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ADワークスグループ Research Memo(7):ROEは2025年12月期見込みで13%台に上昇(2)
配信日時:2025/09/18 14:07
配信元:FISCO
*14:07JST ADワークスグループ Research Memo(7):ROEは2025年12月期見込みで13%台に上昇(2)
■ADワークスグループ<2982>の今後の成長見通し
(2) 再生販売事業の物件価値向上力を強化
一棟再販事業については、20年以上の実績によって培われた目利き力や仕入力と、不動産価値を最大限に高めるバリューアップ能力を強みとして、エリアの拡大やさらなる物件価値向上(バリューアップ)に取り組み、堅実な成長を見込む。
エリア展開では、物件の約7割を首都圏で占めており、関西2割、福岡1割の構成となっている。関西については2024年2月に大阪営業所を大阪支店に昇格して営業体制を強化したほか、福岡についても2025年1月に営業所を開設し、仕入活動を活発化した。こうした取り組みの成果がこれらエリアでの仕入拡大につながっている。首都圏での取り扱い物件数も増やしていくため、全体の構成比はほとんど変わらないものの、「ARISTO」シリーズも含めて商品ラインナップの拡充につながるものと期待される。
(3) ノンアセット事業を含む新規事業の立ち上げ
同社はノンアセット事業を含む複数の新規事業を育成することによって事業ポートフォリオを拡充し、ROEのさらなる向上につなげる考えだ。新規事業については、社内で検討された50件以上の候補の中から検証を重ね、以下の3つの事業に絞り込み、2025年から開始している。
a) オフィス区分販売事業
オフィス区分販売事業とは、オフィスビルをフロアごとに分譲販売するビジネスとなる。小規模のビルを1棟購入するよりも、同額の投資予算で好立地の中規模ビルを1フロア購入するほうが高い投資利回りを得られるケースも多く、不動産投資商品として市場を確立している。1フロア当たり1億円以上が最低投資額となるため、主たる顧客は事業法人や個人富裕層(50~70代)となる。オフィス区分販売については、商品開発にあたって管理組合を組成し、各種規程を整備する必要があるなど手間がかかることも多いため、現在は未上場の(株)ボルテックス※のほぼ寡占状態となっているようだ。
※ オフィス区分販売事業を主力事業として、2025年3月期の売上高は1,038億円、経常利益は134億円と2ケタ増収増益が続いている。
同社ではオフィス区分販売市場の参入企業がまだ少ないこと、主戦場となる都心部のオフィス賃貸需要が回復傾向にあること、販売ネットワークとして不動産小口化商品販売事業で構築したネットワークを活用できることなどから新規参入を決定した。運営ノウハウなど確立できればオフィスビルの仕入実績もあるため、高い利益率を維持しながら急成長する可能性は十分にあると弊社では見ている。同社では対象物件について不動産小口化商品に関しては、投資家層の裾野が広いため、全国的に知名度の高い立地場所(山手線エリア内の主要駅近辺)を優先的に商品化する方針だが、オフィス区分販売については投資家層が絞られるため、立地場所の認知度よりも利回りを優先して商品化していく方針となっている。売上目標として2035年に300億円規模を目指す。
b) 系統用蓄電所事業
系統用蓄電所事業とは、系統用蓄電所※を開発し、蓄電した電力を電力市場(JEPX)で売電することで収益を得る事業となる。太陽光発電所の増加や電力需要の増大等により、定置式蓄電システムの導入拡大を国策として推進しており、ESG投資事業であり安定収益も見込めることから参入を決定した。従来の不動産ビジネスとは領域が異なるものの、最適な用地確保に向けては、従来の豊富な不動産取引実績が生かせると考えている。
※ 電力ネットワーク(発電所や送電線、変電所、配電設備等の電力系統)や太陽光発電等の再生可能エネルギー発電所などに直接接続され、充電した電気を家庭や工場などに送電可能な蓄電池システムのこと。
蓄電所の規模としては、一般家庭用として利用できる中規模以下の蓄電所を開発することにしており、2025年3月に第1号拠点として三重県松阪市に土地を取得し、2026年1月の稼働に向けて準備を進めている。大型蓄電所は開発に約3年を要するため、資金効率の観点から約1年で運用開始の準備が整う中小規模の拠点を複数展開することにした。2025年は残り2つの用地取得を目標としている。設備投資額は1拠点当たり3~4億円だが、将来の売電収益なども加味した売却価格は5億円程度になっているようだ。売電収益が業績に与えるインパクトは軽微だが、事業リスクは極めて小さく、将来的には蓄電所の売却により収益を獲得することも視野に入れている。
c) 不動産クラウドファンディング事業
同社は、不動産特定共同事業法に基づく不動産クラウドファンディング事業を2025年に開始すべく準備を進めている。不動産クラウドファンディングの市場規模はここ数年で急速に拡大しており、2024年度には前年度比76%増の1,763億円と急成長した。同社は投資家の募集や利益の配当まですべてを自社が構築したプラットフォーム上で完結できるようにする。1万円の少額から出資ができるため、顧客層が20~40代まで広がることになる。同社では不動産の目利き力やバリューアップ能力を生かし、信頼度の高い運用・サービスの提供を目指しており、商品設計としては賃料収入による配当だけでなく、キャピタルゲインもねらえるような商品を販売していく方針だ。
既にオフィス、レジデンスなど10億円以下の物件も含めて数件仕入済みで、下期に3件の販売を目指している。また、2~3年後には追加免許を取得して、SPCを使ってアセットをオフバランス化できるようにし、ノンアセットビジネスとして拡大する戦略だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) 再生販売事業の物件価値向上力を強化
一棟再販事業については、20年以上の実績によって培われた目利き力や仕入力と、不動産価値を最大限に高めるバリューアップ能力を強みとして、エリアの拡大やさらなる物件価値向上(バリューアップ)に取り組み、堅実な成長を見込む。
エリア展開では、物件の約7割を首都圏で占めており、関西2割、福岡1割の構成となっている。関西については2024年2月に大阪営業所を大阪支店に昇格して営業体制を強化したほか、福岡についても2025年1月に営業所を開設し、仕入活動を活発化した。こうした取り組みの成果がこれらエリアでの仕入拡大につながっている。首都圏での取り扱い物件数も増やしていくため、全体の構成比はほとんど変わらないものの、「ARISTO」シリーズも含めて商品ラインナップの拡充につながるものと期待される。
(3) ノンアセット事業を含む新規事業の立ち上げ
同社はノンアセット事業を含む複数の新規事業を育成することによって事業ポートフォリオを拡充し、ROEのさらなる向上につなげる考えだ。新規事業については、社内で検討された50件以上の候補の中から検証を重ね、以下の3つの事業に絞り込み、2025年から開始している。
a) オフィス区分販売事業
オフィス区分販売事業とは、オフィスビルをフロアごとに分譲販売するビジネスとなる。小規模のビルを1棟購入するよりも、同額の投資予算で好立地の中規模ビルを1フロア購入するほうが高い投資利回りを得られるケースも多く、不動産投資商品として市場を確立している。1フロア当たり1億円以上が最低投資額となるため、主たる顧客は事業法人や個人富裕層(50~70代)となる。オフィス区分販売については、商品開発にあたって管理組合を組成し、各種規程を整備する必要があるなど手間がかかることも多いため、現在は未上場の(株)ボルテックス※のほぼ寡占状態となっているようだ。
※ オフィス区分販売事業を主力事業として、2025年3月期の売上高は1,038億円、経常利益は134億円と2ケタ増収増益が続いている。
同社ではオフィス区分販売市場の参入企業がまだ少ないこと、主戦場となる都心部のオフィス賃貸需要が回復傾向にあること、販売ネットワークとして不動産小口化商品販売事業で構築したネットワークを活用できることなどから新規参入を決定した。運営ノウハウなど確立できればオフィスビルの仕入実績もあるため、高い利益率を維持しながら急成長する可能性は十分にあると弊社では見ている。同社では対象物件について不動産小口化商品に関しては、投資家層の裾野が広いため、全国的に知名度の高い立地場所(山手線エリア内の主要駅近辺)を優先的に商品化する方針だが、オフィス区分販売については投資家層が絞られるため、立地場所の認知度よりも利回りを優先して商品化していく方針となっている。売上目標として2035年に300億円規模を目指す。
b) 系統用蓄電所事業
系統用蓄電所事業とは、系統用蓄電所※を開発し、蓄電した電力を電力市場(JEPX)で売電することで収益を得る事業となる。太陽光発電所の増加や電力需要の増大等により、定置式蓄電システムの導入拡大を国策として推進しており、ESG投資事業であり安定収益も見込めることから参入を決定した。従来の不動産ビジネスとは領域が異なるものの、最適な用地確保に向けては、従来の豊富な不動産取引実績が生かせると考えている。
※ 電力ネットワーク(発電所や送電線、変電所、配電設備等の電力系統)や太陽光発電等の再生可能エネルギー発電所などに直接接続され、充電した電気を家庭や工場などに送電可能な蓄電池システムのこと。
蓄電所の規模としては、一般家庭用として利用できる中規模以下の蓄電所を開発することにしており、2025年3月に第1号拠点として三重県松阪市に土地を取得し、2026年1月の稼働に向けて準備を進めている。大型蓄電所は開発に約3年を要するため、資金効率の観点から約1年で運用開始の準備が整う中小規模の拠点を複数展開することにした。2025年は残り2つの用地取得を目標としている。設備投資額は1拠点当たり3~4億円だが、将来の売電収益なども加味した売却価格は5億円程度になっているようだ。売電収益が業績に与えるインパクトは軽微だが、事業リスクは極めて小さく、将来的には蓄電所の売却により収益を獲得することも視野に入れている。
c) 不動産クラウドファンディング事業
同社は、不動産特定共同事業法に基づく不動産クラウドファンディング事業を2025年に開始すべく準備を進めている。不動産クラウドファンディングの市場規模はここ数年で急速に拡大しており、2024年度には前年度比76%増の1,763億円と急成長した。同社は投資家の募集や利益の配当まですべてを自社が構築したプラットフォーム上で完結できるようにする。1万円の少額から出資ができるため、顧客層が20~40代まで広がることになる。同社では不動産の目利き力やバリューアップ能力を生かし、信頼度の高い運用・サービスの提供を目指しており、商品設計としては賃料収入による配当だけでなく、キャピタルゲインもねらえるような商品を販売していく方針だ。
既にオフィス、レジデンスなど10億円以下の物件も含めて数件仕入済みで、下期に3件の販売を目指している。また、2~3年後には追加免許を取得して、SPCを使ってアセットをオフバランス化できるようにし、ノンアセットビジネスとして拡大する戦略だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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