注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:日電産やソニーG・GAFAMなど決算本格化、米7-9月期GDP、CINCのIPO
配信日時:2021/10/23 18:34
配信元:FISCO
■株式相場見通し
予想レンジ:上限29500-下限28250円
来週の日経平均はもみ合いか。いよいよ国内でも7-9月期の企業決算発表が本格化する。週前半から注目度の高い決算が相次ぐ。上期実績の上振れ度合いや下期の見通し、通期計画の上方修正幅などがポイントとなる。今週はディスコ<6146>が好調な決算を発表し、週末に半導体関連株が軒並み急伸するなど、素直に内容を評価する動きが見られた(むろん、蘭ASMLの決算を受けた前日の下落の反動もあるが)。不動産業を中心とした中国経済の減速のほか、供給網の混乱や世界的な電力不足、資源価格の上昇などを背景に、今回の決算に対してはかなり警戒感が強い。その分、期待値は高くないともいえ、良好な決算となれば、ディスコのように素直に反応するケースが多く見られる可能性がある。
米国も同様。既に決算発表済みのうち、S&P500種株価指数を構成する企業の8割程が事前予想を上回り、株価の上昇する銘柄が目立った。米国でも今回の決算に対する警戒感が強かったため、予想を上回る内容に対しては素直に好感するケースが多いようだ。
その米国では、来週はフェイスブック、グーグルを傘下に有するアルファベット、マイクロソフト、アップル、アマゾンなどいわゆるGAFAM銘柄の決算が相次ぐ。これら大型テック企業の相場への影響力は大きいため、非常に注目される。参考材料としては、同様の人気を誇るハイテク企業でネットフリックスとテスラが既に決算を発表しているが、どちらも好決算で株価は大幅に上昇、揃って上場来高値を更新している。日本の主力製造業および米大型ハイテク企業の決算後の反応が、年末に向けた相場の方向性を決める可能性が高く、決算後の株価反応をしっかりと見極めたい。
他方、月末31日に衆院選の投開票が行われる。来夏の参院選も見据えるなか、自民党の獲得議席数を巡っては不安視する向きも多い様子。政権基盤の不安定化は、海外投資家の嫌うところでもあり、投開票結果を見極めるまでは様子見する投資家も多いと予想される。
また、引き続きインフレ懸念や金利動向には注意が必要だ。今週、米10年債利回りと期待インフレ率の指標とされる米ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は一段と大きく上昇した。米10年債利回りは一時約7カ月ぶりとなる1.69%まで上昇、米BEIに至っては、2.64%と急伸し、5月に付けた高値2.51%を大幅に上回る水準にまで上昇した。上昇が止まらないと、企業の好決算でも相殺できない恐れがあり、注意したい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米国の7-9月期国内総生産(GDP)速報値や9月PCEコア価格指数などの主要経済指標が予想を上回った場合、米連邦準備制度理事会(FRB)が年末までに債券購入の段階的縮小(テーパリング)に着手する可能性はさらに高まりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は早期利上げには慎重だが、年内にテーパリングを開始し、来年半ば頃に終了する考えがあることを伝えている。
原油高や米長期金利の上昇などを背景にドル・円は2017年11月以来となる114円70銭まで買われたが、ドル高・円安の急速な進行については、一部で投機的な円売りが増えているとの見方や、秩序だったドル高ではないとの声も聞かれている。また、1ドル=114円台後半から115円付近では顧客筋などのドル売り・円買いが増える可能性があるとみられており、原油価格の反落や中国恒大集団の債務問題など、新たなドル売り材料が提供された場合、ドルの上値は重くなる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
10月25日(月):景気動向指数(8月)、全国百貨店売上高(9月)、独・IFO企業景況感指数(10月)、決算発表:米フェイスブックなど
10月26日(火):CINCが東証マザーズに新規上場、決算発表:日電産、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(8月)、米・消費者信頼感指数(10月)、米・新築住宅販売件数(9月)、決算発表:米アルファベット、米マイクロソフトなど
10月27日(水):日銀政策委員会・金融政策決定会合(~28日)、「AI・人工知能EXPO」が開幕、決算発表:ファナック、米・耐久財受注(9月)など
10月28日(木):小売売上高(9月)、黒田日銀総裁の会見、決算発表:アドテスト、ルネサス、キーエンス、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、米・GDP速報値(7-9月)、決算発表:米アップル、米アマゾンなど
10月29日(金):失業率/有効求人倍率(9月)、鉱工業生産指数(9月)、消費者態度指数(10月)、住宅着工件数(9月)、決算発表:メルカリ、村田製、レーザーテック、欧・ユーロ圏GDP速報値(7-9月)、米・個人所得/個人支出(9月)、米・PCEコアデフレーター(9月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(10月)、など
10月30日(土):伊・G20首脳会議(31日まで)
10月31日(日):衆議院議員選挙2021投開票、中・製造業/非製造業PMI(10月)、英・COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)開催(11月12日まで)
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予想レンジ:上限29500-下限28250円
来週の日経平均はもみ合いか。いよいよ国内でも7-9月期の企業決算発表が本格化する。週前半から注目度の高い決算が相次ぐ。上期実績の上振れ度合いや下期の見通し、通期計画の上方修正幅などがポイントとなる。今週はディスコ<6146>が好調な決算を発表し、週末に半導体関連株が軒並み急伸するなど、素直に内容を評価する動きが見られた(むろん、蘭ASMLの決算を受けた前日の下落の反動もあるが)。不動産業を中心とした中国経済の減速のほか、供給網の混乱や世界的な電力不足、資源価格の上昇などを背景に、今回の決算に対してはかなり警戒感が強い。その分、期待値は高くないともいえ、良好な決算となれば、ディスコのように素直に反応するケースが多く見られる可能性がある。
米国も同様。既に決算発表済みのうち、S&P500種株価指数を構成する企業の8割程が事前予想を上回り、株価の上昇する銘柄が目立った。米国でも今回の決算に対する警戒感が強かったため、予想を上回る内容に対しては素直に好感するケースが多いようだ。
その米国では、来週はフェイスブック、グーグルを傘下に有するアルファベット、マイクロソフト、アップル、アマゾンなどいわゆるGAFAM銘柄の決算が相次ぐ。これら大型テック企業の相場への影響力は大きいため、非常に注目される。参考材料としては、同様の人気を誇るハイテク企業でネットフリックスとテスラが既に決算を発表しているが、どちらも好決算で株価は大幅に上昇、揃って上場来高値を更新している。日本の主力製造業および米大型ハイテク企業の決算後の反応が、年末に向けた相場の方向性を決める可能性が高く、決算後の株価反応をしっかりと見極めたい。
他方、月末31日に衆院選の投開票が行われる。来夏の参院選も見据えるなか、自民党の獲得議席数を巡っては不安視する向きも多い様子。政権基盤の不安定化は、海外投資家の嫌うところでもあり、投開票結果を見極めるまでは様子見する投資家も多いと予想される。
また、引き続きインフレ懸念や金利動向には注意が必要だ。今週、米10年債利回りと期待インフレ率の指標とされる米ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は一段と大きく上昇した。米10年債利回りは一時約7カ月ぶりとなる1.69%まで上昇、米BEIに至っては、2.64%と急伸し、5月に付けた高値2.51%を大幅に上回る水準にまで上昇した。上昇が止まらないと、企業の好決算でも相殺できない恐れがあり、注意したい。
■為替市場見通し
来週のドル・円は伸び悩みか。米国の7-9月期国内総生産(GDP)速報値や9月PCEコア価格指数などの主要経済指標が予想を上回った場合、米連邦準備制度理事会(FRB)が年末までに債券購入の段階的縮小(テーパリング)に着手する可能性はさらに高まりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は早期利上げには慎重だが、年内にテーパリングを開始し、来年半ば頃に終了する考えがあることを伝えている。
原油高や米長期金利の上昇などを背景にドル・円は2017年11月以来となる114円70銭まで買われたが、ドル高・円安の急速な進行については、一部で投機的な円売りが増えているとの見方や、秩序だったドル高ではないとの声も聞かれている。また、1ドル=114円台後半から115円付近では顧客筋などのドル売り・円買いが増える可能性があるとみられており、原油価格の反落や中国恒大集団の債務問題など、新たなドル売り材料が提供された場合、ドルの上値は重くなる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
10月25日(月):景気動向指数(8月)、全国百貨店売上高(9月)、独・IFO企業景況感指数(10月)、決算発表:米フェイスブックなど
10月26日(火):CINCが東証マザーズに新規上場、決算発表:日電産、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(8月)、米・消費者信頼感指数(10月)、米・新築住宅販売件数(9月)、決算発表:米アルファベット、米マイクロソフトなど
10月27日(水):日銀政策委員会・金融政策決定会合(~28日)、「AI・人工知能EXPO」が開幕、決算発表:ファナック、米・耐久財受注(9月)など
10月28日(木):小売売上高(9月)、黒田日銀総裁の会見、決算発表:アドテスト、ルネサス、キーエンス、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、米・GDP速報値(7-9月)、決算発表:米アップル、米アマゾンなど
10月29日(金):失業率/有効求人倍率(9月)、鉱工業生産指数(9月)、消費者態度指数(10月)、住宅着工件数(9月)、決算発表:メルカリ、村田製、レーザーテック、欧・ユーロ圏GDP速報値(7-9月)、米・個人所得/個人支出(9月)、米・PCEコアデフレーター(9月)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(10月)、など
10月30日(土):伊・G20首脳会議(31日まで)
10月31日(日):衆議院議員選挙2021投開票、中・製造業/非製造業PMI(10月)、英・COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)開催(11月12日まで)
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