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泉州電業 Research Memo(1):独立系電線商社の大手。堅実経営で成長続く。財務内容は堅固で株主還元にも前向き
配信日時:2024/01/09 15:01
配信元:FISCO
*15:01JST 泉州電業 Research Memo(1):独立系電線商社の大手。堅実経営で成長続く。財務内容は堅固で株主還元にも前向き
■要約
泉州電業<9824>は、独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図っている。
1. 2023年10月期の連結業績(実績)
2023年10月期の連結業績は、売上高124,967百万円(前期比10.0%増)、営業利益8,366百万円(同12.1%増)、経常利益8,770百万円(同11.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,920百万円(同11.4%増)となり、売上高、利益とも過去最高を更新した。平均銅価格は、1,232千円/t(同3.1%増)であった。増収の要因は実需が堅調に推移したことによる。期の後半に半導体製造装置向けや工作機械向けでやや停滞も見られたが、自動車業界向けなどを中心に堅調に推移した。製品構成の変化で売上総利益率は0.1pt低下したが、販管費の伸びが同7.1%に留まったことから営業利益は同12.1%増益となった。
2. 2024年10月期の連結業績(予想)
2024年10月期通期の連結業績は、売上高131,000百万円(前期比4.8%増)、営業利益8,700百万円(同4.0%増)、経常利益8,900百万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,150百万円(同3.9%増)と予想されている。平均銅価格は、1,250千円/t(同1.5%増)とほぼ前期並みとの前提だ。建設向けや自動車向けなどは堅調に推移すると予想されるが、半導体製造装置向けなどは不透明感が強いことから、前期比では微増益の予想だ。既に営業利益の水準が高いため、銅価格が横ばい予想であれば、ここから大幅増益は簡単なことではなく、現時点においては妥当な予想と思われる。今後は、銅価格だけでなく、各需要先の動向も注視したい。
3. 中期経営計画:新計画の目標は2026年10月期に経常利益100億円
同社は、2025年10月期を最終年度とする中期経営計画(3ヶ年)を発表していたが、既にこの目標を達成したため、今回新たに2026年10月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。主な重要施策は以前から掲げていたものと大きくは変えていない一方で、定量的目標として2026年10月期に売上高1,500億円、経常利益100億円、ROE10.0%以上を掲げた。進行期の計画が経常利益89億円であることを考えれば、この目標達成は難しいものではないと言えるが、単に定量的な目標を達成するだけでなく、今後同社が質的にどのように変わっていくのかが楽しみである。
4. 株主還元と資本効率改善にも前向き
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE10.0%以上を目指す」と述べている。その実現のための具体策として、配当を継続的に増配しており、前期2023年10月期は、当初は年間80円配当を行う予定であったが、業績が好調なため最終的には年間110円へ増配した。さらに進行中の2024年10月期は、年間120円を行う予定であり、実質11年連続の増配となる見込みだ。
加えて同社は、自社株買いも積極的かつ継続的に行っている。進行中の2024年10月期も2023年10月10日~2024年4月30日の間に270千株(1,000百万円)の自社株買いを行うことを発表済みだ。さらに今回、所有する自己株式1,500千株の消却(予定日2023年12月14日)を行うことも発表した。このような積極的な株主還元と資本効率の向上に向けた同社の姿勢は、大いに評価されるべきだろう。
■Key Points
・独立系では業界トップクラスの電線総合商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2024年10月期は前期比4.0%の営業増益予想。今後の動向に要注目
・新中期経営計画の目標として2026年10月期経常利益100億円を掲げた
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SO>
泉州電業<9824>は、独立系では国内トップの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な商品を、必要な分だけ、必要なときに届ける」というデリバリー体制が強みである。自社開発のオリジナル商品で差別化を図っている。
1. 2023年10月期の連結業績(実績)
2023年10月期の連結業績は、売上高124,967百万円(前期比10.0%増)、営業利益8,366百万円(同12.1%増)、経常利益8,770百万円(同11.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,920百万円(同11.4%増)となり、売上高、利益とも過去最高を更新した。平均銅価格は、1,232千円/t(同3.1%増)であった。増収の要因は実需が堅調に推移したことによる。期の後半に半導体製造装置向けや工作機械向けでやや停滞も見られたが、自動車業界向けなどを中心に堅調に推移した。製品構成の変化で売上総利益率は0.1pt低下したが、販管費の伸びが同7.1%に留まったことから営業利益は同12.1%増益となった。
2. 2024年10月期の連結業績(予想)
2024年10月期通期の連結業績は、売上高131,000百万円(前期比4.8%増)、営業利益8,700百万円(同4.0%増)、経常利益8,900百万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,150百万円(同3.9%増)と予想されている。平均銅価格は、1,250千円/t(同1.5%増)とほぼ前期並みとの前提だ。建設向けや自動車向けなどは堅調に推移すると予想されるが、半導体製造装置向けなどは不透明感が強いことから、前期比では微増益の予想だ。既に営業利益の水準が高いため、銅価格が横ばい予想であれば、ここから大幅増益は簡単なことではなく、現時点においては妥当な予想と思われる。今後は、銅価格だけでなく、各需要先の動向も注視したい。
3. 中期経営計画:新計画の目標は2026年10月期に経常利益100億円
同社は、2025年10月期を最終年度とする中期経営計画(3ヶ年)を発表していたが、既にこの目標を達成したため、今回新たに2026年10月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。主な重要施策は以前から掲げていたものと大きくは変えていない一方で、定量的目標として2026年10月期に売上高1,500億円、経常利益100億円、ROE10.0%以上を掲げた。進行期の計画が経常利益89億円であることを考えれば、この目標達成は難しいものではないと言えるが、単に定量的な目標を達成するだけでなく、今後同社が質的にどのように変わっていくのかが楽しみである。
4. 株主還元と資本効率改善にも前向き
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、まずはROE10.0%以上を目指す」と述べている。その実現のための具体策として、配当を継続的に増配しており、前期2023年10月期は、当初は年間80円配当を行う予定であったが、業績が好調なため最終的には年間110円へ増配した。さらに進行中の2024年10月期は、年間120円を行う予定であり、実質11年連続の増配となる見込みだ。
加えて同社は、自社株買いも積極的かつ継続的に行っている。進行中の2024年10月期も2023年10月10日~2024年4月30日の間に270千株(1,000百万円)の自社株買いを行うことを発表済みだ。さらに今回、所有する自己株式1,500千株の消却(予定日2023年12月14日)を行うことも発表した。このような積極的な株主還元と資本効率の向上に向けた同社の姿勢は、大いに評価されるべきだろう。
■Key Points
・独立系では業界トップクラスの電線総合商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2024年10月期は前期比4.0%の営業増益予想。今後の動向に要注目
・新中期経営計画の目標として2026年10月期経常利益100億円を掲げた
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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