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5月のくりっく365、ドル・円は下げ渋り、ランド・円は上値の重い展開か
配信日時:2024/05/08 11:11
配信元:FISCO
*11:11JST 5月のくりっく365、ドル・円は下げ渋り、ランド・円は上値の重い展開か
東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、4月の取引数量が前月比47.4%増の284万3697枚、1日の平均取引数量は12万9261枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は5315.19億円と前月比で332.83億円増加した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、豪ドル、トルコリラ、南アフリカランドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、4月の取引数量が前月比23.8%増の459万9915枚、1日の平均取引数量は20万9134枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は1070.84億円となり、前月比で98.04億円の増加となった。
取引数量トップは米ドル・円で71万9042枚(前月比20.7%増)であった。4月10日の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びだったことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ開始時期が後ずれするとの見方が強まり、ドル買いが強まった。さらに中東情勢緊迫化もドル買い材料となったが、約34年ぶりの円安ドル高水準となるなか日本政府による為替介入への警戒感も台頭し、月半ばあたりは1ドル=153~154円台での膠着状態が続いた。25-26日の日銀金融政策決定会合では現状の緩和的な金融環境を継続する姿勢が示され円売りが加速。29日には1ドル=160円台へ到達したが、祝日でありながら為替介入が2度にわたり実施されたもようで、1ドル=154円台まで押し戻された。なお、この日の介入規模は合わせて5.5兆円規模だと推定されている。
豪ドル・円は29万4241枚(前月比116.3%増)であった。10日発表の米CPI予想上振れで米利下げ開始時期先送りの見方が強まった事を受け、豪準備銀行(中央銀行)による利下げ期待も後退。また、中東情勢の緊迫化で世界的にリスクオフムードが高まったことが資源国通貨の売り材料となり、豪ドル・円は19日に一時97円台まで下落したが、中東情勢への警戒感が一服すると、豪ドルは買い戻された。24日に発表された豪1-3月期CPIが市場予想を上回り利下げ期待が後退すると、豪ドルは大きく買われ、豪ドル・円は101円台と2013年4月ぶりに高値を更新した。投機的な円売りが加速したことも支援し、29日には1豪ドル=104円台まで上昇するが、日本政府による大規模な円買い介入実施で豪ドル・円は押し戻された。
5月のドル・円は下げ渋りか。4月29日および5月2日に日本政府は複数回の為替介入を実施したとみられる。しかし、神田財務官は為替介入に関するコメントを控えており、日本政府による為替介入が再び行われる可能性も完全に払拭できていない。為替介入への警戒感から円安進行がやや速度を落とすとは考えられるだろう。ただ、日米金利差が縮小する見通しが立っていないことから、基本的にドル高・円安基調は崩れていないとみる。植田日銀総裁が早期の追加利上げへ前向きな発言などを行った場合には、円売りを控える材料となる可能性はあるが、24日に発表される4月CPIで国内の消費行動に力強さが示されるなどしてこなければ、あまり早期利上げ実施に現実味は帯びてこないだろう。
ランド・円は上値の重い展開か。5月29日に総選挙を控えていることが引き続きランドの買い控え材料となりそうだ。ラマポーザ現大統領が続投する見通しは高いものの、与党のアフリカ民族会議(ANC)は過半数維持に向け厳しい状況とみられている。現在は円売りが要因でランド・円は高値圏で推移しているものの、政治的混乱が生じる可能性への警戒感から基本的にランドは買われにくい状況といえるだろう。また、4月17日に発表されたCPIでは小幅なインフレ鈍化が確認されたものの、利下げ開始については選挙終了後しばらくしてからとの見方に変化は生じていない。5月30日発表予定の南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利は据え置かれる公算が高いが、特にランドの買い戻し材料とはならないだろう。
<CN>
取引数量トップは米ドル・円で71万9042枚(前月比20.7%増)であった。4月10日の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びだったことを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ開始時期が後ずれするとの見方が強まり、ドル買いが強まった。さらに中東情勢緊迫化もドル買い材料となったが、約34年ぶりの円安ドル高水準となるなか日本政府による為替介入への警戒感も台頭し、月半ばあたりは1ドル=153~154円台での膠着状態が続いた。25-26日の日銀金融政策決定会合では現状の緩和的な金融環境を継続する姿勢が示され円売りが加速。29日には1ドル=160円台へ到達したが、祝日でありながら為替介入が2度にわたり実施されたもようで、1ドル=154円台まで押し戻された。なお、この日の介入規模は合わせて5.5兆円規模だと推定されている。
豪ドル・円は29万4241枚(前月比116.3%増)であった。10日発表の米CPI予想上振れで米利下げ開始時期先送りの見方が強まった事を受け、豪準備銀行(中央銀行)による利下げ期待も後退。また、中東情勢の緊迫化で世界的にリスクオフムードが高まったことが資源国通貨の売り材料となり、豪ドル・円は19日に一時97円台まで下落したが、中東情勢への警戒感が一服すると、豪ドルは買い戻された。24日に発表された豪1-3月期CPIが市場予想を上回り利下げ期待が後退すると、豪ドルは大きく買われ、豪ドル・円は101円台と2013年4月ぶりに高値を更新した。投機的な円売りが加速したことも支援し、29日には1豪ドル=104円台まで上昇するが、日本政府による大規模な円買い介入実施で豪ドル・円は押し戻された。
5月のドル・円は下げ渋りか。4月29日および5月2日に日本政府は複数回の為替介入を実施したとみられる。しかし、神田財務官は為替介入に関するコメントを控えており、日本政府による為替介入が再び行われる可能性も完全に払拭できていない。為替介入への警戒感から円安進行がやや速度を落とすとは考えられるだろう。ただ、日米金利差が縮小する見通しが立っていないことから、基本的にドル高・円安基調は崩れていないとみる。植田日銀総裁が早期の追加利上げへ前向きな発言などを行った場合には、円売りを控える材料となる可能性はあるが、24日に発表される4月CPIで国内の消費行動に力強さが示されるなどしてこなければ、あまり早期利上げ実施に現実味は帯びてこないだろう。
ランド・円は上値の重い展開か。5月29日に総選挙を控えていることが引き続きランドの買い控え材料となりそうだ。ラマポーザ現大統領が続投する見通しは高いものの、与党のアフリカ民族会議(ANC)は過半数維持に向け厳しい状況とみられている。現在は円売りが要因でランド・円は高値圏で推移しているものの、政治的混乱が生じる可能性への警戒感から基本的にランドは買われにくい状況といえるだろう。また、4月17日に発表されたCPIでは小幅なインフレ鈍化が確認されたものの、利下げ開始については選挙終了後しばらくしてからとの見方に変化は生じていない。5月30日発表予定の南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利は据え置かれる公算が高いが、特にランドの買い戻し材料とはならないだろう。
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