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テラスカイ Research Memo(4):ソリューション事業が売上高の90%以上を占める
配信日時:2025/06/19 17:04
配信元:FISCO
*17:04JST テラスカイ Research Memo(4):ソリューション事業が売上高の90%以上を占める
■クラウド市場の動向とテラスカイ<3915>の事業内容
2. 事業内容
同社の事業セグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2025年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で92.1%、営業利益で102.4%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が10%台と比較的安定した水準で推移している。同事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率は1割台となっている。開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性やエンジニアの稼働状況が利益率の変動要因となるが、Salesforce関連の案件では難易度の高い案件も手掛けられるため、比較的安定した収益性を確保している。ここ1〜2期では利益率がやや低下しているが、タイ子会社とQuemixの先行投資負担、並びに積極的な人材採用と賃金改定により人件費負担が従来よりも重くなっていることが主因だ。ただ、賃金改定分についてはプロジェクト単価に反映されはじめており、2025年2月期の利益率上昇の一因となっている。
一方、製品事業の利益率は2022年2月期以降、マイナスが続いている。「mitoco」関連の開発費やプロモーション費用など先行投資が続いていることが要因だ。ただ、償却前利益率では2025年2月期で13.7%(前期は5.1%)と大きく改善している。製品の売上高の9割強はサブスクリプション売上で占められるため、契約社数の増加で売上規模が拡大していけば、いずれはソリューション事業を上回る利益率になるものと予想される。
クラウド別の構成比は、Salesforce関連が2025年2月期売上高の61%(前期は59%)、同営業利益の78%(同72%)を占め、前期からそれぞれ上昇した。IaaS関連(AWS、GCPなど)については、構成比で低下したものの、実額ベースの伸び率を見ると売上高で2割増収、営業利益で1割強の増益となっており、クラウドの種類を問わず全方位的に事業が拡大している。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システムなどの要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、Salesforceとライセンス販売契約を締結し、導入支援を展開している。
業種・企業規模を問わず豊富な導入実績を持つが、SalesforceがCRM分野に強いことから大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。また、Salesforceについては受注高の8割以上を既存顧客の継続・追加開発案件や保守・運用料で占めている。Salesforceを導入した場合、新機能の追加も含めて開発が継続するケースが大半Salesforceを導入した場合、通常は導入支援を行ったクラウド・インテグレーターが新機能の追加も含めてその後の開発や保守を引き続き受注するものだが、最近では他社が導入を行った案件を同社が後続の開発を受注するケースが増えてきている。開発の難易度が高まるなかで、豊富な実績・ノウハウと国内最大規模の開発体制を持っていることが背景にある。
なお、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも顧客要望があれば対応可能)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に多くの実績を持つ。また、スカイ365でSalesforceやAWSなどのクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供している。そのほか、テラスカイ・テクノロジーズやCuon、リベルスカイ、DiceWorks、TerraSky (Thailand)のほか、量子コンピューター関連のQuemixがソリューション事業に含まれる。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供するほか、子会社のエノキで開発するAIプラットフォーム事業が含まれる。主な製品としては、「mitoco X(旧 DataSpider Cloud)」「SkyVisualEditor」「mitoco」などがある。売上高は導入時に計上されるフロー売上と月額課金のストック売上(サブスクリプション売上)に分けられ、2025年2月期のストック売上比率は9割強となっている。ストック売上のサービス別構成比を見ると「mitoco X」が42.7%、「mitoco」が24.9%、「SkyVisualEditor」が22.3%と3製品で約90%となっている。
注力製品として開発を強化している「mitoco」は、社内のコミュニケーションを円滑にするワークフローやカレンダー、掲示板機能などをSalesforce上で利用できるグループウェア製品で、モバイルデバイスにも対応しており、Salesforceのカレンダーや取引先、取引先責任者などの情報を共有できる。加えて、営業部門が利用するSalesforceと全社員が利用するスケジュールやワークフローシステムなどの情報の分断がなくなり、顧客を中心とした情報を一元管理できることが最大の特徴である。2021年12月に経費清算、2022年8月に勤怠管理、2023年9月に財務会計、2024年3月に債務管理と段階的に機能の拡充を行った。IT製品・クラウドサービスのユーザーレビュープラットフォーム「ITreview」の投稿をもとに評価の高かった製品・サービスを表彰する「ITreview Grid Award」の「Salesforce拡張機能部門」で最高評価の「Leader」を、「グループウェア部門」で「High Performer」を連続受賞するなどユーザー評価も高い。
「mitoco X」はSalesforceと顧客企業が自社で所有するオンプレミスのシステムや各種クラウドサービスのデータを自動連携するツールである。「SkyVisualEditor」は各企業が業務内容に合わせてSalesforceの画面を使いやすいようにカスタマイズできるツールで、業界のデファクト製品としての地位を確立している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業内容
同社の事業セグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2025年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で92.1%、営業利益で102.4%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が10%台と比較的安定した水準で推移している。同事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率は1割台となっている。開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性やエンジニアの稼働状況が利益率の変動要因となるが、Salesforce関連の案件では難易度の高い案件も手掛けられるため、比較的安定した収益性を確保している。ここ1〜2期では利益率がやや低下しているが、タイ子会社とQuemixの先行投資負担、並びに積極的な人材採用と賃金改定により人件費負担が従来よりも重くなっていることが主因だ。ただ、賃金改定分についてはプロジェクト単価に反映されはじめており、2025年2月期の利益率上昇の一因となっている。
一方、製品事業の利益率は2022年2月期以降、マイナスが続いている。「mitoco」関連の開発費やプロモーション費用など先行投資が続いていることが要因だ。ただ、償却前利益率では2025年2月期で13.7%(前期は5.1%)と大きく改善している。製品の売上高の9割強はサブスクリプション売上で占められるため、契約社数の増加で売上規模が拡大していけば、いずれはソリューション事業を上回る利益率になるものと予想される。
クラウド別の構成比は、Salesforce関連が2025年2月期売上高の61%(前期は59%)、同営業利益の78%(同72%)を占め、前期からそれぞれ上昇した。IaaS関連(AWS、GCPなど)については、構成比で低下したものの、実額ベースの伸び率を見ると売上高で2割増収、営業利益で1割強の増益となっており、クラウドの種類を問わず全方位的に事業が拡大している。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システムなどの要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、Salesforceとライセンス販売契約を締結し、導入支援を展開している。
業種・企業規模を問わず豊富な導入実績を持つが、SalesforceがCRM分野に強いことから大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。また、Salesforceについては受注高の8割以上を既存顧客の継続・追加開発案件や保守・運用料で占めている。Salesforceを導入した場合、新機能の追加も含めて開発が継続するケースが大半Salesforceを導入した場合、通常は導入支援を行ったクラウド・インテグレーターが新機能の追加も含めてその後の開発や保守を引き続き受注するものだが、最近では他社が導入を行った案件を同社が後続の開発を受注するケースが増えてきている。開発の難易度が高まるなかで、豊富な実績・ノウハウと国内最大規模の開発体制を持っていることが背景にある。
なお、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも顧客要望があれば対応可能)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に多くの実績を持つ。また、スカイ365でSalesforceやAWSなどのクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供している。そのほか、テラスカイ・テクノロジーズやCuon、リベルスカイ、DiceWorks、TerraSky (Thailand)のほか、量子コンピューター関連のQuemixがソリューション事業に含まれる。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供するほか、子会社のエノキで開発するAIプラットフォーム事業が含まれる。主な製品としては、「mitoco X(旧 DataSpider Cloud)」「SkyVisualEditor」「mitoco」などがある。売上高は導入時に計上されるフロー売上と月額課金のストック売上(サブスクリプション売上)に分けられ、2025年2月期のストック売上比率は9割強となっている。ストック売上のサービス別構成比を見ると「mitoco X」が42.7%、「mitoco」が24.9%、「SkyVisualEditor」が22.3%と3製品で約90%となっている。
注力製品として開発を強化している「mitoco」は、社内のコミュニケーションを円滑にするワークフローやカレンダー、掲示板機能などをSalesforce上で利用できるグループウェア製品で、モバイルデバイスにも対応しており、Salesforceのカレンダーや取引先、取引先責任者などの情報を共有できる。加えて、営業部門が利用するSalesforceと全社員が利用するスケジュールやワークフローシステムなどの情報の分断がなくなり、顧客を中心とした情報を一元管理できることが最大の特徴である。2021年12月に経費清算、2022年8月に勤怠管理、2023年9月に財務会計、2024年3月に債務管理と段階的に機能の拡充を行った。IT製品・クラウドサービスのユーザーレビュープラットフォーム「ITreview」の投稿をもとに評価の高かった製品・サービスを表彰する「ITreview Grid Award」の「Salesforce拡張機能部門」で最高評価の「Leader」を、「グループウェア部門」で「High Performer」を連続受賞するなどユーザー評価も高い。
「mitoco X」はSalesforceと顧客企業が自社で所有するオンプレミスのシステムや各種クラウドサービスのデータを自動連携するツールである。「SkyVisualEditor」は各企業が業務内容に合わせてSalesforceの画面を使いやすいようにカスタマイズできるツールで、業界のデファクト製品としての地位を確立している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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