注目トピックス 日本株
ビーロット Research Memo(1):2025年12月期中間期は高利益率の売却案件により、経常利益43億円達成
配信日時:2025/08/29 11:01
配信元:FISCO
*11:01JST ビーロット Research Memo(1):2025年12月期中間期は高利益率の売却案件により、経常利益43億円達成
■要約
ビーロット<3452>は、現代表取締役会長の宮内誠(みやうちまこと)氏・代表取締役社長の望月雅博(もちづきまさひろ)氏をはじめ不動産業界に長く従事してきたプロ集団が2008年に設立した「不動産投資開発事業」「不動産コンサルティング事業」「不動産マネジメント事業」を中心とする不動産金融コンサルティング会社である。設立当初は不動産仲介及び賃貸管理が主であったが、不動産再生の分野で取引実績を着実に重ね、資金調達力が強化されるにつれて不動産投資・開発の割合を増やしてきた。設立6年2ヶ月となる2014年12月には早くも上場(東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場)を果たし、2015年にアセットマネジメント会社を設立、2016年に関西の不動産会社を連結子会社化して関西圏に本格進出した。2025年1月には(株)クマシュー工務店を連結子会社化した。設立10年となる2018年2月に東証1部への市場変更を果たし、その信用力と知名度の向上により情報量や顧客数、金融機関との良好な取引関係が拡充している。なお、2022年4月の東証市場区分再編に伴いプライム市場へ移行したが、事業の柔軟性や成長スピードをより重視し2023年10月にスタンダード市場へ移行した。
1. 2025年12月期中間期の業績概要
2025年12月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比6.2%増の17,081百万円、営業利益で同43.0%増の4,856百万円、経常利益で同35.7%増の4,336百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同28.4%増の2,996百万円と、大幅な増益となった。計画を超える利益額の不動産売却が多数あり、好業績をけん引した。セグメント別で、増益への寄与が大きかったのは不動産投資開発事業の売却益だった。不動産投資開発事業の売上高は同9.9%増の13,880百万円(セグメント間の内部売上高含む。以下同)、セグメント利益は同95.1%増の4,430百万円となった。売却件数が14件(前年同期23件)と件数は絞られたが売却物件が大型化し、かつ高利益率での売却案件が多数あった。これは、富裕層とのリピート取引に加え、大手上場REITとの相互売買に取り組んだ成果である。物件種類別では住宅系不動産が11件と多かったのに加え、コロナ禍後に好調稼働する事務所・店舗2件、ホテル1件の引き渡しも完了し業績に寄与した。不動産コンサルティング事業では、不動産売買仲介は成約件数は減少したが、案件の大型化が進み実績としては堅調に推移した。マンション販売受託では引渡件数が減少し、減収減益となった。不動産マネジメント事業では、プロパティマネジメントにおける管理運営受託が増加したのに加え、アセットマネジメントでは、出資しAMを受託していたヘルスケア施設開発プロジェクトの売却が完了しフィーを受領したことなどにより増収増益となった。
2. 今後の見通し
2025年12月期の連結業績は、営業利益で同10.7%増の7,020百万円、経常利益で同7.6%増の6,250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.1%増の4,300百万円と、過去最高利益を見込んでいる。この利益予想は、2025年1月のクマシュー工務店(2025年5月時点の販売用不動産在庫残高238億円)の子会社化の影響(2025年12月期は7ヶ月分の業績を参入)を勘案して2025年4月に修正されたものである。将来の業績を想定するうえで、不動産の獲得状況がポイントとなる。販売用不動産(仕掛販売用不動産含む)の合計は2025年12月期中間期末で69,540百万円(前期末比36,386百万円増)と十分あり、順調な売却や賃料収入が期待できる。需要が旺盛な住宅系不動産については、同社が得意とする富裕層向けの数十億円ボリュームの在庫を増やしており、「良いものこそが高く売れる」インフレーションの時代に合わせた売却を進める。コロナ禍で販売を見送っていた宿泊施設、稼働が好調に推移する事務所・店舗などに関しても、中間期に3件の売却が完了している(連結子会社含む)。中間期を終えて通期の経常利益予想に対する進捗率は69.4%、親会社株主に帰属する当期純利益予想に対する進捗率は69.7%と順調である。弊社では、クマシュー工務店統合を経て販売用不動産が潤沢であること、都市部の不動産市場は需要が旺盛なこと、若手人材が活躍する営業組織が充実していることなどを勘案し、下期の事業計画は余裕を持って達成できると考えている。
3. 成長戦略・トピック
2025年12月期を初年度とし、2027年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画が進行中である。「100年成長し続ける企業グループ」を目指し、飛躍的成長への基盤構築に取り組む方針である。前中期経営計画が進行していた経緯があるが、クマシュー工務店が連結されたことで、そのシナジーや業績を取り込んだものにアップデートされた。
利益目標はさらに高くなり、経常利益では最終年度に79億円(年10.8%成長)、親会社株主に帰属する当期純利益では55億円(年11.8%成長)となった。長期ビジョンはこれまで通り変わらず「100年成長し続ける企業グループへ」である。基本戦略は1) 富裕層にあらゆる投資機会を提供する、2) 事業を通じてサステナブルな社会創りに貢献する、である。具体的な内容に関しては、クマシュー工務店の事業領域も取り込み、幅が広がった。中古不動産のリノベーションを通じた資産価値向上を主戦場とする同社と、老朽化した建物の買取り・解体などの取り組みにより土地の有効活用による付加価値向上を主戦場とするクマシュー工務店が統合することにより、同社にとっては上流工程を補完できたことになる。目指す事業ポートフォリオに関しては、不動産事業の成長加速に加え、社会課題の解決を目指す新規分野でM&A・企業投資を積極化し、収益源の拡大を図る。中長期的にはセグメント利益の1割程度を不動産事業以外から獲得する意欲的なプランである。
■Key Points
・2025年12月期中間期は、高利益率の売却案件が多数あり、経常利益で43億円達成(過去最高水準)
・クマシュー工務店の連結等により販売用不動産(仕掛含む)は36,386百万円増加。M&A後も強固な財務基盤を維持
・2025年12月期は過去最高となる経常利益6,250百万円を予想。中間期進捗率69.4%と順調
・クマシュー工務店との統合効果を織り込み、中期経営計画をアップデート。2027年12月期に経常利益79億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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ビーロット<3452>は、現代表取締役会長の宮内誠(みやうちまこと)氏・代表取締役社長の望月雅博(もちづきまさひろ)氏をはじめ不動産業界に長く従事してきたプロ集団が2008年に設立した「不動産投資開発事業」「不動産コンサルティング事業」「不動産マネジメント事業」を中心とする不動産金融コンサルティング会社である。設立当初は不動産仲介及び賃貸管理が主であったが、不動産再生の分野で取引実績を着実に重ね、資金調達力が強化されるにつれて不動産投資・開発の割合を増やしてきた。設立6年2ヶ月となる2014年12月には早くも上場(東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場)を果たし、2015年にアセットマネジメント会社を設立、2016年に関西の不動産会社を連結子会社化して関西圏に本格進出した。2025年1月には(株)クマシュー工務店を連結子会社化した。設立10年となる2018年2月に東証1部への市場変更を果たし、その信用力と知名度の向上により情報量や顧客数、金融機関との良好な取引関係が拡充している。なお、2022年4月の東証市場区分再編に伴いプライム市場へ移行したが、事業の柔軟性や成長スピードをより重視し2023年10月にスタンダード市場へ移行した。
1. 2025年12月期中間期の業績概要
2025年12月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比6.2%増の17,081百万円、営業利益で同43.0%増の4,856百万円、経常利益で同35.7%増の4,336百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同28.4%増の2,996百万円と、大幅な増益となった。計画を超える利益額の不動産売却が多数あり、好業績をけん引した。セグメント別で、増益への寄与が大きかったのは不動産投資開発事業の売却益だった。不動産投資開発事業の売上高は同9.9%増の13,880百万円(セグメント間の内部売上高含む。以下同)、セグメント利益は同95.1%増の4,430百万円となった。売却件数が14件(前年同期23件)と件数は絞られたが売却物件が大型化し、かつ高利益率での売却案件が多数あった。これは、富裕層とのリピート取引に加え、大手上場REITとの相互売買に取り組んだ成果である。物件種類別では住宅系不動産が11件と多かったのに加え、コロナ禍後に好調稼働する事務所・店舗2件、ホテル1件の引き渡しも完了し業績に寄与した。不動産コンサルティング事業では、不動産売買仲介は成約件数は減少したが、案件の大型化が進み実績としては堅調に推移した。マンション販売受託では引渡件数が減少し、減収減益となった。不動産マネジメント事業では、プロパティマネジメントにおける管理運営受託が増加したのに加え、アセットマネジメントでは、出資しAMを受託していたヘルスケア施設開発プロジェクトの売却が完了しフィーを受領したことなどにより増収増益となった。
2. 今後の見通し
2025年12月期の連結業績は、営業利益で同10.7%増の7,020百万円、経常利益で同7.6%増の6,250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.1%増の4,300百万円と、過去最高利益を見込んでいる。この利益予想は、2025年1月のクマシュー工務店(2025年5月時点の販売用不動産在庫残高238億円)の子会社化の影響(2025年12月期は7ヶ月分の業績を参入)を勘案して2025年4月に修正されたものである。将来の業績を想定するうえで、不動産の獲得状況がポイントとなる。販売用不動産(仕掛販売用不動産含む)の合計は2025年12月期中間期末で69,540百万円(前期末比36,386百万円増)と十分あり、順調な売却や賃料収入が期待できる。需要が旺盛な住宅系不動産については、同社が得意とする富裕層向けの数十億円ボリュームの在庫を増やしており、「良いものこそが高く売れる」インフレーションの時代に合わせた売却を進める。コロナ禍で販売を見送っていた宿泊施設、稼働が好調に推移する事務所・店舗などに関しても、中間期に3件の売却が完了している(連結子会社含む)。中間期を終えて通期の経常利益予想に対する進捗率は69.4%、親会社株主に帰属する当期純利益予想に対する進捗率は69.7%と順調である。弊社では、クマシュー工務店統合を経て販売用不動産が潤沢であること、都市部の不動産市場は需要が旺盛なこと、若手人材が活躍する営業組織が充実していることなどを勘案し、下期の事業計画は余裕を持って達成できると考えている。
3. 成長戦略・トピック
2025年12月期を初年度とし、2027年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画が進行中である。「100年成長し続ける企業グループ」を目指し、飛躍的成長への基盤構築に取り組む方針である。前中期経営計画が進行していた経緯があるが、クマシュー工務店が連結されたことで、そのシナジーや業績を取り込んだものにアップデートされた。
利益目標はさらに高くなり、経常利益では最終年度に79億円(年10.8%成長)、親会社株主に帰属する当期純利益では55億円(年11.8%成長)となった。長期ビジョンはこれまで通り変わらず「100年成長し続ける企業グループへ」である。基本戦略は1) 富裕層にあらゆる投資機会を提供する、2) 事業を通じてサステナブルな社会創りに貢献する、である。具体的な内容に関しては、クマシュー工務店の事業領域も取り込み、幅が広がった。中古不動産のリノベーションを通じた資産価値向上を主戦場とする同社と、老朽化した建物の買取り・解体などの取り組みにより土地の有効活用による付加価値向上を主戦場とするクマシュー工務店が統合することにより、同社にとっては上流工程を補完できたことになる。目指す事業ポートフォリオに関しては、不動産事業の成長加速に加え、社会課題の解決を目指す新規分野でM&A・企業投資を積極化し、収益源の拡大を図る。中長期的にはセグメント利益の1割程度を不動産事業以外から獲得する意欲的なプランである。
■Key Points
・2025年12月期中間期は、高利益率の売却案件が多数あり、経常利益で43億円達成(過去最高水準)
・クマシュー工務店の連結等により販売用不動産(仕掛含む)は36,386百万円増加。M&A後も強固な財務基盤を維持
・2025年12月期は過去最高となる経常利益6,250百万円を予想。中間期進捗率69.4%と順調
・クマシュー工務店との統合効果を織り込み、中期経営計画をアップデート。2027年12月期に経常利益79億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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