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カラダノート Research Memo(5):2024年7月期は黒字化達成(2)
配信日時:2024/11/26 16:15
配信元:FISCO
*16:15JST カラダノート Research Memo(5):2024年7月期は黒字化達成(2)
■カラダノート<4014>の業績推移
2. 事業別業績
(1) 家族サポート事業
家族サポート事業の2024年7月期末契約者数は、14,212人と前期末比5,505人増加した。期初計画では目標を18,600人に掲げたが達成には至らなかった。契約者数が保険代理事業と宅配水事業で構成されていることから、当初は契約者の獲得効率を重視し、契約リードタイムが長い保険代理事業よりも宅配水事業に注力した。しかし、収益性を重視してインサイドセールス部門の人員を削減したこともあり、規模の拡大よりも既存顧客へのクロスセルを重視する方針に変更したことが計画未達の要因と考えられる。保険代理事業についても、収益力向上に向けて、新規契約獲得による規模拡大路線から、収益性を重視したビジネスモデルである保険会社との協業を進める方向に方針を転換した。
2024年7月期第4四半期の保険代理事業と宅配水事業を合算したARPU※は、期初計画では6,500円を見込んでいたが、結果は5,283円と計画未達となった。四半期毎の推移としては、2024年7月期第1四半期から低減を続けているが、これは保険代理事業のビジネスモデルに起因する。保険代理店手数料は、契約初年度の成約手数料が高く次年度以降は少額となるL字型であるため、契約者数が増加するにつれてARPUが低下する傾向にある。また、宅配水事業について、顧客増加により構成比が高まり、ARPUは月4,000円前後と保険代理事業に比べて低いことから、全体のARPUが低下した。ARPU増加に向けて、既存顧客へのクロスセル等によって顧客1人当たりの売上高を増加させるなど、対策が必要と考えられる。
※ ARPU:Average Revenue Per Userの略。顧客1人当たりの平均売上高。
解約率については、第4四半期で1.03%と前年同期より0.25ポイント低減し、改善を見せた。要因は、期中を通じてインサイドセールス部門でのCS(顧客満足度)対策を強化したことで、四半期を通して安定した数字を残した。契約数の増加と併せて解約率が低位に推移したことで、ストック型ビジネスとしての安定性を増した。
売上総利益LTV※1/CAC※2についてはおおむね3倍前後で推移し、特に後半は3.2倍と安定した実績を残した。各四半期の平均値は、2023年7月期が2.53倍であったが、2024年7月期は平均2.98倍と向上が見られる。インサイドセールス部門の再編・強化により収益性が改善し、CACが低位に安定したことが要因と考えられる。
※1 売上総利益LTV:LTVはLife Time Value(顧客生涯価値)の略であり、LTVから直接コストを引いたもの。通常は解約率を基に継続期間を算出するが、保守的に保険7年間、宅配水5年間を継続期間として算定。
※2 CAC:Customer Acquisition Costの略で、「顧客獲得単価」を指す。
(2) ライフイベントマーケティング事業
フロー型ビジネスであるライフイベントマーケティング事業においては、住宅領域で他社との提携を進めた結果、提携企業数は2024年7月期末時点で195社と前期末比48社増加した。並行して、送客による手数料課金について、住宅展示場訪問を対象に含む内容に契約変更する提案を推進した。提案を受け入れた提携企業に関しては、住宅展示場での顧客との面談を優先的に進め、住宅検討顧客面談数は2024年7月期末において累計1,868件となった。住宅展示場に足を運ぶ顧客は住宅建築のニーズがかなり具体化しているものと一般的には考えられるため、提携企業では他社に先行して顧客獲得の機会を得て成約の可能性を高めることができる。一方同社では手数料収入が増えるため、相互利益を実現する協力関係が強化され、今後も有効な手段になると弊社では見ている。
同社は住宅領域における顧客単価を高めるため、これまでの送客手数料方式から住宅建築着工による成果型報酬方式への転換を進めている。しかし、顧客の住宅メーカーへの引き合わせやサポートを担当する家族コンシェルジュが不足しており、要員追加コストが先行し、伸び悩みを見せたため、並行して住宅展示場訪問手数料の課金を推進した。今後は成果型報酬方式と住宅展示場訪問手数料課金方式の双方を主力として収益強化を図る考えだ。
2023年9月に(一社)日本住宅保全協会との業務提携を開始し、同社サービス「かぞくのおうち」の利用者が、住宅建築を検討する際の購入資金準備や工務店・ハウスメーカー選定のアドバイスを受けられるほか、同協会の持つ住宅メンテナンスに関するノウハウをサービスに活用できるようになったことで、利用者の利便性が増し、顧客価値向上に寄与している。
ヘアケア・衛生用品関連商材への送客については、2023年7月期の好調さは一服したものの、2024年7月期においても収益率が改善し、業績向上に貢献した。
(3) 家族パートナーシップ事業
大企業向けにマーケティング支援を行っている家族パートナーシップ事業においては、複数の大手保険会社や保険代理店との間でPoC案件を実施し、収益拡大に寄与した。具体的には2023年6月にあいおいニッセイ同和損害保険(株)と業務提携し、保険商品や関連サービスの提供に向けた共同研究等を行った。また他の保険会社とは、セールスレディの生産性向上に向けたDX支援や、同社の持つ顧客データ提供を通した支援としてPoCを行った。保険代理店とは、有店舗型の代理店に対する店舗間連携に向けたDX支援や顧客データ提供をPoCとして行った。これまでの実績からDX支援は同社の得意とする領域であるほか、保有するファミリーDBのデータ提供が提携企業に大きな付加価値をもたらしていると考えられる。これまでのPoC実施の成果として、現在複数の保険会社と取り組み内容拡大に関する検討が進んでおり、今後の業績面のプラス材料になることが期待される。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
2. 事業別業績
(1) 家族サポート事業
家族サポート事業の2024年7月期末契約者数は、14,212人と前期末比5,505人増加した。期初計画では目標を18,600人に掲げたが達成には至らなかった。契約者数が保険代理事業と宅配水事業で構成されていることから、当初は契約者の獲得効率を重視し、契約リードタイムが長い保険代理事業よりも宅配水事業に注力した。しかし、収益性を重視してインサイドセールス部門の人員を削減したこともあり、規模の拡大よりも既存顧客へのクロスセルを重視する方針に変更したことが計画未達の要因と考えられる。保険代理事業についても、収益力向上に向けて、新規契約獲得による規模拡大路線から、収益性を重視したビジネスモデルである保険会社との協業を進める方向に方針を転換した。
2024年7月期第4四半期の保険代理事業と宅配水事業を合算したARPU※は、期初計画では6,500円を見込んでいたが、結果は5,283円と計画未達となった。四半期毎の推移としては、2024年7月期第1四半期から低減を続けているが、これは保険代理事業のビジネスモデルに起因する。保険代理店手数料は、契約初年度の成約手数料が高く次年度以降は少額となるL字型であるため、契約者数が増加するにつれてARPUが低下する傾向にある。また、宅配水事業について、顧客増加により構成比が高まり、ARPUは月4,000円前後と保険代理事業に比べて低いことから、全体のARPUが低下した。ARPU増加に向けて、既存顧客へのクロスセル等によって顧客1人当たりの売上高を増加させるなど、対策が必要と考えられる。
※ ARPU:Average Revenue Per Userの略。顧客1人当たりの平均売上高。
解約率については、第4四半期で1.03%と前年同期より0.25ポイント低減し、改善を見せた。要因は、期中を通じてインサイドセールス部門でのCS(顧客満足度)対策を強化したことで、四半期を通して安定した数字を残した。契約数の増加と併せて解約率が低位に推移したことで、ストック型ビジネスとしての安定性を増した。
売上総利益LTV※1/CAC※2についてはおおむね3倍前後で推移し、特に後半は3.2倍と安定した実績を残した。各四半期の平均値は、2023年7月期が2.53倍であったが、2024年7月期は平均2.98倍と向上が見られる。インサイドセールス部門の再編・強化により収益性が改善し、CACが低位に安定したことが要因と考えられる。
※1 売上総利益LTV:LTVはLife Time Value(顧客生涯価値)の略であり、LTVから直接コストを引いたもの。通常は解約率を基に継続期間を算出するが、保守的に保険7年間、宅配水5年間を継続期間として算定。
※2 CAC:Customer Acquisition Costの略で、「顧客獲得単価」を指す。
(2) ライフイベントマーケティング事業
フロー型ビジネスであるライフイベントマーケティング事業においては、住宅領域で他社との提携を進めた結果、提携企業数は2024年7月期末時点で195社と前期末比48社増加した。並行して、送客による手数料課金について、住宅展示場訪問を対象に含む内容に契約変更する提案を推進した。提案を受け入れた提携企業に関しては、住宅展示場での顧客との面談を優先的に進め、住宅検討顧客面談数は2024年7月期末において累計1,868件となった。住宅展示場に足を運ぶ顧客は住宅建築のニーズがかなり具体化しているものと一般的には考えられるため、提携企業では他社に先行して顧客獲得の機会を得て成約の可能性を高めることができる。一方同社では手数料収入が増えるため、相互利益を実現する協力関係が強化され、今後も有効な手段になると弊社では見ている。
同社は住宅領域における顧客単価を高めるため、これまでの送客手数料方式から住宅建築着工による成果型報酬方式への転換を進めている。しかし、顧客の住宅メーカーへの引き合わせやサポートを担当する家族コンシェルジュが不足しており、要員追加コストが先行し、伸び悩みを見せたため、並行して住宅展示場訪問手数料の課金を推進した。今後は成果型報酬方式と住宅展示場訪問手数料課金方式の双方を主力として収益強化を図る考えだ。
2023年9月に(一社)日本住宅保全協会との業務提携を開始し、同社サービス「かぞくのおうち」の利用者が、住宅建築を検討する際の購入資金準備や工務店・ハウスメーカー選定のアドバイスを受けられるほか、同協会の持つ住宅メンテナンスに関するノウハウをサービスに活用できるようになったことで、利用者の利便性が増し、顧客価値向上に寄与している。
ヘアケア・衛生用品関連商材への送客については、2023年7月期の好調さは一服したものの、2024年7月期においても収益率が改善し、業績向上に貢献した。
(3) 家族パートナーシップ事業
大企業向けにマーケティング支援を行っている家族パートナーシップ事業においては、複数の大手保険会社や保険代理店との間でPoC案件を実施し、収益拡大に寄与した。具体的には2023年6月にあいおいニッセイ同和損害保険(株)と業務提携し、保険商品や関連サービスの提供に向けた共同研究等を行った。また他の保険会社とは、セールスレディの生産性向上に向けたDX支援や、同社の持つ顧客データ提供を通した支援としてPoCを行った。保険代理店とは、有店舗型の代理店に対する店舗間連携に向けたDX支援や顧客データ提供をPoCとして行った。これまでの実績からDX支援は同社の得意とする領域であるほか、保有するファミリーDBのデータ提供が提携企業に大きな付加価値をもたらしていると考えられる。これまでのPoC実施の成果として、現在複数の保険会社と取り組み内容拡大に関する検討が進んでおり、今後の業績面のプラス材料になることが期待される。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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