注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:2025年は自動車株と金融株が東京市場をけん引か
配信日時:2024/12/28 13:13
配信元:FISCO
*13:13JST 国内株式市場見通し:2025年は自動車株と金融株が東京市場をけん引か
■先物主導と見られる上昇で約5カ月ぶりに40000円台回復
今週の日経平均は週間で1579.26円高(+4.08%)の40281.16円と上昇。欧米市場がクリスマスに伴う休場のなか、ホンダ<7267>と日産自<7201>との経営統合協議の開始発表のほか、トヨタ自<7203>がROE目標を従来比2倍の20%に引き上げると伝わったことなどから、自動車株に物色が向かった。また、百貨店の好決算や、ニデック<6594>が工作機械大手の牧野フライス<6135>に同意なきTOBを実施するなど売買材料が豊富だったこともあり、年末にもかかわらず商いは活況。週末にかけては、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>など半導体株や、ファーストリテ<9983>といった日経平均インパクトの大きい銘柄が買われ、先物主導のような相場展開となり日経平均は一段高。終値ベースでは7月19日以来となる40000円台乗せとなった。
12月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を4421億円売り越したほか、TOPIX先物を2347億円買い越し、225先物は2561億円売り越したことから、合計4635億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を1317億円買い越すなど合計で1374億円買い越し。自己は現物を2035億円買い越したほか、事業法人は現物を1809億円買い越し、25週連続での買い越しとなった。
■長い年末年始休暇では為替の急動意に警戒
27日の米国株式市場は下落。ダウ平均は333.59ドル安の42992.21ドル、ナスダックは298.33ポイント安の19722.03で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比90円安の40230円で取引を終えた。
大発会が1月6日となるため、例年よりも長い年末年始となるが、東京市場が休場となるこの期間に為替が大きく動くとの声は多い。休場のため参加者が少なく薄商いとなるほか、政府機関が休みのため政府・日本銀行による為替介入が実施しにくいことなどが理由として聞かれる。実際、2019年1月3日早朝には、アップル株の急落に伴いリスク回避の円買いドル売りが加速し、5分ほどで4円も急騰する場面が見られた。また、毎年恒例ではあるが、大発会以降の東京市場では、政府要人の年頭の挨拶や各メディアの特集記事なども材料視される可能性がある。大発会週の10日には1月限オプション特別清算指数(SQ値)が算出されるほか、米国では12月の雇用統計が発表される。日経平均が約5カ月ぶりの高値圏で推移しているなか、忙しい年明け相場となりそうだ。
■2025年はTOPIX優位の展開か
2025年は石破政権が掲げる「防衛」「地方創生」のほか、そろそろ近づきつつある「脱デフレ」に伴う内需関連など様々な投資テーマが挙げられるが、まずは1月20日に就任を迎えるトランプ米次期大統領の言動に注目が集まろう。2016年の1期目とは異なり、2期目の今回は任期が4年間と限られていることから、スタートからエンジン全開で政策を推し進める公算が大きい。既に、中国やカナダ、メキシコなどへの関税引き上げをSNSで公表しており、それなりの貿易摩擦が発生することは織り込み済みだ。一部試算では、関税引き上げによって自動車や食品加工業、電子・電機産業の輸出減が影響し、メキシコ、カナダ、中国のGDP押し下げ要因となり、世界全体では0.3%の押し下げとなるとのこと。
一方、日本はこれらの国に代わって米国への輸出が伸びる可能性があるため、GDPが0.2%ほど押し上げられるとの見方だ。カナダやメキシコに対する日本企業の輸出減少の可能性もあることで、日本への影響はトントンとなるかもしれないが、2024年にさえなかった自動車株が2025年の東京市場をけん引する可能性はある。
また、金融株の動向にも注目だ。1月の利上げ実施見通しは低下したが、日銀がいずれ利上げを実施するという見方は依然として強いことから、メガバンクや地銀、保険などは関心が向かいやすいと考える。時価総額が大きい金融株や自動車株が買われる相場展開となれば、値がさ半導体株がけん引した2024年とは異なり、2025年はTOPIXが想定的に強い地合いとなるかもしれない。
■1月10日に米雇用統計発表
来週から翌週にかけて、日本では、1月7日に12月マネタリーベース、8日に12月消費者態度指数、9日に11月毎月勤労統計などが予定されている。
海外では、12月30日に米・12月シカゴ購買部協会景気指数、11月中古住宅販売成約指数、31日に中・12月製造業PMI、サービス業PMI、米・10月S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、1月2日にトルコ・12月製造業PMI、欧・12月ユーロ圏製造業PMI(確報)、米・週次新規失業保険申請件数、12月製造業PMI(確報値)、週次原油在庫、3日に米・12月ISM製造業景気指数、6日に中・12月財新コンポジットPMI、財新サービス業PMI、独・12月消費者物価指数(速報)、米・12月サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、11月製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、7日に英・12月建設業PMI、欧・12月ユーロ圏消費者物価指数(概算値速報)、11月ユーロ圏失業率、米・11月貿易収支、JOLTS求人件数、12月ISM非製造業景気指数、8日に豪・11月消費者物価指数、米・12月ADP雇用者数、週次原油在庫、12月FOMC議事録、9日に週次新規失業保険申請件数、10日に米・12月雇用統計、1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。
<FA>
今週の日経平均は週間で1579.26円高(+4.08%)の40281.16円と上昇。欧米市場がクリスマスに伴う休場のなか、ホンダ<7267>と日産自<7201>との経営統合協議の開始発表のほか、トヨタ自<7203>がROE目標を従来比2倍の20%に引き上げると伝わったことなどから、自動車株に物色が向かった。また、百貨店の好決算や、ニデック<6594>が工作機械大手の牧野フライス<6135>に同意なきTOBを実施するなど売買材料が豊富だったこともあり、年末にもかかわらず商いは活況。週末にかけては、アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>など半導体株や、ファーストリテ<9983>といった日経平均インパクトの大きい銘柄が買われ、先物主導のような相場展開となり日経平均は一段高。終値ベースでは7月19日以来となる40000円台乗せとなった。
12月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を4421億円売り越したほか、TOPIX先物を2347億円買い越し、225先物は2561億円売り越したことから、合計4635億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を1317億円買い越すなど合計で1374億円買い越し。自己は現物を2035億円買い越したほか、事業法人は現物を1809億円買い越し、25週連続での買い越しとなった。
■長い年末年始休暇では為替の急動意に警戒
27日の米国株式市場は下落。ダウ平均は333.59ドル安の42992.21ドル、ナスダックは298.33ポイント安の19722.03で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比90円安の40230円で取引を終えた。
大発会が1月6日となるため、例年よりも長い年末年始となるが、東京市場が休場となるこの期間に為替が大きく動くとの声は多い。休場のため参加者が少なく薄商いとなるほか、政府機関が休みのため政府・日本銀行による為替介入が実施しにくいことなどが理由として聞かれる。実際、2019年1月3日早朝には、アップル株の急落に伴いリスク回避の円買いドル売りが加速し、5分ほどで4円も急騰する場面が見られた。また、毎年恒例ではあるが、大発会以降の東京市場では、政府要人の年頭の挨拶や各メディアの特集記事なども材料視される可能性がある。大発会週の10日には1月限オプション特別清算指数(SQ値)が算出されるほか、米国では12月の雇用統計が発表される。日経平均が約5カ月ぶりの高値圏で推移しているなか、忙しい年明け相場となりそうだ。
■2025年はTOPIX優位の展開か
2025年は石破政権が掲げる「防衛」「地方創生」のほか、そろそろ近づきつつある「脱デフレ」に伴う内需関連など様々な投資テーマが挙げられるが、まずは1月20日に就任を迎えるトランプ米次期大統領の言動に注目が集まろう。2016年の1期目とは異なり、2期目の今回は任期が4年間と限られていることから、スタートからエンジン全開で政策を推し進める公算が大きい。既に、中国やカナダ、メキシコなどへの関税引き上げをSNSで公表しており、それなりの貿易摩擦が発生することは織り込み済みだ。一部試算では、関税引き上げによって自動車や食品加工業、電子・電機産業の輸出減が影響し、メキシコ、カナダ、中国のGDP押し下げ要因となり、世界全体では0.3%の押し下げとなるとのこと。
一方、日本はこれらの国に代わって米国への輸出が伸びる可能性があるため、GDPが0.2%ほど押し上げられるとの見方だ。カナダやメキシコに対する日本企業の輸出減少の可能性もあることで、日本への影響はトントンとなるかもしれないが、2024年にさえなかった自動車株が2025年の東京市場をけん引する可能性はある。
また、金融株の動向にも注目だ。1月の利上げ実施見通しは低下したが、日銀がいずれ利上げを実施するという見方は依然として強いことから、メガバンクや地銀、保険などは関心が向かいやすいと考える。時価総額が大きい金融株や自動車株が買われる相場展開となれば、値がさ半導体株がけん引した2024年とは異なり、2025年はTOPIXが想定的に強い地合いとなるかもしれない。
■1月10日に米雇用統計発表
来週から翌週にかけて、日本では、1月7日に12月マネタリーベース、8日に12月消費者態度指数、9日に11月毎月勤労統計などが予定されている。
海外では、12月30日に米・12月シカゴ購買部協会景気指数、11月中古住宅販売成約指数、31日に中・12月製造業PMI、サービス業PMI、米・10月S&Pケースシラー住宅価格(20都市)、1月2日にトルコ・12月製造業PMI、欧・12月ユーロ圏製造業PMI(確報)、米・週次新規失業保険申請件数、12月製造業PMI(確報値)、週次原油在庫、3日に米・12月ISM製造業景気指数、6日に中・12月財新コンポジットPMI、財新サービス業PMI、独・12月消費者物価指数(速報)、米・12月サービス業PMI(確報値)、コンポジットPMI(確報値)、11月製造業新規受注、耐久財受注(確報値)、7日に英・12月建設業PMI、欧・12月ユーロ圏消費者物価指数(概算値速報)、11月ユーロ圏失業率、米・11月貿易収支、JOLTS求人件数、12月ISM非製造業景気指数、8日に豪・11月消費者物価指数、米・12月ADP雇用者数、週次原油在庫、12月FOMC議事録、9日に週次新規失業保険申請件数、10日に米・12月雇用統計、1月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。
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