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アルファパーチェス Research Memo:大企業向け間接材購買PFで強固なポジション、解約率ほぼ0で成長予見性高
配信日時:2025/08/12 18:45
配信元:FISCO
*18:45JST アルファパーチェス Research Memo:大企業向け間接材購買PFで強固なポジション、解約率ほぼ0で成長予見性高
設備・機械の修理用備品やオフィス備品などの間接材購買プラットフォーム「APMRO」を運営するMRO事業と商業施設のメンテナンスなどを行うFM事業を展開しているアルファパーチェス<7115>は8月8日、2025年12月期第2四半期決算を発表している。売上高は前年同期比6.9%増の28,631百万円、営業利益は同27.4%増の717百万円となり、通期利益予想を上方修正している。
「無限カタログ」の推奨品への自動置き換え機能による販売が極めて好調
1. 2025年3月期期第1四半期決算の概要
2024年12月期の売上高に対して、間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業の売上が約74%を占め、残りはFM事業やその他が占める。MRO事業の顧客は、製造業・建設業やサービス・小売業が多く、トヨタ自動車、SONY、関西電力、三菱地所など大企業直販が8割を上回ってきている。残りは中小事業所向け再販(アスクル経由の売上高)で構成される。プライム市場に上場している企業を中心とした大企業群が同社の顧客で、大企業直販の顧客解約率はほぼ0%のストック型ビジネスである。MRO事業は昨年末に新規導入した「無限カタログ(電子カタログ)」の推奨品への自動置き換え機能による粗利益の増加が想定以上となり、売上高で前期比12.2%増の22,776百万円、セグメント利益で同68.5%増の574百万円となった。無限カタログは、同一商品に複数の価格提示があり、コスト競争力が強いサプライヤーへ売上集中(サプライヤーの意欲向上)、サプライヤーの売上拡大による同社の粗利率改善が可能となる。一方、商業施設向けにサービスの提供を行うFM(Facility Management)事業は、インバウンド需要により顧客の業績こそ好調であるものの、好調な需要を背景に営業を止める必要がある改装工事を控える傾向があり、売上高で前期比9.4%減の5,847百万円、セグメント利益で同40.3%減の110百万円となった。
2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期は、売上高で前期比10.8%増の61,975百万円、営業利益で同13.5%増の1,410百万円の従来予想について、営業利益以下を100百万円ずつ増額修正しており、営業利益で同21.5%増の1,510百万円とした。FM事業の第4四半期売上見通しがまだ不透明だが、MRO事業売上増でカバーできると考え、期初の通期売上見通しは変更せず、上期のMRO事業の利益率上振れを反映した格好。
2029年12月期の目標は売上高1,000億円、営業利益率3.5%、ROE20%以上
3.中期経営計画、類似企業との比較、株主還元
大企業向けMRO市場の市場規模は約1兆円だが、既存の電子カタログで取引される領域(同社の既存事業領域)の市場規模は約4,000億円程度となる。同社は引き続き既存領域での成長を軸として市場シェアの拡大を図るようだ。ただ、電子カタログ掲載品で価格交渉が必要な領域や、電子カタログ非掲載で対面販売や入札型見積購買システムで取引される領域などにも将来的に対応できるように、「問合せ機能」をAPMROシステムおよび無限カタログに追加搭載していく。強固な顧客基盤を有して今後も大企業グループへの売上拡大とともに認知度拡大が進むことで、持続的な成長が期待されそうだ。実際、大企業グループへの売上高は、年を追うごとに大きくなる傾向があり、機能の向上がその傾向に拍車をかけることになる。
また、厳密な意味での類似企業はないが、MonotaRO<3064>の数値は確認しておいても良いだろう。MonotaROはROE25%超、今期予想の営業増益率で前期比16.0%増が予想されており、予想PERで45倍の評価だ。アルファパーチェスのROEは15%強であるが、利益成長は21.5%増、予想PER29倍となる。アズワン<7476>、ミスミグループ本社<9962>、アスクル<2678>などの平均PER20倍と比較したアルファパーチェスの数値は、株価が上昇しているだけに上方へ乖離しつつあるが、資本効率の改善はMonotaRO側への評価、つまりさらなるアップサイドポテンシャルと考えておきたい。アルファパーチェスの2029年12月期の目標は、売上高1,000億円、営業利益率3.5%、ROE20%以上である。そこから試算されるEPSは250円程度。営業利益のCAGRは+35%であり、現状程度のPER25~35倍から試算される株価は6,250~8,750円となる。資本効率が高まった数値におけるPER水準の切り上がりの有無にも注目しておきたい。
株主還元では、記念配当5円を含む1株あたり配当35円を予定しており、配当利回りで1.12%が予想されている。配当見通しは現時点では変更せず、通期利益見通しの確度が上がってから再検討する。
(執筆:アナリスト 山本泰三)
<KM>
「無限カタログ」の推奨品への自動置き換え機能による販売が極めて好調
1. 2025年3月期期第1四半期決算の概要
2024年12月期の売上高に対して、間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業の売上が約74%を占め、残りはFM事業やその他が占める。MRO事業の顧客は、製造業・建設業やサービス・小売業が多く、トヨタ自動車、SONY、関西電力、三菱地所など大企業直販が8割を上回ってきている。残りは中小事業所向け再販(アスクル経由の売上高)で構成される。プライム市場に上場している企業を中心とした大企業群が同社の顧客で、大企業直販の顧客解約率はほぼ0%のストック型ビジネスである。MRO事業は昨年末に新規導入した「無限カタログ(電子カタログ)」の推奨品への自動置き換え機能による粗利益の増加が想定以上となり、売上高で前期比12.2%増の22,776百万円、セグメント利益で同68.5%増の574百万円となった。無限カタログは、同一商品に複数の価格提示があり、コスト競争力が強いサプライヤーへ売上集中(サプライヤーの意欲向上)、サプライヤーの売上拡大による同社の粗利率改善が可能となる。一方、商業施設向けにサービスの提供を行うFM(Facility Management)事業は、インバウンド需要により顧客の業績こそ好調であるものの、好調な需要を背景に営業を止める必要がある改装工事を控える傾向があり、売上高で前期比9.4%減の5,847百万円、セグメント利益で同40.3%減の110百万円となった。
2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期は、売上高で前期比10.8%増の61,975百万円、営業利益で同13.5%増の1,410百万円の従来予想について、営業利益以下を100百万円ずつ増額修正しており、営業利益で同21.5%増の1,510百万円とした。FM事業の第4四半期売上見通しがまだ不透明だが、MRO事業売上増でカバーできると考え、期初の通期売上見通しは変更せず、上期のMRO事業の利益率上振れを反映した格好。
2029年12月期の目標は売上高1,000億円、営業利益率3.5%、ROE20%以上
3.中期経営計画、類似企業との比較、株主還元
大企業向けMRO市場の市場規模は約1兆円だが、既存の電子カタログで取引される領域(同社の既存事業領域)の市場規模は約4,000億円程度となる。同社は引き続き既存領域での成長を軸として市場シェアの拡大を図るようだ。ただ、電子カタログ掲載品で価格交渉が必要な領域や、電子カタログ非掲載で対面販売や入札型見積購買システムで取引される領域などにも将来的に対応できるように、「問合せ機能」をAPMROシステムおよび無限カタログに追加搭載していく。強固な顧客基盤を有して今後も大企業グループへの売上拡大とともに認知度拡大が進むことで、持続的な成長が期待されそうだ。実際、大企業グループへの売上高は、年を追うごとに大きくなる傾向があり、機能の向上がその傾向に拍車をかけることになる。
また、厳密な意味での類似企業はないが、MonotaRO<3064>の数値は確認しておいても良いだろう。MonotaROはROE25%超、今期予想の営業増益率で前期比16.0%増が予想されており、予想PERで45倍の評価だ。アルファパーチェスのROEは15%強であるが、利益成長は21.5%増、予想PER29倍となる。アズワン<7476>、ミスミグループ本社<9962>、アスクル<2678>などの平均PER20倍と比較したアルファパーチェスの数値は、株価が上昇しているだけに上方へ乖離しつつあるが、資本効率の改善はMonotaRO側への評価、つまりさらなるアップサイドポテンシャルと考えておきたい。アルファパーチェスの2029年12月期の目標は、売上高1,000億円、営業利益率3.5%、ROE20%以上である。そこから試算されるEPSは250円程度。営業利益のCAGRは+35%であり、現状程度のPER25~35倍から試算される株価は6,250~8,750円となる。資本効率が高まった数値におけるPER水準の切り上がりの有無にも注目しておきたい。
株主還元では、記念配当5円を含む1株あたり配当35円を予定しており、配当利回りで1.12%が予想されている。配当見通しは現時点では変更せず、通期利益見通しの確度が上がってから再検討する。
(執筆:アナリスト 山本泰三)
<KM>
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