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ピアラ Research Memo(3):ブランディングからLTV向上まで一気通貫で最適化する通販DXサービス開始(1)
配信日時:2021/10/13 15:03
配信元:FISCO
■ピアラ<7044>の会社概要
2. 事業内容とグループ体制
(1) 事業内容
同社グループは「全てがWINの世界を創る」という経営理念の下、「Smart Marketing for Your Life(あなたの生活をマーケティングでより素敵に便利に)」をビジョンとし、すべての顧客と関連する企業に「ECトランスフォーメーション」※を推進している。顧客がより良い商品に出会い、購買自体を楽しんでもらうことに価値を見出し、顧客満足度を最大化することをミッションとしている。市場領域はH&B及び食品市場にフォーカスし、EC及びD2C事業者への新規顧客獲得や顧客育成等のマーケティング支援を軸に事業開発や商品開発、インフラ整備等を行っている。さらに、他業種やグローバルにも展開することで、事業領域の拡大に取り組んでいる。
※「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である「デジタルトランスフォーメーション」を同社グループの事業基盤に当てはめて再定義した造語。ここ数年で、ECを取り巻く環境は劇的に進化しており、スマートフォンの普及による購買行動やコミュニケーションの変化、SNSの活用、アドテクノロジーの進化、大手ショッピングモールのIDが自社ECでも利用可能になるなど、ECを取り巻く環境変化に対応するにはそれ相応のコストと知見が必要になる。
マーケティング支援の対象領域をH&B及び食品市場にフォーカスしているのは、国内の総人口が減少傾向にある一方で、シニア層は増加傾向が続くことが予想されることから、アンチエイジングや予防医薬などのH&B商品や機能性表示食品の市場で安定成長が見込まれるためだ。また、これらの市場はデジタルマーケティングとの親和性が高いことも要因となっている。具体的には、同社がこれまで蓄積してきた消費者の「悩みや購買状況」などのビッグデータ(悩み特化型DMP※)をAI技術も活用しながら分析することで、ヒット商品を生み出すための再現性の高いマーケティング施策をプランニングし、運用支援を行っている。このノウハウが競合他社との最大の差別化要因となり、同社が成長を続けてきた要因となっていた。
※DMP(Data Management Platform):オンライン上に蓄積された様々な情報データを管理するためのプラットフォーム。DMPを活用することで各種情報をセグメント化でき、個々のユーザーに合わせたOne to Oneのマーケティング施策が可能となる。
しかしながら、近年Web広告市場では景品表示法や薬機法の規則を逸脱するコンテンツが増加していることを受け、規制当局が審査を厳格化したことにより、市場環境が大きく変化してきている。同社自身に規則違反はないものの、過去に蓄積してきたデータに基づくヒット商品創出の勝ちパターンが通用しにくくなってきているようだ。また、クライアント企業についても、他社のプロモーションで規則違反となることで一定期間販売活動を自粛するケースが増えており、Webプロモーションに対して業界全体で慎重になり始めている。こうした逆風を打破するために、通販DXサービスを新たに開始した。
a) 通販DXサービス
通販DXサービスは、Web中心のマーケティング支援サービスであるKPI保証サービスから拡張し、オフラインも含めたデータの一元管理により、ブランディングからLTV向上までを一気通貫で最適化するサービスとなる。同サービス開始の背景は、既述のとおりWeb広告市場において景品表示法や薬機法の規則を逸脱するブラック広告が増加していることを受け、規制当局が審査を厳格化したことがある。直近では、2021年8月に薬機法の規制が強化されたが、これにより、医療品・医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などを対象に広告内容に違反が見つかった場合には、広告主だけでなく広告代理店やアフィリエイターなどにも課徴金が課せられることになった。この規制強化により、広告の表現がさらに制限され、広告主のマーケティング施策を見直す動きが出始めている。業界の規制強化は、中長期的に見れば広告市場のクリーン化につながり、同社の安全性に対する顧客支持が高まるためポジティブに捉えることができるが、現状はその過渡期にあると同社では認識している。
通販DXサービスは、従来のWeb広告を中心としたマーケティング支援から、ブランディング広告やテレビCM等にも領域を拡大し、トータルのマーケティング効果の最適化、費用対効果の最大化を目指すサービスとなる。仕組みとしては、クライアント用のプライベートDMPを構築し、オンライン・オフラインのデータを蓄積するとともに、同社のMAツールを活用してこれらのデータを計測・分析し、PDCAを回すことによってマーケティング効果の効率化及び最大化を図る。同社でマーケティングをトータルで支援するため、オンラインとオフラインで別々に発注・運用していたクライアントの広告予算を、同社が一括して引き受けることで効率化できるといったメリットもある。
同サービスの核となるMAツール「RESULT MASTER」については、Facebookの「コンバージョンAPI」を連携させ、「カスタムオーディエンス」にも対応できる仕様で提供している。今後、Facebook広告やInstagram広告を運用する際に不可欠となる両機能が、「RESULT MASTER」の導入のみで実装可能となる。また、テレビCMやオフライン広告、ミドルファネル施策等のデータ収集・計測も実施することで、Cookieに依存しない広告計測にも対応していく。こうした取り組みにより、広告配信精度の向上を図り、CVの拡大並びにCPA(顧客獲得コスト)の低減を図っていく。また、LINEやSMS、電話、DMなどの顧客アプローチ手段についても、パーソナライズしたシナリオマーケティングを作成・運用することで、LTVの向上を目指す。
通販DXサービスで新たに開始するものとしては、「CM-UP」がある。テレビCMを放映した際のCMリーチ数、位置情報、時間、検索数、Webへのアクセス数の増減、商品の売上効果を可視化・分析し、PDCAを回すことによって最適化を図り、顧客獲得効果を最大化する。同社は、出稿プランからメディア枠の仕入れ、CM制作、分析、最適化までを一気通貫でサポートする。「CM-UP」を導入後、約6倍の顧客獲得成果が出た事例も出ているようだ。
また、オフライン広告のDX化も実施していく。具体的には、新聞広告やDM、折り込み広告、同封広告等のオフライン広告とWebを連動させ、広告効果の最大化を図る。オフライン広告からWebに誘導するまでの導線を複数(電話、QRコード等)設置し、エリアや位置情報、時間、QRアクセス等のデータを収集・分析することで、最適なオフライン広告運用を実現し、Webや同社が運営するコールセンターへの誘導率を高めることで、定期購入の促進や取りこぼし防止を目指す。
そのほか、ミドルファネル施策では、インフルエンサー分析を強化していく方針だ。2021年6月には、インフルエンサー評価を可視化するツール「A STREAM」を提供する(株)A(エース)と業務提携を行い、「I-match(アイマッチ)」の提供を開始した。同社のツールとAのツールを組み合わせることで、インフルエンサーのECにおける売上貢献度を測定・可視化し、インフルエンサーのマーケティング効果の最大化を実現していくツールとなる。仕組みとしては、PR投降後、インフルエンサーのインサイト情報やクライアントからの売上情報を回収し、投稿エンゲージメントからアンバサダーの評価・入れ替えなどを実施していく。
なお、通販DXサービスの運用期間は3~6ヶ月程度で、受注時に総額を決めて月額で売上計上していくビジネスモデルのため、安定した収益が見込めることが特長である。1案件当たりの受注金額は数千万円から1億円を超えるケースもある。また、通販DXサービスのシャワー効果により、成果報酬型のKPI保証サービスの売上再成長も期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2. 事業内容とグループ体制
(1) 事業内容
同社グループは「全てがWINの世界を創る」という経営理念の下、「Smart Marketing for Your Life(あなたの生活をマーケティングでより素敵に便利に)」をビジョンとし、すべての顧客と関連する企業に「ECトランスフォーメーション」※を推進している。顧客がより良い商品に出会い、購買自体を楽しんでもらうことに価値を見出し、顧客満足度を最大化することをミッションとしている。市場領域はH&B及び食品市場にフォーカスし、EC及びD2C事業者への新規顧客獲得や顧客育成等のマーケティング支援を軸に事業開発や商品開発、インフラ整備等を行っている。さらに、他業種やグローバルにも展開することで、事業領域の拡大に取り組んでいる。
※「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である「デジタルトランスフォーメーション」を同社グループの事業基盤に当てはめて再定義した造語。ここ数年で、ECを取り巻く環境は劇的に進化しており、スマートフォンの普及による購買行動やコミュニケーションの変化、SNSの活用、アドテクノロジーの進化、大手ショッピングモールのIDが自社ECでも利用可能になるなど、ECを取り巻く環境変化に対応するにはそれ相応のコストと知見が必要になる。
マーケティング支援の対象領域をH&B及び食品市場にフォーカスしているのは、国内の総人口が減少傾向にある一方で、シニア層は増加傾向が続くことが予想されることから、アンチエイジングや予防医薬などのH&B商品や機能性表示食品の市場で安定成長が見込まれるためだ。また、これらの市場はデジタルマーケティングとの親和性が高いことも要因となっている。具体的には、同社がこれまで蓄積してきた消費者の「悩みや購買状況」などのビッグデータ(悩み特化型DMP※)をAI技術も活用しながら分析することで、ヒット商品を生み出すための再現性の高いマーケティング施策をプランニングし、運用支援を行っている。このノウハウが競合他社との最大の差別化要因となり、同社が成長を続けてきた要因となっていた。
※DMP(Data Management Platform):オンライン上に蓄積された様々な情報データを管理するためのプラットフォーム。DMPを活用することで各種情報をセグメント化でき、個々のユーザーに合わせたOne to Oneのマーケティング施策が可能となる。
しかしながら、近年Web広告市場では景品表示法や薬機法の規則を逸脱するコンテンツが増加していることを受け、規制当局が審査を厳格化したことにより、市場環境が大きく変化してきている。同社自身に規則違反はないものの、過去に蓄積してきたデータに基づくヒット商品創出の勝ちパターンが通用しにくくなってきているようだ。また、クライアント企業についても、他社のプロモーションで規則違反となることで一定期間販売活動を自粛するケースが増えており、Webプロモーションに対して業界全体で慎重になり始めている。こうした逆風を打破するために、通販DXサービスを新たに開始した。
a) 通販DXサービス
通販DXサービスは、Web中心のマーケティング支援サービスであるKPI保証サービスから拡張し、オフラインも含めたデータの一元管理により、ブランディングからLTV向上までを一気通貫で最適化するサービスとなる。同サービス開始の背景は、既述のとおりWeb広告市場において景品表示法や薬機法の規則を逸脱するブラック広告が増加していることを受け、規制当局が審査を厳格化したことがある。直近では、2021年8月に薬機法の規制が強化されたが、これにより、医療品・医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などを対象に広告内容に違反が見つかった場合には、広告主だけでなく広告代理店やアフィリエイターなどにも課徴金が課せられることになった。この規制強化により、広告の表現がさらに制限され、広告主のマーケティング施策を見直す動きが出始めている。業界の規制強化は、中長期的に見れば広告市場のクリーン化につながり、同社の安全性に対する顧客支持が高まるためポジティブに捉えることができるが、現状はその過渡期にあると同社では認識している。
通販DXサービスは、従来のWeb広告を中心としたマーケティング支援から、ブランディング広告やテレビCM等にも領域を拡大し、トータルのマーケティング効果の最適化、費用対効果の最大化を目指すサービスとなる。仕組みとしては、クライアント用のプライベートDMPを構築し、オンライン・オフラインのデータを蓄積するとともに、同社のMAツールを活用してこれらのデータを計測・分析し、PDCAを回すことによってマーケティング効果の効率化及び最大化を図る。同社でマーケティングをトータルで支援するため、オンラインとオフラインで別々に発注・運用していたクライアントの広告予算を、同社が一括して引き受けることで効率化できるといったメリットもある。
同サービスの核となるMAツール「RESULT MASTER」については、Facebookの「コンバージョンAPI」を連携させ、「カスタムオーディエンス」にも対応できる仕様で提供している。今後、Facebook広告やInstagram広告を運用する際に不可欠となる両機能が、「RESULT MASTER」の導入のみで実装可能となる。また、テレビCMやオフライン広告、ミドルファネル施策等のデータ収集・計測も実施することで、Cookieに依存しない広告計測にも対応していく。こうした取り組みにより、広告配信精度の向上を図り、CVの拡大並びにCPA(顧客獲得コスト)の低減を図っていく。また、LINEやSMS、電話、DMなどの顧客アプローチ手段についても、パーソナライズしたシナリオマーケティングを作成・運用することで、LTVの向上を目指す。
通販DXサービスで新たに開始するものとしては、「CM-UP」がある。テレビCMを放映した際のCMリーチ数、位置情報、時間、検索数、Webへのアクセス数の増減、商品の売上効果を可視化・分析し、PDCAを回すことによって最適化を図り、顧客獲得効果を最大化する。同社は、出稿プランからメディア枠の仕入れ、CM制作、分析、最適化までを一気通貫でサポートする。「CM-UP」を導入後、約6倍の顧客獲得成果が出た事例も出ているようだ。
また、オフライン広告のDX化も実施していく。具体的には、新聞広告やDM、折り込み広告、同封広告等のオフライン広告とWebを連動させ、広告効果の最大化を図る。オフライン広告からWebに誘導するまでの導線を複数(電話、QRコード等)設置し、エリアや位置情報、時間、QRアクセス等のデータを収集・分析することで、最適なオフライン広告運用を実現し、Webや同社が運営するコールセンターへの誘導率を高めることで、定期購入の促進や取りこぼし防止を目指す。
そのほか、ミドルファネル施策では、インフルエンサー分析を強化していく方針だ。2021年6月には、インフルエンサー評価を可視化するツール「A STREAM」を提供する(株)A(エース)と業務提携を行い、「I-match(アイマッチ)」の提供を開始した。同社のツールとAのツールを組み合わせることで、インフルエンサーのECにおける売上貢献度を測定・可視化し、インフルエンサーのマーケティング効果の最大化を実現していくツールとなる。仕組みとしては、PR投降後、インフルエンサーのインサイト情報やクライアントからの売上情報を回収し、投稿エンゲージメントからアンバサダーの評価・入れ替えなどを実施していく。
なお、通販DXサービスの運用期間は3~6ヶ月程度で、受注時に総額を決めて月額で売上計上していくビジネスモデルのため、安定した収益が見込めることが特長である。1案件当たりの受注金額は数千万円から1億円を超えるケースもある。また、通販DXサービスのシャワー効果により、成果報酬型のKPI保証サービスの売上再成長も期待できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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