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ミアヘルサHD Research Memo(9):子育て支援事業が成長、売上高は中期経営計画を上回るペースで拡大(2)
配信日時:2025/07/15 14:09
配信元:FISCO
*14:09JST ミアヘルサHD Research Memo(9):子育て支援事業が成長、売上高は中期経営計画を上回るペースで拡大(2)
■ミアヘルサホールディングス<7129>の今後の見通し
(2) 事業セグメント別計画
a) 医薬事業
医薬事業は年率0.9%増収、5.5%増益と堅実な業績計画を立てている。大手ドラッグストアによる調剤部門・在宅分野への進出や異業種からの薬局事業への参入など競争激化が続くなかで、医療機関や自社グループ運営施設(介護事業所や保育園等)との連携強化によって処方箋枚数の拡大を図り、また調剤技術料の加算取得強化によって収益性向上に取り組む方針だ。
重点施策としては、集客率・収益率の高い医療モール型薬局の出店を推進するとともに、高度薬学管理の豊富な実績をもとに病院やクリニックとの信頼関係をさらに強化し、患者や医療機関から信頼されるブランド力を構築していく。また、「外来がん治療認定薬剤師」や「緩和薬物療法認定薬剤師」などの専門認定薬剤師を育成し、同社グループが運営するホスピス対応型ホームとのシナジーを創出する。さらには、かかりつけ薬局としての機能強化にも取り組み、技術料単価の引き上げを推進する。
業績計画の前提となる店舗数は、医療モール型店舗の出店を中心に毎期2店舗の純増ペースを計画している。条件に適うようであればM&Aも選択肢の1つとして考えている。処方箋枚数は既存店を横ばいとし、店舗数の増加に対応する格好で年率1ケタ台の増加ペースを見込んでいる。ただ、大学病院における逆紹介の動きが今後も継続することで門前薬局の処方箋枚数が減少するリスクはある。一方、処方箋単価については、薬価引き下げにより薬剤料単価の緩やかな下落が続き、これを調剤技術料の加算でカバーするとの前提だ。2年目の2026年3月期は当初計画に対して、売上高が若干上回り、セグメント利益は若干下回る見込みとなっている。仕入マージンも含めた医薬品調達コストの上昇が要因と見られる。
b) 子育て支援事業
子育て支援事業は年率1.3%増収、11.2%増益を計画している。市場環境としては、少子化の進行と認可保育園の整備が進んだことにより保育園の「待機児童」は減少したものの、女性の社会進出に伴って小学校低学年の「待機児童」は増加傾向となっており、首都圏では依然として子育て支援のニーズが高い状況にある。実際、東京都の学童クラブ登録児童数は2024年で13.8万人と2020年比で1.2倍に増加しており、小学1~3年生の児童数に対する学童クラブ登録児童数の比率は2020年の38.9%から2024年は42.1%に上昇している。また、2024年の学童クラブの待機児童数については3,731人と4年連続で増加しており、学童クラブについては依然不足している状況にある。2025年度より新たに認証学童クラブ事業もスタートしており、同社にとっては事業拡大の好機となる。
業績計画の前提となる施設数は、2024年3月期の79事業所から84事業所に拡大する計画で(学童クラブや保育園の受託及び指定管理案件を織り込まず)、特に2027年3月期に4施設の開設を予定しているため年平均の増収率としては低くなっている。ただ、こども家庭庁による公定価格の増額改定もあって、2025年3月期の業績は計画を上回って着地した。2026年3月期も減益となるものの、当初計画を上回るペースで推移する見込みで、2027年3月期の目標も上回る可能性が高いと弊社では見ている。なお、学童クラブの売上構成比は2025年3月期で数%程度と低いが成長余地は大きい。同社は財務体質の改善を優先に取り組んでいるが、今後はM&Aも視野に入れる。
c) 介護事業
介護事業は年率3.5%増収、セグメント利益は2027年3月期に90百万円を見込んでいる。同事業に関しては黒字体質への転換を優先課題とする。市場環境は超高齢化社会の進展に伴い介護ニーズが多様化するほか、看取り対応や末期がん・難病患者への対応、医療サービス等への需要が一段と拡大している状況にある。こうしたなかで、同社グループの強みである「自律支援」や「看取り対応、末期がん・難病患者への対応」の強化によって他社との差別化を図り、加算算定への取り組みを推進する。
重点施策としては、ホスピス対応型ホームにて、末期がん患者や神経難病(パーキンソン病等)患者を受け入れ、看取りにも対応することで「終の棲家」として機能させ、病院からの退院患者の受け入れを増やしていく。ホスピス運営事業がここ数年で積極的に事業所を増やしており患者獲得競争の激化が予想されるが、介護予防(自律支援/重度化防止)から看取りまで連続性・一貫性のあるサービスを提供することで他社との差別化を図るほか、紹介先となる病院や地域のケアマネジャーとの関係を強化することで、ホスピス対応型ホームの稼働率を高める。
業績計画の前提となる事業所数については、2024年3月期末の65事業所(2025年3月期末で63事業所)を3年間は維持し、既存のサービス付き高齢者向け住宅の入居率向上に加えて、複数サービスを提供することで売上拡大を図る。利益面では増収効果に加えてICTの活用やDXによる業務効率の向上に取り組むことで黒字体質への転換を図る。2025年3月期はおおむね計画どおりに進捗した。2026年3月期は一部事業を譲渡した影響で売上高は当初計画を下回る見込みとなっているが、利益ベースでは黒字を維持する見通しだ。2027年3月期の営業利益率は2.4%と予想しているが、将来的には5%程度を目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) 事業セグメント別計画
a) 医薬事業
医薬事業は年率0.9%増収、5.5%増益と堅実な業績計画を立てている。大手ドラッグストアによる調剤部門・在宅分野への進出や異業種からの薬局事業への参入など競争激化が続くなかで、医療機関や自社グループ運営施設(介護事業所や保育園等)との連携強化によって処方箋枚数の拡大を図り、また調剤技術料の加算取得強化によって収益性向上に取り組む方針だ。
重点施策としては、集客率・収益率の高い医療モール型薬局の出店を推進するとともに、高度薬学管理の豊富な実績をもとに病院やクリニックとの信頼関係をさらに強化し、患者や医療機関から信頼されるブランド力を構築していく。また、「外来がん治療認定薬剤師」や「緩和薬物療法認定薬剤師」などの専門認定薬剤師を育成し、同社グループが運営するホスピス対応型ホームとのシナジーを創出する。さらには、かかりつけ薬局としての機能強化にも取り組み、技術料単価の引き上げを推進する。
業績計画の前提となる店舗数は、医療モール型店舗の出店を中心に毎期2店舗の純増ペースを計画している。条件に適うようであればM&Aも選択肢の1つとして考えている。処方箋枚数は既存店を横ばいとし、店舗数の増加に対応する格好で年率1ケタ台の増加ペースを見込んでいる。ただ、大学病院における逆紹介の動きが今後も継続することで門前薬局の処方箋枚数が減少するリスクはある。一方、処方箋単価については、薬価引き下げにより薬剤料単価の緩やかな下落が続き、これを調剤技術料の加算でカバーするとの前提だ。2年目の2026年3月期は当初計画に対して、売上高が若干上回り、セグメント利益は若干下回る見込みとなっている。仕入マージンも含めた医薬品調達コストの上昇が要因と見られる。
b) 子育て支援事業
子育て支援事業は年率1.3%増収、11.2%増益を計画している。市場環境としては、少子化の進行と認可保育園の整備が進んだことにより保育園の「待機児童」は減少したものの、女性の社会進出に伴って小学校低学年の「待機児童」は増加傾向となっており、首都圏では依然として子育て支援のニーズが高い状況にある。実際、東京都の学童クラブ登録児童数は2024年で13.8万人と2020年比で1.2倍に増加しており、小学1~3年生の児童数に対する学童クラブ登録児童数の比率は2020年の38.9%から2024年は42.1%に上昇している。また、2024年の学童クラブの待機児童数については3,731人と4年連続で増加しており、学童クラブについては依然不足している状況にある。2025年度より新たに認証学童クラブ事業もスタートしており、同社にとっては事業拡大の好機となる。
業績計画の前提となる施設数は、2024年3月期の79事業所から84事業所に拡大する計画で(学童クラブや保育園の受託及び指定管理案件を織り込まず)、特に2027年3月期に4施設の開設を予定しているため年平均の増収率としては低くなっている。ただ、こども家庭庁による公定価格の増額改定もあって、2025年3月期の業績は計画を上回って着地した。2026年3月期も減益となるものの、当初計画を上回るペースで推移する見込みで、2027年3月期の目標も上回る可能性が高いと弊社では見ている。なお、学童クラブの売上構成比は2025年3月期で数%程度と低いが成長余地は大きい。同社は財務体質の改善を優先に取り組んでいるが、今後はM&Aも視野に入れる。
c) 介護事業
介護事業は年率3.5%増収、セグメント利益は2027年3月期に90百万円を見込んでいる。同事業に関しては黒字体質への転換を優先課題とする。市場環境は超高齢化社会の進展に伴い介護ニーズが多様化するほか、看取り対応や末期がん・難病患者への対応、医療サービス等への需要が一段と拡大している状況にある。こうしたなかで、同社グループの強みである「自律支援」や「看取り対応、末期がん・難病患者への対応」の強化によって他社との差別化を図り、加算算定への取り組みを推進する。
重点施策としては、ホスピス対応型ホームにて、末期がん患者や神経難病(パーキンソン病等)患者を受け入れ、看取りにも対応することで「終の棲家」として機能させ、病院からの退院患者の受け入れを増やしていく。ホスピス運営事業がここ数年で積極的に事業所を増やしており患者獲得競争の激化が予想されるが、介護予防(自律支援/重度化防止)から看取りまで連続性・一貫性のあるサービスを提供することで他社との差別化を図るほか、紹介先となる病院や地域のケアマネジャーとの関係を強化することで、ホスピス対応型ホームの稼働率を高める。
業績計画の前提となる事業所数については、2024年3月期末の65事業所(2025年3月期末で63事業所)を3年間は維持し、既存のサービス付き高齢者向け住宅の入居率向上に加えて、複数サービスを提供することで売上拡大を図る。利益面では増収効果に加えてICTの活用やDXによる業務効率の向上に取り組むことで黒字体質への転換を図る。2025年3月期はおおむね計画どおりに進捗した。2026年3月期は一部事業を譲渡した影響で売上高は当初計画を下回る見込みとなっているが、利益ベースでは黒字を維持する見通しだ。2027年3月期の営業利益率は2.4%と予想しているが、将来的には5%程度を目標としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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