注目トピックス 日本株
SI Research Memo(8):2024年2月期に売上高6,200百万円、経常利益966百万円と年率2ケタ成長へ
配信日時:2021/11/15 15:08
配信元:FISCO
■今後の見通し
3. 中期経営計画の進捗状況
システムインテグレータ<3826>は、2022年2月期より中期経営計画「SDGs Mind 2021」をスタートしている。計画名にSDGsを取り入れた理由は、同社の2つの経営理念とSDGsの考え方が合致するためだ。1つは、コーポレート・スローガンとして「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」ことを掲げている点にあり、もう1つは、同社が存在する意味(社員と共有)として、「存続することではなく、社会に価値を提供し続けること」を掲げている点にある。
業績目標値としては、2024年2月期に売上高で6,200百万円、経常利益で966百万円を目指す。2023年2月期に過去最高業績を更新する見通しで、経常利益率も2024年2月期に15.6%と過去最高水準となる。3年間の年平均成長率は売上高で13.3%、経常利益で31.6%(受注損失引当金の影響を除けば13.8%)となり、年率2ケタ成長の継続を目指す。事業セグメント別では、市場環境が引き続き良好なE-Commerce事業やERP事業で年率2ケタ成長を見込み、Object Browser事業の売上高については堅調推移を見込む。なお、2024年2月期に経常利益率が15%台に上昇するのは、「OBPM」のクラウドサービス化への移行に伴う影響が一巡し、収益性の面でプラスに寄与し始めることが大きい。弊社では経営数値目標を達成するためには、開発リソースの増強が進むことと、不採算案件の撲滅がカギを握ると見ており、これらの課題がクリアできれば目標を達成することは可能と見ている。
経営数値目標を達成していくための重点施策として、同社は以下の5点に取り組んでおり、現時点ではそれぞれ順調に進捗していると考えられる。
(1) 既存事業
既存事業においては、ブランド力の向上による顧客数の拡大や、事業内の新事業化に取り組むことで、年率2ケタの売上成長を目指す。事業内の新事業化の一例としては、ERP事業における「GRANDIT」と他社製品である生産スケジューラ「Asprova(アスプローバ)」を組み合わせることでソリューション提案力を強化し、受注拡大につなげている。半導体不足やコロナ禍の影響によりサプライチェーンリスクが増大するなか、最適な生産計画を立てることの重要性が今まで以上に高まっており、「Asprova」を組み合わせた「GRANDIT」のさらなる受注拡大が期待される。
また、安定した収益基盤の構築を図るため、クラウドサービス等のストック売上比率も引き上げていく方針だ。2022年2月期第2四半期累計のストック売上比率は24.7%と前期実績の26.8%からやや低下した。これはフロー売上比率の高いE-Commerce事業の売上が大きく伸長したことが主因となっている。事業セグメント別で見ると、Object Browser事業は「OBPM Neo」の伸長によりストック売上比率が前期の55.2%から56.5%に上昇した。上昇ペースが鈍化しているのは、既存顧客でオンプレミス版からの移行の際に発生する導入支援売上の増加が要因となっている。E-Commerce事業は前期の18.1%から14.1%に低下した。これは新規導入案件の増加によりフロー売上が伸長したことによる。ERP・AI事業についても前期の22.3%から20.8%と若干低下している。同社では今後投入する新製品についてはすべてクラウドサービスで提供していく方針であることから、ストック売上比率は中期的に上昇していくものと予想される。
(2) 海外展開
2023年2月期上期頃を目途にベトナムに開発子会社を設置し、海外のリソースを拡充することで売上高の拡大を目指す。ベトナムに拠点開設後は、現在本社勤務している数名のベトナム人をベトナム子会社に送り、10名前後の規模からスタートし、3年後に50名体制を目指す。ベトナムではエンジニアの人件費も安いため、コスト競争力の向上にも寄与するものと期待される。ただ、ベトナムには現地企業だけでなく外資系IT企業も多く進出しており、採用が予定通り進むかどうかがカギを握る。一方、海外市場向けの販売戦略については、ベトナム子会社を軌道に乗せてからスタートする考えで、「OBPM Neo」などの製品・サービスを展開していくことを視野に入れている。
(3) 新規事業
AI事業の「AISI∀-AD」については、実証実験段階から実用化段階に移行し、導入件数の積み上げを進める。収益化の時期としては2024年2月期以降を目標としている。一方、「TOPSIC」については、サービスメニューの拡充と機能改善により顧客件数を拡大し、収益化を目指す。そのほか、新製品・サービスについても積極的に開発を進めていく計画となっている。
(4) 社員のスキル向上
ここ数年、案件の大規模化、複雑化が進むERP事業やE-Commerce事業では、受注処理能力の拡大や収益性向上を図るために、社員のスキル向上を重要課題と捉えている。引き続き、エンジニアの研修・教育に注力していくほか、プロジェクトマネージャーの育成に取り組んでいく。
(5) アジアTOPの合理化企業
エンジニアの生産性向上に貢献する様々なツールを開発・提供し、また、社内でも活用していくことで、アジアTOPの合理化企業を目指していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 中期経営計画の進捗状況
システムインテグレータ<3826>は、2022年2月期より中期経営計画「SDGs Mind 2021」をスタートしている。計画名にSDGsを取り入れた理由は、同社の2つの経営理念とSDGsの考え方が合致するためだ。1つは、コーポレート・スローガンとして「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」ことを掲げている点にあり、もう1つは、同社が存在する意味(社員と共有)として、「存続することではなく、社会に価値を提供し続けること」を掲げている点にある。
業績目標値としては、2024年2月期に売上高で6,200百万円、経常利益で966百万円を目指す。2023年2月期に過去最高業績を更新する見通しで、経常利益率も2024年2月期に15.6%と過去最高水準となる。3年間の年平均成長率は売上高で13.3%、経常利益で31.6%(受注損失引当金の影響を除けば13.8%)となり、年率2ケタ成長の継続を目指す。事業セグメント別では、市場環境が引き続き良好なE-Commerce事業やERP事業で年率2ケタ成長を見込み、Object Browser事業の売上高については堅調推移を見込む。なお、2024年2月期に経常利益率が15%台に上昇するのは、「OBPM」のクラウドサービス化への移行に伴う影響が一巡し、収益性の面でプラスに寄与し始めることが大きい。弊社では経営数値目標を達成するためには、開発リソースの増強が進むことと、不採算案件の撲滅がカギを握ると見ており、これらの課題がクリアできれば目標を達成することは可能と見ている。
経営数値目標を達成していくための重点施策として、同社は以下の5点に取り組んでおり、現時点ではそれぞれ順調に進捗していると考えられる。
(1) 既存事業
既存事業においては、ブランド力の向上による顧客数の拡大や、事業内の新事業化に取り組むことで、年率2ケタの売上成長を目指す。事業内の新事業化の一例としては、ERP事業における「GRANDIT」と他社製品である生産スケジューラ「Asprova(アスプローバ)」を組み合わせることでソリューション提案力を強化し、受注拡大につなげている。半導体不足やコロナ禍の影響によりサプライチェーンリスクが増大するなか、最適な生産計画を立てることの重要性が今まで以上に高まっており、「Asprova」を組み合わせた「GRANDIT」のさらなる受注拡大が期待される。
また、安定した収益基盤の構築を図るため、クラウドサービス等のストック売上比率も引き上げていく方針だ。2022年2月期第2四半期累計のストック売上比率は24.7%と前期実績の26.8%からやや低下した。これはフロー売上比率の高いE-Commerce事業の売上が大きく伸長したことが主因となっている。事業セグメント別で見ると、Object Browser事業は「OBPM Neo」の伸長によりストック売上比率が前期の55.2%から56.5%に上昇した。上昇ペースが鈍化しているのは、既存顧客でオンプレミス版からの移行の際に発生する導入支援売上の増加が要因となっている。E-Commerce事業は前期の18.1%から14.1%に低下した。これは新規導入案件の増加によりフロー売上が伸長したことによる。ERP・AI事業についても前期の22.3%から20.8%と若干低下している。同社では今後投入する新製品についてはすべてクラウドサービスで提供していく方針であることから、ストック売上比率は中期的に上昇していくものと予想される。
(2) 海外展開
2023年2月期上期頃を目途にベトナムに開発子会社を設置し、海外のリソースを拡充することで売上高の拡大を目指す。ベトナムに拠点開設後は、現在本社勤務している数名のベトナム人をベトナム子会社に送り、10名前後の規模からスタートし、3年後に50名体制を目指す。ベトナムではエンジニアの人件費も安いため、コスト競争力の向上にも寄与するものと期待される。ただ、ベトナムには現地企業だけでなく外資系IT企業も多く進出しており、採用が予定通り進むかどうかがカギを握る。一方、海外市場向けの販売戦略については、ベトナム子会社を軌道に乗せてからスタートする考えで、「OBPM Neo」などの製品・サービスを展開していくことを視野に入れている。
(3) 新規事業
AI事業の「AISI∀-AD」については、実証実験段階から実用化段階に移行し、導入件数の積み上げを進める。収益化の時期としては2024年2月期以降を目標としている。一方、「TOPSIC」については、サービスメニューの拡充と機能改善により顧客件数を拡大し、収益化を目指す。そのほか、新製品・サービスについても積極的に開発を進めていく計画となっている。
(4) 社員のスキル向上
ここ数年、案件の大規模化、複雑化が進むERP事業やE-Commerce事業では、受注処理能力の拡大や収益性向上を図るために、社員のスキル向上を重要課題と捉えている。引き続き、エンジニアの研修・教育に注力していくほか、プロジェクトマネージャーの育成に取り組んでいく。
(5) アジアTOPの合理化企業
エンジニアの生産性向上に貢献する様々なツールを開発・提供し、また、社内でも活用していくことで、アジアTOPの合理化企業を目指していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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