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テラスカイ Research Memo(9):2026年2月期も受注好調により、2ケタ増収増益を見込む
配信日時:2025/06/19 17:09
配信元:FISCO
*17:09JST テラスカイ Research Memo(9):2026年2月期も受注好調により、2ケタ増収増益を見込む
■テラスカイ<3915>の今後の見通し
1. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期の連結業績は売上高で前期比19.1%増の29,438百万円、営業利益で同26.3%増の1,833百万円、経常利益で同23.1%増の1,973百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同33.9%増の1,363百万円と2ケタ増収増益を見込む。引き続きソリューション事業がけん引する見通しだ。営業利益率も増収効果に加えてエンジニア育成の成果による内製化の進展で、前期の5.9%から6.2%に上昇する。Salesforce Platform上で利用できるアプリケーションが増え、他社システムの連携も含めて開発プロジェクトが大規模化する傾向にあり、同社に対する引き合いが強まっている。実際、ソリューション事業の期初受注残(単体)は大型案件を継続していることにより、前期比67.3%増と高水準でスタートした。加えて、2024年4月に資本業務提携したNTTデータとのSalesforceの協業プロジェクトも本格始動する。既に複数のプロジェクトが動き始めているようで、協業案件の動向次第では2026年2月期の業績も会社計画を上回る可能性が十分にあると弊社では見ている。
成長を支える人材については、グループ全体で前期末比291名増の1,761名を予定している。内訳は、同社が同119名増、テラスカイ・テクノロジーズが同77名増、その他子会社(関連会社含む)が同95名増となっており、すべての事業領域で人員体制を強化する方針だ。人員計画については目標値であり計画に届かない可能性もあるが、同計画を前提に採用費や教育研修費、人件費などを業績計画に織り込んでおり、採用数が計画に届かなければ費用の減少要因となる。2025年4月の新卒社員は92名と前年の112名をやや下回ったが、前年に続きサテライトオフィスを2拠点開設する予定で、地方での採用強化並びに離職率の低減に取り組むことで体制強化を進める。サテライトオフィスについては、2025年8月に鹿児島市と盛岡市に開設する予定で合計5拠点となる。
弊社の見立てでは、事業セグメント別でソリューション事業が2ケタ増収増益を維持する一方、製品事業は2ケタ増収継続も開発投資が続くため、若干の損失が続くものと考える。タイの子会社については、経営体制の強化により増収となり、損失額も縮小する見込みである。Quemixは量子コンピュータ事業への継続的な成長投資及び量子コンピュータ関連の人材教育サービスの拡大により増収も、開発費用増により損失額が若干拡大する見通しだ。そのほかの子会社については、良好な市場環境が続くことを前提に増収増益を見込んでいる。なお会話型AIプラットフォーム「ENOKI」の開発及び導入支援事業を展開していたエノキについては、経営資源の効率化を目的に2025年6月に同社が吸収合併することを決定した。今後はSalesforce上で生成AI機能を活用できる「mitoco AI」と技術を融合し、「mitoco AI」の製品力向上につなげていく考えだ。
NTTデータと協業開始。NTTデータへ新株予約権を発行
2. 2026年2月期の重点施策
同社は2026年2月期の重点施策として、1) NTTデータとのビジネス拡大、2) 内製化支援の拡充、3) 「mitoco」製品の販売強化の3点に注力する方針だ。
(1) NTTデータとのビジネス拡大
同社及びNTTデータは、Salesforceビジネスのさらなる強化を目的に、2025年4月に「NTT DATA Salesforce Hub」を開設した。Salesforceの日本全国の需要に対応するため、同社も加えたNTTデータグループ各社横断で、質の高いコンサルタント・エンジニアを集約したリソースプールを構築し(現在の1,800人規模を2028年までに5千人規模に拡大)、流動性高く最適な人員配置を行い、Salesforce活用を通じた顧客企業のビジネス変革を進める。また、SalesforceのAIエージェント「Agentforce」を活用した新規サービスの開発や、顧客業務への適用を支援するコンサルティングサービスを提供するほか、「mitocoAI」なども活用し、事業拡大を目指す。
まずは、DXに取り組む地方の金融機関に注力し、並行して官公庁・自治体・製造・小売・地域マーケット向けにも領域を広げる予定にしている。さらに海外でも事業を拡大する方針で、このうち東南アジアでは同社のタイ子会社とも連携して事業を推進する。NTTデータでは金融機関や官公庁・自治体、そのほかの大企業を多く顧客に抱えており、同社のSalesforce事業の成長が期待される。
なお2024年4月の資本業務提携において、同社はNTTデータに対して67万株相当の新株予約権を発行した。同新株予約権が行使された場合、既に取得している株式数も合わせると保有比率は20.1%となり、同社はNTTデータの持分法適用関連会社となる見通しだ。新株予約権の行使価額は1,400円で、行使基準は2027年2月期までの年度において一度でも連結営業利益で25億円を超過した場合に行使が可能となっている。今後、NTTデータとの協業案件が増加することを考えれば、25億円を超過する可能性は十分にあると見られる。また、2030年2月期の連結売上高700億円超という長期目標に変更はなく、今後も旺盛なクラウドインテグレーション需要に対して、人的リソースの強化と子会社展開を推進しながら、年率20%程度の売上成長を維持していく考えだ。
(2) 内製化支援の拡充
同社では4〜5期前より顧客自身がクラウドを活用する体制づくりを支援してきたが、今後は前述したノンコードのAIテスト自動化・管理ツール「ACCELQ」やSalesforceのリリース管理ツール「Flosum」などSalesforceをより効率的に活用できる有用なツールの提供を通じて内製化及び定着化を支援し、顧客のLTV最大化に取り組む。
(3) mitoco製品の販売強化
「mitoco ERP(会計シリーズ)」については2024年までに財務・管理会計、支払管理、債権管理といった主要製品モジュールをリリースし、今後は機能強化のための開発を継続しながら拡販に注力していく。固定資産管理機能の開発については、2026年2月期の下期から着手する予定で、同機能が揃えば「mitoco ERP」が完成することになる。
一方、クラウド型データ連携ツールとなる「mitoco X」については2023年に共同開発先から権利を譲受して以降、同社のオリジナル製品として一から開発を進めてきたVer2.0版を2025年6月にリリースする予定となっている。既に既存顧客を含めて多くの顧客から問い合わせを得ており、2026年2月期はさらなる成長が見込まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2026年2月期の業績見通し
2026年2月期の連結業績は売上高で前期比19.1%増の29,438百万円、営業利益で同26.3%増の1,833百万円、経常利益で同23.1%増の1,973百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同33.9%増の1,363百万円と2ケタ増収増益を見込む。引き続きソリューション事業がけん引する見通しだ。営業利益率も増収効果に加えてエンジニア育成の成果による内製化の進展で、前期の5.9%から6.2%に上昇する。Salesforce Platform上で利用できるアプリケーションが増え、他社システムの連携も含めて開発プロジェクトが大規模化する傾向にあり、同社に対する引き合いが強まっている。実際、ソリューション事業の期初受注残(単体)は大型案件を継続していることにより、前期比67.3%増と高水準でスタートした。加えて、2024年4月に資本業務提携したNTTデータとのSalesforceの協業プロジェクトも本格始動する。既に複数のプロジェクトが動き始めているようで、協業案件の動向次第では2026年2月期の業績も会社計画を上回る可能性が十分にあると弊社では見ている。
成長を支える人材については、グループ全体で前期末比291名増の1,761名を予定している。内訳は、同社が同119名増、テラスカイ・テクノロジーズが同77名増、その他子会社(関連会社含む)が同95名増となっており、すべての事業領域で人員体制を強化する方針だ。人員計画については目標値であり計画に届かない可能性もあるが、同計画を前提に採用費や教育研修費、人件費などを業績計画に織り込んでおり、採用数が計画に届かなければ費用の減少要因となる。2025年4月の新卒社員は92名と前年の112名をやや下回ったが、前年に続きサテライトオフィスを2拠点開設する予定で、地方での採用強化並びに離職率の低減に取り組むことで体制強化を進める。サテライトオフィスについては、2025年8月に鹿児島市と盛岡市に開設する予定で合計5拠点となる。
弊社の見立てでは、事業セグメント別でソリューション事業が2ケタ増収増益を維持する一方、製品事業は2ケタ増収継続も開発投資が続くため、若干の損失が続くものと考える。タイの子会社については、経営体制の強化により増収となり、損失額も縮小する見込みである。Quemixは量子コンピュータ事業への継続的な成長投資及び量子コンピュータ関連の人材教育サービスの拡大により増収も、開発費用増により損失額が若干拡大する見通しだ。そのほかの子会社については、良好な市場環境が続くことを前提に増収増益を見込んでいる。なお会話型AIプラットフォーム「ENOKI」の開発及び導入支援事業を展開していたエノキについては、経営資源の効率化を目的に2025年6月に同社が吸収合併することを決定した。今後はSalesforce上で生成AI機能を活用できる「mitoco AI」と技術を融合し、「mitoco AI」の製品力向上につなげていく考えだ。
NTTデータと協業開始。NTTデータへ新株予約権を発行
2. 2026年2月期の重点施策
同社は2026年2月期の重点施策として、1) NTTデータとのビジネス拡大、2) 内製化支援の拡充、3) 「mitoco」製品の販売強化の3点に注力する方針だ。
(1) NTTデータとのビジネス拡大
同社及びNTTデータは、Salesforceビジネスのさらなる強化を目的に、2025年4月に「NTT DATA Salesforce Hub」を開設した。Salesforceの日本全国の需要に対応するため、同社も加えたNTTデータグループ各社横断で、質の高いコンサルタント・エンジニアを集約したリソースプールを構築し(現在の1,800人規模を2028年までに5千人規模に拡大)、流動性高く最適な人員配置を行い、Salesforce活用を通じた顧客企業のビジネス変革を進める。また、SalesforceのAIエージェント「Agentforce」を活用した新規サービスの開発や、顧客業務への適用を支援するコンサルティングサービスを提供するほか、「mitocoAI」なども活用し、事業拡大を目指す。
まずは、DXに取り組む地方の金融機関に注力し、並行して官公庁・自治体・製造・小売・地域マーケット向けにも領域を広げる予定にしている。さらに海外でも事業を拡大する方針で、このうち東南アジアでは同社のタイ子会社とも連携して事業を推進する。NTTデータでは金融機関や官公庁・自治体、そのほかの大企業を多く顧客に抱えており、同社のSalesforce事業の成長が期待される。
なお2024年4月の資本業務提携において、同社はNTTデータに対して67万株相当の新株予約権を発行した。同新株予約権が行使された場合、既に取得している株式数も合わせると保有比率は20.1%となり、同社はNTTデータの持分法適用関連会社となる見通しだ。新株予約権の行使価額は1,400円で、行使基準は2027年2月期までの年度において一度でも連結営業利益で25億円を超過した場合に行使が可能となっている。今後、NTTデータとの協業案件が増加することを考えれば、25億円を超過する可能性は十分にあると見られる。また、2030年2月期の連結売上高700億円超という長期目標に変更はなく、今後も旺盛なクラウドインテグレーション需要に対して、人的リソースの強化と子会社展開を推進しながら、年率20%程度の売上成長を維持していく考えだ。
(2) 内製化支援の拡充
同社では4〜5期前より顧客自身がクラウドを活用する体制づくりを支援してきたが、今後は前述したノンコードのAIテスト自動化・管理ツール「ACCELQ」やSalesforceのリリース管理ツール「Flosum」などSalesforceをより効率的に活用できる有用なツールの提供を通じて内製化及び定着化を支援し、顧客のLTV最大化に取り組む。
(3) mitoco製品の販売強化
「mitoco ERP(会計シリーズ)」については2024年までに財務・管理会計、支払管理、債権管理といった主要製品モジュールをリリースし、今後は機能強化のための開発を継続しながら拡販に注力していく。固定資産管理機能の開発については、2026年2月期の下期から着手する予定で、同機能が揃えば「mitoco ERP」が完成することになる。
一方、クラウド型データ連携ツールとなる「mitoco X」については2023年に共同開発先から権利を譲受して以降、同社のオリジナル製品として一から開発を進めてきたVer2.0版を2025年6月にリリースする予定となっている。既に既存顧客を含めて多くの顧客から問い合わせを得ており、2026年2月期はさらなる成長が見込まれている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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