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いちご Research Memo(3):2025年2月期中間期のストック収益は過去最高を更新見込み
配信日時:2024/10/25 11:03
配信元:FISCO
*11:03JST いちご Research Memo(3):2025年2月期中間期のストック収益は過去最高を更新見込み
■いちご<2337>の業績動向
1. 2025年2月期中間期の業績概要
2025年2月期中間期は、売上高が前年同期比37.0%増の36,295百万円、営業利益が同25.0%増の6,855百万円、ALL-IN営業利益が同31.6%減の9,446百万円、経常利益が同35.9%増の5,554百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同36.9%減の5,365百万円、キャッシュ純利益が同42.8%減の7,581百万円となった。重要指標としているALL-IN営業利益で減益となったものの、心築事業における物件の売却が下半期に集中することが要因であり、第1四半期の決算説明会でも、その旨が明かされていたことから想定内であり、計画どおりの順調な進捗と言える。同社では徹底したキャッシュ・フロー経営を掲げており、2020年2月期より多くの販売用不動産(減価償却が行われない)を固定資産(減価償却を行う)に振り替えて、減価償却の税効果を図りキャッシュ創出を果たしてきた。固定資産の売却益は特別利益に計上されるため、業績の実態を表す指標としてALL-IN営業利益(固定資産売却益を営業利益に戻し入れた値)を、また、現金支出のない減価償却費も加味した純利益としてキャッシュ純利益を経営指標に加えている。
主力の心築事業では、売上総利益で10,842百万円(前年同期比25.9%減、ALL-INベース)となった。内訳としては、ストック収益である不動産賃貸利益(減価償却後)は6,138百万円(同1,261百万円増、ALL-INベース)となり、同社独自ブランドホテルを主としたホテルの賃料が好調に推移したほか、ホテルオペレーター収益も拡大した。心築保有資産は133物件、簿価ベースで263,559百万円である。鑑定NOI(Net Operating Income:営業純利益)利回りでは6.1%となり、堅実に不動産価値の維持・向上を実現した。フロー収益である不動産譲渡利益は4,703百万円(同5,050百万円減、ALL-INベース)となった。レジデンス・トークン(第5号以降)に向けた売却などは下半期に集中する予定である。仕入れは、オフィスやレジデンスを中心に31,005百万円と十分取得できている。
アセットマネジメント事業は、売上総利益で1,263百万円(同1.2%減)となった。いちごホテルリートとレジデンス・トークンの運用資産が増加しフィー収益が好調だった一方で、いちごオフィスリートは運用報酬の料率引き下げにより減益となった(通期では前期並みに回復予想)。クリーンエネルギー事業は、前期末に稼働開始した発電所の売電収入が収益成長に貢献し、売上総利益で1,710百万円(同5.8%増)となった。
販管費は前年同期比17.8%増の4,371百万円、事業の拡大に併せた増員の影響が大きく、販管費率は12.0%と前年同期から2.0ポイント減少した。ストック収益(11,194百万円)が過去最高を記録する一方で、固定費(5,150百万円)を十二分にカバーできており、将来起こりうる景気低迷などにも準備ができている。
健全な財務基盤が強み。レジデンス物件取得等により将来収益の源泉も着実に確保
2. 財務状況と経営指標
2024年8月期末の総資産残高は前期末比18,541百万円増の385,556百万円となった。流動資産は8,749百万円増であり、レジデンスを中心とした物件取得により販売用不動産が16,959百万円増加したことが主な要因である。固定資産は9,791百万円増であり、投資有価証券の増加や有形固定資産の減少が影響した。
負債合計は前期末比16,758百万円増の267,492百万円となった。そのうち流動負債は20,221百万円減であり、固定負債は36,978百万円増となった。不動産の取得等に伴う借入金の増加16,453百万円が主な要因である。
経営指標では、流動比率(463.2%、200%以上が安全の目安)、固定長期適合率(62.7%、100%以下が安全の目安)など極めて安全性が高い。自己資本比率は27.6%だが、外部鑑定士が鑑定する鑑定評価額をベースとする不動産の含み益や同社に帰属しないリスクを控除した自己資本比率では41.8%とより高い数値になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 2025年2月期中間期の業績概要
2025年2月期中間期は、売上高が前年同期比37.0%増の36,295百万円、営業利益が同25.0%増の6,855百万円、ALL-IN営業利益が同31.6%減の9,446百万円、経常利益が同35.9%増の5,554百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同36.9%減の5,365百万円、キャッシュ純利益が同42.8%減の7,581百万円となった。重要指標としているALL-IN営業利益で減益となったものの、心築事業における物件の売却が下半期に集中することが要因であり、第1四半期の決算説明会でも、その旨が明かされていたことから想定内であり、計画どおりの順調な進捗と言える。同社では徹底したキャッシュ・フロー経営を掲げており、2020年2月期より多くの販売用不動産(減価償却が行われない)を固定資産(減価償却を行う)に振り替えて、減価償却の税効果を図りキャッシュ創出を果たしてきた。固定資産の売却益は特別利益に計上されるため、業績の実態を表す指標としてALL-IN営業利益(固定資産売却益を営業利益に戻し入れた値)を、また、現金支出のない減価償却費も加味した純利益としてキャッシュ純利益を経営指標に加えている。
主力の心築事業では、売上総利益で10,842百万円(前年同期比25.9%減、ALL-INベース)となった。内訳としては、ストック収益である不動産賃貸利益(減価償却後)は6,138百万円(同1,261百万円増、ALL-INベース)となり、同社独自ブランドホテルを主としたホテルの賃料が好調に推移したほか、ホテルオペレーター収益も拡大した。心築保有資産は133物件、簿価ベースで263,559百万円である。鑑定NOI(Net Operating Income:営業純利益)利回りでは6.1%となり、堅実に不動産価値の維持・向上を実現した。フロー収益である不動産譲渡利益は4,703百万円(同5,050百万円減、ALL-INベース)となった。レジデンス・トークン(第5号以降)に向けた売却などは下半期に集中する予定である。仕入れは、オフィスやレジデンスを中心に31,005百万円と十分取得できている。
アセットマネジメント事業は、売上総利益で1,263百万円(同1.2%減)となった。いちごホテルリートとレジデンス・トークンの運用資産が増加しフィー収益が好調だった一方で、いちごオフィスリートは運用報酬の料率引き下げにより減益となった(通期では前期並みに回復予想)。クリーンエネルギー事業は、前期末に稼働開始した発電所の売電収入が収益成長に貢献し、売上総利益で1,710百万円(同5.8%増)となった。
販管費は前年同期比17.8%増の4,371百万円、事業の拡大に併せた増員の影響が大きく、販管費率は12.0%と前年同期から2.0ポイント減少した。ストック収益(11,194百万円)が過去最高を記録する一方で、固定費(5,150百万円)を十二分にカバーできており、将来起こりうる景気低迷などにも準備ができている。
健全な財務基盤が強み。レジデンス物件取得等により将来収益の源泉も着実に確保
2. 財務状況と経営指標
2024年8月期末の総資産残高は前期末比18,541百万円増の385,556百万円となった。流動資産は8,749百万円増であり、レジデンスを中心とした物件取得により販売用不動産が16,959百万円増加したことが主な要因である。固定資産は9,791百万円増であり、投資有価証券の増加や有形固定資産の減少が影響した。
負債合計は前期末比16,758百万円増の267,492百万円となった。そのうち流動負債は20,221百万円減であり、固定負債は36,978百万円増となった。不動産の取得等に伴う借入金の増加16,453百万円が主な要因である。
経営指標では、流動比率(463.2%、200%以上が安全の目安)、固定長期適合率(62.7%、100%以下が安全の目安)など極めて安全性が高い。自己資本比率は27.6%だが、外部鑑定士が鑑定する鑑定評価額をベースとする不動産の含み益や同社に帰属しないリスクを控除した自己資本比率では41.8%とより高い数値になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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