注目トピックス 日本株
ピアラ Research Memo(4):ブランディングからLTV向上まで一気通貫で最適化する通販DXサービス開始(2)
配信日時:2021/10/13 15:04
配信元:FISCO
■会社概要
b) KPI保証サービス
KPI保証サービスでは、H&B及び食品市場の通販企業800社以上で実施してきたマーケティング支援により蓄積してきた運用ノウハウや独自データをもとに、「悩み特化型のDMP」とAI機能を搭載したマーケティングオートメーションツール「RESULT MASTER」をクライアントまたはピアラ<7044>、もしくは両社で利用しながらマーケティング施策を行っている。
ユーザーの悩み別にデータを蓄積している強みは、ソーシャルメディアから収集するデータの中からヒットした商品の条件をリアルタイムに取り込みデータ管理するだけでなく、たとえば「しみ」や「しわ」などユーザーの悩み別にタグ付けすることで、クライアントの商品1つ1つに最適化したマーケティング施策をAIによって導き出すことができる点にある。H&B領域でのユーザーの「悩み」は、流行に左右されることなく変わらないため、その商品特性と価格帯をベースに過去データを使うことが可能となる。また、どの媒体にどのようなキーワードを使って広告の設定をしていたか、どのような広告を使用していたか、送料無料やクーポン等のオファーは付いていたかなどもタグ付けし、AIエンジンによって学習させている。このため、同社が蓄積している過去データから商品特性や価格を軸に類似する商品をピックアップし、過去の成功パターンを当てはめていくことで、効果の高いマーケティング施策を実現できる仕組みとなっている。なお、広告手法については8割を既存データから導き出された施策を利用し、2割は新しい手法(V Tuber、TikTok等)を活用している。これは、新たな媒体や手法を用いたほうが効果的な場合もあるためで、効果が確認できれば、類似案件に対して活用することでマーケティング効率を高めている。
KPI保証サービスの成果報酬の考え方については、まず新規顧客(商品購入者)に対して、広告を通じて購入を促し、初回購入につなげることで事前に定めた成果報酬を獲得している。また、リピート通販の場合は、クライアント(広告主)は初期投資として新規顧客獲得費用がかかるため、初回購入段階ではまだ赤字であり、リピート購入を継続していくことで収益化するビジネスモデルが主流となっている。このため、成果報酬には新規顧客獲得のほか、商品を追加購入した場合や、1年以上購入実績のなかった顧客が再度購入した場合、単品で商品を購入していた顧客が定期コースを申し込んだ場合など様々なパターンがあり、LTVを向上させることで成果報酬を獲得している。なお、料金プランは1案件当たり最低50万円からとしている。
クライアント側から見れば、新規顧客1人を獲得する、または顧客のLTVを向上させるための費用が固定化されるため、費用対効果が事前に確定していることになる。マーケティング支援サービスでは、最初にプロモーションの予算が決められ、その枠内で各種広告運用を行うことが一般的であるが、マーケティング施策の効果が出なかった場合は費用負担だけがかかることになる。一方、KPI保証サービスでは、結果(新規顧客獲得数またはLTVの向上)に応じて対価が発生するため、このようなリスクはなく、クライアントが利用しやすいサービスとなっていることが特長だ。
なお、同社の費用の大半は各種媒体への広告掲載料で占められ、売上原価の外注費として計上される。主要な媒体はGoogle、Yahoo!、LINE、Facebook等が挙げられる。また、売上高が成果報酬型であるのに対して費用は媒体コスト等によって変動するため、プロモーション案件ごとに利益率も変動する(売上総利益率で3~30%レンジ)。なお、同社は事業リスクの軽減を図るため、KPI保証で顧客獲得件数の保証はしていない。また、当初見込んでいたマーケティングの成果が出なかった場合のロスカットルール(一定期間トレーディングの実績がない場合、累積損失額が一定水準を超えた場合等)を社内で設けており、その基準を超えた場合は自動的に運用をストップするようにしている。仮にロスカットルールに抵触した場合でも、当該クライアントとの信頼関係は変わらず、ほかの商品に切り替えて再度プロモーションに取り組むケースが多い。
c) 広告マーケティング
広告マーケティングは、「RESULTシリーズ」を利用しないマーケティング支援サービスとなり、売上高の2~3割を占めている。通販企業の会報誌や商品などにチラシやパンフレットを同梱し、特定ユーザーに発送する同封コンシェルジュサービスや、DM広告サービスなどが大半を占める。そのほか、テレマーケティングやリアルイベントによるプロモーション、インフルエンサーを活用したバズマーケティングなどのサービスも提供している。
広告マーケティングは、マーケティング支援サービスの成果に関係なく一定額の報酬(手数料)を得るビジネスモデルが大半だが、直近ではクライアントの課題や予算をもとに設定したKPIの成果に応じた報酬を請求するKPI保証型サービスへのシフトを進めている。
d) エンタメDX
2020年11月より、新規事業としてエンタメDX事業を開始している。次世代型総合エンタメプラットフォーム「サイバースター」を立ち上げ、登録アーティスト(ミュージシャン、アイドル、コスプレイヤー、YouTuber等)のライブ配信やギフティング、コンテンツや物販のEC、ファンクラブ運営、電子チケット販売、グッズの商品企画・受注生産などのサービスを提供している。同社が持つマーケティングのノウハウを活用し、データ分析を行うことで、ファンの囲い込みを図ることが可能になる。2021年12月期第2四半期末時点で、HKT48やNGT48など12組のアーティストが登録している。なお、プラットフォーム上で発生する流通額の一定料率が同社の売上高となる。
e) その他サービス
そのほかのサービスとして、H&B及び食品市場をターゲットに「悩み別データ」を活用して商品企画開発からマーケティング支援までを一気通貫でサポートするサービス「BEATMAKER(ビートメーカー)」や、リモート接客ツール「リモートせっきゃくん」、マーケティング支援と金融支援をセットにして提供する「PIALA PAY」のほか、海外事業として越境ECコンサルティングサービスや中国でのインバウンドマーケティング支援サービスなどを展開している。
(2) グループ体制
同社の事業は、同社及び連結子会社8社により構成されている。子会社のうち(株)PIALab.は、徳島支社を拠点として「徳島おもてなし研究センター」を設置し、コールセンター業務(アルバイトを含めて100名弱程度)やECサイトの運用代行などを行っている。これまで外部委託していたコールセンター業務の一部は同子会社で代替しており、事業の拡大に伴って拠点を移転、増設しさらなる成長を目指す。また、2020年11月設立のピアラベンチャーズでは、H&B及び食品市場等の領域をメインに支援を行うファンドを設立、運営している。
海外子会社については、タイのPIATEC(Thailand)Co.,Ltd.でシステム開発や運用保守管理業務を行っている。また、タイへの進出支援業務や和食料理動画メディア「Channel J(チャンネルジェイ)」の運営については、2019年8月に新設したCHANNEL J(THAILAND)Co.,Ltd.に移管しており、事業強化を進めている。中国では、比智(杭州)商貿有限公司が大手ECサイト(天猫、淘宝網等)や大手SNS(微信、微博)を活用したマーケティング企画、制作、デザイン、広告運用等を行っている。そのほか、越境EC支援や輸入請負販売代行サービスを行う子会社を2019年に台湾とベトナムに設立している。2019年までは海外事業も順調に成長してきたが、コロナ禍の影響により、2020年以降は中国を除いて各子会社の事業は停滞気味となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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b) KPI保証サービス
KPI保証サービスでは、H&B及び食品市場の通販企業800社以上で実施してきたマーケティング支援により蓄積してきた運用ノウハウや独自データをもとに、「悩み特化型のDMP」とAI機能を搭載したマーケティングオートメーションツール「RESULT MASTER」をクライアントまたはピアラ<7044>、もしくは両社で利用しながらマーケティング施策を行っている。
ユーザーの悩み別にデータを蓄積している強みは、ソーシャルメディアから収集するデータの中からヒットした商品の条件をリアルタイムに取り込みデータ管理するだけでなく、たとえば「しみ」や「しわ」などユーザーの悩み別にタグ付けすることで、クライアントの商品1つ1つに最適化したマーケティング施策をAIによって導き出すことができる点にある。H&B領域でのユーザーの「悩み」は、流行に左右されることなく変わらないため、その商品特性と価格帯をベースに過去データを使うことが可能となる。また、どの媒体にどのようなキーワードを使って広告の設定をしていたか、どのような広告を使用していたか、送料無料やクーポン等のオファーは付いていたかなどもタグ付けし、AIエンジンによって学習させている。このため、同社が蓄積している過去データから商品特性や価格を軸に類似する商品をピックアップし、過去の成功パターンを当てはめていくことで、効果の高いマーケティング施策を実現できる仕組みとなっている。なお、広告手法については8割を既存データから導き出された施策を利用し、2割は新しい手法(V Tuber、TikTok等)を活用している。これは、新たな媒体や手法を用いたほうが効果的な場合もあるためで、効果が確認できれば、類似案件に対して活用することでマーケティング効率を高めている。
KPI保証サービスの成果報酬の考え方については、まず新規顧客(商品購入者)に対して、広告を通じて購入を促し、初回購入につなげることで事前に定めた成果報酬を獲得している。また、リピート通販の場合は、クライアント(広告主)は初期投資として新規顧客獲得費用がかかるため、初回購入段階ではまだ赤字であり、リピート購入を継続していくことで収益化するビジネスモデルが主流となっている。このため、成果報酬には新規顧客獲得のほか、商品を追加購入した場合や、1年以上購入実績のなかった顧客が再度購入した場合、単品で商品を購入していた顧客が定期コースを申し込んだ場合など様々なパターンがあり、LTVを向上させることで成果報酬を獲得している。なお、料金プランは1案件当たり最低50万円からとしている。
クライアント側から見れば、新規顧客1人を獲得する、または顧客のLTVを向上させるための費用が固定化されるため、費用対効果が事前に確定していることになる。マーケティング支援サービスでは、最初にプロモーションの予算が決められ、その枠内で各種広告運用を行うことが一般的であるが、マーケティング施策の効果が出なかった場合は費用負担だけがかかることになる。一方、KPI保証サービスでは、結果(新規顧客獲得数またはLTVの向上)に応じて対価が発生するため、このようなリスクはなく、クライアントが利用しやすいサービスとなっていることが特長だ。
なお、同社の費用の大半は各種媒体への広告掲載料で占められ、売上原価の外注費として計上される。主要な媒体はGoogle、Yahoo!、LINE、Facebook等が挙げられる。また、売上高が成果報酬型であるのに対して費用は媒体コスト等によって変動するため、プロモーション案件ごとに利益率も変動する(売上総利益率で3~30%レンジ)。なお、同社は事業リスクの軽減を図るため、KPI保証で顧客獲得件数の保証はしていない。また、当初見込んでいたマーケティングの成果が出なかった場合のロスカットルール(一定期間トレーディングの実績がない場合、累積損失額が一定水準を超えた場合等)を社内で設けており、その基準を超えた場合は自動的に運用をストップするようにしている。仮にロスカットルールに抵触した場合でも、当該クライアントとの信頼関係は変わらず、ほかの商品に切り替えて再度プロモーションに取り組むケースが多い。
c) 広告マーケティング
広告マーケティングは、「RESULTシリーズ」を利用しないマーケティング支援サービスとなり、売上高の2~3割を占めている。通販企業の会報誌や商品などにチラシやパンフレットを同梱し、特定ユーザーに発送する同封コンシェルジュサービスや、DM広告サービスなどが大半を占める。そのほか、テレマーケティングやリアルイベントによるプロモーション、インフルエンサーを活用したバズマーケティングなどのサービスも提供している。
広告マーケティングは、マーケティング支援サービスの成果に関係なく一定額の報酬(手数料)を得るビジネスモデルが大半だが、直近ではクライアントの課題や予算をもとに設定したKPIの成果に応じた報酬を請求するKPI保証型サービスへのシフトを進めている。
d) エンタメDX
2020年11月より、新規事業としてエンタメDX事業を開始している。次世代型総合エンタメプラットフォーム「サイバースター」を立ち上げ、登録アーティスト(ミュージシャン、アイドル、コスプレイヤー、YouTuber等)のライブ配信やギフティング、コンテンツや物販のEC、ファンクラブ運営、電子チケット販売、グッズの商品企画・受注生産などのサービスを提供している。同社が持つマーケティングのノウハウを活用し、データ分析を行うことで、ファンの囲い込みを図ることが可能になる。2021年12月期第2四半期末時点で、HKT48やNGT48など12組のアーティストが登録している。なお、プラットフォーム上で発生する流通額の一定料率が同社の売上高となる。
e) その他サービス
そのほかのサービスとして、H&B及び食品市場をターゲットに「悩み別データ」を活用して商品企画開発からマーケティング支援までを一気通貫でサポートするサービス「BEATMAKER(ビートメーカー)」や、リモート接客ツール「リモートせっきゃくん」、マーケティング支援と金融支援をセットにして提供する「PIALA PAY」のほか、海外事業として越境ECコンサルティングサービスや中国でのインバウンドマーケティング支援サービスなどを展開している。
(2) グループ体制
同社の事業は、同社及び連結子会社8社により構成されている。子会社のうち(株)PIALab.は、徳島支社を拠点として「徳島おもてなし研究センター」を設置し、コールセンター業務(アルバイトを含めて100名弱程度)やECサイトの運用代行などを行っている。これまで外部委託していたコールセンター業務の一部は同子会社で代替しており、事業の拡大に伴って拠点を移転、増設しさらなる成長を目指す。また、2020年11月設立のピアラベンチャーズでは、H&B及び食品市場等の領域をメインに支援を行うファンドを設立、運営している。
海外子会社については、タイのPIATEC(Thailand)Co.,Ltd.でシステム開発や運用保守管理業務を行っている。また、タイへの進出支援業務や和食料理動画メディア「Channel J(チャンネルジェイ)」の運営については、2019年8月に新設したCHANNEL J(THAILAND)Co.,Ltd.に移管しており、事業強化を進めている。中国では、比智(杭州)商貿有限公司が大手ECサイト(天猫、淘宝網等)や大手SNS(微信、微博)を活用したマーケティング企画、制作、デザイン、広告運用等を行っている。そのほか、越境EC支援や輸入請負販売代行サービスを行う子会社を2019年に台湾とベトナムに設立している。2019年までは海外事業も順調に成長してきたが、コロナ禍の影響により、2020年以降は中国を除いて各子会社の事業は停滞気味となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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