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イノベーション Research Memo(5):SaaS市場、IFA市場ともに中長期的な拡大余地は大きい
配信日時:2024/03/29 13:15
配信元:FISCO
*13:15JST イノベーション Research Memo(5):SaaS市場、IFA市場ともに中長期的な拡大余地は大きい
■市場環境
1. オンラインメディア事業
コロナ禍からの経済正常化に伴う一時的な成長率鈍化はあるものの、引き続き長期的に日本におけるDX投資及びSaaS市場は高い市場成長が続くとみられる。国内DX市場においては、2021年度に2.7兆円だったが、2030年度には約2.4倍の6.5兆円へ拡大すると見込まれている。また、SaaS市場についても同様に2021年の9,300億円から2026年には1兆6,700億円へと拡大すると期待されている。導入コストの低さや保守コストの低減など、これまでのオンプレミス型からサブスクリプション型に切り替えるメリットは大きく、ユーザーの利便性を狙った様々な新たなSaaSプロダクトの開発が今後も進むとみられることから、顧客にとって本当に価値のあるSaaSプロダクトを見極めるためのオンラインメディアの果たす役割は益々重要となるだろう。
2. ITソリューション事業
近年のデジタルマーケティング手法の確立とともに、テレビや紙媒体などのマスマーケティングから、顧客ごとに最適なアプローチを行うOne to Oneマーケティングへの移行が進んでいる。MAについては、「MA元年」と言われた2014年以降、急速に普及が進んでいる。企業のDXに対する取り組みが活発化するなか、営業・マーケティング部門においても生産性の向上並びに売上拡大施策としてMAツールを導入・活用する動きが、一段と進むものと予想される。
さらに、イノベーション<3970>がターゲットとするBtoB向けの中小・中堅企業では、MAツールを使うために必要な顧客情報管理(名刺管理)の体制が整備できていない企業も多いと推察される。MAツールの普及スピードは緩やかだが、こうした周辺分野でもITツールの普及が進んでいる。また、見込み顧客の獲得から成約・育成に至るまでの一連のプロセスを自動化するMAツールの重要性は増してくるものと思われ、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。
3. 金融プラットフォーム事業
証券・保険・不動産営業の分野は、ITの活用による業務の効率化、デジタルマーケティングによるマーケットの拡大の余地は、依然として大きいと言える。IFAとは、どの金融機関にも属さない独立した「金融商品仲介業者」のことであり、証券会社と業務委託契約を結び、投資家に対して投資信託や株式、債券などの金融商品の提案を行うアドバイザーを指す。従来の証券会社では多くの営業社員を抱えて直接投資家に金融商品を販売していたが、米国ではこうした業務を効率化するためIFAに委託するスタイルに変わってきており、今では証券会社に属するFAの3倍弱の規模となっている。日本では証券会社のFA在籍数7万人強に対してIFAの数はわずか4千名程度にとどまっているが、米国のようにIFA市場が確立されれば、日本でもIFAの数は数万人規模に拡大するものと予想される。全国企業の後継者不在率は65%にも及ぶなかで、2019年には過去最多のM&A件数を記録している。今後、複合的な要因によってさらに、市場の拡大スピードは加速するものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SO>
1. オンラインメディア事業
コロナ禍からの経済正常化に伴う一時的な成長率鈍化はあるものの、引き続き長期的に日本におけるDX投資及びSaaS市場は高い市場成長が続くとみられる。国内DX市場においては、2021年度に2.7兆円だったが、2030年度には約2.4倍の6.5兆円へ拡大すると見込まれている。また、SaaS市場についても同様に2021年の9,300億円から2026年には1兆6,700億円へと拡大すると期待されている。導入コストの低さや保守コストの低減など、これまでのオンプレミス型からサブスクリプション型に切り替えるメリットは大きく、ユーザーの利便性を狙った様々な新たなSaaSプロダクトの開発が今後も進むとみられることから、顧客にとって本当に価値のあるSaaSプロダクトを見極めるためのオンラインメディアの果たす役割は益々重要となるだろう。
2. ITソリューション事業
近年のデジタルマーケティング手法の確立とともに、テレビや紙媒体などのマスマーケティングから、顧客ごとに最適なアプローチを行うOne to Oneマーケティングへの移行が進んでいる。MAについては、「MA元年」と言われた2014年以降、急速に普及が進んでいる。企業のDXに対する取り組みが活発化するなか、営業・マーケティング部門においても生産性の向上並びに売上拡大施策としてMAツールを導入・活用する動きが、一段と進むものと予想される。
さらに、イノベーション<3970>がターゲットとするBtoB向けの中小・中堅企業では、MAツールを使うために必要な顧客情報管理(名刺管理)の体制が整備できていない企業も多いと推察される。MAツールの普及スピードは緩やかだが、こうした周辺分野でもITツールの普及が進んでいる。また、見込み顧客の獲得から成約・育成に至るまでの一連のプロセスを自動化するMAツールの重要性は増してくるものと思われ、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。
3. 金融プラットフォーム事業
証券・保険・不動産営業の分野は、ITの活用による業務の効率化、デジタルマーケティングによるマーケットの拡大の余地は、依然として大きいと言える。IFAとは、どの金融機関にも属さない独立した「金融商品仲介業者」のことであり、証券会社と業務委託契約を結び、投資家に対して投資信託や株式、債券などの金融商品の提案を行うアドバイザーを指す。従来の証券会社では多くの営業社員を抱えて直接投資家に金融商品を販売していたが、米国ではこうした業務を効率化するためIFAに委託するスタイルに変わってきており、今では証券会社に属するFAの3倍弱の規模となっている。日本では証券会社のFA在籍数7万人強に対してIFAの数はわずか4千名程度にとどまっているが、米国のようにIFA市場が確立されれば、日本でもIFAの数は数万人規模に拡大するものと予想される。全国企業の後継者不在率は65%にも及ぶなかで、2019年には過去最多のM&A件数を記録している。今後、複合的な要因によってさらに、市場の拡大スピードは加速するものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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