注目トピックス 日本株
セレコーポレーション Research Memo(7):物件引き渡しは下期に集中、第3四半期以降の業績寄与に期待(2)
配信日時:2024/11/21 16:07
配信元:FISCO
*16:07JST セレコーポレーション Research Memo(7):物件引き渡しは下期に集中、第3四半期以降の業績寄与に期待(2)
■セレコーポレーション<5078>の今後の見通し
(2) 賃貸開発事業
売上高は5,868百万円(前期比16.2%増)、セグメント利益は698百万円(同6.9%減)を見込んでいる。具体的な重点施策は以下のとおりである。
a) スタートアップ事業から安定的成長事業へ
賃貸開発事業では、売上高50億円の突破を契機に、スタートアップ事業から安定的成長事業への進化を目指す。これまでの取り組みとしては、開発用事業推進フローの確立(設計課創設)を行い、請負受注用の仕様を準用した商品提供と開発専用の仕様を確立し商品化を行った。また、体制確立に向けた人員の増強を進めたほか、用地選定基準を厳格化し、「城南・城西エリア」「駅徒歩5分圏」「200m2以上」「角地」に選定基準を絞り込んだ。2025年2月期中間期末までの進捗としては、積極的な販売活動が功を奏し、供給物件のすべてが引き渡し済みである。今期供給された物件の角地割合は100%であり、安定した販売実績が確保されている。また、今期仕入物件の角地割合も100%であり、城南・城西エリアを中心とした駅徒歩6分以内の角地という用地選定基準が遵守されており、次年度の売上物件の確保も計画どおり進んでいる。このようなスタートアップ事業からの安定的成長への移行は、同社の安定した事業基盤を強化するものである。
b) 安定的成長を目指した取引先との連携強化
今後の取り組みとしては、安定的成長を目指した取引先との連携強化に注力する。選択と集中により供給する商品が確定したため、完成ごとに入居者の反応を確認し、必要に応じて修正を加える。また、用地選定基準に適合した仕入れをより徹底し、安定的に用地選定基準に合う土地を仕入れるために取引先との連携を強化し、建築条件付き土地売買による資金回転率の向上を図る。そして、富裕層向け物件に特化した商品の提供と早期販売のために取引先との連携を強化する。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、上期に竣工した3つの現場では完成見学会が実施され、購入検討者来場6件、仲介会社来場81件と関心を集め、購入検討来場者より成約実績を積み上げている。特に、既存取引業者とのリピート契約や新規取引業者との実績の積み重ねにより、販売案件の安定的な入手に向けた関係構築が進展している。足元の仕入状況は来期の販売分を確保できるくらい順調な進捗であり、取引先への用地選定基準の浸透も進んでいることから、安定仕入に向けて今まで以上に情報を確保できる仕組みが整備されていると見受けられる。
(3) 賃貸経営事業
売上高は10,124百万円(前期比8.6%増)、セグメント利益は1,101百万円(同0.1%増)を見込んでいる。具体的な重点施策は以下のとおりである。
a) 自社管理受託率の積極的な改善
受託営業を自社新築物件に集中させるとともに、アセットマネジメントカンパニーと建築受注前の連携を密にし、計画提案段階から積極的に関与することで、建築受注及び管理受託の向上につなげる。具体的には、建築管理紹介が可能な業務提携先への管理紹介手数料の引き上げや、アセットマネジメントカンパニーと合同の促進キャンペーン等の実施により、潜在的な顧客の引き上げを図る。また、建築受注前の顧客同行訪問を強化することで、賃料査定時のプラン改善提案と併せ、外部のAI査定システムを活用した効率的かつ納得感のある高採算の事業提案を実施する。さらに、家賃設定の再点検と改善を行い、家賃アップによる「My Style vintage」の受注促進を図る。これらの施策により管理受託率の向上を実現する。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、建築受注前に管理担当者が積極的に同行訪問することで、建築受注と管理受託の双方の促進を進めている。さらに、建築紹介パートナー企業との協業によりオーナー向け合同セミナーを開催し、潜在顧客の引き上げに注力している。
b) オーナーサービスの強化(専従者の増員)
オーナー対応の担当者増員と、資産運用面の専門性が高い人財採用により、個別事案へのきめ細かい対応を強化する。リフォーム部門との連携を強化することで、10年目の管理契約更新と建物延長保証工事を紐付け、アパート経営目線での点検フロー構築(ハードとソフトの点検)と提案を実施し、オーナー満足度向上につなげる。また、管理戸数に応じて個別にステータスを付与したオーナーサービスにより、アパート経営に関する問題・課題に対する充実したサポートや、ステータスに応じた特典を提供することにより、管理戸数上位オーナーとのさらなる信頼関係を醸成するとともに、CRM機能の充実により同社のファンを形成し、リピート受注や管理解約防止へとつなげる。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、専従者の増員については採用を継続的に実施している。また、新たに設立されたリフォームカンパニーとの連携によりオーナー向けに大規模修繕のセミナーが企画されているほか、建物延長保証期間の20年から30年への見直しを実施しており、オーナー満足度の向上が期待される。
c) 取引業者との関係強化と業務品質のさらなる向上
賃貸仲介の業務委託先であるセレリーシングパートナーズ担当者向けに、商品知識向上によるリーシング強化を目的とした「セレマイスター勉強会」を定期的に開催する。業務品質のさらなる効果のほか、リーシング力強化+事業目的(ビジョン)共有+業務品質の向上効果が期待できる。外部コンサルティング業者を活用した建物管理品質の再検証と、退去リフォーム工事を中心とした業務品質の均一化、業務精度向上を目的とした業務マニュアルを整備する。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、協力業者との関係強化が進められており、特にリーシング力を強化するための「セレマイスター制」が導入されている。この制度により、商品知識の向上が図られ、高い入居率の維持に対する寄与が期待される。また、建物管理品質の向上を目的とした外部コンサルティング会社による再検証も実施済みであり、業務品質のさらなる向上が図られている。
d) オーナー及びゲスト向け商品見直しによる業務の生産性向上
オーナー向け建物管理サポートプラン(パッケージ商品)への切替促進により、オーナーが都度行う必要のあった承認・確認業務を削減し、対応スピードの向上を図りゲスト満足度向上につなげる。また、ゲスト向け商品(火災保険・家賃保証関連)のリニューアル(サービス内容の見直しと月額支払いへの変更)により、ゲストサービス強化と業務の生産性向上の両立を図る。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、オーナー向けサポートプランの切替は、キャンペーンの実施による促進を継続している。また、「My style vintage」商品専用の新たな管理メニューもリリースされているほか、ゲスト向けの商品リニューアルも年度内実施に向けた企画が完了しており、業務の生産性向上に寄与することが期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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(2) 賃貸開発事業
売上高は5,868百万円(前期比16.2%増)、セグメント利益は698百万円(同6.9%減)を見込んでいる。具体的な重点施策は以下のとおりである。
a) スタートアップ事業から安定的成長事業へ
賃貸開発事業では、売上高50億円の突破を契機に、スタートアップ事業から安定的成長事業への進化を目指す。これまでの取り組みとしては、開発用事業推進フローの確立(設計課創設)を行い、請負受注用の仕様を準用した商品提供と開発専用の仕様を確立し商品化を行った。また、体制確立に向けた人員の増強を進めたほか、用地選定基準を厳格化し、「城南・城西エリア」「駅徒歩5分圏」「200m2以上」「角地」に選定基準を絞り込んだ。2025年2月期中間期末までの進捗としては、積極的な販売活動が功を奏し、供給物件のすべてが引き渡し済みである。今期供給された物件の角地割合は100%であり、安定した販売実績が確保されている。また、今期仕入物件の角地割合も100%であり、城南・城西エリアを中心とした駅徒歩6分以内の角地という用地選定基準が遵守されており、次年度の売上物件の確保も計画どおり進んでいる。このようなスタートアップ事業からの安定的成長への移行は、同社の安定した事業基盤を強化するものである。
b) 安定的成長を目指した取引先との連携強化
今後の取り組みとしては、安定的成長を目指した取引先との連携強化に注力する。選択と集中により供給する商品が確定したため、完成ごとに入居者の反応を確認し、必要に応じて修正を加える。また、用地選定基準に適合した仕入れをより徹底し、安定的に用地選定基準に合う土地を仕入れるために取引先との連携を強化し、建築条件付き土地売買による資金回転率の向上を図る。そして、富裕層向け物件に特化した商品の提供と早期販売のために取引先との連携を強化する。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、上期に竣工した3つの現場では完成見学会が実施され、購入検討者来場6件、仲介会社来場81件と関心を集め、購入検討来場者より成約実績を積み上げている。特に、既存取引業者とのリピート契約や新規取引業者との実績の積み重ねにより、販売案件の安定的な入手に向けた関係構築が進展している。足元の仕入状況は来期の販売分を確保できるくらい順調な進捗であり、取引先への用地選定基準の浸透も進んでいることから、安定仕入に向けて今まで以上に情報を確保できる仕組みが整備されていると見受けられる。
(3) 賃貸経営事業
売上高は10,124百万円(前期比8.6%増)、セグメント利益は1,101百万円(同0.1%増)を見込んでいる。具体的な重点施策は以下のとおりである。
a) 自社管理受託率の積極的な改善
受託営業を自社新築物件に集中させるとともに、アセットマネジメントカンパニーと建築受注前の連携を密にし、計画提案段階から積極的に関与することで、建築受注及び管理受託の向上につなげる。具体的には、建築管理紹介が可能な業務提携先への管理紹介手数料の引き上げや、アセットマネジメントカンパニーと合同の促進キャンペーン等の実施により、潜在的な顧客の引き上げを図る。また、建築受注前の顧客同行訪問を強化することで、賃料査定時のプラン改善提案と併せ、外部のAI査定システムを活用した効率的かつ納得感のある高採算の事業提案を実施する。さらに、家賃設定の再点検と改善を行い、家賃アップによる「My Style vintage」の受注促進を図る。これらの施策により管理受託率の向上を実現する。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、建築受注前に管理担当者が積極的に同行訪問することで、建築受注と管理受託の双方の促進を進めている。さらに、建築紹介パートナー企業との協業によりオーナー向け合同セミナーを開催し、潜在顧客の引き上げに注力している。
b) オーナーサービスの強化(専従者の増員)
オーナー対応の担当者増員と、資産運用面の専門性が高い人財採用により、個別事案へのきめ細かい対応を強化する。リフォーム部門との連携を強化することで、10年目の管理契約更新と建物延長保証工事を紐付け、アパート経営目線での点検フロー構築(ハードとソフトの点検)と提案を実施し、オーナー満足度向上につなげる。また、管理戸数に応じて個別にステータスを付与したオーナーサービスにより、アパート経営に関する問題・課題に対する充実したサポートや、ステータスに応じた特典を提供することにより、管理戸数上位オーナーとのさらなる信頼関係を醸成するとともに、CRM機能の充実により同社のファンを形成し、リピート受注や管理解約防止へとつなげる。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、専従者の増員については採用を継続的に実施している。また、新たに設立されたリフォームカンパニーとの連携によりオーナー向けに大規模修繕のセミナーが企画されているほか、建物延長保証期間の20年から30年への見直しを実施しており、オーナー満足度の向上が期待される。
c) 取引業者との関係強化と業務品質のさらなる向上
賃貸仲介の業務委託先であるセレリーシングパートナーズ担当者向けに、商品知識向上によるリーシング強化を目的とした「セレマイスター勉強会」を定期的に開催する。業務品質のさらなる効果のほか、リーシング力強化+事業目的(ビジョン)共有+業務品質の向上効果が期待できる。外部コンサルティング業者を活用した建物管理品質の再検証と、退去リフォーム工事を中心とした業務品質の均一化、業務精度向上を目的とした業務マニュアルを整備する。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、協力業者との関係強化が進められており、特にリーシング力を強化するための「セレマイスター制」が導入されている。この制度により、商品知識の向上が図られ、高い入居率の維持に対する寄与が期待される。また、建物管理品質の向上を目的とした外部コンサルティング会社による再検証も実施済みであり、業務品質のさらなる向上が図られている。
d) オーナー及びゲスト向け商品見直しによる業務の生産性向上
オーナー向け建物管理サポートプラン(パッケージ商品)への切替促進により、オーナーが都度行う必要のあった承認・確認業務を削減し、対応スピードの向上を図りゲスト満足度向上につなげる。また、ゲスト向け商品(火災保険・家賃保証関連)のリニューアル(サービス内容の見直しと月額支払いへの変更)により、ゲストサービス強化と業務の生産性向上の両立を図る。
2025年2月期中間期末までの進捗としては、オーナー向けサポートプランの切替は、キャンペーンの実施による促進を継続している。また、「My style vintage」商品専用の新たな管理メニューもリリースされているほか、ゲスト向けの商品リニューアルも年度内実施に向けた企画が完了しており、業務の生産性向上に寄与することが期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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