注目トピックス 日本株
いちご Research Memo(1):2025年2月期中間期は、売上高が前年同期比37.0%増の36,295百万円に
配信日時:2024/10/25 11:01
配信元:FISCO
*11:01JST いちご Research Memo(1):2025年2月期中間期は、売上高が前年同期比37.0%増の36,295百万円に
■要約
いちご<2337>は、オフィス、商業施設、ホテル、レジデンスなど幅広いタイプの不動産を対象とし、不動産価値向上ノウハウを活用して投資・運用を行う心築(しんちく)を強みとしている。また同社は、不動産価値向上技術・ノウハウを軸にオフィス、ホテル、再生可能エネルギー発電施設の3つの投資法人を運用・管理するユニークな企業グループである。
1. 2025年2月期中間期の業績動向
2025年2月期第2四半期(中間期。以下同)は、売上高が前年同期比37.0%増の36,295百万円、営業利益が同25.0%増の6,855百万円、ALL-IN営業利益が同31.6%減の9,446百万円となった。重要指標であるALL-IN営業利益で減益となったものの、心築事業における物件の売却が下半期に集中することが要因であり、計画どおりの順調な進捗となった。アセットマネジメント事業は、いちごホテルリート投資法人(3463)、レジデンス・トークンの運用資産が増加しフィー収益が好調だった一方で、いちごオフィスリート投資法人(8975)は運用報酬料率引き下げにより減益となった(通期では前期並みに回復予想)。クリーンエネルギー事業は、前期末に稼働開始した発電所の売電収入が収益成長に貢献し、増収増益となった。
2. 2025年2月期の業績予想
2025年2月期通期の業績予想は、営業利益で前期比23.5%増の16,000百万円、ALL-IN営業利益で同13.2%増の24,000百万円とキャッシュ創出を拡大する計画である(期初予想どおり)。アセットマネジメント事業では、セキュリティ・トークンを活用した運用資産残高(AUM)の拡大による継続的なアセットマネジメントフィーの収受、継続した宿泊需要の拡大によるいちごホテルリートの収益成長が見込まれる。クリーンエネルギー事業では、前期末に稼働開始したいちごえびの末永ECO発電所が通期で利益貢献する。心築事業でも、宿泊需要の拡大によるホテルオペレーション収益や当社の強みである心築によりオフィス賃料収入が増加する予想だ。心築事業(賃貸)及びクリーンエネルギー事業は上期を終えた業績予想に対する進捗率が50%を超えており順調、アセットマネジメント事業及び心築事業(譲渡)においても目標達成の目途が立つ。好調なホテルやレジデンスに加え、同社が保有する中規模オフィスや商業施設は安定した需要があり、売買市場も良好であると弊社では考えている。
3. 中長期の成長戦略
同社では、いち早くセキュリティ・トークンに着目し「いちご・レジデンス・トークン」を発行し、実績を積み重ねている。組成時の不動産売却、5年を超える運用期間中のアセットマネジメントフィー等の収益機会となり、成長ドライバーとして存在感を増している。同社では2022年11月の第1号を皮切りに実績を積み、当上半期は第4号(2024年5月)を組成した。第5号案件(2024年10月組成)の投資対象不動産はいちごオーナーズが保有する東京23区内のレジデンスであり、市谷仲之町・文京小日向・駒場東大前・西新宿・清澄白河などの7物件(114億円)であり、いずれもいちごオーナーズが取得した物件である。
同社は、国際的なイニシアチブであるRE100に加盟し「2025年までに事業活動で消費する電力を、100%再生可能エネルギーに切り替える」という目標を定め取り組んできた。2024年8月末時点で、再生エネルギーへの切替が100%完了し、前倒しでのRE100を実質的に達成した。この達成には、同社のみならず、同社が運用するいちごオフィスリート・いちごホテルリートが保有する不動産も含んでいる。日本の事業会社におけるRE100の達成としてはトップ集団に入る。今後は達成率100%の状態を維持しつつ、正式な審査期間(半年〜1年)に入る。
4. 株主還元策
同社では、株主還元の経営目標として、原則として「減配なし、配当維持もしくは増配のみ」(累進的配当政策)を掲げ、過去12期連続で実践している。また、本年4月に株主資本配当率(DOE)を3%以上から4%以上に引き上げている。2025年2月期の配当金は、年間10.00円(1.00円増配)、配当性向31.2%を予想、2023年2月期の増配(前期7.00円から8.00円へ)から、3期連続での増配となる見込みである。これに加え、2018年2月期から2024年2月期まで7期連続で15億円から60億円の自社株買いを実施、進行期も第3四半期に60億円の自社株取得(2024年10月11日〜2025年4月30日、発行済み株式総数の3.9%)を発表した。強い財務基盤を持つ同社だけに、株式の市場価格によっては、今後も自社株購入による株主価値の向上が期待できる。
■Key Points
・2025年2月期中間期は、売上高が前年同期比37.0%増の36,295百万円
・2025年2月期は、ALL-IN営業利益ベースで240億円(前期比13.2%増)を予想。セキュリティ・トークンなどのフロー収益が下期に加速する予想
・RE100(再生エネルギー切替100%)を早期に達成
・2025年2月期は年10.00円配当(前期比1.00円増)、配当性向31.2%を予想
・自社株買い60億円(上限)も発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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いちご<2337>は、オフィス、商業施設、ホテル、レジデンスなど幅広いタイプの不動産を対象とし、不動産価値向上ノウハウを活用して投資・運用を行う心築(しんちく)を強みとしている。また同社は、不動産価値向上技術・ノウハウを軸にオフィス、ホテル、再生可能エネルギー発電施設の3つの投資法人を運用・管理するユニークな企業グループである。
1. 2025年2月期中間期の業績動向
2025年2月期第2四半期(中間期。以下同)は、売上高が前年同期比37.0%増の36,295百万円、営業利益が同25.0%増の6,855百万円、ALL-IN営業利益が同31.6%減の9,446百万円となった。重要指標であるALL-IN営業利益で減益となったものの、心築事業における物件の売却が下半期に集中することが要因であり、計画どおりの順調な進捗となった。アセットマネジメント事業は、いちごホテルリート投資法人(3463)、レジデンス・トークンの運用資産が増加しフィー収益が好調だった一方で、いちごオフィスリート投資法人(8975)は運用報酬料率引き下げにより減益となった(通期では前期並みに回復予想)。クリーンエネルギー事業は、前期末に稼働開始した発電所の売電収入が収益成長に貢献し、増収増益となった。
2. 2025年2月期の業績予想
2025年2月期通期の業績予想は、営業利益で前期比23.5%増の16,000百万円、ALL-IN営業利益で同13.2%増の24,000百万円とキャッシュ創出を拡大する計画である(期初予想どおり)。アセットマネジメント事業では、セキュリティ・トークンを活用した運用資産残高(AUM)の拡大による継続的なアセットマネジメントフィーの収受、継続した宿泊需要の拡大によるいちごホテルリートの収益成長が見込まれる。クリーンエネルギー事業では、前期末に稼働開始したいちごえびの末永ECO発電所が通期で利益貢献する。心築事業でも、宿泊需要の拡大によるホテルオペレーション収益や当社の強みである心築によりオフィス賃料収入が増加する予想だ。心築事業(賃貸)及びクリーンエネルギー事業は上期を終えた業績予想に対する進捗率が50%を超えており順調、アセットマネジメント事業及び心築事業(譲渡)においても目標達成の目途が立つ。好調なホテルやレジデンスに加え、同社が保有する中規模オフィスや商業施設は安定した需要があり、売買市場も良好であると弊社では考えている。
3. 中長期の成長戦略
同社では、いち早くセキュリティ・トークンに着目し「いちご・レジデンス・トークン」を発行し、実績を積み重ねている。組成時の不動産売却、5年を超える運用期間中のアセットマネジメントフィー等の収益機会となり、成長ドライバーとして存在感を増している。同社では2022年11月の第1号を皮切りに実績を積み、当上半期は第4号(2024年5月)を組成した。第5号案件(2024年10月組成)の投資対象不動産はいちごオーナーズが保有する東京23区内のレジデンスであり、市谷仲之町・文京小日向・駒場東大前・西新宿・清澄白河などの7物件(114億円)であり、いずれもいちごオーナーズが取得した物件である。
同社は、国際的なイニシアチブであるRE100に加盟し「2025年までに事業活動で消費する電力を、100%再生可能エネルギーに切り替える」という目標を定め取り組んできた。2024年8月末時点で、再生エネルギーへの切替が100%完了し、前倒しでのRE100を実質的に達成した。この達成には、同社のみならず、同社が運用するいちごオフィスリート・いちごホテルリートが保有する不動産も含んでいる。日本の事業会社におけるRE100の達成としてはトップ集団に入る。今後は達成率100%の状態を維持しつつ、正式な審査期間(半年〜1年)に入る。
4. 株主還元策
同社では、株主還元の経営目標として、原則として「減配なし、配当維持もしくは増配のみ」(累進的配当政策)を掲げ、過去12期連続で実践している。また、本年4月に株主資本配当率(DOE)を3%以上から4%以上に引き上げている。2025年2月期の配当金は、年間10.00円(1.00円増配)、配当性向31.2%を予想、2023年2月期の増配(前期7.00円から8.00円へ)から、3期連続での増配となる見込みである。これに加え、2018年2月期から2024年2月期まで7期連続で15億円から60億円の自社株買いを実施、進行期も第3四半期に60億円の自社株取得(2024年10月11日〜2025年4月30日、発行済み株式総数の3.9%)を発表した。強い財務基盤を持つ同社だけに、株式の市場価格によっては、今後も自社株購入による株主価値の向上が期待できる。
■Key Points
・2025年2月期中間期は、売上高が前年同期比37.0%増の36,295百万円
・2025年2月期は、ALL-IN営業利益ベースで240億円(前期比13.2%増)を予想。セキュリティ・トークンなどのフロー収益が下期に加速する予想
・RE100(再生エネルギー切替100%)を早期に達成
・2025年2月期は年10.00円配当(前期比1.00円増)、配当性向31.2%を予想
・自社株買い60億円(上限)も発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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