注目トピックス 日本株
安川電、レーザーテック◆今日のフィスコ注目銘柄◆
配信日時:2024/10/07 08:36
配信元:FISCO
*08:36JST 安川電、レーザーテック◆今日のフィスコ注目銘柄◆
安川電<6506>
2025年2月期業績予想の修正を発表。純利益を540億円から640億円に上方修正した。半導体・電子部品市場の立ち上がりが想定以上に緩やかであることに加え、中国市場全般の回復が想定より弱いことから、売上収益ならびに営業利益は前回予想より減少する見込み。一方で、関連会社投資に係る売却及び評価損益の計上もあることから、純利益を上方修正した。また、250万株(発行済み株数に対する割合(自社株除く) 0.95%)、125億円を上限に自社株買いを決議した。
レーザーテック<6920>
調整トレンドは継続しているが、25日線での攻防をみせてきている。下値の堅さが意識されてきており、パラボリックではSAR値を突破し、陽転シグナルを継続。25日線突破から75日線(28230円)辺りが次第に意識されてくることが期待されそうだ。また、一目均衡表では雲の下回って推移しているが、遅行スパンは実線の切り下がりによって、今週末にも上方転換シグナルを発生させてくる可能性がある。
<CS>
2025年2月期業績予想の修正を発表。純利益を540億円から640億円に上方修正した。半導体・電子部品市場の立ち上がりが想定以上に緩やかであることに加え、中国市場全般の回復が想定より弱いことから、売上収益ならびに営業利益は前回予想より減少する見込み。一方で、関連会社投資に係る売却及び評価損益の計上もあることから、純利益を上方修正した。また、250万株(発行済み株数に対する割合(自社株除く) 0.95%)、125億円を上限に自社株買いを決議した。
レーザーテック<6920>
調整トレンドは継続しているが、25日線での攻防をみせてきている。下値の堅さが意識されてきており、パラボリックではSAR値を突破し、陽転シグナルを継続。25日線突破から75日線(28230円)辺りが次第に意識されてくることが期待されそうだ。また、一目均衡表では雲の下回って推移しているが、遅行スパンは実線の切り下がりによって、今週末にも上方転換シグナルを発生させてくる可能性がある。
<CS>
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日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は反落、東エレクが1銘柄で約27円分押し下げ
*12:35JST 日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は反落、東エレクが1銘柄で約27円分押し下げ
29日前引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり73銘柄、値下がり149銘柄、変わらず3銘柄となった。日経平均は反落。前日比156.05円安(-0.41%)の38193.01円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えている。昨晩の米国市場は感謝祭の祝日のため休場。為替市場は、主要通貨の為替取引は動意薄の状態が続いた。ドル・円は上げ渋り。一時151円77銭まで買われた後、151円41銭まで下落し、151円50銭で取引終了。米国市場は休場だったものの、為替が1ドル150円台と円高ドル安進行を受けて、東京市場は売り優勢で取引を開始。朝方に発表された東京都区部消費者物価指数が市場予想を上振れたことで日本銀行による利上げ観測が強まり、1カ月ぶりに1ドル149円台に突入する場面が見られた。日経平均は前日比マイナスでスタートした後は、為替の一段の円高推移を材料に一時38000円を割り込む場面も見られた。日経平均採用銘柄では、EMC不正が一部で報じられたことからファナック<6954>が下落したほか、円高推移を受けて、日産自<7201>、いすゞ自<7202>、トヨタ自<7203>、三菱自<7211>など自動車関連が売られた。このほか、SUMCO<3436>、ディスコ<6146>、キッコーマン<2801>、オークマ<6103>、住友ファーマ<4506>、レゾナック<4004>などが下落した。一方、円高加速を受けて、ニトリHD<9843>、サッポロHD<2501>、東邦ガス<9533>、大阪ガス<9532>など円高メリット銘柄が上昇したほか、日銀による利上げ観測が強まったことから、千葉銀行<8331>、しずおかFG<5831>、第一生命HD<8750>、SOMPOホールディングス<8630>、りそなHD<8308>、コンコルディア<7186>、みずほ<8411>など金融株の上げが目立った。このほか、古河電工<5801>、鹿島建設<1812>、AGC<5201>などが買われた。業種別では、輸送用機器、機械、精密機器、卸売、石油・石炭などが下落した一方、電気・ガス、繊維、空運、銀行、保険などが上昇した。値下がり寄与トップは東エレク<8035>となり1銘柄で日経平均を約27円押し下げた。同2位はファナック<6954>となり、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、ディスコ<6146>、キッコーマン<2801>、トヨタ<7203>などがつづいた。一方、値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>となり1銘柄で日経平均を約12円押し上げた。同2位はニトリHD<9843>となり、NTTデータG<9613>、リクルートHD<6098>、富士フイルム<4901>、第一三共<4568>、住友不<8830>などがつづいた。*11:30現在日経平均株価 38193.01(-156.05)値上がり銘柄数 73(寄与度+71.72)値下がり銘柄数 149(寄与度-227.77)変わらず銘柄数 3○値上がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<6857> アドバンテ 8259 49 12.89<9843> ニトリHD 19265 465 7.64<9613> NTTデータG 2873 46 7.56<6098> リクルートHD 10285 45 4.44<4901> 富士フイルム 3372 32 3.16<4568> 第一三共 4746 29 2.86<8830> 住友不動産 4650 77 2.53<4519> 中外製薬 6634 22 2.17<4578> 大塚HD 8754 66 2.17<9984> ソフトバンクG 9057 9 1.78<9766> コナミG 14730 45 1.48<6762> TDK 1920 3 1.23<8630> SOMPO 3949 61 1.20<6702> 富士通 2866 35 1.13<8331> 千葉銀行 1233 33 1.07<5831> しずおかFG 1329 32 1.05<9201> 日本航空 2509 28 0.90<4324> 電通グループ 3810 25 0.82<1802> 大林組 2132 25 0.81<4307> 野村総合研究所 4583 24 0.79○値下がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<8035> 東エレク 23465 -275 -27.13<6954> ファナック 3831 -104 -17.10<9983> ファーストリテ 50990 -110 -9.77<4543> テルモ 3046 -34 -8.94<6146> ディスコ 40440 -1330 -8.75<2801> キッコーマン 1641 -53 -8.71<7203> トヨタ自動車 2556 -51.5 -8.47<9433> KDDI 4944 -37 -7.30<4063> 信越化 5511 -44 -7.23<6902> デンソー 2114 -52.5 -6.91<7832> バンナムHD 3153 -65 -6.41<6988> 日東電工 2363 -32.5 -5.34<6273> SMC 63780 -1520 -5.00<6367> ダイキン工業 18005 -150 -4.93<6758> ソニーG 3037 -21 -3.45<8058> 三菱商事 2514 -34 -3.35<7733> オリンパス 2358 -24.5 -3.22<8031> 三井物産 3137 -47 -3.09<6971> 京セラ 1470 -10 -2.63<7741> HOYA 19335 -160 -2.63
<CS>
2024/11/29 12:35
注目トピックス 日本株
三洋貿易:24年9月期は売上・利益ともに過去最高を更新、全セグメント増収増益
*11:59JST 三洋貿易:24年9月期は売上・利益ともに過去最高を更新、全セグメント増収増益
三洋貿易<3176>は、ゴム・化学品の原材料や自動車内装材、再生可能エネルギーやバイオ関連機器等の輸出入と国内販売を主要事業としながら、各事業に関連する技術サービス等の提供も行う独立系専門商社だ。ファインケミカル、インダストリアル・プロダクツ、サステナビリティ、ライフサイエンスの4市場を中心にグローバルにビジネスを展開している。なお、セグメント分けに関しては、従来の化成品、機械資材、海外現地法人の区分から、資本市場へより明確に業績進捗を開示する目的で、2025年9月期第1四半期から上記の4セグメント制へ移行する。営業の約半数が理系出身であり、創業以来培ってきた技術的知見にもとづき販売からアフターサービスに至るまでワンストップでトータルソリューションを提供。盤石な経営基盤と独自のビジネスモデルを背景に、高い収益性と資本効率性を実現している。2024年9月期の連結業績は、売上高が前期比7.2%増の129,263百万円、営業利益が同8.4%増の7,072百万円となり、売上、利益ともに過去最高を更新した。化成品、機械資材、海外現地法人と全てのセグメントで増収増益となり、過去最高業績の更新に寄与した。特に、EV関連分野における高付加価値商材の副資材の販売伸長や、仕入価格の上昇に対する適切な販売価格反映とともに、為替差益を含む海外現地法人の好調により利益を積み上げ、営業利益はトップラインを上回る伸びを見せた。これにより、営業利益率も5.5%の高い水準を維持している。また、木質バイオマス関連事業において大型案件の受注に成功したことや、グループ会社が扱う洋上風力関連機器の受注も増収増益に寄与した。2025年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.1%増の132,000百万円、営業利益で同0.4%増の7,100百万円を見込んでいる。売上高に関しては、木質バイオマス関連事業の大型案件の寄与が見込まれることや、米国を中心に海外事業の好調な推移が見込まれることなどを受け、過去最高の売上高を連続更新することを見込む。利益面に関しては、一部機器の取り扱い終了による影響やDX等の先行投資に起因する一時的なコスト上昇要因があるものの、木質バイオマス関連事業や海洋資源開発事業の伸長がカバーし、前期並みを見込む。大型案件である木質バイオマス事業は工事進行基準で売上計上される案件である。そのため、収益計上の見通しが立てやすく、その意味でも業績予想達成の確度は比較的高いと弊社は見ている。配当に関しては、1株当たり前期比2.0円増の57.0円(予想配当利回り3.81%)を予定している。同社は今回、株主還元の方針として長期経営計画「SANYO VISION 2028」の期間中は「配当性向30%以上」を目途に「累進配当」を継続していくことを初めて対外的に明記した。明記することによって同社の株主還元重視の姿勢を改めて強調した格好だ。今後利益が拡大していくなかで増配も十分期待できると弊社は考える。自己株式の取得に関しては成長投資の資金需要および流動性や財務状況を総合的に勘案しながら継続して検討を行っていくようだ。長期的な経営方針に関しては、「SANYO VISION 2028」を公表している。事業、DX関連、人的資本の3分野への成長投資(5年間で総額200億~300億円)を積極化しながら、3つの成長戦略である3本の矢(潜在コアビジネスの果実化、M&Aの推進、事業開発室の取り組み)を着実に推し進めることによって2028年9月期に営業利益9,000百万円を達成する構えだ。同ビジョンの初年度である2024年9月期の営業利益は過去最高を更新し、28年9月期の数値目標達成に向けて好スタートを切った格好だ。今後も資本コストを上回る成長投資を実行していくことにより、業績の拡大と企業価値の向上を実現していく方針だ。
<NH>
2024/11/29 11:59
注目トピックス 日本株
CARTA HOLDINGS:24年12期3Qは営業利益急伸、業績の回復基調を確認
*11:32JST CARTA HOLDINGS:24年12期3Qは営業利益急伸、業績の回復基調を確認
CARTA HOLDINGS<3688>は、広告会社、クライアント等のデジタルマーケティングの支援及びメディアのDX支援等を行う「デジタルマーケティング事業」、メディア、ソリューションの提供のほか、EC・人材領域等でのサービスの運営を行う「インターネット関連サービス事業」の2つの事業を展開している。2019年1月にVOYAGE GROUPとサイバー・コミュニケーションズが経営統合して誕生した企業である。上記2社が統合してできたという背景から、デジタルマーケティングにおけるブランディングから販促プロモーション、CRMまでを1社で提供できるサービス構成、新規事業を迅速に立ち上げる事業開発力の高さなどが同社の競争優位となっている。電通〈4324〉の連結子会社でもあり、同社との協業も推進している。2024年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比1.2%減の17,427百万円、営業利益が同391.7%増の1,349百万円だった。売上高に関してはインターネット関連事業が好調に推移したものの、デジタルマーケティング事業がわずかに減収となったことが響いた。営業利益に関しては、各種コスト削減施策や、収益性を基準とした既存事業の整理などを推進した結果、デジタルマーケティング事業、インターネット関連サービス事がそろって大幅増益となったことが寄与した。デジタルマーケティング事業に関しては、足元で電通グループとの協業が好調に推移している。実際、2024年12月期第3四半期の新規協業取扱高は前年同期比45.8%増の6,639百万円に伸びており、期末に向けても同グループとの連携を強化していく方針だ。2024年12月期通期の連結業績予想に関しては、売上高で前期比0.5%減の24,000百万円、営業利益で同53.7%増の2,000百万円を見込んでおり、8月に上方修正した時から変更はない。第3四半期終了時点の売上高、営業利益の進捗率はそれぞれ72.6%、67.4%であり、期末に向けて繁忙期となることを踏まえると業績予想達成に向けた進捗は概ね想定通りと言えるだろう。同社を取り巻く事業環境の見通しは良好である。そうした中で引き続き、収益性向上施策を推進しながら各事業の業績を伸ばしていく方針だ。配当に関しては1株当たり54.0円(予想配当利回り3.83%)を予定している。同社は配当政策としてDOE5%を目安とすることを掲げおり、資本効率性・財務健全性に留意しつつ、安定した株主還元を実施していく方針だ。一定の範囲内での自己株式の取得も選択肢となっており、今後も安定した株主還元が続いていくものと弊社は見ている。中期的には、サステナビリティ経営を土台に事業と経営をさらに進化させていくことにより、業績の拡大と企業価値の向上を実現していく方針を掲げる。顧客への提供価値に磨きをかけながら、同時に資本コストの観点から事業の整理を推進することなどによって成長軌道への回帰を目指す。2024年12月期第3四半期単独のデジタルマーケティング事業における予約型広告取扱高は前年同期比6.0%増の8,582百万円に拡大した。予約型広告が回復傾向にあることも業績予想達成とその先のさらなる成長に向けたプラス材料だ。
<NH>
2024/11/29 11:32
注目トピックス 日本株
リアルゲイト---固定資産の取得
*11:19JST リアルゲイト---固定資産の取得
リアルゲイト<5532>は28日、固定資産の取得を発表した。同社は、2024年10月29日に開示している「中期経営計画(2025年9月期~2027年9月期)」の達成のための事業戦略として、自社保有物件(収益用不動産)を増やすことに取り組んでおり、本物件はその一環として取得するものである。物件種類は土地・建物、所在地は東京都目黒区中目黒1丁目、土地面積(敷地面積)は約1,000平方メートル、建物面積(延床面積)は約2,000平方メートル、鉄筋コンクリート造、地下1階、地上3階建て。主な用途は事務所、共同住宅。取得金額は、同社の2024年9月期における純資産(27.11億円)の30%以上の額となる見込みである。自己資金及び金融機関からの借入を予定しているが、現時点では借入金額を含め未定である。なお、同社と取得先との間には、記載すべき資本関係、人的関係及び関連当事者として特記すべき事項はない。契約締結日は2024年11月29日、物件引渡日は2024年12月(予定)。
<AK>
2024/11/29 11:19
注目トピックス 日本株
ノーリツ鋼機---大幅続伸、業績予想を再度の上方修正へ
*11:17JST ノーリツ鋼機---大幅続伸、業績予想を再度の上方修正へ
ノーリツ鋼機<7744>は大幅続伸。前日に24年12月期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の180億円から187億円、前期比30.0%増にまで引き上げ。AlphaThetaにおいて、不具合により出荷を停止していた一部製品について出荷を再開したことを反映したもよう。第3四半期決算時に168億円から180億円に上方修正した直後でもあり、続けざまの上方修正のインパクトが先行のようだ。
<ST>
2024/11/29 11:17
注目トピックス 日本株
ワールド---大幅続伸、三菱商事傘下企業を完全子会社化
*11:17JST ワールド---大幅続伸、三菱商事傘下企業を完全子会社化
ワールド<3612>は大幅続伸。三菱商事傘下の衣料品会社三菱商事ファッションを完全子会社化すると発表している。全株式を93億円で取得するようだ。三菱商事ファッションの前期売上高は919億円、純利益は22億円となっており、短期的な業容拡大が意識される形に。また、三菱商事ファッションはOEMでアパレル企業などに衣料品や雑貨、靴などの製品を供給しており、販売ルート拡大や企画提案力強化などのシナジー効果も期待される状況のようだ。
<ST>
2024/11/29 11:17
注目トピックス 日本株
上新電機 Research Memo(8):業績予想は引き下げられたが、配当は100.0円を維持
*11:08JST 上新電機 Research Memo(8):業績予想は引き下げられたが、配当は100.0円を維持
■株主還元策上新電機<8173>は株主に対する利益還元を重要な経営課題の1つとして位置付け、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施することを基本的な方針としている。この方針のもと、中期経営計画においても配当性向30%以上を目安とし、安定的・持続的な株主還元を実施するとしていたが、さらなる利益還元の姿勢を充実させるため配当性向を40%以上と目安とする新方針へと変更した(新方針は2024年3月期より適用)。2025年3月期の配当予想は100.0円となっているが、業績予想が下方修正されるなかでも配当予想は維持した。結果的に配当性向は68.4%へと上昇する見通し。さらに、2024年8月7日にはToSNeT経由で150,000株の自己株式を取得したが、これは持ち合い解消を進める流れの一貫とみられる。また、同社は株主優待制度も導入しており、毎年3月末及び9月末時点※での株主に対して1枚200円の買物優待券(税込2,000円以上の買い物につき2,000円ごとに1枚使用可能)を既定の株数や2年以上の保有期間の有無に応じて付与している。仮に単元株である年間通じて100株を保有すると、36枚(7,200円相当)の優待券を獲得できる試算となる。※ 保有株数100株未満は9月末のみ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<HN>
2024/11/29 11:08
注目トピックス 日本株
上新電機 Research Memo(7):2025年3月期業績予想の下方修正で中期経営計画達成のハードルは上昇(2)
*11:07JST 上新電機 Research Memo(7):2025年3月期業績予想の下方修正で中期経営計画達成のハードルは上昇(2)
■上新電機<8173>の今後の見通し(2) 基本戦略定量目標を達成するために中期経営計画のテーマとして同社が定性的に掲げるのは、顧客の暮らしに寄り添う「コンシェルジュ」となり、同社が取り扱う商品やサービスを通じた「課題」を解決することで、顧客の期待を上回る価値を実現、それにより顧客生涯価値を創造し収益を確保するビジネスモデルの構築を目指している。具体的には、リアル店舗とECという2つの販売チャネルと家電を中心とした5カテゴリを起点に、同社独自のドミナント戦略や商品・サービス戦略を展開する。また、創業以来培ってきた「まごころサービス」を「ファンベース戦略」として進化させ、顧客に対する価値創造を目指す。また、これらの「ファンベース戦略」及びドミナント戦略を支えるのが、物流などのインフラをはじめとした事業基盤であり、特に物流は事業活動において最も重要な基盤であるため、さらなる体制拡充を進める構えだ。a) ファンベース戦略「ファンベース戦略」とは、アクティブ会員の維持拡大を通じた顧客との関係構築、信頼関係によりファン会員(年間来店日数3日以上かつ年間購入金額8万円以上)、コアファン会員(年間来店日数10日以上かつ年間購入金額30万円以上)の拡大を目指すもので、「JT-2025 経営計画」における最重要戦略である。同社におけるアクティブ会員は、1年間に1回以上同社で商品サービスを購入したことのある顧客のことで、2024年3月期の対象会員数は約500万人であった。今後、国内家電市場において人口減少による漸減傾向が予想されるなど市場環境や顧客ニーズが変化するなか、同社が創業以来「まごころサービス」の実践により磨いてきた接客力を武器に「ファンベース戦略」を実践することで、中長期的に安定した事業成長を実現する計画である。「ファン」「コアファン」になった顧客は長期にわたり同社を利用する可能性が高く、それにより顧客生涯価値の創出を実現し、5年後、10年後、さらにその先の事業成長につながると同社では考えている。同社にとって「ファンベース戦略」は経営の根幹にある考え方であり、「JT-2025 経営計画」期間中にとどまらず、その先も継続して実践する考えである。b) ドミナント戦略同社の「ドミナント戦略」は、創業以来蓄積した知見やノウハウを最大限活用し、同社の強みが生かせる領域(商圏、商品、サービスなど)に特化し、物流、サービスインフラ体制も含めた経営資源を集中的に投下する差別化戦略である。関西・東海・関東・北信越を重点エリアと位置づけリアル店舗網を構築し、新規出店に頼るのではなく、既存店のスクラップアンドビルドも含めた1店舗当たりの販売力強化に重点を置いた取り組みである。同社は各店舗0~5km圏のシェアをすべて把握しており、エリアを面で見るのではなく、商圏を細分化し、将来の収益拡大が見込めるエリアに絞り込んで出店を行ってきた。そこにECが加わることでリアル店舗がカバーできないエリアのフォローも可能となり、シナジー効果を最大限に発揮できるとみている。また新規出店に依存しないことで、設備投資や人件費、店舗運営コストなども制御できる。一般的なドミナント戦略はある特定のエリアを絞り込んで、集中的新規出店による市場占有率向上を目指すもので、エリア全体を「面」として捉えた考え方であり、同社のドミナント戦略とは異なる。c) リアル店舗とECのチャネル別戦略リアル店舗の売上構成比は2025年3月期第2四半期で82.3%であった。リアル店舗の事業を成長させるためには、熟練した販売員と一定数の販売員の配置が必要であり、店舗数の拡大ではなく、質の向上による既存店の売上・収益改善を目指している。そのため、同社ではICTを駆使した効率化投資をスピードアップさせる考えだ。また、同社は店舗営業の長い歴史の中で配送、設置、工事など強いインフラを構築しており、顧客の要望に対して最適な提案ができる接客力にも強みを持つ。今後、「ファンベース戦略」に基づき、個人ステータスに応じた特典を付与する「新ロイヤルティプログラム」の導入により、ファン会員、コアファン会員の新規創造、1人当たり顧客生涯価値の拡大を狙う考えだ。顧客満足度の向上のため、高品質なサービスやサポート体制の提供を続けながら、タッチパネルによる商品選択やオンライン接客、セルフレジ、接客支援システムの導入など、ICTを駆使した新たなサービスも加速させる。それに加え、従業員の専門資格取得の後押し、社内教育体制の強化による販売力・提案力・接遇力の強化も図る。一方、EC経由の売上高構成比は2025年3月期第2四半期で15.4%であり、今後も中長期的にEC比率の上昇が見込まれる。同社のEC事業は20年以上の歴史があり、顧客の要望に応えるべく主力の電化製品だけでなく、住宅設備機器から玩具、模型、ゲームや音楽映像のソフトなどのエンターテインメント商品、釣り具、家具、スポーツ用品に加え、お米や飲料(お酒を含む)、日用品など取り扱う商品カテゴリの充実を進めてきた。その結果、2024年3月期末時点における取扱商品アイテム数は約70万アイテムとなり、2023年3月期末と比較して約2万アイテム増加している。同社では顧客に支持されるECサイトの構築を目指し、アイテム数の増加だけでなく魅力あるオリジナル商品の開発や厳選したアイテムの掲載などを通じて顧客価値の創造を進める考えだ。また、顧客の暮らしに寄り添う接客をECでも実現すべく、実際に購入した商品のセットアップや使用方法などのサポートメニュー拡充、店舗経験がある熟練社員を登用した電話対応・メール対応の強化、実際に従業員が体感してとりまとめた「試用レポート」掲載などの取り組みにより、ECにおける「ファンベース戦略」を推移する。d) 5カテゴリ別戦略同社が顧客に価値を提供する5カテゴリとは、主力事業である「家電」、高いシェアを誇り、ホビーユーザーからの高い支持によって同社のブランド価値向上に寄与している模型、玩具、ゲーム、映像、音楽ソフトなどの「エンターテインメント」、家電、エンターテインメントに続く第3の柱として将来成長が期待される、エネルギービジネスも含めた「リフォーム」、需要が持続的に拡大しているモバイル端末の販売を中心とした「モバイル通信」、デジタルサポート・エアコンクリーニングを中心としたハウスクリーニング、ホームメンテナンス、リユース、レンタルなどで構成される「サポートビジネス」を指す。2030年のあるべき姿に向けて、主力事業である「家電」や「エンターテインメント」の事業規模を確保しつつ、成長事業と位置づける「リフォーム」「モバイル通信」「サポートビジネス」の強化に取り組んでいる。「サポートビジネス」では製品レンタル、エアコンクリーニング、消耗品の定期便、設置・設定・工事のメンテナンスなどのサブスクリプションを意識したメニューを開発し、商品の所有から利用、メンテナンス、設置工事まで従来の物販では実現できなかったサービス提供を目指す。また、「リフォーム」では2024年3月期から新たに取り扱いを開始したV2H(Vehecle to Homeの略称で、EVやPHEVのバッテリーに貯めている電力を自宅で使えるようにする機器)を家庭用蓄電池とともに重点商品のひとつと位置付けて拡販を進める計画である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<HN>
2024/11/29 11:07
注目トピックス 日本株
上新電機 Research Memo(6):2025年3月期業績予想の下方修正で中期経営計画達成のハードルは上昇(1)
*11:06JST 上新電機 Research Memo(6):2025年3月期業績予想の下方修正で中期経営計画達成のハードルは上昇(1)
■上新電機<8173>の今後の見通し1. 2025年3月期の業績見通し2025年3月期の連結業績は2024年10月25日に下方修正が発表され、売上高が410,000百万円から400,000百万円(前期比0.9%減)、営業利益が9,000百万円から4,000百万円(同52.2%減)、経常利益が9,000百万円から4,000百万円(同51.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が6,000百万円から3,800百万円(同22.3%減)へとそれぞれ引き下げられた。通期の営業利益率の見通しは1.0%で、前期の2.1%から1.1ポイント低下する見通し。上期実績の1.0%に対して下期も1.0%の見通しと大きな改善は見込めない予想だ。販売面では同社が強みとするゲーム機などエンターテインメント分野の売上高が任天堂Switchがモデル末期であることや家庭用ゲーム市場自体の停滞から想定以上に落ち込んだほか、コスト面で人件費や情報システム投資の増加が想定以上に利益を圧迫した形である。2025年3月期の業績予想が大幅に引き下げられたことで、中期経営計画最終年度である2026年3月期の数値目標の達成は容易ではないとみられる。第2四半期の決算を見る限り、同業の家電量販店と比較しても同社の販売の弱さや売上総利益率の低下が顕著な点はやや気がかりであり、今後の早期挽回に期待したい。2. 中期経営計画「JT-2025 経営計画」の概要同社は2023年5月に2026年3月期を最終年度とする3年間の中期経営計画「JT-2025 経営計画」を公表した。「JT-2025 経営計画」は、2030年度までの8年間をパッケージと位置づけ、2030年にあるべき姿を達成するには最初の3年間で何をすべきかという視点から検討したものである。(1) 定量目標数値目標としては、2026年3月期に売上高4,200億円、営業利益110億円、営業利益率2.6%、ROE8.0%以上、ROA及びROIC5.0%以上、配当性向30%以上、3ヶ年営業キャッシュ・フロー累計400~450億円、また、2031年3月期のあるべき姿は、営業利益率4.0%レベル、ROE10.0%以上、ROA及びROIC7.0%以上、配当性向30%以上持続としている。やみくもに売上高の拡大を追うことなく、収益性重視の視点で競合他社比でやや低位にとどまる営業利益率の改善に主眼を置いた計画だ。また、営業利益率以上にROEの大幅な改善を狙っており、その実現のためには2024年3月26日に発表された配当性向の30%から40%への引き上げだけでなく、さらなる配当性向の引き上げや自己株式の取得などによる自己資本の圧縮についても一段と積極的に検討する必要があるだろう。弊社の試算では、ROE8.0%を達成するためには、2024年3月期末の純資産104,613百万円を2026年3月期末には94,000百万円程度へ圧縮するか、純資産を圧縮しない場合は2026年3月期の営業利益を120億円超と現在の前提から超過しない限りこの目標の達成は難しい。上場企業各社がPBR1倍の達成に向けた取り組みを強化するなか、同社も中期経営計画で公表したROE8.0%を必達目標として、収益力の拡大と自己株式の取得も含めたさらなる株主還元の強化に期待したい。(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<HN>
2024/11/29 11:06
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