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RIZAP-G Research Memo(1):2025年3月期はchocoZAP事業の収益力向上により営業黒字達成
配信日時:2025/06/19 16:01
配信元:FISCO
*16:01JST RIZAP-G Research Memo(1):2025年3月期はchocoZAP事業の収益力向上により営業黒字達成
■要約
RIZAPグループ<2928>は“「人は変われる。」を証明する”という唯一無二の理念の下、健康づくり事業を中心に、ヘルスケア・美容、ライフスタイル、インベストメントの3領域で多様な事業を展開する総合企業である。「自己投資産業でグローバルNo.1」をビジョンに掲げ、持株会社体制の下、M&Aを積極的に活用しながら飛躍的に成長を遂げ、上場子会社5社を含むグループ企業68社、連結従業員数4,625名を擁するまでに成長した(2025年3月末時点)。2006年に札幌証券取引所アンビシャス市場に株式を上場しており、進行中の中期経営計画では営業利益40,000百万円(2027年3月期)を目指して新規事業「chocoZAP(R)(チョコザップ)」事業の積極展開等を行っている。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、売上収益が171,090百万円(前期比5.2%増)、営業利益が1,882百万円(前期は648百万円の損失)、税引前損失が1,495百万円(同4,551百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が264百万円(同4,300百万円の損失)となり、増収とともに営業利益で黒字となった。売上収益に関しては、コンビニジム「chocoZAP」事業の成長が継続しており、RIZAP関連事業(chocoZAP事業含む)が大幅な増収(前年同期比8,457百万円増)と全社の成長をけん引した。「chocoZAP」出店ペースは抑制気味ではあるが、前期末からchocoZAPが409店舗増加し、2025年3月末の店舗数は1,791店舗となった。店舗数の増加に伴い会員数も伸びており、2025年5月15日時点で135.0万人となった。洗濯・乾燥機やカラオケの新規サービス導入や人的サポートの導入、機器メンテナンス及び清掃の強化などの顧客満足度向上策が行われており、退会率を一定以内に抑制している。既存事業では、一新時計(株)、MRKホールディングス<9980>、(株)アンティローザ、BRUNO<3140>等の増収分(同8,050百万円増)があった一方で、REXT Holdings(株)(前期の退店等)、夢展望<3185>(残暑影響等)などによる減収(同6,154百万円減)があった。利益面は、chocoZAP事業で主に上期に戦略的投資を実施したことで、第1四半期が営業損失となったが、その後はRIZAP関連事業(chocoZAP事業含む)の利益改善を主因として黒字化し、通期でも黒字を達成した。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績は、売上収益が172,000百万円(前期比0.5%増)、営業利益が11,000百万円(同484.3%増)、税引前利益が8,550百万円(前期は1,495百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が2,000百万円(前期比657.5%増)と、chocoZAP事業の利益貢献により大幅な増益を見込んでいる。売上収益に関しては、これまで成長のドライバーだったchocoZAP事業において、出店や会員増に頼らない収益構造を目指す方針のため、成長はやや落ち着くことが予想される。2025年3月期から実施しているchocoZAP既存会員の満足度向上の取り組みは、2026年3月期も継続する。自社出店に加え、企業や自治体などと連携した共同出店・協業モデルも推進。また、FCモデルもトライアル展開を発表し、今後は、自社の財務負担がより少ない成長モデルの確立を目指す。また、グローバル展開は、香港など需要が確認できた地域から出店を加速する考えだ。営業利益に関しては、chocoZAPの収益力向上を主なドライバーとして、同9,118百万円増、約6倍に飛躍する見込みである。出店を抑えることで黒字店舗の比率が増えることに加え、前期取り組んだ広告費の効率的な投入施策や他社との連携、DXのさらなる有効活用などにより、事業モデルを磨き上げ、より強い収益基盤を構築する考えだ。
chocoZAP事業の店舗品質と顧客満足度の向上に引き続き注力するが、その投資のピークは越えたこと、新規出店や広告宣伝を抑制的に計画していること、広告事業や物販事業など店舗アセットを活用したビジネスモデルも軌道に乗ってきたことなどから、収益が出やすい状況にある。予算達成の可能性は十分にあると弊社では見ている。
3. 成長戦略・トピックス
chocoZAPの国内の出店余地は6,000店以上存在すると想定される。これまでは直営のみで出店してきたが、経営資源に限りがあり、財務負担も大きいため、出店スピードを上げにくいことがわかってきた。そのため、新たな方針として、共同出店・FCモデルなどパートナーとの連携によって出店を加速し、収益性の高い再成長軌道を描き、2025年5月にFCモデルの募集を開始した。これまで培ってきたアセットやノウハウの強みは、FC展開でも生かされる。代表的な強みは、圧倒的認知度、無人運営(採用/育成不要)、省スペース、DX(システム、アプリ、IoT)、お客様共創モデル、ちょこサポ・ちょこメンテなどである。フランチャイジーにとっては、いずれも一朝一夕には獲得できないアセット・ノウハウであるのに加え、初期投資が相対的に小さく、人材採用の必要がない点も魅力である。ビジネスモデルとしてはロイヤルティ収入がメインとなるため1店舗当たりの収入は減少するが、初期費用や運営費用の負担が大幅に低減するため収益性は高くなり、財務基盤の強化が期待できる。
chocoZAPは、香港、台湾、中国、アメリカの海外4市場14店舗でテストマーケティングを実施してきた。その中で特に好調なスタートを切ったのが香港である。香港は、日本と文化や商習慣の類似点が多く、chocoZAPのコンセプトがマッチし、フィットネス初心者層中心に会員獲得できたことが成功要因である。日本モデルの強みを生かしつつ、現地ニーズに合わせて集客・サービスを最適化したことも奏功した。結果として香港では、日本の1/3の顧客獲得単価、1.4倍の顧客獲得速度、2倍の稼働会員数(1店舗当たり)を達成した。当面は香港で追加出店を実施し、その実績を踏まえ台湾、タイ、シンガポールなどのアジア圏中心に類似地域への展開を検討する。
■Key Points
・2025年3月期通期は、chocoZAP事業の収益力向上を主因に3期ぶりの営業黒字及び当期黒字を達成
・2026年3月期は営業利益110億円(前期比91億円増)を予想
・chocoZAPのFCトライアル展開がスタート。企業内出店や地方自治体連携などの共同出店・協業モデルの加速。海外展開は好調の香港からアジアに拡大
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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RIZAPグループ<2928>は“「人は変われる。」を証明する”という唯一無二の理念の下、健康づくり事業を中心に、ヘルスケア・美容、ライフスタイル、インベストメントの3領域で多様な事業を展開する総合企業である。「自己投資産業でグローバルNo.1」をビジョンに掲げ、持株会社体制の下、M&Aを積極的に活用しながら飛躍的に成長を遂げ、上場子会社5社を含むグループ企業68社、連結従業員数4,625名を擁するまでに成長した(2025年3月末時点)。2006年に札幌証券取引所アンビシャス市場に株式を上場しており、進行中の中期経営計画では営業利益40,000百万円(2027年3月期)を目指して新規事業「chocoZAP(R)(チョコザップ)」事業の積極展開等を行っている。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の業績は、売上収益が171,090百万円(前期比5.2%増)、営業利益が1,882百万円(前期は648百万円の損失)、税引前損失が1,495百万円(同4,551百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が264百万円(同4,300百万円の損失)となり、増収とともに営業利益で黒字となった。売上収益に関しては、コンビニジム「chocoZAP」事業の成長が継続しており、RIZAP関連事業(chocoZAP事業含む)が大幅な増収(前年同期比8,457百万円増)と全社の成長をけん引した。「chocoZAP」出店ペースは抑制気味ではあるが、前期末からchocoZAPが409店舗増加し、2025年3月末の店舗数は1,791店舗となった。店舗数の増加に伴い会員数も伸びており、2025年5月15日時点で135.0万人となった。洗濯・乾燥機やカラオケの新規サービス導入や人的サポートの導入、機器メンテナンス及び清掃の強化などの顧客満足度向上策が行われており、退会率を一定以内に抑制している。既存事業では、一新時計(株)、MRKホールディングス<9980>、(株)アンティローザ、BRUNO<3140>等の増収分(同8,050百万円増)があった一方で、REXT Holdings(株)(前期の退店等)、夢展望<3185>(残暑影響等)などによる減収(同6,154百万円減)があった。利益面は、chocoZAP事業で主に上期に戦略的投資を実施したことで、第1四半期が営業損失となったが、その後はRIZAP関連事業(chocoZAP事業含む)の利益改善を主因として黒字化し、通期でも黒字を達成した。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績は、売上収益が172,000百万円(前期比0.5%増)、営業利益が11,000百万円(同484.3%増)、税引前利益が8,550百万円(前期は1,495百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が2,000百万円(前期比657.5%増)と、chocoZAP事業の利益貢献により大幅な増益を見込んでいる。売上収益に関しては、これまで成長のドライバーだったchocoZAP事業において、出店や会員増に頼らない収益構造を目指す方針のため、成長はやや落ち着くことが予想される。2025年3月期から実施しているchocoZAP既存会員の満足度向上の取り組みは、2026年3月期も継続する。自社出店に加え、企業や自治体などと連携した共同出店・協業モデルも推進。また、FCモデルもトライアル展開を発表し、今後は、自社の財務負担がより少ない成長モデルの確立を目指す。また、グローバル展開は、香港など需要が確認できた地域から出店を加速する考えだ。営業利益に関しては、chocoZAPの収益力向上を主なドライバーとして、同9,118百万円増、約6倍に飛躍する見込みである。出店を抑えることで黒字店舗の比率が増えることに加え、前期取り組んだ広告費の効率的な投入施策や他社との連携、DXのさらなる有効活用などにより、事業モデルを磨き上げ、より強い収益基盤を構築する考えだ。
chocoZAP事業の店舗品質と顧客満足度の向上に引き続き注力するが、その投資のピークは越えたこと、新規出店や広告宣伝を抑制的に計画していること、広告事業や物販事業など店舗アセットを活用したビジネスモデルも軌道に乗ってきたことなどから、収益が出やすい状況にある。予算達成の可能性は十分にあると弊社では見ている。
3. 成長戦略・トピックス
chocoZAPの国内の出店余地は6,000店以上存在すると想定される。これまでは直営のみで出店してきたが、経営資源に限りがあり、財務負担も大きいため、出店スピードを上げにくいことがわかってきた。そのため、新たな方針として、共同出店・FCモデルなどパートナーとの連携によって出店を加速し、収益性の高い再成長軌道を描き、2025年5月にFCモデルの募集を開始した。これまで培ってきたアセットやノウハウの強みは、FC展開でも生かされる。代表的な強みは、圧倒的認知度、無人運営(採用/育成不要)、省スペース、DX(システム、アプリ、IoT)、お客様共創モデル、ちょこサポ・ちょこメンテなどである。フランチャイジーにとっては、いずれも一朝一夕には獲得できないアセット・ノウハウであるのに加え、初期投資が相対的に小さく、人材採用の必要がない点も魅力である。ビジネスモデルとしてはロイヤルティ収入がメインとなるため1店舗当たりの収入は減少するが、初期費用や運営費用の負担が大幅に低減するため収益性は高くなり、財務基盤の強化が期待できる。
chocoZAPは、香港、台湾、中国、アメリカの海外4市場14店舗でテストマーケティングを実施してきた。その中で特に好調なスタートを切ったのが香港である。香港は、日本と文化や商習慣の類似点が多く、chocoZAPのコンセプトがマッチし、フィットネス初心者層中心に会員獲得できたことが成功要因である。日本モデルの強みを生かしつつ、現地ニーズに合わせて集客・サービスを最適化したことも奏功した。結果として香港では、日本の1/3の顧客獲得単価、1.4倍の顧客獲得速度、2倍の稼働会員数(1店舗当たり)を達成した。当面は香港で追加出店を実施し、その実績を踏まえ台湾、タイ、シンガポールなどのアジア圏中心に類似地域への展開を検討する。
■Key Points
・2025年3月期通期は、chocoZAP事業の収益力向上を主因に3期ぶりの営業黒字及び当期黒字を達成
・2026年3月期は営業利益110億円(前期比91億円増)を予想
・chocoZAPのFCトライアル展開がスタート。企業内出店や地方自治体連携などの共同出店・協業モデルの加速。海外展開は好調の香港からアジアに拡大
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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