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ウェルネス・コミュニケーションズ:健診データ構造化とクラウド基盤で描く持続成長戦略
配信日時:2025/09/18 12:38
配信元:FISCO
*12:38JST ウェルネス・コミュニケーションズ:健診データ構造化とクラウド基盤で描く持続成長戦略
ウェルネス・コミュニケーションズ<366A>は、企業や健康保険組合向けに健診予約から結果管理、健康経営の推進までをワンストップで支援するヘルスケアテック企業である。事業は主に「健診ソリューション事業(製品名:「i-Wellness」)」と「健康管理クラウド事業(製品名:「Growbase」)」の2セグメントで構成され、売上構成比は前者が8割超を占める。「i-Wellness」は受診予約・精算代行・結果のデータベース化まで一括提供するプラットフォームであり、受診者本人だけでなく家族(扶養者)にもサービスを提供している。「Growbase」は、大企業の人事部や健康保険組合を対象に、健康管理計画の策定から法令対応(労働安全衛生法に基づく報告など)までをクラウド上で完結させる。これにより、企業は健診データや勤怠情報、ストレスチェック結果などを一元管理し、産業医面談記録やアンケート調査(サーベイ)データも統合できる。両事業を組み合わせることで、健康経営に必要なデータ収集・分析・施策実行を包括的に支援する独自のビジネスモデルを構築している。
同社の強みは企業の人事部・健康保険組合を主対象とし、大企業向けに健診ソリューションと健康管理クラウドを組み合わせたワンストップサービスを提供できる点にある。全国2,000件越えの医療機関ネットワークを基盤に、健診予約から結果の統一判定によるデータ化・構造化までを迅速・高精度に実施するノウハウを有し、健診ソリューションのストック売上比率は98.4%、契約継続率は99.5%と極めて安定的である。また前述の健康管理クラウド「Growbase」では、20年以上にわたり大企業向けクラウドサービスを提供し、法令改正や顧客ニーズに即応する機能追加(直近6年で1,500超)を重ねてきた。こちらも契約継続率は99.7%と非常に高く、カスタマーサクセス部門によるハイタッチなサポートや情報セキュリティ対応も評価が高い。大企業市場では、健康管理クラウド分野において大手SIベンダーがオンプレ型を中心に展開し、健診ソリューション分野ではBPOや福利厚生提供企業も存在する中、同社はコーポレート・ウェルネス専業として健診結果の一元化を実現。一般的に紙で返却される健診結果を統一様式に整え、素早く健康管理に活用できる状態にする独自技術と体制を持つ。ほぼノーカスタマイズで導入可能な設計と、健康管理の知見を活かした充実のサポート体制が、同社の高い競争優位性を支えている。
2026年3月期第1四半期は、売上高が2,492百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益が119百万円(同266.8%増)と大幅増益を達成した。主要2事業の順調な成長に加え、過年度より注力してきた健診ソリューション事業におけるDX推進による生産性向上取り組み効果が顕在化した。主要事業である健康管理クラウド事業、健診ソリューション事業はいずれも増収増益で着地。健康管理クラウド事業は、契約企業グループ数が前年同期比28社純増したことに加え、新たに当第1四半期中に8社のオンボーディングが完了し、契約企業グループ数は238社へと拡大した。特に健康管理クラウド事業は、新規導入顧客数の増加に加え、既存顧客におけるID数の増加もあり、ID数は前年同期比約24万ID増となり、計180万IDを突破するほどである。例年低い進捗率となる第1四半期において、過去最高益となる好調な滑り出し。通期予想は、売上高で前期比5.2%増の14,790百万円、営業利益で同11.7%増の1,239百万円が予想されている。
市場環境は、人的資本経営や健康経営推進の潮流により拡大基調にある。同社が属するヘルスケア市場は企業の法令遵守義務(50人以上の事業場における年1回の健診実施義務)に支えられる安定的需要に加え、健康管理データの戦略的活用ニーズが高まっている。国内市場では大企業による買収や業界再編の動きも活発化しており、スピード感のある事業展開が競争力維持の鍵となる。競合は、大手SIベンダーによるオンプレ型システム提供やBPO・福利厚生企業などが中心だが、同社のように健診結果データの統合・構造化からクラウド管理、施策実行支援までを一貫提供する事業者は限定的である。このため、データ処理技術と顧客密着型のサポート力を併せ持つ同社のポジションは堅固であり、中長期的なシェア拡大が見込まれる。
今後の見通しとしては、まず大企業市場でのアップセル戦略を加速させ、顧客企業内でのウォレットシェア拡大を図る。健診結果や勤怠データ、メンタルヘルス情報、産業医面談記録などを統合管理するGrowbaseに新機能を追加し、高付加価値サービスの提供による単価向上を狙う。さらに、メンタルヘルス支援、eラーニング、組織分析、産業医・保健師の紹介によるカウンセリング、健康相談といった周辺領域への進出も計画している。中長期的には、営業利益成長率15%を維持しつつ、価格改定の効果や新規事業拡大により20〜30%の成長を目指す考えであり、非連続的な成長投資も視野に入れている。
株主還元については、中長期的な企業価値向上を最重要視しつつ、足元では成長投資を優先する姿勢を示している。財務方針としてはシステム開発投資と成長をけん引する人材採用を重視しつつ、業績や財務状況に応じて適切なタイミングで株主還元策を実施する方針である。配当政策については直近4期は配当性向30%を継続しており、今後はバランスの取れたキャッシュアロケーションを行う考えである。また、IR活動においては、決算発表時に限らず投資家とのコミュニケーション機会を積極的に創出し、透明性の高い情報発信を継続していく方針を示している。上場を契機に、業界再編の主体者としての役割を果たしつつ、企業価値の持続的向上と株主利益の最大化を両立する経営が期待される。
<HM>
同社の強みは企業の人事部・健康保険組合を主対象とし、大企業向けに健診ソリューションと健康管理クラウドを組み合わせたワンストップサービスを提供できる点にある。全国2,000件越えの医療機関ネットワークを基盤に、健診予約から結果の統一判定によるデータ化・構造化までを迅速・高精度に実施するノウハウを有し、健診ソリューションのストック売上比率は98.4%、契約継続率は99.5%と極めて安定的である。また前述の健康管理クラウド「Growbase」では、20年以上にわたり大企業向けクラウドサービスを提供し、法令改正や顧客ニーズに即応する機能追加(直近6年で1,500超)を重ねてきた。こちらも契約継続率は99.7%と非常に高く、カスタマーサクセス部門によるハイタッチなサポートや情報セキュリティ対応も評価が高い。大企業市場では、健康管理クラウド分野において大手SIベンダーがオンプレ型を中心に展開し、健診ソリューション分野ではBPOや福利厚生提供企業も存在する中、同社はコーポレート・ウェルネス専業として健診結果の一元化を実現。一般的に紙で返却される健診結果を統一様式に整え、素早く健康管理に活用できる状態にする独自技術と体制を持つ。ほぼノーカスタマイズで導入可能な設計と、健康管理の知見を活かした充実のサポート体制が、同社の高い競争優位性を支えている。
2026年3月期第1四半期は、売上高が2,492百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益が119百万円(同266.8%増)と大幅増益を達成した。主要2事業の順調な成長に加え、過年度より注力してきた健診ソリューション事業におけるDX推進による生産性向上取り組み効果が顕在化した。主要事業である健康管理クラウド事業、健診ソリューション事業はいずれも増収増益で着地。健康管理クラウド事業は、契約企業グループ数が前年同期比28社純増したことに加え、新たに当第1四半期中に8社のオンボーディングが完了し、契約企業グループ数は238社へと拡大した。特に健康管理クラウド事業は、新規導入顧客数の増加に加え、既存顧客におけるID数の増加もあり、ID数は前年同期比約24万ID増となり、計180万IDを突破するほどである。例年低い進捗率となる第1四半期において、過去最高益となる好調な滑り出し。通期予想は、売上高で前期比5.2%増の14,790百万円、営業利益で同11.7%増の1,239百万円が予想されている。
市場環境は、人的資本経営や健康経営推進の潮流により拡大基調にある。同社が属するヘルスケア市場は企業の法令遵守義務(50人以上の事業場における年1回の健診実施義務)に支えられる安定的需要に加え、健康管理データの戦略的活用ニーズが高まっている。国内市場では大企業による買収や業界再編の動きも活発化しており、スピード感のある事業展開が競争力維持の鍵となる。競合は、大手SIベンダーによるオンプレ型システム提供やBPO・福利厚生企業などが中心だが、同社のように健診結果データの統合・構造化からクラウド管理、施策実行支援までを一貫提供する事業者は限定的である。このため、データ処理技術と顧客密着型のサポート力を併せ持つ同社のポジションは堅固であり、中長期的なシェア拡大が見込まれる。
今後の見通しとしては、まず大企業市場でのアップセル戦略を加速させ、顧客企業内でのウォレットシェア拡大を図る。健診結果や勤怠データ、メンタルヘルス情報、産業医面談記録などを統合管理するGrowbaseに新機能を追加し、高付加価値サービスの提供による単価向上を狙う。さらに、メンタルヘルス支援、eラーニング、組織分析、産業医・保健師の紹介によるカウンセリング、健康相談といった周辺領域への進出も計画している。中長期的には、営業利益成長率15%を維持しつつ、価格改定の効果や新規事業拡大により20〜30%の成長を目指す考えであり、非連続的な成長投資も視野に入れている。
株主還元については、中長期的な企業価値向上を最重要視しつつ、足元では成長投資を優先する姿勢を示している。財務方針としてはシステム開発投資と成長をけん引する人材採用を重視しつつ、業績や財務状況に応じて適切なタイミングで株主還元策を実施する方針である。配当政策については直近4期は配当性向30%を継続しており、今後はバランスの取れたキャッシュアロケーションを行う考えである。また、IR活動においては、決算発表時に限らず投資家とのコミュニケーション機会を積極的に創出し、透明性の高い情報発信を継続していく方針を示している。上場を契機に、業界再編の主体者としての役割を果たしつつ、企業価値の持続的向上と株主利益の最大化を両立する経営が期待される。
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