注目トピックス 日本株
ピアラ Research Memo(1):通販DXサービスの提供開始とエンタメDX事業の育成により再成長を目指す
配信日時:2021/10/13 15:01
配信元:FISCO
■要約
ピアラ<7044>は、ヘルスケア&ビューティ(以下、H&B)及び食品市場のECやD2C※事業者へのマーケティング支援サービスを主力事業として展開している。Web広告市場に対する規制強化を背景に、主力のKPI保証サービスが伸び悩むなか、新たな成長戦略として通販DXサービスを2021年5月より開始した。Web中心のマーケティング支援だけでなく、オンラインとオフラインのデータを一元管理し、商品のブランディングからLTV(1年間に購入する金額)の向上まで一気通貫で最適化するサービスとなる。
※D2C(Direct to Consumer)は、自社で企画・製造した商品を自社ECサイトで販売し、顧客管理まで行うビジネスモデルを指す。
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比7.3%減の6,810百万円、営業損失で11百万円(前年同期は222百万円の利益)となり、会社計画(売上高8,323百万円、営業利益261百万円)に対しても下回る格好となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で国内のリアルプロモーションの中止や媒体の発刊中止、海外事業が停滞したことに加えて、Web広告に対する規制強化の影響を受けて大型ヒット商品の創出に苦戦したことや、新規事業への投資を進めたことなどが収益悪化要因となった。なお、第2四半期から開始した通販DXサービスについては、売上高で160百万円、営業利益で21百万円を計上するなど順調な滑り出しを見せた。2社でサービスをスタートしたが、Webによる顧客獲得数が6倍に増加したほか、購入率が2倍になるといった成果が出始めている。
2. 2021年12月期の業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.1%増の14,896百万円、営業利益で同76.0%減の120百万円と、それぞれ期初計画(売上高18,241百万円、営業利益705百万円)から下方修正した。コロナ禍によるマイナス影響が続くほか、2021年8月に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、薬機法)の規制が強化されたことにより、大型ヒット商品が生まれにくい状況が続くと予想していることが要因だ。一方で、通販DXサービスは多くの引き合いがあるなど、新たなプロモーション施策としてクライアントの期待度も高まっている。また通販DXサービスが成長すれば、シャワー効果によりKPI保証サービスも再成長すると弊社では見ている。また、2020年11月から開始したエンタメDX事業も、流通額で10億円を超える見通しだ。次世代型総合エンタメプラットフォーム「サイバースター」上では、登録アーティストのライブ配信やガチャ機能によるコンテンツ販売を行っているが、今後はNFT※モールのオープンも予定しており、登録アーティスト数の増加もあってさらなる流通額の成長が期待できる状況となっている。なお、流通額の一定率が同社の売上として計上される。
※「NFT(非代替性トークン)」とは、デジタル化された創作物に対して唯一の署名をつけることでその出自や所有権を証明するもの。著作物の違法コピーができないといった特性もある。
3. 中期経営計画数値目標の見直しについて
同社は2022年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を進行中だが、市場環境の変化による戦略シフトを行ったことにより、売上高及び営業利益の目標値を一旦取り下げ、通販DXサービスの進捗を見ながら中期経営計画の精査を進める。成長戦略としては、通販DXサービスでの新規顧客獲得及びKPI保証サービスへのシャワー効果による売上拡大、エンタメDX事業での流通取引額拡大に加え、中国市場での有力インフルエンサーを活用したライブコマース事業にも注力していく。また、他業種へのマーケティング支援展開についても実験的に準備を進めている。特に、通販DXサービスが成長のカギを握ると見られるだけに、今後の動向に注目したい。
■Key Points
・オンラインとオフラインのデータを一元管理し、ブランディングからLTVの向上まで一気通貫で最適化する通販DXサービスを開始
・安定成長が見込めるH&B及び食品市場を主軸に、他業界へのマーケティング支援展開も実験的に進める
・2021年12月期は期初計画を下方修正するも、通販DX事業の開始により回復の道筋が見え始める
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
ピアラ<7044>は、ヘルスケア&ビューティ(以下、H&B)及び食品市場のECやD2C※事業者へのマーケティング支援サービスを主力事業として展開している。Web広告市場に対する規制強化を背景に、主力のKPI保証サービスが伸び悩むなか、新たな成長戦略として通販DXサービスを2021年5月より開始した。Web中心のマーケティング支援だけでなく、オンラインとオフラインのデータを一元管理し、商品のブランディングからLTV(1年間に購入する金額)の向上まで一気通貫で最適化するサービスとなる。
※D2C(Direct to Consumer)は、自社で企画・製造した商品を自社ECサイトで販売し、顧客管理まで行うビジネスモデルを指す。
1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比7.3%減の6,810百万円、営業損失で11百万円(前年同期は222百万円の利益)となり、会社計画(売上高8,323百万円、営業利益261百万円)に対しても下回る格好となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で国内のリアルプロモーションの中止や媒体の発刊中止、海外事業が停滞したことに加えて、Web広告に対する規制強化の影響を受けて大型ヒット商品の創出に苦戦したことや、新規事業への投資を進めたことなどが収益悪化要因となった。なお、第2四半期から開始した通販DXサービスについては、売上高で160百万円、営業利益で21百万円を計上するなど順調な滑り出しを見せた。2社でサービスをスタートしたが、Webによる顧客獲得数が6倍に増加したほか、購入率が2倍になるといった成果が出始めている。
2. 2021年12月期の業績見通し
2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.1%増の14,896百万円、営業利益で同76.0%減の120百万円と、それぞれ期初計画(売上高18,241百万円、営業利益705百万円)から下方修正した。コロナ禍によるマイナス影響が続くほか、2021年8月に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、薬機法)の規制が強化されたことにより、大型ヒット商品が生まれにくい状況が続くと予想していることが要因だ。一方で、通販DXサービスは多くの引き合いがあるなど、新たなプロモーション施策としてクライアントの期待度も高まっている。また通販DXサービスが成長すれば、シャワー効果によりKPI保証サービスも再成長すると弊社では見ている。また、2020年11月から開始したエンタメDX事業も、流通額で10億円を超える見通しだ。次世代型総合エンタメプラットフォーム「サイバースター」上では、登録アーティストのライブ配信やガチャ機能によるコンテンツ販売を行っているが、今後はNFT※モールのオープンも予定しており、登録アーティスト数の増加もあってさらなる流通額の成長が期待できる状況となっている。なお、流通額の一定率が同社の売上として計上される。
※「NFT(非代替性トークン)」とは、デジタル化された創作物に対して唯一の署名をつけることでその出自や所有権を証明するもの。著作物の違法コピーができないといった特性もある。
3. 中期経営計画数値目標の見直しについて
同社は2022年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を進行中だが、市場環境の変化による戦略シフトを行ったことにより、売上高及び営業利益の目標値を一旦取り下げ、通販DXサービスの進捗を見ながら中期経営計画の精査を進める。成長戦略としては、通販DXサービスでの新規顧客獲得及びKPI保証サービスへのシャワー効果による売上拡大、エンタメDX事業での流通取引額拡大に加え、中国市場での有力インフルエンサーを活用したライブコマース事業にも注力していく。また、他業種へのマーケティング支援展開についても実験的に準備を進めている。特に、通販DXサービスが成長のカギを握ると見られるだけに、今後の動向に注目したい。
■Key Points
・オンラインとオフラインのデータを一元管理し、ブランディングからLTVの向上まで一気通貫で最適化する通販DXサービスを開始
・安定成長が見込めるH&B及び食品市場を主軸に、他業界へのマーケティング支援展開も実験的に進める
・2021年12月期は期初計画を下方修正するも、通販DX事業の開始により回復の道筋が見え始める
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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