮した。純粋にこのタイミングでの実需買いは入りにくいが、薄商いのなか、年金資金のリバランス絡みの買いや企業の自社株買いなど機械的な買いが下値を支え、それを横目に手仕舞い売りならぬショート筋の手仕舞い買い戻しを誘い、先物主導で全体相場に浮揚力が加わった。日経平均寄与度の高い半導体主力株の後場に入っての底堅さは、売り方の恐怖が投影されていた感もある。個別株をみると値上がり銘柄が600であったのに対し、値下がり銘柄数は989に及んでおり、相場の体感温度としてはこちらに近かったと思われる。売買代金も前日に続き3兆2000億円台と低調な水準にとどまった。
個別株戦略に特化した場合、やはり最大の拠りどころとなるのは企業業績である。ただし業績内容の良い銘柄を買えば、後は自然に含み益が増えるのを待つだけ、というほど株式投資は簡単にはできていない。好業績株はその実態が既に株価に織り込まれているようなケースも多い。「優等生銘柄」は買う時点で既にそれなりの高みに達していて、そこから一段高となるには市場で織り込まれていない部分での収益面のサプライズが必要となる。
例えば当該企業が過去最高利益を毎期更新していても、増益率が1%刻みでは株価は反応してくれない。むしろ、利益成長は頭打ちということで売りの材料にされてしまう場合もあり得る。そして究極の高偏差値で“ディスアドバンテージ”を被っているのがエヌビディアだ。同社がスターダムにのし上がったのはもはや旧聞に属する話であり、スポットライトを浴び続けている銘柄ほど、行き過ぎた「期待」という重石を背負うことになる。
では、投資する側の狙い目はどこか。株価は流動的で常に実態を反映するとは限らない。この流動的な時間軸で株価を突き動かす材料は何かと言えば、それは“変化”である。「ちょい悪銘柄」に位置付けられるような株が大幅な業績の好変化をみせた場合などは、株価もパフォーマンスが大きくなりやすい。初動につけば高い確率でキャピタルゲインに恵まれる。ちょい悪銘柄というと語弊があるが、要は万人が文句なしの優良株と認めるような範疇にはない銘柄という切り口である。
今期業績が大幅な伸びを見込み、なおかつPERなどの伝統的投資指標で割安さも浮き彫りとなっているような銘柄。業態を問わず、こういうポジションにある銘柄にフォーカスしていくのは有力な投資手法だ。しかも今は、8月初旬の全体相場暴落の余韻が残るなか、棚ぼた的な拾い場を提供している銘柄も少なくない。
例えば民間主体にマンション建築やリニューアルで高実績を持ち、建設DXも積極的に取り入れている大末建設<1814.T>は25年3月期第1四半期の営業利益は前年同期比9割増を達成し、通期営業利益見通しも前期比64%増の26億円と急回復を見込む。PER10倍前後でPBR0.7倍台、加えて今期配当利回りが5.3%と抜群に高い。また、マンホールなどのコンクリート2次製品を手掛け台風・豪雨対策関連のテーマにも乗るイトーヨーギョー<5287.T>は今期営業2割増益予想にあるが、PER10倍未満でPBRは0.6倍弱だ。もちろん有配企業で、今期は減配見込みながら配当利回りは1.5%前後を維持している。また、タンタルコンデンサーのリーディングカンパニーである松尾電機<6969.T>は25年3月期営業利益が前期比倍増の5億1000万円を会社側では予想。最終利益がゲタを履いているとはいえ、PERは4倍に過ぎない。無配ながらPBRは0.7倍台で、どこかで材料株素地を開花させても不思議はない。このほか、業績好変化が見込まれる割安株では、共同ピーアール<2436.T>、大同工業<6373.T>、京三製作所<6742.T>などがある。
あすのスケジュールでは、対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に2年物国債の入札が行われる。午後取引時間中に7月の建機出荷、8月の消費動向調査が発表される。また、IPOが1社予定されており、福証QボードにCross Eホールディングス<231A.FU>が新規上場する。海外では8月の独消費者物価指数(CPI)速報値、週間の米新規失業保険申請件数、4~6月期米実質国内総生産(GDP)改定値、7月の米仮契約住宅販売指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/28 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=SWCC、エネルギー・インフラ事業好調
SWCC<5805.T>は、8月19日に年初来高値5110円をつけたあと調整しているが、業績上振れ期待を背景に先高感が強く、ここは押し目買いの好機ととらえたい。
8月9日に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、営業利益が48億6700万円(前年同期比3.0倍)となった。前期下期から続く堅調な国内建設関連向け電線需要に加えて、電力インフラ向けの高収益件名の特需、また、電力工事案件の平準化と各種収益改善施策の実施などに取り組んだことが奏功し、エネルギー・インフラ事業が好調だったことが牽引した。
高収益件名の特需は、特定の大型案件によるものではなく、国策を背景に高まる電力需要を反映した可能性が高い。また、競合企業の撤退などからSICONEXシリーズ(ケーブルと機器をつなぐオリジナルの接続部品群)の国内デファクトスタンダード化が進展していることなどから、同事業の好調は今後も継続が見込まれる。会社側では、25年3月期通期業績予想を営業利益135億円(前期比5.3%増)で据え置いたが、エネルギー・インフラ事業を牽引役に上振れの可能性は高く、調査機関によっては190億円前後を見込むところもある。
更に、前述の要因から26年3月期も同事業の好調が期待できる。電装・コンポーネンツ事業におけるxEV向け高機能製品の復調や通信・産業用デバイス事業における車載向け需要の堅調さを考慮すると連続増益へと向かいそうだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/28 10:00
みんかぶニュース コラム
28日の株式相場見通し=一進一退か、エヌビディア決算前で様子見
28日の東京株式市場は様子見ムードが強いなか、日経平均株価は前日終値近辺で一進一退の展開か。前日の欧州株市場は主要国の株価が高安まちまちで、目先利益確定の売り圧力は意識されるものの、欧米中銀による利下げ期待を背景に総じて底堅い動きとなった。また、米国株市場でもNYダウがいったん下値を探る展開となったがその後は戻り足となり、わずかながらプラス圏で着地し連日で最高値を更新した。なお、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も高く引けている。28日の引け後に予定される画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表を控え模様眺め感の拭えない地合いながら、下値では押し目買いニーズが強く上値指向を維持した。前週末のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演がハト派的な内容で、9月利下げの可能性がほぼ確実視されていることが投資家心理を強気に傾けている。東京市場では米株市場が頑強な値動きをみせていることからリスク選好の流れが意識されるが、エヌビディアの決算発表の結果を見極めたいとの思惑が目先買い手控え要因となりやすい。外国為替市場では再び円高方向に振れており、これがハイテク株や自動車株など輸出セクターを中心に向かい風となることも考えられる。日経平均3万8000円台は累積売買代金が多く戻り売り圧力も強いことから、3万8000円台前半から半ばにかけて比較的狭いゾーンでの値動きが予想される。
27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比9ドル98セント高の4万1250ドル50セントと小幅ながら3日続伸。ナスダック総合株価指数は同29.05ポイント高1万7754.82だった。
日程面では、きょうは7月の白物家電出荷額など。海外では7月の豪消費者物価指数(CPI)のほか、ウォラーFRB理事の講演が予定されている。
出所:MINKABU PRESS
2024/08/28 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=データセンター関連株に新たな「光」
きょう(27日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比178円高の3万8288円と反発。早いもので明日が8月権利付き最終売買日にあたる。エヌビディア<NVDA>の決算発表を目前に、半導体関連株には持ち高調整の売りが続いたが、それでもプライム市場の値上がり銘柄数は全体の8割を占めた。前向きな解釈をすれば「脱半導体相場」の地ならしが進んでいるという捉え方もできる。
エヌビディアの決算発表を契機に半導体関連株への物色人気が復活する可能性はあるが、過度な期待は持ちにくい。例えばエヌビディア向け半導体テスターで高水準の納入実績を誇り、エヌビディア関連の最右翼に目されるアドバンテスト<6857.T>の場合、急速なリバウンドはみせたものの、買い一巡後は再び75日移動平均線近辺まで水準を切り下げるなど脚力の弱さが露呈した。もし、エヌビディアが首尾よく決算発表後に上値追い態勢を明示したとして、アドテストの株価はそれにいったんは追随しても、大勢上昇トレンドを維持できるかには疑問符がつく。半導体製造装置関連の大相場も買い疲れ感が垣間見える。
しかし、GPU爆需を創出した生成AIの存在は幻想ではない。商業的ビジョンで今後過剰な設備投資は控えられる可能性はあるが、現在進行形で社会への浸透が続いている以上、テーマ性が色褪せることはないと思われる。そのなか「GPU、つまりAI用半導体とは別の領域で需要の飛躍的な伸びが見込まれるものもある。米国では光デバイス関連に注目する動きが出ている」(ネット証券アナリスト)という指摘がある。
具体的にはデータセンター向けで使われる光モジュール(光トランシーバー)で、これが膨大なデータを処理するうえで必須のデバイスとして認知されている。東京市場でもデータセンター向け光デバイスを手掛ける有力メーカーは存在する。注目銘柄としてはデータセンター向けケーブリングソリューションなどで技術力を発揮する精工技研<6834.T>。同社は自動車部品用金型でも高実績を持つが、売り上げの半分を光デバイス関連で稼いでいる。25年3月期は営業38%増益予想とV字回復を見込み、26年3月期以降も2ケタ成長が続く公算が大きい。株価は目先動意含みで、大勢2段上げに向け機が熟した感がある。
また、santec Holdings<6777.T>の押し目もマーク。同社は光測定器や、光パワーモニター、光フィルターなどの光関連部品をグローバル展開しており、商品競争力も抜群。以前は5G関連株の一角として存在感を際立たせた。最近は通信向けの需要が鈍化傾向にあるものの、生成AI特需を反映したデータセンター向け光製品の割合が増勢にあるという。株価は戻り一服から目先売りに押される展開ながら、週足ベースでは26週移動平均線との上方カイ離を解消したところで、再浮上への期待が膨らむ。
日経平均は3万8000円台での累積売買代金が多く、ここから3万9000円台に向かう道程は“心臓破りの坂”ともいえる。暴風雨をなんとかやり過ごしたものの連れて売買代金も急減しており、当面は胸突き八丁の上値の重い展開が予想される。しかし、その一方でグロース市場の戻り足が鮮明となってきた。今月2日と5日の暴落によって信用買い残の整理が急速に進んだことで、リバウンドがしやすくなった。貸株市場のコスト上昇で外資系証券経由のヘッジファンド筋の空売りもままならず、ショートカバーを入れた後は“ドテン買い”に動くケースも増えているという。ネット証券から外資系に貸し出す際の貸株金利は年利で約20%と言われており、短期の叩き売りが奏功しなければそのコストを思い切り被ることになる。戦略の転換は必至となる。空売りターゲットだったバイオ関連はその象徴で、きょうはメディシノバ・インク<4875.T>がストップ高、クリングルファーマ<4884.T>なども本領を発揮し始めている。バイオ関連は短期の割り切りスタンスが必要だが、需給相場の醍醐味を味わうには最適である。シンバイオ製薬<4582.T>やオンコリスバイオファーマ<4588.T>といった銘柄にも出番が回ってくる可能性がありそうだ。
あすのスケジュールでは、7月の白物家電出荷額が午前取引時間中に発表される。海外では7月の豪消費者物価指数(CPI)のほか、米国ではウォラーFRB理事がインドで講演予定にあり、その発言内容が注目される。また、ベネチア国際映画祭(~9月7日)、パリ・パラリンピック(~9月8日)が開催される。なお、米国の主要企業の決算発表では、エヌビディア以外にセールスフォース<CRM>の決算発表も注目される(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/27 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=アイスペース、需給改善で押し目買いチャンス
ispace<9348.T>の戻りトレンドに期待したい。同社は月への物資輸送(ペイロードサービス)をはじめとした月面開発の事業化を手掛けるベンチャー企業で、株式市場でも注目度が高い。昨年4月に実施した月面探査プログラムで月面着陸には失敗したが、早ければ今年の冬にも2回目の挑戦が予定されており、学習効果から次のチャレンジでの成功確率は前回よりも格段に高まることが予想される。
株価は8月5日の上場後安値430円からは200円以上水準を切り上げているが、依然として底値圏に位置している。株式需給面では信用買い残の整理がピーク時からは大分進んだことで、戻り足が軽くなっている。中期波動の上値抵抗ラインとして意識される75日移動平均線越えが視野に入っており、時価は押し目狙いで面白そうだ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/27 10:00
みんかぶニュース コラム
27日の株式相場見通し=続落か、欧米株高安まちまちで様子見ムード
27日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも弱含みで推移し、日経平均株価は続落する公算が大きそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価が方向感を欠く展開となり、独DAXは小安かったものの、仏CAC40はプラス圏で着地するなど高安まちまちの動きとなった。ただ、いずれも値幅は小さく様子見ムードが強い。また、米国株市場でも上値が重く、NYダウは小幅ながらプラス圏を維持し、7月17日以来となる史上最高値を更新したが、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はほぼ終日マイナス圏で推移する展開だった。今週発表される画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算にマーケットの関心が高まるなか、この結果を見極めたいとの思惑から足もとで利益を確定する動きが観測された。エヌビディアは2.2%あまりの下落でナスダック指数の足を引っ張っている。一方、パウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演がハト派的な内容だったことが、FRBによる利下げ期待を高め、下値では押し目買いが入り総じて底堅さも発揮した。東京市場では、ここ日経平均が戻りいっぱいの様相をみせており、3万8000円台は累積売買代金も多く、75日移動平均線が上値抵抗ラインとなっている状況だ。足もと外国為替市場でドル高・円安方向に振れていることはポジティブ材料だが、前日の欧米株市場が高安まちまちだったことで、きょうも上値を積極的に買い進む動きは見込みにくい。
26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比65ドル44セント高の4万1240ドル52セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同152.029ポイント安の1万7725.765だった。
日程面では、きょうは7月の企業向けサービス価格指数、基調的なインフレ率を捕捉するための指標など。海外では1~7月の中国工業企業利益、ハンガリー中銀による政策金利発表、6月のFHFA全米住宅価格指数、6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、8月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード調査)など。
出所:MINKABU PRESS
2024/08/27 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=グロース市場に大還流するマネーを追う
週明け26日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比254円安の3万8110円と3日ぶり反落。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演は予想されたとはいえかなりハト派寄りで、米国株のリスクオンを引き継ぎたいところだったが、足もとの円高に阻まれる形となった。今の売買代金では3万8000円台の潜在的な売り圧力をこなすには時間がかかる。ただ一方で、鳴き止んでいた炭鉱のカナリアの方が目を覚ました。
繰り返しになるが「株は需給がすべての材料に優先する」という。今のグロース市場の戻り足はその黄金セオリーを如実に体現している。プライム市場の大型株が活況となるのを横目に、グロース市場は長い期間にわたり低迷を強いられてきた。旧マザーズ指数を引き継いだグロース250指数は、コロナ禍の反動で急上昇に転じた2020年の10月に1365の高値を形成したが、21年以降は鳴かず飛ばず、とりわけ22年は出足から大きく崩れ、年央にはそれまでの上昇分を全部吐き出す形で売り叩かれた。その後は1年以上も安値圏もみ合いが続いたのだが、信用買いの総投げ状態に陥るようなことは一度もなかった。
外資系証券経由の貸株市場で調達した空売りが下げを助長し、追い証が発生するかどうかというタイミングで売り方の買い戻しによって持ち直す、という繰り返し。表現は悪いが生殺し状態にあった。グロース市場は復活のシナリオが見えないというような辛口コメントも聞かれるようになったが、投資家にすれば今更ロスカットできず、信用買い残を悶々と抱えたままの状態が続いた。ところが、8月初旬の歴史的な暴落によって、そのグロース市場で遂に投げ売りに引火した。市場関係者によれば「コロナ禍以降の相場では初めてのこと。日本株暴落後の8月上旬時点で信用買い残高は7月上旬に比べ約30%も減少する、あまり過去に例がなかった超スピードで整理が進捗した」(ネット証券アナリスト)という。
グロース市場の弾丸リバウンドは、ファンダメンタルズ面から劇的に評価が変わったというわけではない。それどころか、業績面の評価は変わらないに等しい状態で株価のみ劇的に上昇する、これが株の難しいところだ。株式市場は「経済を映す鏡」というようなアカデミックな形容をされることが多いが、実際に投資家の立ち位置で相場と至近距離で対峙すれば、もっとドロドロとした人間心理が錯綜するジャングルのイメージが強い。プライム市場の箱庭的な存在ながらグロース市場はまさにそれに該当し、戻り売りニーズの大半が解消されたジャングルに目ざとく投資マネーが還流してきたのは、今の環境では道理にかなう。そして、グロース市場の戻り相場の現在地はまだ6合目あたりで、時間軸的にも今はまだ“確変状態”にあるといってよさそうだ。空売りを仕掛けたファンド筋は、信用買い残の急減で貸株調達がままならず、撤退・買い戻しを余儀なくされる事態に陥っている。
グロース市場の復権とイコールではないものの、そのひとつの象徴となるのがバイオ関連株の人気再燃だ。前週22日に取り上げたキャンバス<4575.T>は23日と週を跨いだきょう26日の取引で連続ストップ高に買われた。きょうは材料も出たことから、大口の買い注文がなだれ込み値幅制限上限にカイ気配で張り付く人気となった。同じく22日に紹介した免疫生物研究所<4570.T>とDNAチップ研究所<2397.T>(※こちらはスタンダード上場)は、両銘柄ともキャンバスと比べ相対的におとなしい値動きとはいえ上値指向は強い。基本的に短期割り切りスタンスが前提だが、佳境入りはこれからといえる。グロース市場に上場するバイオセクターの他の銘柄ではティムス<4891.T>、坪田ラボ<4890.T>、トランスジェニック<2342.T>、ラクオリア創薬<4579.T>などに目を配っておきたい。
このほか、バイオ関連以外でAIやネット周辺にも爆発力を内在させた銘柄は多い。直近派手な値動きを見せているものではビリングシステム<3623.T>、シェアリングテクノロジー<3989.T>などがある。このほか、ファーストアカウンティング<5588.T>やコムチュア<3844.T>の仕切り直し相場にも期待がかかる。
あすのスケジュールでは、7月の企業向けサービス価格指数、基調的なインフレ率を捕捉するための指標などが発表される。海外では1~7月の中国工業企業利益が発表され、ハンガリー中銀による政策金利も発表される。また、米国では6月のFHFA全米住宅価格指数、6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、8月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード調査)などにマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/26 17:01
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=双日、連結PBR0.7倍で上昇余地
双日<2768.T>に注目したい。第1四半期(4~6月)の連結純利益は、前年同期比4.1%増の230億4400万円となった。ビジネスジェット事業が好調な「航空・社会インフラ」事業や化学品トレードが伸びた「化学」事業などが堅調だった。25年3月期の同利益は前期比9.2%増の1100億円の見込み。足もとの進捗率は21%だが、下期はエネルギー事業などの寄与で今期の同利益は達成することが見込まれている。
同社の今期配当は前期比15円増の150円が計画されている。株価は、8月の波乱で調整局面だが、足もとの連結PBRは0.7倍台で配当利回りも4.4%前後と割安感は強い。先行き5月につけた年初来高値4408円奪回が期待できる。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/26 10:09
みんかぶニュース コラム
26日の株式相場見通し=強弱観対立、米株高も円高は向かい風に
26日の東京株式市場は強弱観対立のなかもやや利益確定の売りに押される展開が想定される。前週末の欧州株市場は主要国の株価が総じて上昇、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも高く、ダウは一時4万1200ドル台まで上値を伸ばし7月17日につけた史上最高値を上回る場面もあった。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容が注目されていたが、パウエル氏は「金融政策を調整すべき時が来た」と発言し、これがポジティブ材料となり投資家心理は強気に傾いた。FRBが9月のFOMCで利下げを実施することはほぼ確実視される状況で、場合によっては0.5%の大幅利下げの可能性も意識される状況となった。米債券市場では長期債が買われ、米10年債利回りは3.9%を下回る水準まで低下、これを背景にハイテク株比率の高いナスダック指数の上昇率が相対的に高くなっている。個別にはエヌビディア<NVDA>が4.5%高に買われるなど半導体関連の主力銘柄に物色の矛先が向き、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も反発した。米株高を受け、きょうの東京市場もリスク選好の地合いが想定される。ただ、日経平均の3万8000円台は4月下旬から6月下旬にかけてのもみ合い期間が長く、滞留出来高の多い水準であることで、売り圧力の強さも拭えない。足もと外国為替市場では日米金利差縮小を背景にドル売り・円買いの動きを誘発、1ドル=144円台前半まで円高に振れていることもあり、ハイテクセクターを中心に上値は重そうだ。今週予定されるエヌビディアの決算発表を控え、半導体関連株も様子見ムードが出やすく、日経平均は3万8000円台前半の比較的狭いゾーンでのもみ合いが予想される。
23日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比462ドル30セント高の4万1175ドル08セントと反発。ナスダック総合株価指数は同258.440ポイント高の1万7877.794だった。
日程面では、きょうは6月の景気動向指数改定値、7月の外食売上高など。海外では8月の独Ifo企業景況感指数、7月の米耐久財受注額など。なお、英国とフィリピン市場は休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/08/26 08:02
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=「NYダウ」と「エヌビディア」は最高値に舞い上がるか
株式市場では、米国のビッグイベントに対する関心が高まっている。その一つが、22~24日に開かれている「ジャクソンホール会議」で、今晩パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が行う講演だ。「パウエル議長が9月以降の金融政策にどんな姿勢を示すか」(市場関係者)に関心は向かっており、特に米国はソフトランディングに向かうかが問われるなか、同議長の米国経済に対する現状認識が注目されている。
米株式市場ではソフトランディングに向けた期待が高まっており、足もとでNYダウは7月につけた最高値まであと400ドル強の水準に迫っている。9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げは0.25%にとどまり、その後も利下げを続けるという観測が強まるなか、パウエル発言を機にNYダウは最高値を更新するかが関心を集めている。
そして、パウエル議長の講演と並び市場の関心を集めるのが、28日に予定されているエヌビディア<NVDA>の決算発表だ。生成AIに絡む半導体需要は強く、同社の株価も6月につけた最高値140ドルに接近している。同社株の場合「市場の予想をどれだけ上回ることができるか」(アナリスト)が焦点となるが、予想を上回る好決算となれば、最高値更新も期待できる。その場合、半導体株全体への見直し機運が高まる展開も予想される。
ただ、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>など日本の半導体関連株に関しては「今春のエヌビディア祭りの頃とは、為替の水準や方向性が異なっている」(同)点は見逃せない。このため、円高懸念との両にらみとなることも予想されるが、エヌビディアが好決算を発表すれば、半導体関連株の強い追い風となることは間違いない。「ジャクソンホール会議」と「エヌビディア」が好結果となれば、日経平均株価も一段の上値が期待される。
上記以外のイベントでは、海外では26日に米7月耐久財受注、27日に米消費者信頼感指数が発表される。また30日の米7月個人所得・支出(PCEデフレーター)も高い関心を集めそうだ。
国内では30日に8月東京都区部消費者物価指数(CPI)、7月失業率・有効求人倍率、7月鉱工業生産が発表される。27日にダイドーグループホールディングス<2590.T>、28日にイズミ<8273.T>、29日に東和フードサービス<3329.T>、30日にピープル<7865.T>、ACCESS<4813.T>、トリケミカル研究所<4369.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株の予想レンジは、3万7900~3万8900円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/23 17:24
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ニップン、コメ不足懸念のなかパスタ需要増に期待
ニップン<2001.T>はPER(株価収益率)が7倍台と製粉大手との比較では割安感が強く、本業の底堅さを考慮すれば株価修正の余地が見込めそうだ。同社の25年3月期の売上高は前期比2.9%増の4120億円、営業利益は同0.8%増の205億円を計画。営業利益は前期に続き連続で過去最高益を更新する見込みだ。製粉事業で小麦粉販売価格の一部引き下げによる影響を受けながらも販売数量の増加により、コスト高要因を補う見通し。5月の本決算発表時には、中期経営計画の修正も公表し、27年3月期の売上高目標を従来の計画から500億円増額して4500億円、営業利益目標を60億円増額して210億円に見直している。
8月6日発表の25年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、営業利益は減益となったものの、通期計画に対する進捗率は約25%と順調に推移した。スーパーで米が商品棚に陳列されていなかった、などとするSNS上での投稿が相次ぐなか、代替商品としてパスタの購入が拡大すれば、同社の業績にはプラス効果をもたらすこととなる。PBR(株価純資産倍率)は0.7倍台。資本効率の向上に向けた新たな施策の有無も注目点となっている。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/23 10:01
みんかぶニュース コラム
23日の株式相場見通し=弱含み、米ハイテク株安重荷 閉会中審査での日銀総裁発言を注視
23日の東京株式市場で、日経平均株価は弱含みの展開が想定される。22日の米株式市場でNYダウとナスダック総合株価指数はそろって反落。ナスダックの下落率は1.6%超とハイテク関連株の下げが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落率は3%を超えた。カンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウムのジャクソンホール会議において、翌日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演が予定されている。その発言内容に市場の関心が向かうなかで、カンザスシティー連銀のシュミッド総裁が利下げを支持する前に経済データを注視したいとの見解を示したと伝わった。パウエル議長の講演に関しても、市場では利下げペースなどで踏み込んだ発言はしないとの見方があり、米長期金利が上昇しハイテク株の圧迫要因となった。日本株には米ハイテク株安が重荷となり、日経平均は軟調な滑り出しとなると予想される。一方、ドル円相場は1ドル=146円台前半と、前日午後3時時点に比べてドル高・円安方向に振れており、東京市場の序盤において輸出関連株のサポート要因となる見込みだ。取引時間中は日銀の植田和男総裁による衆参両院での閉会中審査での発言に注目が集まることとなる。8月上旬の急速な株安・円高が一服し、金融市場が落ち着きを取り戻しつつあるなか、段階的な利上げに前向きな発言が出た場合は、全体相場には下押し圧力が高まりそうだ。反対に植田総裁からの一連の発言を受け、利上げに消極的な姿勢を示したと市場が受け止めた場合は、日本株の下支え要因となるシナリオが見込める。もっともパウエル議長の発言機会の前とあって、上値を追って買い上がる姿勢は限られる公算が大きい。日経平均は日中、3万7700円から3万8200円の範囲で推移しそうだ。
22日の米株式市場では、NYダウが前営業日比177ドル71セント安の4万712ドル78セントと反落。ナスダック総合株価指数は同299.633ポイント安の1万7619.354だった。
日程面では、国内では7月の全国消費者物価指数が公表される予定。7月全国百貨店売上高も午後の取引時間中に発表される。また日銀の植田和男総裁が衆参両院での閉会中審査に出席する予定。海外では米国で7月の新築住宅販売件数が公表されるほか、FRBのパウエル議長がジャクソンホール会議で講演に臨む。
出所:MINKABU PRESS
2024/08/23 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=中小型株復権で「人材とバイオ」に着目
きょう(22日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比259円高の3万8211円と反発。日替わりで上下動を繰り返すが、全体商いが細るなか3万8000円台を猛然と突き進むようなパワーはないが、かといって3万7000円台を深く売り込むような悲観的なムードもない。そうこうするうちに株価のボラティリティも低下傾向となっている。半導体関連は総論として今は手が出しにくい。エヌビディアの決算を来週28日に控えている。同社の足もとの業績が飛ぶ鳥を落とす勢いなのは分かっているが、問題は今後の見通しである。見切り発車はできない。となれば、投資マネーの視線は自然と内需系銘柄に向く。
前日発表された訪日外客数は329万人と単月としては過去最高を記録。訪日客の急増でコト消費が刺激されている。例えば居酒屋などを含めた飲食関連はある意味でエンタメ的な要素があり、コト消費の延長という見方もできる。当然ながら、需要に対応してサービスを提供する側にすれば人手不足の問題がのしかかる。7月26日に鳴り物入りでグロース市場に新規上場したタイミー<215A.T>は、現代社会ならではのニーズに着目したスキマバイトサービス(バイト仲介アプリの運営)を展開するが、ここにきて株価は戻りトレンドに乗り、今週に入ってから連日で上場後の最高値を更新している。新値街道が7月の訪日外客数の発表とタイミングがほぼ合致しているのも、決して偶然とは言えない。
“タイミー効果”が他の銘柄にも波及する公算は小さくない。8月上旬の暴落局面でツレ安した銘柄も多く、その意味では時間軸的に今はバーゲンハンティングのチャンスともいえる。まず、戻り足が鮮明なツナググループ・ホールディングス<6551.T>をマーク。同社はアルバイトやパートに特化した採用代行業務を展開し、慢性的な人手不足に悩まされている小売りや飲食業界に重点を置いている点がポイントで、75日移動平均線越えから上値指向に勢いがつく可能性もある。また、クチコミ情報サイトを運営し、企業向け採用支援サービスも手掛けるオープンワーク<5139.T>は足もとの株価は調整を入れているが、押し目に買い向かって妙味がありそうだ。同社は21年12月期以降、大幅増益路線をまい進、24年12月期営業利益は前期比17%増と伸び率こそ鈍化するものの2ケタ増益で初の10億円台に乗せ、ピーク利益を更新する見通しにある。
同じく人材関連の低位株ではランサーズ<4484.T>の220円台のもみ合いは格好の仕込み場かもしれない。同社はIT系人材のマッチングプラットフォームを運営するが、こちらも需要と供給のバランスが極めてタイトで企業側の外注ニーズは高い。生成AI関連分野への布石も抜かりなく、25年3月期は2ケタ増収かつ33%営業増益を見込んでいる。
このほか、ここ最近はバイオ関連株への物色人気が再燃し、これがグロース市場の反騰機運にも貢献している。これはバイオ関連に限ったことではないが、8月上旬の暴落で、膨張していた信用買い残が投げ売りによって急激に収縮し、これによって株式需給面で上値の重石が外れたことが大きい。そのなか、激しい動きで目を引くのが、再生医療分野をフィールドとするセルシード<7776.T>。8月に入って全体パニック売り環境の中で信用買い残を逆に増加させるという異色の銘柄で、株価の上昇パフォーマンスも強烈だった。貸株市場を経由した外資系証券の空売りが高水準に積み上がるなか、買いを仕掛けている資金の方が強く、踏み上げ相場に発展した。同社株の動きは他のバイオ株に波及しそうだ。
商いは薄いが、DNAチップ研究所<2397.T>や免疫生物研究所<4570.T>の中段もみ合いは待ち伏せ買いの対象としては面白い。免疫生物研は5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前であり、DNAチップも株価が上向けば5日・25日線GCが形成されるタイミングにある。また、バイオ関連のなかでもボラティリティの高さが際立つキャンバス<4575.T>も要マーク。600円台前半で瀬踏みを繰り返しているが、どこかで持ち前の瞬発力を発揮する可能性がある。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に開示される7月の全国消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高い。また、午後取引時間中には7月の全国百貨店売上高が発表される。海外では目立ったイベントは少ないが、米国で7月の新築住宅販売件数が開示される。また、ワイオミング州ジャクソンホールで開催されている経済シンポジウムでパウエルFRB議長の講演が行われる予定にあり、この内容が注目されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/22 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=バリュエンス、売上総利益率重視の仕入れが奏功
バリュエンスホールディングス<9270.T>はブランド品の買い取り「なんぼや」「BRAND CONCIER」、BtoBネットオークション「STAR BUYERS AUCTION」、ユーズド・ヴィンテージショップ「ALLU」などを運営している。
ALLU新宿店や国内買い取り店舗の出店による地代家賃の増加などが重荷となっているものの、在庫入れ替えを進めつつ売上総利益率重視の仕入れに切り替えたことが奏功。24年8月期第3四半期(3~5月)の連結営業損益は4億2900万円の黒字に浮上(第2四半期は6億1600万円の赤字)し、通期予想は従来の12億円の赤字から6億円の赤字(前期は21億8300万円の黒字)に上方修正している。
株価は8月7日に761円まで下押す場面もあったが、すぐに切り返し。日足チャートでは中期トレンドを示す75日移動平均線が上向きに転じており、一段の上値が期待できそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/22 10:11
みんかぶニュース コラム
22日の株式相場見通し=強含みもみ合い、欧米株しっかりで安心感
22日の東京株式市場は全般様子見ムードのなか、日経平均は前日終値近辺の狭いゾーンでもみ合う展開が想定される。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて堅調、独DAX、仏CAC40、英FTSE100など揃って反発した。ただ、ボラティリティは低く、上げ幅は限定的なものにとどまっている。一方、米国株市場でも主要株価指数の値動きは狭い範囲にとどまり、NYダウは前の日の終値を挟んでマイナス圏とプラス圏を往来する方向感に乏しい動きで、結局小幅ながら上昇して引けている。この日は米雇用統計の年次改定が注目されたが、米労働省は今年3月までの1年間の雇用者数が81万8000人の下方修正となるとの推定値を公表、修正幅は過去15年間で最大となった。これを受けてFRBによる利下げを後押しするとの見方がマーケットでは強まっている。一方、同日午後にはFRBが7月30~31日に開催されたFOMCの議事要旨を開示、メンバーの大多数が9月利下げを肯定するハト派的な内容だった。もっとも、早期利下げについてマーケットでは織り込みが進んでおり、NYダウは0.1%高、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も0.6%高と反応は限られている。23日に予定されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容を前に、この内容を見極めたいとの思惑も上値を押さえる形となった。きょうの東京市場では欧米株がしっかりだったことを受けて安心感が広がりそうだが、積極的に上値を買い進む展開とはなりにくい。日経平均の3万8000円台は累積売買代金も高水準で戻り売り圧力が意識されやすく、きょうは強含みで推移するなかも値幅は限定的となりそうだ。
21日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比55ドル52セント高の4万890ドル49セントと反発。ナスダック総合株価指数は同102.050ポイント高の1万7918.987だった。
日程面では、きょうは7月の全国スーパー売上高など。海外では7月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値、7月の仏PMI速報値、7月の独PMI速報値、週間の米新規失業保険申請件数、7月の米中古住宅販売件数、8月の米PMI速報値など。また、この日から24日までの日程で、米ワイオミング州でジャクソンホール会議が行われる(パウエルFRB議長の講演は23日)。
出所:MINKABU PRESS
2024/08/22 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「マド開け急動意後」の好実態株に勝機
きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比111円安の3万7951円と反落。ハイボラ相場に慣れてしまうと、きょうなどはヤケに静かな相場に思えてしまうのだが、それでも日経平均は朝方に450円あまり下落する場面があった。後場は一貫して下げ幅を縮小し、大引け直前に3万8000円台にワンタッチし、この日の高値をつけた。AIアルゴリズム取引に撹拌されて目が回るような地合いが続くが、3万8000円台後半は累積売買代金が高水準であり、先物を絡めたAI主導の相場とはいえ、何か材料が発現しないことにはこの厚い壁を突き破るのは難しそうだ。
21日公表される米雇用統計の年次改定で今年3月までの過去1年分の雇用者数が60万~100万人規模で大幅下方修正されるという観測が広がった。仮に観測通りだった場合は、統計の信憑性が疑われるほどのインパクトがあるが、バックミラーに映る景色に驚いて相場が波乱に陥るということは考えにくい。今年3月までの1年間、インフレ率が修正なしとして、雇用者数のみ大きく下方修正されるということは、米経済がスタグフレーションの環境に晒されていたということにもなる。むしろFRBが利下げのカードを切りまくっても肯定されるような状況となり得る。となれば米株高を後押しする思惑につながっていくが、これも現時点では何とも言えない。改めて米経済はリセッション懸念とソフトランディング期待の狭間を右往左往することになる。
先が読めない地合いが続くなかも、個別株戦略は基本に忠実に好実態株の水準訂正のプロセスを狙っていきたい。直近取り上げたスマートフォン向けアフィリエイトを展開するレントラックス<6045.T>は今月15日にマドを開け大幅高に買われていたが、その後は600円台前半で売り物をこなし、きょう大陽線で上放れた。25年3月期営業36%増益予想と回復色が鮮明でPERにも割安感があるが、23円配当を計画するなど株主還元志向が強く、3.5%前後の配当利回りはこの業態の小型成長株としては珍しい部類に入る。
このレントラクスと同様、マド開け急騰後のもみ合いで売り物をこなしている好実態株はマークしておくところ。例えば、アイスタイル<3660.T>は前期の営業利益2.4倍化に続き、今期も前期比24%増の24億円を見込んでおり、7期ぶりに過去最高を更新する見通しにある。15日にマドを開けて大幅高を演じた後も強含みもみ合いを続けており、一段の上値余地が意識される。
また、株価指標面で超割安圏に位置するユニバンス<7254.T>も継続マークしたい。13日にマドを開けストップ高に買われた後、500円台前半での往来を繰り返すが、PERが何と4倍強で、PBRは0.4倍という、この株価水準で放置され続けるとは思えない。今期の営業利益は3割減益を見込むが、これは前期に急拡大した反動を考慮した保守的な数字。第1四半期(24年4~6月)時点で前年同期比5.1倍の10億7700万円に達しており、対通期進捗率も36%で業績上振れの公算が大きい。
このほか、業績変化が際立つ割に評価不足とみられる銘柄では、クラウドサービスを展開するBBDイニシアティブ<5259.T>が挙げられる。24年9月期は前期比18倍の4億円を見込む。また、前日に取り上げたテックファームホールディングス<3625.T>も強い動きとなっている。スマートフォン向け中心に先端技術を活用したシステム開発を手掛け、25年6月期は67%営業増益を見込む。更に、株価は既に動兆著しいが、コンビニエンスストアなどの電子決済関連や収納代行を手掛けるウェルネット<2428.T>も押し目買い対象として要チェックだ。新紙幣発行を契機に国内でも今後電子マネーや電子チケットの普及に弾みがつきそうだ。同社は時流に乗るビジネスモデルで、中期的にマーケットで注目を浴びる可能性がある。足もとの業績も絶好調で25年6月期は連続の大幅増収増益見込みにある。
あすのスケジュールでは、午後取引時間中に7月の全国スーパー売上高が発表される。海外では7月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値、7月の仏PMI速報値、7月の独PMI速報値などが注目されるほか、米国では週間の新規失業保険申請件数、7月の中古住宅販売件数、8月のPMI速報値などにマーケットの関心が高い。また、この日から24日までの日程で、米ワイオミング州でジャクソンホール会議が行われ(パウエルFRB議長の講演は23日)、投資家の注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/21 17:01
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=東洋合成、半導体向け感光性材料回復から再拡大へ
東洋合成工業<4970.T>は、好業績期待を背景に、3月につけた年初来高値1万660円更新に向けた動きが期待できる。
同社は、半導体や液晶のフォトレジスト用感光性材料大手。8月9日に発表した第1四半期(4~6月)単独決算は、営業利益が13億200万円(前年同期比56.0%増)だった。半導体市場の需要回復が想定よりも早まり、半導体向け感光性材料が先端分野を中心に伸長。ディスプレー向け材料も中国を中心にパネル生産が一定レベルに保たれ、需要が堅調だった。また、需要回復により操業度も向上し、利益に貢献した。
第1四半期の好決算を受けて、25年3月期通期業績予想を営業利益で31億円から36億円(前期比2.5%増)へ上方修正したが、収益性の高い半導体向け感光性材料の増収効果などにより更なる上振れも期待できる。
中期的にも、電子機器の生産高増加に伴う半導体生産の増加で、半導体向け感光性材料や化成品事業の高純度溶剤などの需要の増加が見込まれる。今期に稼働開始予定の千葉工場(千葉県東庄町)第4感光材工場の増産効果もあり、償却費や労務関連費用を吸収して、26年3月期以降も増収増益基調を継続しよう。調査機関のなかには、26年3月期営業利益を50億円台後半、27年3月期同70億円乗せと予想するところもある。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/21 10:08
みんかぶニュース コラム
21日の株式相場見通し=反落、米株上昇一服と円高を背景に売り優勢
21日の東京株式市場は幅広い銘柄に売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は反落する公算が大きい。前日の欧州株市場では高安まちまちながら主要国の株価が総じて軟調な値動きとなった。ここ上値指向を続けていた独DAXも11日ぶりに反落するなど戻り一服となっている。また、米国株市場でも目先利益確定の動きが主要株価指数の上値を押さえた。NYダウは最高値まであと300ドルあまりに迫っていたが、この日は終始軟調な値動きで小幅ながら6日ぶり反落。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数と機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数はいずれも9日ぶりの反落となっている。21日にFRBが開示予定にあるFOMC議事要旨(7月開催分)や23日に予定されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせている。また、ダウは構成銘柄の一つであるボーイング<BA>が大きく売られたことも下げに影響した。もっとも、下値では押し目買いが活発で3指数ともに下げ幅は限定的なものにとどまっている。東京市場では米株市場の上げ足が止まったことや、外国為替市場で1ドル=145円台前半まで円高が進んでいることから、ハイテク株中心に下値を試す動きが想定される。米株価指数先物の動向なども横目に3万7000円台後半で売り買いを交錯させる展開となりそうだ。押し目に買い向かう動きも予想されるが、国内では9月の自民党総裁選を前に、候補者が乱立し次期総裁が誰になるか予想がつきにくい状況にあり、政策の方向性に不透明感が強いこともあって、積極的な買いは見送られる可能性が高い。
20日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比61ドル56セント安の4万834ドル97セントと6日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同59.834ポイント安の1万7816.937だった。
日程面では、きょうは7月の貿易統計、7月の食品スーパー売上高、実質輸出入動向、7月の訪日外国人客数など。海外ではタイ中銀、インドネシア中銀の政策金利発表、FOMC議事録(7月30~31日開催分)など。なお、フィリピン市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/08/21 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=晩夏の二度咲き、さくらネットに続くのは
きょう(20日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比674円高の3万806円と急反発。前日の後場にあれよという間に値を崩し大幅安となったが、くしくもきょうは前日の下げ幅とピタリ合致する戻りを演じた。日替わりで猫の目のように変わる読みにくい相場が続く。そのなか、きょうはグロース市場の戻りが目立った。足もとで中小型株のモメンタム相場の色が強く、テーマとしては久しぶりに生成AI関連に出番が回っている。
生成AIに限ったことではないが、新たな成長市場が創出される時は、その初動は未知数ゆえに期待感が先に立つのは避けられない。株価が上昇するということは単純に言ってしまえばその銘柄を買いたい人が多い、人気が集まっているからこそ起こる現象である。つまり当該企業の近未来の成長可能性を織り込む形で株価は水準を切り上げる。しかし、これは時に行き過ぎるため、その修正がどこかのタイミングで入ることになる。基本的にはバブル部分が剥落するわけだが、「買い被り」過ぎると収縮ではなく、破裂する形で株価がクラッシュするケースへと発展する。2000年のITバブル崩壊は、膨らみ過ぎて破裂した事例といえる。個別株では当時の光通信<9435.T>の急騰急落はその典型であった。
近年の生成AIというテーマは、2000年当時のITバブルよりは現時点ではるかに成長期待を裏付ける実績があるが、関連株が過剰に買われてきた印象は否めない。ここ最近のエヌビディア<NVDA>を筆頭とするAI半導体の周辺銘柄が値を崩したのは、そうした部分の調整で、これは企業のファンダメンタルズに対する明確な失望ではなく、株式需給面での偏りが是正された、いわばプチバブル崩壊のようなものである。
したがって需給が改善すれば、再び株価のベクトルは上向きに変わる。例えばここエヌビディアの株価の戻りが顕著となっているが、同社は来週28日(日本時間29日)に上期決算を発表予定にあり、それを前に好決算を先取りする動きともいえる。実際、好決算かどうかはフタを開けて見ないことには分からない。ただ、今月初旬に年初からの強力な下値サポートラインであった75日移動平均線をいったん下放れてからの株価復元は、実需の押し目買い、もしくは空売り買い戻しのいずれにしても強い数字を予想する向きが多いことを暗に示唆している。もし、エヌビディアが決算発表後に一段と上値を追うような展開で最高値圏に浮上するような展開となれば、日米ともに売り込まれた生成AI関連株の見直しムードが急速に高まる可能性はある。
前日の米国株市場ではエヌビディアが大幅高に買われたが、その後塵を拝することなく株価を大きく上昇させたのがライバル企業であるアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>だった。AMDはサーバーの製造やデザインを手掛ける米ZTシステムズを49億ドルで買収することを発表、これによりAI用半導体事業の強化、換言すれば“生成AIシフト”に本腰を入れる構えを明示し、これが投資マネーの食指を動かした。
この流れは、海を渡って東京市場にも及んだ。信用買いの投げ売りで需給の枯れた銘柄が多かった生成AI関連(データセンター関連)に火が付いたが、その代表格は、きょうストップ高を演じたさくらインターネット<3778.T>である。株価は今年3月初旬に瞬間風速で1万980円の上場来高値を形成したが、その直後に急反落し長い下降トレンドを余儀なくされた。8月上旬には2300円まで水準を切り下げ、高値から約80%の下落と容赦なく売り叩かれた。これでも時価予想PERは100倍程度と高いのだが、需給の歯車が逆回転を始めた時はファンダメンタルズを論じてもあまり意味がない。この流れに沿って、生成AI関連の出遅れ株を探す作業が始まりそうだ。関連銘柄としてはブロードバンドタワー<3776.T>、フィックスターズ<3687.T>、ヘッドウォータース<4011.T>、テックファームホールディングス<3625.T>、FRONTEO<2158.T>などに注目。
あすのスケジュールでは、7月の貿易統計、7月の食品スーパー売上高、実質輸出入動向、7月の訪日外国人客数など。また、東証グロース市場にオプロ<228A.T>が新規上場する。海外ではタイ中銀、インドネシア中銀の政策金利発表、米国ではFOMC議事録(7月30~31日開催分)にマーケットの関心が高い。なお、フィリピン市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/20 17:01
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ビックカメラ、期中2度の上方修正で営業58%増益へ
ビックカメラ<3048.T>の戻り一服場面は狙ってみたい。国内の消費関連セクターは訪日外国人急増を背景にインバウンド需要が旺盛だが、そのなか駅前に大型店舗を構える同社はその恩恵を享受しやすいメリットがある。M&A戦略を駆使して業容拡大路線を走るが、近年は売上高が伸び悩み利益面も苦戦が続いていた。しかし、24年8月期は業績回復色が鮮明で、営業利益は期中2度にわたる増額修正を経て前期比58%増の225億円を見込む。なお、第3四半期(23年9月~24年5月)時点で前年同期比76%増の191億9400万円と大幅な伸びを達成している。
100株以上の株主を対象に指定店舗で使用できる優待券(金券)を2月と8月に贈呈するなど株主優待に積極的で、長期投資対象としても妙味がある。株価は7月23日につけた年初来高値1808円を目指す展開へ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/20 10:14
みんかぶニュース コラム
20日の株式相場見通し=大幅反発か、欧米株全面高も円高は警戒
20日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買いが先行する形となり、日経平均株価は大きく切り返す可能性が高そうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価をはじめほぼ全面高商状に買われた。そのなか独DAXは10連騰となるなど、値刻みこそ小幅ながら上値指向の強さを明示している。米国株市場でもハイテク系グロース株を中心に買い意欲が旺盛で、NYダウが5日続伸したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は今年最長となる8連騰を記録した。米景気失速への行き過ぎた懸念が和らぐなか、ポジション調整の売りをこなして両指数とも上値追いを続けている。大手金融機関による分析では、米経済が1年以内にリセッションに陥る可能性を引き下げており、これが投資家の不安心理後退を促した。また、FRB高官によるハト派的な発言が主力IT株などの株価に浮揚力を与えている。もっとも、ここ最近の急ピッチの戻りを受け、景気敏感株の一角などに目先筋の利益確定の動きも表面化、ダウの上値は重い展開だった。東京市場では前日の欧米株が全面高商状となったことを受け、リスク選好の地合いが予想される。前日の後場に日経平均は為替市場の円高進行を横目に波乱含みの下げに見舞われたが、その反動もあってきょうはリバウンドに転じそうだ。ただ、ドル・円相場は引き続き荒れた動きで足もとは1ドル=146円台と円高水準で推移しており、この為替動向を横にらみに買い一巡後は不安定な値動きとなる可能性もある。米株価指数先物の値動きなどの影響も受けそうだ。
19日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比236ドル77セント高の4万896ドル53セントと5日続伸。ナスダック総合株価指数は同245.051ポイント高の1万7876.771だった。
日程面では、きょうは20年物国債の入札、7月の首都圏マンション販売、7月の主要コンビニエンスストア売上高など。海外では8月の中国最優遇貸出金利、豪中銀理事会(8月開催分)の議事要旨、トルコ中銀とスウェーデン中銀の政策金利を発表など。
出所:MINKABU PRESS
2024/08/20 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=グロース市場9連騰、異色の上昇株選抜
週明け19日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比674円安の3万7388円と大幅反落。後場に入り急速に値を崩したが、前日まで5連騰で3200円以上も水準を切り上げていたことを考えれば、この程度の押し目は仕方ないというところだ。それにしても後場寄りから別世界に足を踏み込んだかのような崩れ方に、意表を衝かれた投資家も多かったのではないか。市場関係者からは、昼休み時間中の後場取引開始直前まで強気論が聞かれていたぐらいで、全くもって人間には優しくない相場である。繰り返しになるが、今の株式市場は躊躇なき高速売買のAIアルゴに支配されており、同じ時間軸で売り買いする“生身の”短期トレーダーほどその被害をこうむっている。
今週は週後半のジャクソンホール会議にマーケットの耳目が集まるが、既に9月の0.25%利下げをほぼ100%織り込んだ状態にあり、23日に予定されるパウエルFRB議長の講演に耳を傾けるにせよ、おそらくデータ次第というお決まりの口上で、今市場で言われているほどの相場を突き動かすようなトリガーとはならないのではないか。
米大統領選も現状はトランプ前大統領の返り咲きか、それともハリス副大統領が初の女性大統領の座を射止めるのか、皆目分からなくなってきているが、フィフティ・フィフティーでどちらになるか二つに一つであることには変わりがない。それに比べて10人を超える候補者が立つ、国内の自民党総裁選の方がよほど先行き不透明である。派閥解消の影響とはいえ、ここまで如実に競争倍率を高めることになったのは驚きであった。小林鷹之前経済安全保障担当相を担ぎ上げる動きがにわかに高まっているが、国民目線では正直無名に近く、選挙に勝つための看板としてどうなのかという思惑がある。市場では「(新首相が小林氏であれば)岸田政権で苦汁をなめた勢力にとって復権の足掛かりが作れる」(生保系エコノミスト)という指摘もあるが、永田町のパワーバランスを考えた場合、本当にこの形での若返りが望まれているとは考え難い面もある。上川陽子外相の方が永田町的にはニーズが強いような気もする。
さて、個別株に目を向けると、全体相場は後場に入ってから円高にリンクさせた仕掛け的な売りで日経平均は波乱含みの下げに転じたものの、グロース市場が相対的に強さを発揮、グロース市場指数はプラス圏を維持し9連騰を記録している。バイオ関連株の戻りが作用した面が大きかったが、その背景には決算発表シーズンが通過したことで、赤字の多いバイオベンチャーの決算を嫌気した売りを浴びにくくなったということが挙げられる。
また、バイオ関連以外でも好業績が確認された銘柄に素直に見直し買いが流入している。グロース市場は一時ネット証券大手のデータで信用取引の評価損益率が40%を超える局面に陥るなど急激に冷え込み、追い証絡みの投げが噴出した。ロスカットを半ば強要された個人投資家にとっては気の毒な状況となったが、信用買い残の整理進捗に伴いシコリ玉が解消され、戻り足に弾みがついたというのが8月6日以降の相場だ。プライム市場の動きが鈍くなっても、グロース市場への資金シフトの動きに目を向けておきたい。
グロース市場に上場するファンダメンタルズ面で高評価できる銘柄としてはjig.jp<5244.T>。ライブ配信事業を手掛けるが、前期の営業8割増益に続き、25年3月期も11%増益と2ケタ成長を予想しており、押し目は狙える。また、障がい福祉サービス事業を手掛けるココルポート<9346.T>も営業2ケタ増益が続く。オープンワーク<5139.T>は就職・転職のクチコミ情報サイトを運営するが、24年12月期上期営業減益ながらも通期は17%増益の10億円乗せが有力視されている。更に、縫製自動機の開発・製造やエアバッグを手掛ける松屋アールアンドディ<7317.T>は業績飛躍局面にあり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新する見通しだ。このほか、スマートフォン向けアフィリエイトを展開するレントラックス<6045.T>は25年3月期36%営業増益を見込んでおりマークしたい。
あすのスケジュールでは、20年物国債の入札、7月の首都圏マンション販売、7月の主要コンビニエンスストア売上高など。海外では8月の中国最優遇貸出金利が決定され、豪中銀理事会(8月開催分)の議事要旨も開示される。このほかトルコ中銀とスウェーデン中銀が政策金利を発表する。また、ASEAN高級実務者会議がラオスで開催される(~22日)。米国ではバーFRB副理事が討議に参加、その発言内容が注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/19 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ダイフク、業績増額修正で再評価
ダイフク<6383.T>の調整局面は絶好の拾い場となりそうだ。搬送・保管システムのトップ企業である同社の業績は好調だ。同社は8日に決算発表を行うとともに、24年12月期の連結営業利益を従来予想の520億円から560億円に増額修正することを明らかにした。豊富な受注残を抱えるほか、コスト増加分の価格転嫁や経費削減効果などが寄与した。今期配当予想も従来予想から3円増の年40円に引き上げた。
半導体関連や製造業・流通業向けなどに受注は拡大傾向にあり、今期同利益は570億円前後への再増額期待もある。全体相場の急落で同社株も下落したが、足もとでは戻り歩調にある。実力再評価で見直し余地は大きい。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/08/19 10:07