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堀場製作所:自動車・半導体関連の世界シェア高く需要も堅調、加えて組織変更により対応力強化
配信日時:2025/07/15 09:51
配信元:FISCO
*09:51JST 堀場製作所:自動車・半導体関連の世界シェア高く需要も堅調、加えて組織変更により対応力強化
堀場製作所<6856>は、1945年に京都で創業した分析・計測機器メーカーであり、東証プライム市場に上場している。「おもしろおかしく」の社是のもと、自動車、半導体、医療、環境といった幅広い分野に向けて先端技術を提供している。社内体制を「エネルギー・環境」「バイオ・ヘルスケア」「先端材料・半導体」の3つのフィールドに変更し、2025年12月期から開示の区分も変更した。従来の製品軸から顧客・市場軸への変更により、これまで拾いきれていなかった市場ニーズにも対応し、事業の拡大を図る狙いがある。フィールド別の売上構成比は「エネルギー・環境」が約4割、「バイオ・ヘルスケア」が1割強、「先端材料・半導体」が5割弱となっている。
主力製品は、「エネルギー・環境」フィールドにおける自動車向け排ガス測定装置で、ほぼ全ての完成車メーカーに納入しており、世界シェア約80%を占める。また、「先端材料・半導体」フィールドでは、半導体製造工程において不可欠なガス流量制御装置(マスフローコントローラー)を製造しており、グローバルシェア約60%を誇る。同社の製品・技術は自動車やパソコン・ゲーム機器など、日常生活に深く関わる製品の製造を支えており、社会に広く貢献している。
自動車分野では、EV(電気自動車)化が進むものの、完全な転換にはなお時間を要するため、排ガス測定装置の需要は継続する見込みである。また、同社はモーターやバッテリーのエネルギー変換に関する測定技術も保有しており、EV化の進展による業績への影響は限定的と考えられる。一方、半導体分野では、AIやIoT、自動運転などの技術進展に伴い製造量の拡大が続いており、同社製品の需要も増加すると見込まれる。
2024年12月期は、売上高317,369百万円(前期比9.2%増)、営業利益48,340百万円(同2.2%増)、当期純利益33,591百万円(同16.7%減)であった。売上増加の要因は、日本や米州における排ガス測定装置や自動車計測装置の販売が増加したことに加え、生成AI関連の需要拡大を背景に、アジアにおいて半導体製造装置メーカー向けの販売増加が寄与した。利益面では増収に加えて、円安の効果も寄与して、過去最高の営業利益となった。一方、純利益が減少したのは、水素関連子会社の減損損失1,305百万円と、前期計上した子会社株式売却益6,615百万円の剥落による一過性の要因による。
2025年12月期第1四半期は、売上高71,877百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益11,755百万円(同17.4%増)、当期純利益8,113百万円(同15.4%増)であった。引き続き、堅調な半導体関連需要によりアジアでの販売が増加するなど、先端技術・半導体フィールドがけん引して、増収増益となった。なお、同社の業績には季節性があり、特に自動車やバイオ関連は第4四半期に売上が集中する傾向があり、現時点での進捗はおおむね想定通りと言える。
2025年12月期は、売上高335,000百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益52,000百万円(同7.6%増)、当期純利益36,000百万円(同7.2%増)を予想している。半導体の堅調な需要に加え、自動車分野における排ガス・水素関連装置の販売増加が見込まれ、増収増益を見通している。なお、第1四半期決算発表時(2025年5月15日)に、円高進行の影響を踏まえて、売上高は当初計画比で50億円、営業利益と当期純利益はそれぞれ20億円の下方修正を行った。
2024年12月期からスタートした5ヶ年の中長期経営計画「MLMAP2028」では、フィールド横断型の顧客対応体制を強化し、既存の技術を活かした新規分野の開拓を加速する。最終年度となる2028年12月期には、売上高4,500億円、営業利益800億円、当期純利益550億円、ROE12%以上の達成を目標としている。
重点施策としては、「水素」に着目し、自動車用途に加えて、エネルギーの発電・貯蔵・運搬に関連する計測・分析技術の開発、さらに医薬品製造・開発工程や半導体製造工程向けの光学技術を応用した機器の開発などが挙げられ、5年間で約2,700億円の成長投資を行う計画である。M&Aについては、既存事業の周辺技術取得など、ソリューション提案力の高度化を目的として、継続的に実施していく考えである。
株主還元については、配当性向30%を目途とした配当を基本方針としている。2024年12月期の年間配当金は一株当たり270円(配当性向33.8%、特別配当25円を含む)を実施し、2025年12月期は290円(同32.0%)を予定している。内部留保とのバランスを考慮しつつ、ROE向上に向けた施策として、特別配当や自己株式の取得も機動的に実施していく方針である。
<HM>
主力製品は、「エネルギー・環境」フィールドにおける自動車向け排ガス測定装置で、ほぼ全ての完成車メーカーに納入しており、世界シェア約80%を占める。また、「先端材料・半導体」フィールドでは、半導体製造工程において不可欠なガス流量制御装置(マスフローコントローラー)を製造しており、グローバルシェア約60%を誇る。同社の製品・技術は自動車やパソコン・ゲーム機器など、日常生活に深く関わる製品の製造を支えており、社会に広く貢献している。
自動車分野では、EV(電気自動車)化が進むものの、完全な転換にはなお時間を要するため、排ガス測定装置の需要は継続する見込みである。また、同社はモーターやバッテリーのエネルギー変換に関する測定技術も保有しており、EV化の進展による業績への影響は限定的と考えられる。一方、半導体分野では、AIやIoT、自動運転などの技術進展に伴い製造量の拡大が続いており、同社製品の需要も増加すると見込まれる。
2024年12月期は、売上高317,369百万円(前期比9.2%増)、営業利益48,340百万円(同2.2%増)、当期純利益33,591百万円(同16.7%減)であった。売上増加の要因は、日本や米州における排ガス測定装置や自動車計測装置の販売が増加したことに加え、生成AI関連の需要拡大を背景に、アジアにおいて半導体製造装置メーカー向けの販売増加が寄与した。利益面では増収に加えて、円安の効果も寄与して、過去最高の営業利益となった。一方、純利益が減少したのは、水素関連子会社の減損損失1,305百万円と、前期計上した子会社株式売却益6,615百万円の剥落による一過性の要因による。
2025年12月期第1四半期は、売上高71,877百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益11,755百万円(同17.4%増)、当期純利益8,113百万円(同15.4%増)であった。引き続き、堅調な半導体関連需要によりアジアでの販売が増加するなど、先端技術・半導体フィールドがけん引して、増収増益となった。なお、同社の業績には季節性があり、特に自動車やバイオ関連は第4四半期に売上が集中する傾向があり、現時点での進捗はおおむね想定通りと言える。
2025年12月期は、売上高335,000百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益52,000百万円(同7.6%増)、当期純利益36,000百万円(同7.2%増)を予想している。半導体の堅調な需要に加え、自動車分野における排ガス・水素関連装置の販売増加が見込まれ、増収増益を見通している。なお、第1四半期決算発表時(2025年5月15日)に、円高進行の影響を踏まえて、売上高は当初計画比で50億円、営業利益と当期純利益はそれぞれ20億円の下方修正を行った。
2024年12月期からスタートした5ヶ年の中長期経営計画「MLMAP2028」では、フィールド横断型の顧客対応体制を強化し、既存の技術を活かした新規分野の開拓を加速する。最終年度となる2028年12月期には、売上高4,500億円、営業利益800億円、当期純利益550億円、ROE12%以上の達成を目標としている。
重点施策としては、「水素」に着目し、自動車用途に加えて、エネルギーの発電・貯蔵・運搬に関連する計測・分析技術の開発、さらに医薬品製造・開発工程や半導体製造工程向けの光学技術を応用した機器の開発などが挙げられ、5年間で約2,700億円の成長投資を行う計画である。M&Aについては、既存事業の周辺技術取得など、ソリューション提案力の高度化を目的として、継続的に実施していく考えである。
株主還元については、配当性向30%を目途とした配当を基本方針としている。2024年12月期の年間配当金は一株当たり270円(配当性向33.8%、特別配当25円を含む)を実施し、2025年12月期は290円(同32.0%)を予定している。内部留保とのバランスを考慮しつつ、ROE向上に向けた施策として、特別配当や自己株式の取得も機動的に実施していく方針である。
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