注目トピックス 日本株
船場 Research Memo(6):2025年12月期は、売上高320億円、営業利益21億円と増収増益予想
配信日時:2025/09/18 13:06
配信元:FISCO
*13:06JST 船場 Research Memo(6):2025年12月期は、売上高320億円、営業利益21億円と増収増益予想
■今後の見通し
船場<6540>の2025年12月期の連結業績は、売上高が前期比10.5%増の32,000百万円、営業利益が同9.5%増の2,100百万円、経常利益が同4.7%増の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.3%減の1,450百万円と、増収及び営業増益を予想する(期初予想から変化なし)。
同社を取り巻く事業環境は、インバウンドや国内需要の高まりを背景に、引き続き商業領域、インフラ施設、余暇施設などの空間づくりにおける投資が活発化することが見込まれる。加えて、オフィス空間においても人手不足が深刻化するなかで、職場環境改善のニーズが高く、継続した市場成長が期待される。
売上高は堅調な需要を背景に前期比10.5%増を見込む。進行期から新中期経営計画がスタートし、5つの重点テーマに沿った取り組みが始まっている。顧客やパートナーとの関係強化により受注拡大を目指す「“Good Ethical Company”のファンベース構築」、これまで上手く価値化できていなかった業務を、明確にサービス化し付加価値提供を行う「サービス領域の拡大と提供価値の向上」、成長性の高いアジア市場における「グローバル市場の深耕」などが増収のポイントとなるだろう。より短期的には、好調に推移する「オフィス、余暇施設他」の業績貢献が期待できる。受注残高(2025年中間期末)は8,111百万円であり、目安となる下期売上計画の40%を大きく上回る積み上げができている。特に、専門店分野とオフィス、余暇施設他分野での受注が多い。営業利益は同9.5%の増加、営業利益率で6.6%(前期も6.6%)と好調だった前期と同等の収益率を維持する計画である。通期の営業利益計画に対する中間期進捗率では、56.5%(前年同期は21.8%)と順調である。進行期は上期下期でバランス良く進捗しそうだ。弊社では、ディスプレイ業界が活況であること、過去の実績などによりリピート顧客(ファン)が増えていること、足元の受注・進捗率が順当であること、やや保守的な売上・利益計画であることなどから、業績の上振れも期待できると考えている。
■成長戦略・トピック
マーサージャパン、コクヨ、米国Autodeskと大型提携
同社では、2025年12月期を初年度、2027年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を推進中である。スローガンは、“Create More Fun and More Fans!”であり、顧客志向をさらに深め、より高付加価値の提供を宣言している。重点テーマには、(1) 「未来を創る人材の育成と獲得」、(2) 「“Good Ethical Company”のファンベース構築」、(3) 「サービス領域の拡大と提供価値の向上」、(4) 「持続的成長を支えるサプライチェーン」、(5) 「グローバル市場の深耕」を掲げた。数値計画では、最終年度となる3年後の2027年12月期に、売上高で400億円、営業利益で25億円、親会社株主に帰属する当期純利益で17億円を目指す。事業領域では、短期的にはオフィス、余暇施設他が、中期的には海外市場が成長ドライバーとなろう。
1. オフィス分野・グローバル展開を強化すべくコクヨと戦略的提携
2025年7月、同社とコクヨは、国内ならびにグローバル成長戦略の空間創造事業パートナーとして業務提携を締結した。本提携により、高度化、多様化するオフィス空間のニーズに迅速かつ柔軟に対応する、また、両社のグローバルなネットワークとノウハウを相互に生かし、家具(コクヨ)と工事(船場)をワンストップで提供、アジア諸国を中心にサービス拡大を目指す。コクヨは長年オフィス家具の開発やワークスタイルのコンサルティングを行ってきており、オフィス空間などに事業領域を拡げてきた同社と、国内外のオフィス構築プロジェクトにおいて多数の連携実績を積み重ねてきた。提携により期待できる効果は以下の4点である。
(1) 海外市場において、「家具と工事」のクロスセルによる拡販強化
(2) 国内市場において、両社の強みである「コア事業」を生かした連携強化
(3) 両社にとって拡張領域となる新規事業の創出と協業提案
(4) 両社の事業を支援する、協働による人材育成ならびに人材交流
コクヨのワークプレイス構築力及び強力な営業ネットワークに加え、同社の総合的な設計・施工力を掛け合わせることで、これまでにないイノベーティブでラジカルなオフィス関連空間の構築を目指すとしている。
2. オフィス分野でのサービス領域の拡大のために、世界人材マネジメント大手のマーサージャパンと業務提携
2025年5月、世界最大級の組織・人事コンサルティングファームであるマーサージャパンと連携し、グローバルトップ企業に求められる空間づくりと人づくりの視点から企業変革を支援するサービスを開始する。グローバルトップ企業、もしくはそれを目指す企業では、経営戦略やイノベーション推進、成長戦略などと密接に連動した働く環境づくり、オフィスづくりへのニーズが年々高まっている。マーサージャパンは、世界153ヶ国、12,000社以上から収集した5,300万人以上の社員データをもとに設計されたサーベイを通じて、リーダーシップ、組織風土、コミュニケーション、働く環境といった視点から、エンゲージメントの現状を分析し、組織・人材マネジメントのコンサルティングを行う。同社は、サーベイ結果と経営目標を踏まえた深い企業理解によりワークスペースを企画・設計・施工まで一気通貫で提供する。「ワークスペース」が企業の価値創造の中心であるという考えのもと、マーサージャパンと連携し、空間と組織・人材マネジメントの統合的デザインを通じて、企業の未来とグローバル競争力を支える基盤を共創する考えだ。
3. BIM分野グローバルリーダーのAutodeskと戦略的提携
2025年8月、同社とAutodeskは、共通データ環境(CDE)の構築と業務プロセス改革を目的とした、「戦略的提携に関する覚書」を締結した。本提携により、同社はAutodesk製品を基盤とした全社共通のCDE構築を進め、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用を加速する。さらに、同社が社内向けに独自開発したBIM教育プログラムをAutodeskと連携して外部展開し、業界全体のBIM普及と人材育成を支援する計画だ。
BIMは、建物や空間に関わるあらゆる情報を一元管理し、設計から施工、運用までのプロセス全体を合理化・可視化するための中核的な手段で、業界の労働力不足や設計・施工プロセスの複雑化が進展する中で、必要性が増加している。この取り組みにより、社内のBIM推進が加速することに加え、クラウドベースの環境が整うことで協力パートナーとの連携強化ができ、さらに教育プログラムの普及により、内装業界全体のDX推進に貢献することができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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船場<6540>の2025年12月期の連結業績は、売上高が前期比10.5%増の32,000百万円、営業利益が同9.5%増の2,100百万円、経常利益が同4.7%増の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.3%減の1,450百万円と、増収及び営業増益を予想する(期初予想から変化なし)。
同社を取り巻く事業環境は、インバウンドや国内需要の高まりを背景に、引き続き商業領域、インフラ施設、余暇施設などの空間づくりにおける投資が活発化することが見込まれる。加えて、オフィス空間においても人手不足が深刻化するなかで、職場環境改善のニーズが高く、継続した市場成長が期待される。
売上高は堅調な需要を背景に前期比10.5%増を見込む。進行期から新中期経営計画がスタートし、5つの重点テーマに沿った取り組みが始まっている。顧客やパートナーとの関係強化により受注拡大を目指す「“Good Ethical Company”のファンベース構築」、これまで上手く価値化できていなかった業務を、明確にサービス化し付加価値提供を行う「サービス領域の拡大と提供価値の向上」、成長性の高いアジア市場における「グローバル市場の深耕」などが増収のポイントとなるだろう。より短期的には、好調に推移する「オフィス、余暇施設他」の業績貢献が期待できる。受注残高(2025年中間期末)は8,111百万円であり、目安となる下期売上計画の40%を大きく上回る積み上げができている。特に、専門店分野とオフィス、余暇施設他分野での受注が多い。営業利益は同9.5%の増加、営業利益率で6.6%(前期も6.6%)と好調だった前期と同等の収益率を維持する計画である。通期の営業利益計画に対する中間期進捗率では、56.5%(前年同期は21.8%)と順調である。進行期は上期下期でバランス良く進捗しそうだ。弊社では、ディスプレイ業界が活況であること、過去の実績などによりリピート顧客(ファン)が増えていること、足元の受注・進捗率が順当であること、やや保守的な売上・利益計画であることなどから、業績の上振れも期待できると考えている。
■成長戦略・トピック
マーサージャパン、コクヨ、米国Autodeskと大型提携
同社では、2025年12月期を初年度、2027年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を推進中である。スローガンは、“Create More Fun and More Fans!”であり、顧客志向をさらに深め、より高付加価値の提供を宣言している。重点テーマには、(1) 「未来を創る人材の育成と獲得」、(2) 「“Good Ethical Company”のファンベース構築」、(3) 「サービス領域の拡大と提供価値の向上」、(4) 「持続的成長を支えるサプライチェーン」、(5) 「グローバル市場の深耕」を掲げた。数値計画では、最終年度となる3年後の2027年12月期に、売上高で400億円、営業利益で25億円、親会社株主に帰属する当期純利益で17億円を目指す。事業領域では、短期的にはオフィス、余暇施設他が、中期的には海外市場が成長ドライバーとなろう。
1. オフィス分野・グローバル展開を強化すべくコクヨと戦略的提携
2025年7月、同社とコクヨは、国内ならびにグローバル成長戦略の空間創造事業パートナーとして業務提携を締結した。本提携により、高度化、多様化するオフィス空間のニーズに迅速かつ柔軟に対応する、また、両社のグローバルなネットワークとノウハウを相互に生かし、家具(コクヨ)と工事(船場)をワンストップで提供、アジア諸国を中心にサービス拡大を目指す。コクヨは長年オフィス家具の開発やワークスタイルのコンサルティングを行ってきており、オフィス空間などに事業領域を拡げてきた同社と、国内外のオフィス構築プロジェクトにおいて多数の連携実績を積み重ねてきた。提携により期待できる効果は以下の4点である。
(1) 海外市場において、「家具と工事」のクロスセルによる拡販強化
(2) 国内市場において、両社の強みである「コア事業」を生かした連携強化
(3) 両社にとって拡張領域となる新規事業の創出と協業提案
(4) 両社の事業を支援する、協働による人材育成ならびに人材交流
コクヨのワークプレイス構築力及び強力な営業ネットワークに加え、同社の総合的な設計・施工力を掛け合わせることで、これまでにないイノベーティブでラジカルなオフィス関連空間の構築を目指すとしている。
2. オフィス分野でのサービス領域の拡大のために、世界人材マネジメント大手のマーサージャパンと業務提携
2025年5月、世界最大級の組織・人事コンサルティングファームであるマーサージャパンと連携し、グローバルトップ企業に求められる空間づくりと人づくりの視点から企業変革を支援するサービスを開始する。グローバルトップ企業、もしくはそれを目指す企業では、経営戦略やイノベーション推進、成長戦略などと密接に連動した働く環境づくり、オフィスづくりへのニーズが年々高まっている。マーサージャパンは、世界153ヶ国、12,000社以上から収集した5,300万人以上の社員データをもとに設計されたサーベイを通じて、リーダーシップ、組織風土、コミュニケーション、働く環境といった視点から、エンゲージメントの現状を分析し、組織・人材マネジメントのコンサルティングを行う。同社は、サーベイ結果と経営目標を踏まえた深い企業理解によりワークスペースを企画・設計・施工まで一気通貫で提供する。「ワークスペース」が企業の価値創造の中心であるという考えのもと、マーサージャパンと連携し、空間と組織・人材マネジメントの統合的デザインを通じて、企業の未来とグローバル競争力を支える基盤を共創する考えだ。
3. BIM分野グローバルリーダーのAutodeskと戦略的提携
2025年8月、同社とAutodeskは、共通データ環境(CDE)の構築と業務プロセス改革を目的とした、「戦略的提携に関する覚書」を締結した。本提携により、同社はAutodesk製品を基盤とした全社共通のCDE構築を進め、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用を加速する。さらに、同社が社内向けに独自開発したBIM教育プログラムをAutodeskと連携して外部展開し、業界全体のBIM普及と人材育成を支援する計画だ。
BIMは、建物や空間に関わるあらゆる情報を一元管理し、設計から施工、運用までのプロセス全体を合理化・可視化するための中核的な手段で、業界の労働力不足や設計・施工プロセスの複雑化が進展する中で、必要性が増加している。この取り組みにより、社内のBIM推進が加速することに加え、クラウドベースの環境が整うことで協力パートナーとの連携強化ができ、さらに教育プログラムの普及により、内装業界全体のDX推進に貢献することができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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