注目トピックス 日本株
SI Research Memo(7):E-Commerce事業とERP事業の引き合いは好調で、良好な収益環境が続く
配信日時:2021/11/15 15:07
配信元:FISCO
■システムインテグレータ<3826>の今後の見通し
2. 事業セグメント別見通し
(1) Object Browser事業
Object Browser事業は売上高で前期比6.5%増の700百万円、営業利益で同37.3%減の140百万円と増収減益を見込む。コロナ禍が長引いている影響もあって「Object Browser」シリーズの回復が遅れており、期初計画対比では売上高で10百万円、営業利益で40百万円下方修正した。
売上高をけん引するのは「OBPM Neo」となる。同サービスの特徴は、クライアント環境に依存せずに、いつでもどこでもプロジェクトメンバーの利用が可能なことである。ここ最近はIT業界でも海外拠点と連携したDX関連の開発プロジェクトが増加しているほか、テレワーク体制で開発プロジェクトを進めるケースが増えており、リモート環境下でのプロジェクト管理の重要性の高まりから、顧客数の拡大が続く見通しだ。なお、オンプレミス版を導入している既存顧客についても、保守契約の更新のタイミングで順次「OBPM Neo」に切り替えを進めていく方針となっている。サブスクリプションモデルへの移行に伴う一時的な売上高、利益の伸び悩みは2024年2月期まで続く可能性があるが、それ以降は売上拡大と収益性向上に貢献するものと予想される。
「OBDZ」については顧客からの要望が多かった追加機能の開発を行う方針で、2023年2月期中のリリースを目指している。本格的な拡販活動はその後に行う予定としており、当面は大きな変化がないと思われる。ただ、同製品は設計工程の標準化による生産性並びに品質向上、保守・メンテナンスコストの削減に寄与するツールとして潜在需要は大きいと見られ、2024年2月期以降の飛躍が期待される。
(2) E-Commerce事業
E-Commerce事業は売上高で前期比25.1%増の1,040百万円、営業利益で同74.5%増の370百万円と2ケタ増収増益を見込む。期初計画対比でも売上高で40百万円、営業利益で120百万円上方修正となっている。EC市場の拡大を背景に、大規模ECサイト構築案件の引き合いが引き続き旺盛で、開発リソース面からすべての需要に応えきれない状況が続いている。1件10億円超の過去最大規模の大型リプレース案件も受注したようで、2023年2月期以降、複数回に分けて納品していく予定となっている。売上計上時期については進行基準を採用するため、2022年2月期から計上される見通しだ。
なお、半期ベースで見ると上期の売上高609百万円に対して下期は430百万円程度に減少する見込みとなっているが、これは売上検収時期のタイミングによるものである。下期もフル稼働状況が続くことに変わりなく、開発リソースの増強も合わせて進めていく予定にしている。
(3) ERP・AI事業
ERP・AI事業は売上高で前期比11.9%増の3,060百万円、営業利益で同608.5%増の225百万円と増収増益に転じる見通し。このうち、ERP事業は売上高で同10.1%増の3,000百万円、営業利益で同141.0%増の315百万円を見込む。期初計画対比で売上高の修正はなかったものの、営業利益は50百万円下方修正した。これは上期に不採算案件が発生し、その収束に向けて人的リソースを振り向けたことにより事業部門全体の生産性が低下したことが主因となっている。なお、受注環境については、E-Commerce事業と同様に引き合いが旺盛であり、下期もフル稼働の状況が続く見通しだ。
一方、AI事業については売上高で前期比587.5%増の60百万円、営業損失で90百万円(前期は98百万円の損失)を見込む。期初計画対比では売上高で20百万円下方修正し、営業損失は17百万円拡大することになる。ただ、下期に「AISI∀-AD」の実用化案件が1件予定されており、売上高は上期の6百万円から下期は54百万円に拡大する見通しだ。また、POC案件(実証化実験)も3社と進めており、2023年2月期以降の本格導入が期待できる状況となっている。実用化第1号案件はフィルムメーカーの製造ライン向けとなり、高速ライン上でのフィルムの傷や汚れ等をカメラとAI、エッジコンピュータなどを使って高精度に自動検査するシステムとなる。同システムの導入により検査工程の大幅な省力化が実現できる見通しだ。同社は、同案件を成功事例としてフィルム業界での横展開を進めていくほか、その他の製造業界向けにも導入提案を進めていく方針としており、収益化の時期としては2024年2月期を目標としている。
(4) その他
その他事業の売上高は前期比35.8%増の50百万円、営業損失は105百万円(前期は50百万円の損失)を見込む。期初計画対比では売上高で10百万円下方修正し、営業損失は13百万円拡大することになる。売上高については、新たに販売開始した「TOPSIC-SQL」が期待ほど伸びていないことが修正要因となっている。損失が前期比で拡大するのは、新製品・新事業開発として約60百万円の投資を予定していることが要因となっている。
新製品の第1弾は、2021年10月に販売開始したカスタマーサクセス支援ツール「VOICE TICKETS」となる。同製品は、インターネット上で提供されるサービスを利用するエンドユーザー(以下、利用者)の声を集めて蓄積・管理するツールとなる。利用者はサービス画面上に実装された「VOICE TICKETS」のアイコンまたはリンクをクリックすることで、サービス・製品に対する要望や不満を投稿でき、サービス事業者はこれらの投稿を進捗別に分類して管理することができる。利用者からのフィードバックを収集・管理することで、サービス事業者はサービス・製品の改良やサブスクリプションモデルにおける解約率低減のための施策を打つことが可能となる。
同社ではリリース前に「OBPM Neo」等の自社サービスで「VOICE TICKETS」を実際に導入して効果を検証しており、一定規模の声が収集できたことから外販を開始した。対象顧客はSaaS事業者だけでなく、サービス・製品を提供する幅広いインターネットサービス事業者が想定される。利用料金は収集するVoiceの数に応じて年間60万円、120万円、360万円に分けており、売上目標として初年度に18百万円、5年後に110百万円を目指している。また、2021年11月中に新製品第2弾として、アイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」をリリースする予定としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別見通し
(1) Object Browser事業
Object Browser事業は売上高で前期比6.5%増の700百万円、営業利益で同37.3%減の140百万円と増収減益を見込む。コロナ禍が長引いている影響もあって「Object Browser」シリーズの回復が遅れており、期初計画対比では売上高で10百万円、営業利益で40百万円下方修正した。
売上高をけん引するのは「OBPM Neo」となる。同サービスの特徴は、クライアント環境に依存せずに、いつでもどこでもプロジェクトメンバーの利用が可能なことである。ここ最近はIT業界でも海外拠点と連携したDX関連の開発プロジェクトが増加しているほか、テレワーク体制で開発プロジェクトを進めるケースが増えており、リモート環境下でのプロジェクト管理の重要性の高まりから、顧客数の拡大が続く見通しだ。なお、オンプレミス版を導入している既存顧客についても、保守契約の更新のタイミングで順次「OBPM Neo」に切り替えを進めていく方針となっている。サブスクリプションモデルへの移行に伴う一時的な売上高、利益の伸び悩みは2024年2月期まで続く可能性があるが、それ以降は売上拡大と収益性向上に貢献するものと予想される。
「OBDZ」については顧客からの要望が多かった追加機能の開発を行う方針で、2023年2月期中のリリースを目指している。本格的な拡販活動はその後に行う予定としており、当面は大きな変化がないと思われる。ただ、同製品は設計工程の標準化による生産性並びに品質向上、保守・メンテナンスコストの削減に寄与するツールとして潜在需要は大きいと見られ、2024年2月期以降の飛躍が期待される。
(2) E-Commerce事業
E-Commerce事業は売上高で前期比25.1%増の1,040百万円、営業利益で同74.5%増の370百万円と2ケタ増収増益を見込む。期初計画対比でも売上高で40百万円、営業利益で120百万円上方修正となっている。EC市場の拡大を背景に、大規模ECサイト構築案件の引き合いが引き続き旺盛で、開発リソース面からすべての需要に応えきれない状況が続いている。1件10億円超の過去最大規模の大型リプレース案件も受注したようで、2023年2月期以降、複数回に分けて納品していく予定となっている。売上計上時期については進行基準を採用するため、2022年2月期から計上される見通しだ。
なお、半期ベースで見ると上期の売上高609百万円に対して下期は430百万円程度に減少する見込みとなっているが、これは売上検収時期のタイミングによるものである。下期もフル稼働状況が続くことに変わりなく、開発リソースの増強も合わせて進めていく予定にしている。
(3) ERP・AI事業
ERP・AI事業は売上高で前期比11.9%増の3,060百万円、営業利益で同608.5%増の225百万円と増収増益に転じる見通し。このうち、ERP事業は売上高で同10.1%増の3,000百万円、営業利益で同141.0%増の315百万円を見込む。期初計画対比で売上高の修正はなかったものの、営業利益は50百万円下方修正した。これは上期に不採算案件が発生し、その収束に向けて人的リソースを振り向けたことにより事業部門全体の生産性が低下したことが主因となっている。なお、受注環境については、E-Commerce事業と同様に引き合いが旺盛であり、下期もフル稼働の状況が続く見通しだ。
一方、AI事業については売上高で前期比587.5%増の60百万円、営業損失で90百万円(前期は98百万円の損失)を見込む。期初計画対比では売上高で20百万円下方修正し、営業損失は17百万円拡大することになる。ただ、下期に「AISI∀-AD」の実用化案件が1件予定されており、売上高は上期の6百万円から下期は54百万円に拡大する見通しだ。また、POC案件(実証化実験)も3社と進めており、2023年2月期以降の本格導入が期待できる状況となっている。実用化第1号案件はフィルムメーカーの製造ライン向けとなり、高速ライン上でのフィルムの傷や汚れ等をカメラとAI、エッジコンピュータなどを使って高精度に自動検査するシステムとなる。同システムの導入により検査工程の大幅な省力化が実現できる見通しだ。同社は、同案件を成功事例としてフィルム業界での横展開を進めていくほか、その他の製造業界向けにも導入提案を進めていく方針としており、収益化の時期としては2024年2月期を目標としている。
(4) その他
その他事業の売上高は前期比35.8%増の50百万円、営業損失は105百万円(前期は50百万円の損失)を見込む。期初計画対比では売上高で10百万円下方修正し、営業損失は13百万円拡大することになる。売上高については、新たに販売開始した「TOPSIC-SQL」が期待ほど伸びていないことが修正要因となっている。損失が前期比で拡大するのは、新製品・新事業開発として約60百万円の投資を予定していることが要因となっている。
新製品の第1弾は、2021年10月に販売開始したカスタマーサクセス支援ツール「VOICE TICKETS」となる。同製品は、インターネット上で提供されるサービスを利用するエンドユーザー(以下、利用者)の声を集めて蓄積・管理するツールとなる。利用者はサービス画面上に実装された「VOICE TICKETS」のアイコンまたはリンクをクリックすることで、サービス・製品に対する要望や不満を投稿でき、サービス事業者はこれらの投稿を進捗別に分類して管理することができる。利用者からのフィードバックを収集・管理することで、サービス事業者はサービス・製品の改良やサブスクリプションモデルにおける解約率低減のための施策を打つことが可能となる。
同社ではリリース前に「OBPM Neo」等の自社サービスで「VOICE TICKETS」を実際に導入して効果を検証しており、一定規模の声が収集できたことから外販を開始した。対象顧客はSaaS事業者だけでなく、サービス・製品を提供する幅広いインターネットサービス事業者が想定される。利用料金は収集するVoiceの数に応じて年間60万円、120万円、360万円に分けており、売上目標として初年度に18百万円、5年後に110百万円を目指している。また、2021年11月中に新製品第2弾として、アイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」をリリースする予定としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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