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ナック Research Memo(6):長期ビジョンと新中期経営計画を発表し、LTV最大化に向け成長投資を加速(3)
配信日時:2025/08/01 11:06
配信元:FISCO
*11:06JST ナック Research Memo(6):長期ビジョンと新中期経営計画を発表し、LTV最大化に向け成長投資を加速(3)
■ナック<9788>の今後の見通し
3. 長期ビジョン2035と中期経営計画2028の策定
今後10年間に向けての「長期ビジョン2035」を2025年1月に発表した。2025年3月期に終了した前中期経営計画では、コロナ禍等の急激かつ大きな外部環境の変化を受けて計画未達に終わったことや、プライム市場の上場維持基準(1日平均売買代金の項目)が未達成であったこと、及び長期間に渡りPBRが1倍前後で推移している状況を課題と捉え、今後10年間の事業の活動方針を明確化しビジョンとして設定した。最適な投資実行、最適な事業ポートフォリオの構築を進めることで、急激な外部環境変化にも柔軟で実効性ある施策の実施を目指す。また2025年5月には、ビジョンに基づく今後3年間の施策を定めた「中期経営計画2028」を発表した。
(1) 長期ビジョン2035
2035年の同社グループの目指す姿として「ラストワンマイルを最大限に活用してLTV最大化~もっと暮らしに寄り添うナック~」を掲げた。2035年のゴールに向けて、顧客への商品・サービスの拡充、新たな顧客層・エリア(海外含む)の開拓、暮らしのお困りごとを解決するビジネスモデルの構築、ミリオンカスタマー(100万軒超の定期購買をする顧客)に向けたサービスモデル構築という方向性を打ち出しており、顧客、商品サービス、エリアそれぞれの強化によりLTVの最大化を目指す。
LTVの最大化に向けたサイクルでは、「100万軒超のお客様との定期的な取引」「定期訪問を通じて顧客ニーズを察知」「ニーズに合わせた商品仕入・開発」「自社配送網を活用し自社顧客へ販売」「魅力ある商品拡充で顧客拡大・顧客単価増加」の要素をつなぎ、循環することによりLTVの最大化を図る。強固なサイクル循環の効率化に向け、顧客情報を最大限活用するシステムの構築や、商品仕入や開発分野での積極的なM&A、自社配送網を活用した複数事業での商品混載や配送時間帯の工夫等の配送モデル改革を進める。なお、2035年3月期の数値目標として売上高1,000億円、営業利益率8%を掲げ、達成を目指す。
業績拡大の施策と並行して、会社認知度向上の一環としてIR活動や株主還元の取り組みを強化する。コロナ禍の収束を受けて、IR活動では個人投資家向け説明会を2024年3月期から対面及びオンライン方式で実施しているほか、今後は株式の流動性を高めることなどにより機関投資家へのアプローチも検討する。積極的な情報発信と対話に加え、株主優待制度の拡充で株主還元を強化する。また、会社認知度向上と投資意欲の喚起を目的に2024年9月に発行した統合報告書を、今後もステークホルダーとの対話ツールとして活用していく。
(2) 中期経営計画2028
2026年3月期から2028年3月期までの3ヶ年を対象期間とし、長期ビジョン2035の実現のための投資フェーズと位置付ける。建築コンサルティング事業や住宅事業を除く事業については、顧客に対する定期的なサービスの提供を中心に売上高を伸ばす投資を行う。その上で、長期ビジョン2035の方針である、商品サービスの拡充や、営業エリアの拡大、顧客数の増加のための施策を進める。積極的に売上増を狙うが、同時に投資を強化するため利益は横ばいとなる見込みだ。市場環境の厳しい建築コンサルティング事業や住宅事業では、現状の売上高水準を維持する施策展開となる。2028年3月期の数値目標として、クリクラ事業、レンタル事業、美容・健康事業及びその他M&Aの合計で売上高49,500百万円、建築コンサルティング事業及び住宅事業の合計で売上高19,000百万円、総計68,500百万円(2025年3月期比14.6%増)を目指し、営業利益は3,300百万円(同9.7%増)を目指す。
事業別の重点施策としては、クリクラ事業は「クリクラ」ブランドを明確に定義し、顧客への浸透を図る。同時に、健康的で快適な生活をサポートするサービス業へと進化し、新規顧客獲得に向けた販売促進を強化する。クリクラ事業は労働集約型のビジネスであることから、人材確保に注力し、重点的に投資する考えだ。レンタル事業ではダスキン事業やウィズ事業における積極的な新規エリアへの出店により新規顧客の獲得を進める。出店の一環としてダスキン加盟店のM&Aも検討する。またダスキン事業において出店強化した拠点でのケアサービス事業の利益率向上を図る。ダスキン事業では現在業務DXを進めており、新中期経営計画期間中にもさらに推進することで生産性と利益率の向上を目指す。美容・健康事業については、JIMOSにおいて新規顧客獲得や新たな事業の軸となる新製品創出のための広告等の販促投資を行う。またベルエアーでのOEM事業挑戦やトレミーでの医薬部外品の製造受託案件獲得を目指すほか、各部門において競争力や価値のある新商品開発を進める。
建築コンサルティング事業では、「人的資源」の課題解決を目的とするソリューションの開発や販促で顧客層に効果的にアプローチし、魅力的な住宅FC加盟メニューの開発や、アライアンスによる顧客開拓の推進で売上の維持改善を図る。住宅事業はケイディアイ等での用地仕入れの情報収集力強化や、金利上昇期等の住宅取得ニーズが高まるタイミングに備えた人材育成、より柔軟な原価管理を実現するための仕入制度の構築等を実施することで売上高を維持する。
財務方針としては、期間中に創出する計画の100億円以上を原資に、維持投資に30億円、成長投資に60億円以上、株主還元に30億円以上の割合で投資する。維持投資は既存事業設備に係る投資、成長投資は売上拡大のための諸施策に充てる。資金に不足が生じる場合は必要に応じ借入れ等により賄う考えだ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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3. 長期ビジョン2035と中期経営計画2028の策定
今後10年間に向けての「長期ビジョン2035」を2025年1月に発表した。2025年3月期に終了した前中期経営計画では、コロナ禍等の急激かつ大きな外部環境の変化を受けて計画未達に終わったことや、プライム市場の上場維持基準(1日平均売買代金の項目)が未達成であったこと、及び長期間に渡りPBRが1倍前後で推移している状況を課題と捉え、今後10年間の事業の活動方針を明確化しビジョンとして設定した。最適な投資実行、最適な事業ポートフォリオの構築を進めることで、急激な外部環境変化にも柔軟で実効性ある施策の実施を目指す。また2025年5月には、ビジョンに基づく今後3年間の施策を定めた「中期経営計画2028」を発表した。
(1) 長期ビジョン2035
2035年の同社グループの目指す姿として「ラストワンマイルを最大限に活用してLTV最大化~もっと暮らしに寄り添うナック~」を掲げた。2035年のゴールに向けて、顧客への商品・サービスの拡充、新たな顧客層・エリア(海外含む)の開拓、暮らしのお困りごとを解決するビジネスモデルの構築、ミリオンカスタマー(100万軒超の定期購買をする顧客)に向けたサービスモデル構築という方向性を打ち出しており、顧客、商品サービス、エリアそれぞれの強化によりLTVの最大化を目指す。
LTVの最大化に向けたサイクルでは、「100万軒超のお客様との定期的な取引」「定期訪問を通じて顧客ニーズを察知」「ニーズに合わせた商品仕入・開発」「自社配送網を活用し自社顧客へ販売」「魅力ある商品拡充で顧客拡大・顧客単価増加」の要素をつなぎ、循環することによりLTVの最大化を図る。強固なサイクル循環の効率化に向け、顧客情報を最大限活用するシステムの構築や、商品仕入や開発分野での積極的なM&A、自社配送網を活用した複数事業での商品混載や配送時間帯の工夫等の配送モデル改革を進める。なお、2035年3月期の数値目標として売上高1,000億円、営業利益率8%を掲げ、達成を目指す。
業績拡大の施策と並行して、会社認知度向上の一環としてIR活動や株主還元の取り組みを強化する。コロナ禍の収束を受けて、IR活動では個人投資家向け説明会を2024年3月期から対面及びオンライン方式で実施しているほか、今後は株式の流動性を高めることなどにより機関投資家へのアプローチも検討する。積極的な情報発信と対話に加え、株主優待制度の拡充で株主還元を強化する。また、会社認知度向上と投資意欲の喚起を目的に2024年9月に発行した統合報告書を、今後もステークホルダーとの対話ツールとして活用していく。
(2) 中期経営計画2028
2026年3月期から2028年3月期までの3ヶ年を対象期間とし、長期ビジョン2035の実現のための投資フェーズと位置付ける。建築コンサルティング事業や住宅事業を除く事業については、顧客に対する定期的なサービスの提供を中心に売上高を伸ばす投資を行う。その上で、長期ビジョン2035の方針である、商品サービスの拡充や、営業エリアの拡大、顧客数の増加のための施策を進める。積極的に売上増を狙うが、同時に投資を強化するため利益は横ばいとなる見込みだ。市場環境の厳しい建築コンサルティング事業や住宅事業では、現状の売上高水準を維持する施策展開となる。2028年3月期の数値目標として、クリクラ事業、レンタル事業、美容・健康事業及びその他M&Aの合計で売上高49,500百万円、建築コンサルティング事業及び住宅事業の合計で売上高19,000百万円、総計68,500百万円(2025年3月期比14.6%増)を目指し、営業利益は3,300百万円(同9.7%増)を目指す。
事業別の重点施策としては、クリクラ事業は「クリクラ」ブランドを明確に定義し、顧客への浸透を図る。同時に、健康的で快適な生活をサポートするサービス業へと進化し、新規顧客獲得に向けた販売促進を強化する。クリクラ事業は労働集約型のビジネスであることから、人材確保に注力し、重点的に投資する考えだ。レンタル事業ではダスキン事業やウィズ事業における積極的な新規エリアへの出店により新規顧客の獲得を進める。出店の一環としてダスキン加盟店のM&Aも検討する。またダスキン事業において出店強化した拠点でのケアサービス事業の利益率向上を図る。ダスキン事業では現在業務DXを進めており、新中期経営計画期間中にもさらに推進することで生産性と利益率の向上を目指す。美容・健康事業については、JIMOSにおいて新規顧客獲得や新たな事業の軸となる新製品創出のための広告等の販促投資を行う。またベルエアーでのOEM事業挑戦やトレミーでの医薬部外品の製造受託案件獲得を目指すほか、各部門において競争力や価値のある新商品開発を進める。
建築コンサルティング事業では、「人的資源」の課題解決を目的とするソリューションの開発や販促で顧客層に効果的にアプローチし、魅力的な住宅FC加盟メニューの開発や、アライアンスによる顧客開拓の推進で売上の維持改善を図る。住宅事業はケイディアイ等での用地仕入れの情報収集力強化や、金利上昇期等の住宅取得ニーズが高まるタイミングに備えた人材育成、より柔軟な原価管理を実現するための仕入制度の構築等を実施することで売上高を維持する。
財務方針としては、期間中に創出する計画の100億円以上を原資に、維持投資に30億円、成長投資に60億円以上、株主還元に30億円以上の割合で投資する。維持投資は既存事業設備に係る投資、成長投資は売上拡大のための諸施策に充てる。資金に不足が生じる場合は必要に応じ借入れ等により賄う考えだ。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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