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NCD Research Memo(4):パーキングシステム事業は電磁ロック式駐輪場で国内最大級
配信日時:2025/06/19 13:04
配信元:FISCO
*13:04JST NCD Research Memo(4):パーキングシステム事業は電磁ロック式駐輪場で国内最大級
■事業概要
5. パーキングシステム事業
NCD<4783>のパーキングシステム事業は電磁ロック式の駐輪機器販売及び駐輪場管理運営を主力としている。ITを活用することで駐輪場の管理運営業務を省力化・効率化するだけでなく、全国の街から放置自転車等の駐輪問題をなくし、交通混雑緩和対策、土地有効活用、地域・街づくり、CO2排出量の削減による地球環境改善などにも貢献するビジネスである。当初は電磁ロック式駐輪機器や料金精算機の売り切りが中心だったが、培ってきたIT技術を生かして遠隔操作による駐輪場の無人管理を実現し、管理人常駐の月極が主流だった駐輪場業界でコイン駐輪場(時間貸しの無人駐輪場)のパイオニアとして事業を拡大した。現在は時間貸駐輪場「EcoStation21」及び月極駐輪場「ECOPOOL」を首都圏の駅周辺や商業施設を中心に、関西・中部・九州地区等にも展開(関西と中部はパートナー企業に運営委託)している。なお「ECOPOOL」は同社が2013年に独自開発した日本初のWeb月極駐輪場であり、利用登録から利用開始まですべてインターネットで完結するため駐輪場スタッフの常駐が不要になり、駐輪場の管理コスト削減を実現する。
売上分類は機器販売、管理運営、その他(自転車関連商品販売等)としている。管理運営の区分としては、商業施設等の民間企業との契約に基づいて自社で管理運営する自営駐輪場、自治体からの指定管理者として管理運営する指定管理(利用料金制と指定管理制)、鉄道会社や自治体等が運営する駐輪場を管理受託する受託がある。パーキングシステム事業の2025年3月期の分類別売上高構成比は自営駐輪場が34%、指定管理が26%、機器販売が18%、受託が18%、その他が4%で、指定管理売上の内訳は利用料金制が80%、指定管理料制が20%となった。フロー(駐輪機器販売等)・ストック(自営駐輪場利用料収入、指定管理、受託等)別売上比率はフローが22%、ストックが78%となった。ストック型のビジネスモデルとなっている。
また2025年4月1日時点で同社グループの駐輪場管理台数は前年比16,049台増の560,066台、管理現場数は同95ヶ所増の2,057ヶ所となった。このうち「ECOPOOL」の管理台数は前期比24,204台増の128,669台、管理現場数は同76ヶ所増の380ヶ所となった。放置自転車削減に貢献するとして全国の自治体、鉄道会社、商業施設などに幅広く支持され、電磁ロック式駐輪場設置台数として国内最大級を誇っている。直近の自治体案件事例としては、2022年4月に4自治体(新宿区、板橋区、品川区、川崎市)において駐輪場管理運営事業者に選定され、合計246ヶ所・約58,000台の駐輪場管理運営を開始した。また2025年4月には海老名市において駐輪場管理運営事業者に選定され、3,138台の駐輪場管理運営を開始した。
なお同社は、コロナ禍によってパーキングシステム事業の収益が一時的に落ち込んだことも背景として、パーキングシステム事業の一段の収益力向上に向けたBPRを推進している。具体的には、工事等周辺業務の内製化(駐輪機器設置工事・周辺工事をNCDプロスに集約)のほか、キャッシュレス決済の導入、利用料金体系の適正化(料金改定)や低採算の指定管理案件からの撤退、新たな販路開拓(ゼネコン・デベロッパー・設計事務所等)などを推進している。
IT関連事業、パーキングシステム事業とも拡大基調
6. セグメント別推移
過去5期(2021年3月期~2025年3月期)のセグメント別売上高(外部顧客への売上高)と構成比、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)と構成比及びセグメント別利益率(同)の推移は以下のとおりである。
2025年3月期の売上高はシステム開発事業が12,699百万円(構成比42.2%)、サポート&サービス事業が9,409百万円(同31.3%)、パーキングシステム事業が7,975百万円(同26.5%)となった。売上高は各事業とも拡大基調である。パーキングシステム事業は2021年3月期にコロナ禍の影響を受けたが、2024年3月期にはコロナ禍前を上回る水準に回復し、2025年3月期はさらに拡大した。売上高構成比はコロナ禍の時期を除けばおおむねシステム開発事業が4割、サポート&サービス事業が3割、パーキングシステム事業が3割弱で推移している。
2025年3月期のセグメント利益はシステム開発事業が1,867百万円(構成比39.8%)、サポート&サービス事業が1,029百万円(同21.9%)、パーキングシステム事業が1,786百万円(同38.1%)となった。セグメント利益は各事業とも拡大基調である。特にパーキングシステム事業のセグメント利益が急拡大し、構成比も上昇している。セグメント利益率はシステム開発事業が14.7%、サポート&サービス事業が10.9%、パーキングシステム事業が22.4%となった。システム開発事業は個別案件の採算によって変動する可能性があるもののおおむね10%台前半、保守・運用が中心のサポート&サービス事業はおおむね10%近辺で推移している。パーキングシステム事業は売上高の拡大とともに、工事等周辺業務の内製化、自営駐輪場を中心とする料金改定、低採算の指定管理案件からの撤退など、収益構造改革に向けた取り組みの成果で2025年3月期は20%台に上昇した。
IT関連事業はプロジェクト管理・品質管理を徹底、パーキングシステム事業はBPR推進
7. リスク要因・収益特性と課題・対策
IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)における一般的なリスク要因として、個別案件ごとの採算性によって利益が変動する可能性がある。この対策として同社は、プロジェクト管理・品質管理を徹底して不採算化防止・採算維持に取り組んでいる。また、システム開発事業は開発後の保守・運用サービス拡大によって、サポート&サービス事業は継続案件の積み上げにより、いずれもストック売上が拡大しているため安定した収益構造となっている。パーキングシステム事業はコロナ禍の影響で一時的に収益が落ち込んだが、管理現場数・管理台数の積み上げによって駐輪場利用料収入を中心とするストック売上が主力となり、収益性向上に向けたBPRを推進している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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5. パーキングシステム事業
NCD<4783>のパーキングシステム事業は電磁ロック式の駐輪機器販売及び駐輪場管理運営を主力としている。ITを活用することで駐輪場の管理運営業務を省力化・効率化するだけでなく、全国の街から放置自転車等の駐輪問題をなくし、交通混雑緩和対策、土地有効活用、地域・街づくり、CO2排出量の削減による地球環境改善などにも貢献するビジネスである。当初は電磁ロック式駐輪機器や料金精算機の売り切りが中心だったが、培ってきたIT技術を生かして遠隔操作による駐輪場の無人管理を実現し、管理人常駐の月極が主流だった駐輪場業界でコイン駐輪場(時間貸しの無人駐輪場)のパイオニアとして事業を拡大した。現在は時間貸駐輪場「EcoStation21」及び月極駐輪場「ECOPOOL」を首都圏の駅周辺や商業施設を中心に、関西・中部・九州地区等にも展開(関西と中部はパートナー企業に運営委託)している。なお「ECOPOOL」は同社が2013年に独自開発した日本初のWeb月極駐輪場であり、利用登録から利用開始まですべてインターネットで完結するため駐輪場スタッフの常駐が不要になり、駐輪場の管理コスト削減を実現する。
売上分類は機器販売、管理運営、その他(自転車関連商品販売等)としている。管理運営の区分としては、商業施設等の民間企業との契約に基づいて自社で管理運営する自営駐輪場、自治体からの指定管理者として管理運営する指定管理(利用料金制と指定管理制)、鉄道会社や自治体等が運営する駐輪場を管理受託する受託がある。パーキングシステム事業の2025年3月期の分類別売上高構成比は自営駐輪場が34%、指定管理が26%、機器販売が18%、受託が18%、その他が4%で、指定管理売上の内訳は利用料金制が80%、指定管理料制が20%となった。フロー(駐輪機器販売等)・ストック(自営駐輪場利用料収入、指定管理、受託等)別売上比率はフローが22%、ストックが78%となった。ストック型のビジネスモデルとなっている。
また2025年4月1日時点で同社グループの駐輪場管理台数は前年比16,049台増の560,066台、管理現場数は同95ヶ所増の2,057ヶ所となった。このうち「ECOPOOL」の管理台数は前期比24,204台増の128,669台、管理現場数は同76ヶ所増の380ヶ所となった。放置自転車削減に貢献するとして全国の自治体、鉄道会社、商業施設などに幅広く支持され、電磁ロック式駐輪場設置台数として国内最大級を誇っている。直近の自治体案件事例としては、2022年4月に4自治体(新宿区、板橋区、品川区、川崎市)において駐輪場管理運営事業者に選定され、合計246ヶ所・約58,000台の駐輪場管理運営を開始した。また2025年4月には海老名市において駐輪場管理運営事業者に選定され、3,138台の駐輪場管理運営を開始した。
なお同社は、コロナ禍によってパーキングシステム事業の収益が一時的に落ち込んだことも背景として、パーキングシステム事業の一段の収益力向上に向けたBPRを推進している。具体的には、工事等周辺業務の内製化(駐輪機器設置工事・周辺工事をNCDプロスに集約)のほか、キャッシュレス決済の導入、利用料金体系の適正化(料金改定)や低採算の指定管理案件からの撤退、新たな販路開拓(ゼネコン・デベロッパー・設計事務所等)などを推進している。
IT関連事業、パーキングシステム事業とも拡大基調
6. セグメント別推移
過去5期(2021年3月期~2025年3月期)のセグメント別売上高(外部顧客への売上高)と構成比、セグメント別利益(全社費用等調整前営業利益)と構成比及びセグメント別利益率(同)の推移は以下のとおりである。
2025年3月期の売上高はシステム開発事業が12,699百万円(構成比42.2%)、サポート&サービス事業が9,409百万円(同31.3%)、パーキングシステム事業が7,975百万円(同26.5%)となった。売上高は各事業とも拡大基調である。パーキングシステム事業は2021年3月期にコロナ禍の影響を受けたが、2024年3月期にはコロナ禍前を上回る水準に回復し、2025年3月期はさらに拡大した。売上高構成比はコロナ禍の時期を除けばおおむねシステム開発事業が4割、サポート&サービス事業が3割、パーキングシステム事業が3割弱で推移している。
2025年3月期のセグメント利益はシステム開発事業が1,867百万円(構成比39.8%)、サポート&サービス事業が1,029百万円(同21.9%)、パーキングシステム事業が1,786百万円(同38.1%)となった。セグメント利益は各事業とも拡大基調である。特にパーキングシステム事業のセグメント利益が急拡大し、構成比も上昇している。セグメント利益率はシステム開発事業が14.7%、サポート&サービス事業が10.9%、パーキングシステム事業が22.4%となった。システム開発事業は個別案件の採算によって変動する可能性があるもののおおむね10%台前半、保守・運用が中心のサポート&サービス事業はおおむね10%近辺で推移している。パーキングシステム事業は売上高の拡大とともに、工事等周辺業務の内製化、自営駐輪場を中心とする料金改定、低採算の指定管理案件からの撤退など、収益構造改革に向けた取り組みの成果で2025年3月期は20%台に上昇した。
IT関連事業はプロジェクト管理・品質管理を徹底、パーキングシステム事業はBPR推進
7. リスク要因・収益特性と課題・対策
IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)における一般的なリスク要因として、個別案件ごとの採算性によって利益が変動する可能性がある。この対策として同社は、プロジェクト管理・品質管理を徹底して不採算化防止・採算維持に取り組んでいる。また、システム開発事業は開発後の保守・運用サービス拡大によって、サポート&サービス事業は継続案件の積み上げにより、いずれもストック売上が拡大しているため安定した収益構造となっている。パーキングシステム事業はコロナ禍の影響で一時的に収益が落ち込んだが、管理現場数・管理台数の積み上げによって駐輪場利用料収入を中心とするストック売上が主力となり、収益性向上に向けたBPRを推進している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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