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ダイナムジャパンHD Research Memo(6):2024年3月期は2ケタ増収、各利益は2期ぶりに増益(2)
*18:06JST ダイナムジャパンHD Research Memo(6):2024年3月期は2ケタ増収、各利益は2期ぶりに増益(2)
■ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2024年3月期決算の状況2024年3月末の店舗数は前期末比5店舗増の397店舗となった。M&Aで7店舗を取得し、不採算となっていた2店舗を閉店した。遊技機設置台数は店舗数増加により同4.7%増の194,108台となり、設置台数の業界シェアは5.7%となった。このうち、スマート遊技機の設置台数は、スマパチが3,673台(設置比率2.8%)にとどまったのに対して、スマスロは前期末の4,956台から18,810台(同29.4%)と大幅増となった。高稼働が見込めるヒット機種を中心に積極的に購入を進めたことによる。スマスロの稼働率の高さは貸玉収入比率にも表れており、2024年3月時点でスロットの貸玉収入のうち、40.4%をスマスロで占めた。スマパチについては貸玉収入比率の5.6%と設置台数比率よりは高くなったものの、誤差の範囲内である。このため2024年3月期においては、スマスロの人気機種をどれだけ揃えられるかが収益を回復するうえで重要な一年だったと言える。スマパチの設置が進まなかった理由としては、従来機種と比べてゲーム性に大きな違いがなく差別化が図れなかったことに加えて、遊技機内に玉の還流システムを設ける必要があり製造コストも上がるため、メーカー側でメインタイトルを発売する動きが限定的であったこと、ホール側でも投資余力が限られるなかで高稼働が見込めるスマスロの導入を優先的に進めたことなどが挙げられる。こうした状況を反映して、ダイナム店舗の稼働率もパチンコが前期比1.5ポイント低下したのに対して、スロットは同3.9ポイント上昇した。(2) 航空機リース事業航空機リース事業の事業収入は前期比104.6%増の5,883百万円、セグメント利益は同142.5%増の1,072百万円と大幅増収増益となった。同事業は子会社のDynam Aviation Ireland Limited(ダイナムアビエーション)で日本人を含む9名の専門家によって運営している。流動性が高く需要も安定して見込まれるナローボディ機(AIRBUS(以下、エアバス)のA320シリーズやThe Boeing Company(以下、ボーイング)のB737シリーズ等)に絞ってリース事業を展開しているほか、従来はアウトソーシングしていた航空機リース管理業務を内製化する体制を整備し、2024年3月期より他社が保有する航空機のリース管理サービスの提供を開始した。増収要因は、新たに4機の航空機を購入し、リースを開始したことによるもので、リース機は前期末の6機から10機に増加した。4機のうち2機はインドのLCCであるIndiGo(インディゴ)に、残り2機はハンガリーのLCCであるWizz Air Hungary Ltd.(以下、ウィズエアー)にリースした。また、新たに開始した航空機リース管理サービスでは、他法人が保有する航空機7機の管理サービスを受託し、収益増に貢献した。事業費用は主に航空機の新規購入に伴う減価償却費の増加(1,275百万円増)により同1,416百万円増加の3,250百万円となった。また、借入金が増加したことにより金融収支が同951百万円悪化した。なお、フリートバリューは81,363百万円で同97.8%増となり、平均残存リース期間は6.0年、年換算表面利回りは8.1%となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
2024/07/04 18:06
注目トピックス 日本株
ダイナムジャパンHD Research Memo(5):2024年3月期は2ケタ増収、各利益は2期ぶりの増益(1)
*18:05JST ダイナムジャパンHD Research Memo(5):2024年3月期は2ケタ増収、各利益は2期ぶりの増益(1)
■2024年3月期決算の状況1. 2024年3月期の業績概要ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2024年3月期決算は、営業収入で前期比11.2%増の130,363百万円、営業利益で同32.8%増の8,983百万円、税引前利益で同38.0%増の5,435百万円、当期利益で同88.3%増の3,385百万円となった。営業収入は3期連続の増収、各利益は2期ぶりの増益に転じた。コロナ禍が収束に向かうなかで、2022年11月より導入が開始されたスマスロが人気化したことで若中年層を中心に客足が戻り、パチンコ事業の営業収入が同8.9%増と好調に推移したことが主因だ。また、航空機リース事業もリース供与中の機体数が前期の6機から10機に増加したことで事業収入が前期比104.6%増となり収益増に貢献した。コロナ禍前の2020年3月期の業績(営業収入142,483百万円、営業利益21,514百万円)と比べると営業利益の回復が鈍いように見えるが、これは2022年3月期より会計処理の変更によって、購入した遊技機の大半を資産計上し減価償却費で処理(2年定額償却)するようにしたためだ。2020年3月期の機械費は27,753百万円で、2024年3月期は機械費として3,156百万円、減価償却費として35,420百万円を計上した。減価償却費が膨らんでいるのは、2022年1月末に到来した旧規則機の撤廃期限に合わせて該当する遊技機を大量に入れ替えたことや、スマスロを積極的に購入したことが要因で、減価償却費のピークが2024年3月期となったためだ(2025年3月期以降は減少見込み)。遊技機関連費用控除前の営業利益で見ると、2020年3月期の53,569百万円に対して2024年3月期は43,835百万円と8割強の水準まで回復している。その他収入は前期比1,102百万円減少した。主には前期に計上した店舗立退きに伴う補償金817百万円がなくなったこと、政府からの補助金収入が385百万円減少したことによる。その他費用は364百万円増加した。また、金融収支は同721百万円悪化した。航空機購入資金として金融機関から借入を実施し、有利子負債が前期末比28,157百万円増加したことが主因だ。なお、2024年3月期末のグループ店舗数は前期末比4店舗増の433店舗となった。7店舗をM&Aで取得し、不採算となっていた3店舗を閉店した。また、期末の連結従業員数はオペレーションの標準化及び効率化に取り組んだ結果、同230名減少の12,492人となった(1) パチンコ事業パチンコ事業の事業収入は前期比8.9%増の124,480百万円と3期連続の増収となり、セグメント利益(税引前利益)も同5.1%増の5,259百万円とコロナ禍以降で初めて増益となった。営業収入の内訳を見ると、パチンコが前期比1.5%減の78,767百万円と低迷した一方で、スロットが同33.1%増の45,712百万円と大きく伸長した。スマスロで「北斗の拳」が大ヒットとなるなど人気機種が相次いだことで稼働率が上昇し、また営業政策的にスロットの設置台数を増やしたことが増収要因となった(131店舗で増台を実施)。期末の設置台数を見ると、パチンコが前期末比0.1%減となったのに対して、スロットは同14.0%増となった(合計は店舗数増加により同4.2%増)。店舗形態別事業収入の増減率を見ると、高貸玉店舗が前期比4.4%増の58,466百万円、低貸玉店舗が同13.2%増の66,014百万円となり、低貸玉店舗が好調だった。増収率に対してセグメント利益の伸び率が低くなっているのは、既述のとおり遊技機関連費用が前期比で6,001百万円増加したことに加えて、大型店舗の大規模リニューアルを10店舗実施したことにより修繕費が同1,044百万円増加したことが主因だ。コロナ禍前の2020年3月期の収益水準と比較すると、事業収入が88%の水準まで回復したのに対して、セグメント利益は20%の水準にとどまっているが、遊技機関連費用控除前利益で見ると、2024年3月期は前期比16.6%増の43,835百万円と2ケタ増益となっており、2020年3月期の水準に対しても82%の水準まで回復した。利益率も2020年3月期の37.7%から2022年3月期は24.4%まで低下したが、2024年3月期は35.2%まで戻している。収益力の回復については、店舗における業務オペレーションの見直しにより店舗スタッフの最適化と総労働時間の削減を進めてきたこと、並びに外部に発注していた業務の内製化に取り組んできたことが大きい。2020年3月期との比較で主な事業費用項目の対営業収入比率の変化を見ると、店舗人件費が33.3%から30.5%と2.8ポイント低下したほか、清掃費も内製化を進めることで2.7%から2.0%に抑えられた。逆に、水道光熱費は3.9%から5.7%に上昇したが、これは2023年以降の電力料金の高騰が要因だ。ただ、前期比では0.7ポイント低下し、実額ベースでも190百万円減少した。全店舗に導入しているBEMS※を最新システムに更新したことで節電効果が高まったことが主因となっている。※BEMS(Building Energy Management System)とは、省エネ化も目的に室内環境や、空調・照明・換気等の設備機器の使用状況など、建物内のエネルギーに関するデータを一元的に管理するシステム。また、1店舗当たりの収益指標を見ると、事業収入は前期比7.9%増の287百万円、遊技機関連費用控除前利益は同15.6%増の101百万円となっており、人件費率を抑制できたことが利益率の改善につながった。なお、1店舗当たりの設置台数は2020年3月期の470台に対して、2024年3月期は493台と増加傾向にある。グループの中核を成す(株)ダイナムの業績について見ると、営業収入は前期比9.0%増の117,162百万円、営業利益は同148.3%増の3,541百万円、経常利益は同96.1%増の3,582百万円、当期利益は同83.8%増の1,673百万円となった。日本の会計基準となるため微妙な違いはあるが、増減要因は連結ベースとほぼ同様である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
2024/07/04 18:05
注目トピックス 日本株
ダイナムジャパンHD Research Memo(4):4つの強みを生かして強固な経営基盤を確立(2)
*18:04JST ダイナムジャパンHD Research Memo(4):4つの強みを生かして強固な経営基盤を確立(2)
■会社概要(3) 顧客視点に立った経営の実践ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は5つの経営方針の1つに“顧客第一主義”を掲げ、実践している。同様の経営方針を掲げる企業はあっても、それを実践できているところは少ないと思われ、同社の特長の1つと弊社では考えている。同社の様々な経営施策のなかで“低貸玉営業”と、“射幸性に頼らない営業”の2つを特に弊社では評価している。これらは同社の経営方針や成長戦略を理解するうえでのキーワードでもある。a) 低貸玉営業貸玉料(パチンコは玉を借りて遊ぶという形態となっており、その料金)を通常の4円より安い、1円もしくは2円に引き下げた営業形態のことを指す。同じ料金でも来店客はより多くの玉を借りることができ、それだけ長く遊ぶことが可能になる。地域のインフラとして、パチンコを誰もが気軽に楽しめる日常の娯楽にすることを目指す同社にとっては、低貸玉店舗の拡大は理に適った施策と言える。2024年3月末時点の低貸玉店舗数は257店舗と全体の59.4%を占めている。2021年3月期以降はコロナ禍で主要顧客ターゲットであるシニア層の客足低迷が続いたため、採算が厳しくなった店舗の閉店を実施し2020年3月期比では17店舗減少したが、中長期的には高齢者人口の増加によりシニア層の客数も回復すると見ており、低貸玉店舗の比率を高める方針に変わりない。この戦略を継続するには相応の企業体力が必要で、その方策が多店舗展開とローコストオペレーションの実践にある。b) 射幸性に頼らない営業文字どおり、射幸性の高い機種を集客の中心的な戦略とはしないということである。パチンコ機には大当たりの確率が高いものから低いものまで様々な種類がある。確率が低い機種ほど大当たりした場合の出玉数が多く、コアなパチンコファンほど射幸性の高い機種を好む傾向がある。したがって、パチンコホールも高射幸性機種の構成比を高めた店づくりをして集客を行っているところが多い。しかしながらギャンブル依存等の対策強化の下、規制当局において射幸性を抑えるための規則改正が段階的に実施されたことで、射幸性を売り物に集客するパチンコホールの経営スタイルでは成り立たなくなりつつあるのが現状だ。同社は、高射幸性機種の割合が業界平均に比べて低く、反対に最も射幸性の低い確率1/100タイプの構成比が業界平均よりも20ポイント以上も高い構成である。射幸性に対する規制強化の影響は同社も避けられないが、従来から射幸性に頼らない営業に取り組んできたことから、マイナスの影響は相対的に軽微であると弊社では考えている。一方で、コロナ禍以降はシニア層の客層の戻りが鈍く、2022年11月のスマスロ機の導入以降は若中年層の増加が顕著となっている状況がある。同社の場合、来客数のうち4割強がシニア層で占められ、40~50代のミドル層が4割弱、10~30代の若年層が2割弱の構成となっている。このため、今後は幅広い客層に支持される店舗づくりに取り組む方針を打ち出している。(4) 上場企業の強みを生かした資金調達力同社は2012年にパチンコホール業界で初めて香港証券取引所に株式を上場した。約1,500社と言われるパチンコホール企業のなかで株式を上場しているのは同社を含めて2024年3月末時点で3社しかない。今後予想される業界再編において、買い手となれるかどうかの重要な条件の1つが資金調達力であることに議論の余地はない。同社は2015年11月の夢コーポレーション(株)のグループ化により上場企業としての強みを生かし、全株式を株式交換により取得した。M&Aに限らず店舗投資や新事業展開などによる資金需要に対して、上場企業であることのメリットは大きく、資金調達力という点において今後も有利に働くと考えられる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2024/07/04 18:04
注目トピックス 日本株
ダイナムジャパンHD Research Memo(3):4つの強みを生かして強固な経営基盤を確立(1)
*18:03JST ダイナムジャパンHD Research Memo(3):4つの強みを生かして強固な経営基盤を確立(1)
■会社概要2. ダイナムジャパンホールディングスグループの特長と強みダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は様々な特長・強みを持つが、そのなかで弊社では1) 国内トップの店舗数、2) ローコストオペレーション、3) 顧客視点の経営、4) 資金調達力の4点に注目している。ポイントはそれぞれの強みが互いにつながっていることだ。すなわち、他社が同社と同じ強さを実現するのは容易ではないということにもつながる。(1) グループ店舗数は433店舗と国内最大手警察庁資料より全国のパチンコ・パチスロ店は2023年12月末時点で7,083店舗(前年比582店舗減)となり、ピークだった1995年の18,244店舗から約4割の水準にまで減少した。このうち、同社グループの店舗数は2024年3月末時点で433店舗と国内トップである。集計時期のずれによって厳密な比較ではないものの、国内シェアは店舗数、遊技機の設置台数ともに約6%の水準になっていると見られる。業界シェアで1%を超えたのが2003年であり、業界全体の店舗数が減少傾向となるなかで、同社はM&Aも含めた多店舗展開を推進しシェアを拡大してきた。店舗数は2020年3月期以降、コロナ禍による市場環境の悪化で不採算店舗を閉店したため4期連続で減少していたが、2024年3月期は7店舗をM&Aで取得したこともあり2018年3月期以降、6期ぶりに増加に転じたことになる。同社グループでは、出店にあたって店舗形態を標準化し、賃料を抑えられる地方の人口集積地(人口3~5万人の商圏)に集中的に出店し、多店舗展開を進めてきた。また、店舗数を拡大し、スケールメリットを生かすことで遊技機や一般景品等の購入コストを抑制している。店舗数が多いということは、それだけ遊技機の購入台数も増え、遊技機メーカーに対するバイイングパワー(価格交渉力)が強まることになる。また、同社はスケールメリットを生かしてPB機の開発・導入を積極的に進めている※。さらには、全国16ヶ所に各々30店舗前後をカバーする物流センターを設置し、店舗間で機種を融通し合うことで、機械費(遊技機の購入額)の抑制と物流コストの低減につなげている。店舗間で機種の融通を図ることで、顧客ニーズに応じて機種の品揃えを変更するなど機動的な店舗運営を実現し、集客増とコスト削減の両立を図る体制を構築している。※2024年3月末のパチンコ設置台数に占めるPB機比率は10.1%(ダイナム単体ベース)。(2) チェーンストア理論チェーンストア理論に基づくローコストオペレーションは同社の競争力の源泉であり、成長戦略を含めたすべての施策について実現性・有効性を担保する大きな支えとなっているというのが弊社の理解だ。パチンコホール事業の2大経費は機械費と人件費であるが、その直接的な費用の削減だけでなく、少ない従業員数でオペレーションを可能にする店舗設計や店舗運営システムの導入、新規出店の標準化など様々な面にチェーンストア理論を生かし、同社グループ全体としてのローコスト化につなげている。前述のように同社は国内トップの433店舗を展開している。これは積極的な多店舗展開策の結果にほかならないが、それを可能とした原動力もチェーンストア理論だ。そこで店舗数増大→スケールメリットによるコスト削減という好循環が生まれ、現在の地位を確立できたと弊社は分析している。また、顧客視点に立った経営も、チェーンストア理論があるからこそ実現できていると考えている(詳細は後述する)。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2024/07/04 18:03
注目トピックス 日本株
ダイナムジャパンHD Research Memo(2):「チェーンストア理論」に基づき業容拡大し、業界初の株式上場を達成
*18:02JST ダイナムジャパンHD Research Memo(2):「チェーンストア理論」に基づき業容拡大し、業界初の株式上場を達成
■会社概要1. 沿革ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は1967年に、現 取締役兼相談役の佐藤洋治(さとうようじ)氏の父である佐藤洋平(さとうようへい)氏が設立した佐和商事株式会社が起源である。1970年に創業者が急逝したため、当時(株)ダイエーに勤務していた長男の佐藤洋治氏が24歳で事業を継いだ。同社は大卒者の新卒採用、郊外型店舗・ローコスト店舗の開店、労働組合結成、低貸玉営業の全国展開など、パチンコホール業界における新たな取り組みを同業他社に先駆けて行ってきた。同社が先進的な企業文化を持つに至ったのは、佐藤洋治氏のリーダーシップによるところが大きい。同氏は日本に入ってきて日が浅かった「チェーンストア理論」に感銘を受け、ダイエーに入社した。その後同社の経営を引き継ぐと、一貫してチェーンストア理論をパチンコホールの経営に応用し業容拡大を図ってきた。同社の大きな強みであるローコストオペレーションもチェーンストア理論に基づくものだ。チェーンストア理論に学んだ同氏の合理的な考え方は企業文化として同社に根付き、パチンコホール業界のなかでトップ企業に押し上げる原動力となった。顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営など企業経営で重要とされる要素についても、早期から経営理念に取り入れており、2012年8月の香港証券取引所への上場を実現する大きな原動力ともなった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2024/07/04 18:02
注目トピックス 日本株
ダイナムジャパンHD Research Memo(1):パチンコ事業はシェア拡大により回復トレンドが続く見通し
*18:01JST ダイナムジャパンHD Research Memo(1):パチンコ事業はシェア拡大により回復トレンドが続く見通し
■要約ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は、店舗数で国内第1位の日本最大級のパチンコホール運営企業である。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みを持つ。ビジョンとして「地域のインフラとしてパチンコを誰もが気軽に楽しめる“日常の娯楽”に改革する」ことを掲げている。顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底など質の高い経営を実践し、業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。1. 2024年3月期決算の状況2024年3月期決算は、営業収入で前期比11.2%増の130,363百万円と3期連続の増収となり、営業利益も同32.8%増の8,983百万円と2期ぶりの増益に転じた。営業収入は、パチンコ事業におけるスロット機の好調と、航空機リース事業における保有機数増加(前期末比4機増の10機)に伴う事業収入の増加により増収となった。営業利益ベースではコロナ禍前の2020年3月期の水準(21,514百万円)に対して4割強の水準までしか回復していないが、遊技機関連費用(遊技機関連の減価償却費+遊技機購入費)控除前の営業利益で見ると2020年3月期の53,569百万円に対して、2024年3月期は43,835百万円と8割強の水準まで回復している。コロナ禍以降に取り組んできた店舗オペレーションの見直しによる店舗スタッフの最適化や業務の内製化により、店舗収益力が回復してきたことが大きい。なお、期末店舗数についてはM&Aによる取得があり、前期末比で4店舗増の433店舗と業界全体の店舗数減少が続くなかで着実にシェアを拡大している。2. 2025年3月期の事業方針今後の成長戦略として、パチンコ事業では既存店の大規模修繕を伴うリニューアルを継続し、スマートスロット(以下、スマスロ)機の増設と快適な遊技環境を整備するほか、パチンコ機ではPB機の開発を強化することで顧客の多様なニーズに応え、集客力の高い店舗の増加による収益拡大を目指す。一方、航空機リース事業においては内製化した航空機リース管理機能を活用して、各種サービス(航空機の調達、リース管理、コンサルティング等)を他社に提供することで収益拡大をねらう。旅客需要の回復により航空機リースの需要も拡大しており、同分野における旺盛な投資ニーズを取り込んでいく。3. パチンコ事業の見通し遊技ホール業界では、2024年3月期はスマスロが市場のけん引役となったが、2025年3月期は2024年7月の規制緩和で需要が拡大することが期待されるスマートパチンコ(以下、スマパチ)の動向がポイントになると見られる。スマパチの業界における設置比率は2024年5月時点で4%強にとどまっており、ヒット機種が今後相次げば稼働率上昇による増収効果が期待されるためだ。ただ、中小ホールは投資余力が少なくなっていることから淘汰され、大手企業の寡占化が進む構図は変わらないと見られる。2023年12月末時点の同社の店舗数シェアはトップとは言え約6%に過ぎず、市場全体が伸び悩んだとしてもシェア拡大による成長余地は依然大きく、今後数年間はパチンコ事業を拡大する好機になると弊社では見ている。■Key Points・スマスロの好調、航空機リース事業の拡大により、2024年3月期は2ケタ増収、2期ぶりの増益に転じる・2025年3月期は既存店のリニューアルを継続、スマスロ設置台数の増設等により店舗収益力の向上を目指す・パチンコホールは大手の寡占化が一段と進行、今後数年間はシェア拡大の好機に(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2024/07/04 18:01
注目トピックス 市況・概況
欧州為替:ドル・円は下げ渋り、ユーロは買戻し
*17:56JST 欧州為替:ドル・円は下げ渋り、ユーロは買戻し
欧州市場でドル・円は下げ渋り。夕方に軟調地合いとなり161円19銭まで下げたが、その後は161円30銭付近に戻した。一方、ユーロは買戻しが強まりユーロ・ドルは1.08ドル付近に、ユーロ・円は欧州株高を受け174円20付近にそれぞれ浮上した。ここまでの取引レンジは、ドル・円は161円19銭から161円32銭、ユーロ・円は174円04銭から174円23銭、ユーロ・ドルは1.0793ドルから1.0803ドル。
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2024/07/04 17:56
みんかぶニュース 為替・FX
日銀為替市況 午後5時時点、161円27~29銭のドル安・円高
日銀が4日公表した午後5時時点の外国為替市況は1ドル=161円27~29銭と前日に比べ48銭のドル安・円高。ユーロは対円で1ユーロ=174円08~12銭と同4銭のユーロ高・円安。対ドルでは1ユーロ=1.0794~95ドルと同0.0035ドルのユーロ高・ドル安だった。
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:56
みんかぶニュース 為替・FX
日銀為替市況(ドル円・午後5時)
■ドル円終値の推移
レンジ 前日比
07月04日 161円27~29銭 (▼0.48)
07月03日 161円75~78銭 (△0.11)
07月02日 161円64~66銭 (△0.63)
07月01日 161円01~03銭 (△0.09)
06月28日 160円92~94銭 (△0.38)
06月27日 160円54~56銭 (△0.65)
06月26日 159円89~91銭 (△0.41)
06月25日 159円48~50銭 (▼0.20)
06月24日 159円68~70銭 (△0.92)
06月21日 158円76~79銭 (△0.49)
06月20日 158円27~28銭 (△0.53)
06月19日 157円74~75銭 (▼0.39)
06月18日 158円13~14銭 (△0.58)
06月17日 157円55~56銭 (▼0.11)
06月14日 157円66~68銭 (△0.40)
06月13日 157円26~28銭 ( 0.00)
06月12日 157円26~28銭 (▼0.08)
06月11日 157円34~35銭 (△0.35)
06月10日 156円99~01銭 (△1.58)
06月07日 155円41~43銭 (▼0.86)
06月06日 156円27~29銭 (△0.13)
06月05日 156円14~15銭 (△0.76)
06月04日 155円38~40銭 (▼1.73)
06月03日 157円11~13銭 (▼0.03)
05月31日 157円14~15銭 (△0.18)
05月30日 156円96~98銭 (▼0.16)
05月29日 157円12~14銭 (△0.24)
05月28日 156円88~90銭 (▼0.02)
05月27日 156円90~93銭 (▼0.14)
05月24日 157円04~06銭 (△0.28)
05月23日 156円76~77銭 (△0.36)
05月22日 156円40~41銭 (△0.18)
05月21日 156円22~24銭 (△0.49)
05月20日 155円73~74銭 (▼0.08)
05月17日 155円81~83銭 (△1.40)
05月16日 154円41~42銭 (▼1.68)
05月15日 156円09~11銭 (▼0.36)
05月14日 156円45~47銭 (△0.57)
05月13日 155円88~89銭 (△0.20)
05月10日 155円68~70銭 (▼0.14)
05月09日 155円82~84銭 (△0.50)
05月08日 155円32~34銭 (△1.21)
05月07日 154円11~12銭 (▼1.37)
05月02日 155円48~51銭 (▼2.40)
05月01日 157円88~90銭 (△1.03)
04月30日 156円85~87銭 (△0.15)
04月26日 156円70~71銭 (△1.08)
04月25日 155円62~64銭 (△0.73)
04月24日 154円89~91銭 (△0.08)
04月23日 154円81~82銭 (△0.16)
04月22日 154円65~67銭 (△0.18)
04月19日 154円47~49銭 (△0.20)
04月18日 154円27~28銭 (▼0.34)
(注:△はドル高・円安)
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:55
みんかぶニュース 為替・FX
明日の為替相場見通し=161円台前半での動きか
今晩から明日にかけての外国為替市場のドル円相場は、模様眺めムードが広がりやすく161円台前半を中心とした動きとなりそうだ。予想レンジは1ドル=161円00銭~161円60銭。
きょうは米国が独立記念日の祝日となることから市場参加者の減少が予想されるほか、5日に発表される6月の米雇用統計を控えて積極的には動きにくい。3日に発表された米経済指標は弱い内容が目立ち、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が再燃していることがドルの重荷となりそうだ。ただ、日米の株価が騰勢を強めていることからリスク選好的なドル買い・円売りが入りやすくなっており、あすの日本株が一段と上値を追う動きをみせれば安全通貨とされる円が売られる可能性があるだろう。また、欧州の政局不安が後退していることを背景に足もと堅調な動きとなっているユーロも注目で、今晩には6月開催分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨が公表される予定となっている。
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:51
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(10):将来への投資を優先、配当予想は未定
*17:50JST オプティム Research Memo(10):将来への投資を優先、配当予想は未定
■株主還元策オプティム<3694>は成長のための投資を優先する方針であり、現在の配当予想は未定である。日本では稀有な技術力・構想力を持つベンチャー企業だけに、投資には中長期の視点が必要だろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
2024/07/04 17:50
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(9):2025年3月期は、売上高で創業来25期連続増収
*17:49JST オプティム Research Memo(9):2025年3月期は、売上高で創業来25期連続増収
■今後の見通しオプティム<3694>の2025年3月期の連結業績については、売上高で前期比10.3%増の11,300百万円、営業利益で同0.5%増の1,950百万円を予想する。2021年3月期から投資回収期が始まったが、引き続き第4次産業革命の中心的な企業になるべく、潜在市場規模約160兆円の開拓に向けた積極的な成長投資を継続する。一方で着実な増収増益を達成する計画である。なお、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益については、同社が支配していない関連会社の損益について合理的な見積りが困難であることから、具体的な予想数値の開示は行わない方針となった。売上高については、2024年3月期と同水準の成長率(前期は10.4%)で、創業来25期連続となる過去最高売上高を目指す。モバイルマネジメントサービス市場が順調に拡大するなか、優位なポジションを確保している同社の主力製品・サービスが伸びることでストック売上が増加する傾向は、2025年3月期も継続すると想定される。X-Techサービスについては、各産業においてDXが急速に進展していることが追い風になるなか、優先度の高い“キラーサービス”で積極投資及び販売強化を実行し、将来的な安定成長を支えるストック売上の底上げを図る。特に、アグリテックのドローン農薬散布サービスやオフィスDXの文書管理系サービスなどは大幅な成長を実現させるべく積極的な投資を進めており、大きな成果が期待できる。過去24期にわたって増収を続けてきており、安定した成長を実現できるビジネスモデルである点で2025年3月期の売上計画も信頼できる。利益については、積極的な成長投資を行いながらも過去最高の営業利益を目指す。売上高営業利益率予想(17.3%)は、同社ビジネスモデルの実力値としての利益率(2021年3月期は24.1%)より低いことからも、投資意欲を読み取ることができる。また、同社は第4次産業革命において中心的な役割を果たす企業になることを標榜しており、期中において優良な投資機会が生じた場合(M&Aなども含む)は、柔軟かつ積極的に成長投資を行う方針である。弊社では、魅力的な投資案件があった場合などの特殊な要因があれば別だが、オーガニックな成長を前提とすれば、積極的な成長投資を継続しながらでも十分達成可能な利益予想であると考えている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
2024/07/04 17:49
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(8):“第4次産業革命の中心的な企業となる”べく成長投資を継続
*17:48JST オプティム Research Memo(8):“第4次産業革命の中心的な企業となる”べく成長投資を継続
■成長戦略・トピックス1. 中長期の売上成長イメージオプティム<3694>は過去数年間、研究開発に注力し「Optimal Biz」や「OPTiM Cloud IoT OS」をベースとする新サービスを立ち上げることで、様々な業界で成果を挙げている。中長期ではモバイルマネジメントサービス(「Optimal Biz」)を順調に伸ばしつつ、X-Techサービスを大きく成長させ、業績の飛躍的な発展を目指している。X-Techサービスでは「OPTiM Cloud IoT OS」や関連技術を活用した業界特化のキラーサービスを複数展開しており、アグリテック、デジタルコンストラクション、デジタルヘルス、オフィスDX、マーケティングDX、映像管理DXなどが主要な事業領域である。2. 主要X-Techサービスでの進捗・最新事例(1) アグリテック農業分野では、ドローンを使った「ピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー」をはじめ、様々な要素技術を開発してきた。「アグリ・コントラクター・サービス」は、これまで開発したハード(ドローンなど)やソフト(AI・IoTによる解析システム等)を活用したサービスであり、ドローン適期防除サービス「ピンポイントタイム散布」など複数のメニューがそろい充実している。2025年3月期は、これらのドローン活用サービスで、全国規模のサービス体制を安定的に稼働させるため、ドローンやパイロットの稼働体制の強化、バックエンドシステムへの積極投資を計画する。同社では、既に1,000名規模のドローンパイロットのネットワークがあり、日々現場への出動が行われている。全国のJA団体との連携強化も進んでおり、本サービスへの期待も高まっている。より効率的に機材や人(パイロット等)を配置できる仕組みを整備することで、今後の本格的な拡大を可能にする。ちなみに、農林水産業分野のAIソリューション市場シェアで1位を獲得している。(2) オフィスDXオフィスDX分野では、AIを活用した契約書管理サービス「OPTiM Contract」、2024年1月からの電子帳簿保存法規制に対応するサービス「OPTiM 電子帳簿保存」が大幅にライセンス数を伸ばしており、2025年3月期以降のさらなる飛躍が期待できる。「OPTiM Contract」は契約書の分類・登録、検索や照会・通知、ユーザーファイルの権限管理など、一連の契約書管理業務を効率化できる。利用者からは、AIによる検索性向上や期限の自動通知などの評価が高い。なお、これらの機能は令和3年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を受賞した「契約書AI解析・管理システム」に関する特許がベースとなっている。また、「OPTiM 電子帳簿保存」に関しては、2024年1月からの電子帳簿保存法対応のため大手企業の多くは対応が完了しているが、中堅・中小企業においては未対応の企業も多く、今後の導入が期待される。同サービスは、前期までにバージョンアップを継続的に実施し、機能的なアドバンテージがあるが、知名度をさらに高めるべく、Web広告やセミナーなどのマーケティング投資を行い、導入の加速を図る計画である。(3) マーケティングDX「OPTiM Digital Marketing」分野では、2023年4月に、佐賀市のあらゆるサービスを1つのアプリで完結できる「佐賀市公式スーパーアプリ」β版が一般公開された。住民は役所へ行かなくともオンラインで各種行政手続きを行うことができ、ゴミの収集日、地域の情報、 防犯防災などの情報が得られ、行政業務のデジタル化、省人化にも寄与する。同アプリは、提供から9ヵ月間で約38,000ダウンロードを達成し、佐賀市民有効浸透率約3割と新しいデジタル行政インフラとして認識が広がっている。この取り組みは、一般社団法人デジタルメディア協会の「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’23/第29回AMDアワード」において、「リージョナル賞」を受賞しており、外部機関からも高い評価を得ている。同社では、佐賀市でのノウハウを活かして全国の自治体への横展開を目指す予定である。これらの事例に共通しているのは、蓄積した技術の足し算、掛け算により、新領域の開拓や新機能・新サービスの追加が加速している点だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
2024/07/04 17:48
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(7):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成
*17:47JST オプティム Research Memo(7):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成
■業績動向1. 2024年3月期業績の概要オプティム<3694>の2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.4%増の10,243百万円、営業利益が同10.9%増の1,940百万円、経常利益が同12.8%増の1,844百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.7%増の1,171百万円となり、創業来24期連続となる増収とともに過去最高の営業利益を達成した。売上高は、モバイルマネジメントサービスの順調な売上成長に加えX-Techサービスの大幅な売上成長が増収に貢献した。モバイルマネジメントサービスの中核となる「Optimal Biz」は市場において13年連続シェアNo.1を獲得しており、市場の成長とあわせて、順調にライセンス数も増加した。X-Techサービスでは、中核となる「OPTiM Cloud IoT OS」を土台としたキラーサービス化を目指す複数の領域で成果が顕在化した。X-Techサービスの売上構成比は42.5%(前期は37.8%)まで上昇し勢いが増している。アグリテック分野では「ピンポイントタイム散布」サービスが全国に拡大した。デジタルコンストラクション分野では、3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」のライセンス数が順調に積み上がった。マーケティングDX分野では、「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」の佐賀市での展開が開始され、市民の約3割に浸透し、活用が始まった。利益については、売上総利益率が同1.1ポイント低下したが、販管費率も同1.3ポイント低下し、これらの結果、営業利益率は前期と同水準の18.9%となった。全般的には、将来への先行投資をしっかり行いつつ、高い収益性を維持しており、順調な業績と評価できる。極めて安全性の高い財務状況。将来的なM&Aなどにも余力を残す2. 財務状況と経営指標2024年3月期末の資産合計は前期末比1,343百万円増の9,562百万円となった。流動資産は同850百万円増の4,599百万円であったが、これは現金及び預金が461百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が389百万円それぞれ増加したことが主な要因である。固定資産は、ソフトウェアが787百万円増加したことなどにより、同492百万円増の4,963百万円となった。なお、現金及び預金の残高は461百万円増の1,902百万円とさらに充実した。負債合計は前期末比190百万円増の2,220百万円となった。これは、未払金が165百万円増加したことなどにより、流動負債が同189百万円増加したことが主な要因である。固定負債は同0百万円増の139百万円と大きな変化はなかった。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が1,171百万円増加したことなどにより、同1,152百万円増の7,342百万円となった。安全性に関する経営指標については、流動比率が221.0%、自己資本比率が75.8%となっており、財務の安全性は極めて高い。一定以上の開発投資を行い続けているが、ROEで17.6%、ROAで20.7%、ROSで18.9%と高い収益性・効率性を維持している。現預金残高の充実や借入金の少なさなどから、M&A案件などがあった場合に積極的に獲得に乗り出せる財務体質であると言える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
2024/07/04 17:47
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(6):「Optimal Biz」は、同社を代表するサービス(3)
*17:46JST オプティム Research Memo(6):「Optimal Biz」は、同社を代表するサービス(3)
■事業概要3. 同社の強みオプティム<3694>は、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを多数擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・ビッグデータのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。なお、同社の強みは1) 豊富な技術的発想力、2) 高度な技術力、3) サービス企画・開発・運用力、4) 強固なストック収益、5) 豊富な顧客基盤、6) 事業創造力、の6点に整理することができる。4. 知財戦略同社は、設立当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、知財を獲得し保有する戦略を推進してきた。一例を挙げると、2011年に日米で特許取得された通称「Tiger」は、デバイスの特定精度を飛躍的に向上させる検知技術として傑出したものである。また、2018年に特許取得した「ピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー」は、令和元年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を、2018年に特許取得した「契約書AI解析・管理システム」は、令和3年度九州地方発明表彰において「文部科学大臣賞」を受賞した。このほか、「OPTiM Cloud IoT OS」は、あらかじめ定めた条件に基づき、最適なAIやAPIを自動選択するプログラム(登録番号JP6404529)、建設における測量を効率化する「OPTiM Geo Scan」は、位置情報と3次元点群データを自動連係し、高精度3次元測量を簡単に実現するプログラム(登録番号JP6928217)、「OPTiM Digital Marketing」は、カメラ画像をAIが解析し、空席率に応じた割引率のクーポンを提供するプログラム(登録番号JP6246446)など、キラーサービスは知財で保護されている。2024年3月時点の同社の特許出願数は1,129件、登録数は548件に達する。これらの知財は、新規事業分野での参入障壁を構築するだけでなく、大企業が安心して同社と提携関係を構築できるメリットもある。5. 販売・チャネル戦略同社は、販売・チャネルにおいても強固な基盤を保持している。累計18万社以上のサービス利用者を開拓してきたのは、主にパートナー企業である。大手通信キャリア、複合機メーカー、ISP、SIer、携帯販売会社など、いずれも多くの顧客企業を抱えており、全国的な販売網が確立されている。特に、KDDIグループやNTTグループとは合弁会社の設立なども行っており、つながりが強い。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
2024/07/04 17:46
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(5):「Optimal Biz」は、同社を代表するサービス(2)
*17:45JST オプティム Research Memo(5):「Optimal Biz」は、同社を代表するサービス(2)
■事業概要c) デジタルヘルス少子高齢化による医療費の増大や病院関係者の人手不足が深刻な課題になっている。オプティム<3694>は、医療分野においてもIoT・AIを組み合わせ、医療が抱える様々な課題の解決に取り組んでいる。一例を挙げると、2016年には、日本初となるスマートフォン、タブレットを用いた遠隔診療サービス「ポケットドクター」を発表し、経済産業省主催「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2016」でグランプリを受賞した。2020年には、オンライン診療システムを手軽かつスピーディーに開発することができる「オンライン診療プラットフォーム」のOEM提供を開始している。さらに同年には、メディカロイドが開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」の運用支援、安全・効率的な手術室の活用支援及び手技の伝承・継承支援を目的としたネットワークサポートシステムのプラットフォーム「MINS(マインズ:Medicaroid Intelligent Network System)」の共同開発を行った。「MINS」は、「hinotoriTM サージカルロボットシステム」に搭載された各種センサー情報や内視鏡映像、手術室全体の映像などの情報をリアルタイムで収集・解析・提供するオープンプラットフォームであり、同社の「OPTiM Cloud IoT OS」をベースに開発されている。「hinotoriTM サージカルロボットシステム」及び「MINS」は既に複数の病院で導入が進んでおり、泌尿器科、消化器外科、婦人科などの領域での手術に利用されている。同社では、この分野の潜在市場規模を1,500億円と推定している。d) マーケティングDXスマホの浸透やコロナ禍などを経て、顧客接点のデジタル化は加速している。同社では、企業や団体が顧客接点をデジタル化し、マーケティング施策を最適化・効率化するためのクラウドサービス、スマートフォンアプリの提供を行っている。この分野では、2020年にM&Aした子会社(株)ユラスコアのCRMツールをベースに展開する。事例としては、飲食業における来店時の注文や来店時以外の販促活動、地方自治体における住民へのコミュニケーション、大型スタジアムにおける利用者ツールなどがある。同社では、この分野の潜在市場規模を3,600億円と推定している。e) オフィスDX人手不足の解消や働き方改革が課題となるオフィス環境において、様々な文書管理に関する業務を同社が得意とするAIを活用することで効率よく、正確に処理することを可能にするサービスを提供する。代表例であるAI契約書管理サービス「OPTiM Contract」では、書類の検索、期限の管理などでAI技術が活躍する。また、AI取引情報(帳票)管理サービス「OPTiM電子帳簿保存」は、2023年12月に猶予期間が終了した電子帳簿保存法の要件に則り請求書・領収書・注文書などの取引情報の保管をAIを活用して効率化するサービスである。オフィスDX分野は、大企業から中小企業まで、業種・業態を問わずに需要があり、推定市場規模を4,222億円と推定している。f) 映像管理DX様々な産業で人手不足が深刻な課題となる中、防犯カメラなどの分析を人間に変わりAIで実施することが期待されている。同社は、2018年に戦略商品「OPTiM AI Camera」及び派生サービスをリリースし、AIを用いた画像解析のデファクトスタンダードを目指している。「OPTiM AI Camera」は、既設の監視カメラを活用し、クラウド上で画像解析を行うサービスで、画像解析のための専用ハードウェア導入が不要なため、手軽に導入できる。「OPTiM AI Camera Enterprise」は、店舗や施設など業界別・利用目的別に設置された様々な種類のカメラからデータを収集し、学習済みモデルを活用して画像解析を行うことでマーケティング、セキュリティ、業務効率などの領域を支援するサービスである。「OPTiM AI Camera Enterprise」では「OPTiM Edge」などの専用ハードウェアを設置し、ネットワークカメラにて取得された画像を解析することで、高速かつ高度なAI画像解析が可能となる。さらに、基本機能を網羅した使い放題パックと、各業界に特化したオプション機能、顧客専用の画像解析ソリューション開発を支援するプロフェッショナルプランを提供しており、多種多様なニーズに幅広く対応している。なお、最近では様々な業種での利用事例が増えており、「ダムの遮水壁点検業務の高度化・効率化」「車両検知による駐車場の混雑状況可視化」「観光スポットの滞在人数把握(感染拡大防止対策)」などが公表されている。同社では、この分野の潜在市場規模を7,562億円と推定している。(3) その他サービスa) 「Optimal Remote」「Optimal Remote」はカスタマーサポートなどのシーンで活躍しているサービスである。顧客デバイスの画面共有・遠隔操作により、これまで口頭説明に費やしていたサポート時間を大幅に削減でき、従来サポートの約60%の時間で問題を解決できる。また画面転送や遠隔操作の各種レスポンスにおいて、他社製品を圧倒する速度を実現することで、サポートプロセス全体の高速化・短縮化を果たす。同サービスは、コロナ禍に伴い遠隔でのサポート需要が高まったことにより、ライセンス数は順調に伸びている。一例を挙げると、店舗での対応が困難となったスマートフォンのサポートなどに活用されているようだ。この他、Web画面共有サービス「Optimal Remote Web」及びデバイス管理者のWebブラウザから一元的にデバイスの遠隔操作が行える「Optimal Remote IoT」も展開している。b) 「Optimal Second Sight」「Optimal Second Sight」は、スマートグラス、スマートフォンやタブレットのカメラを用いて現場の映像を共有し、各種支援機能により現場作業をサポートできる遠隔作業支援サービスである。同サービスもコロナ禍以降における需要を取り込んだことにより、ライセンス数が増加した。拠点間の移動が減少するなか、従来は現地にて確認などを行っていた業務について、遠隔地から状況を確認しサポートを行うことができる点で、まさにニューノーマルのニーズに合致していると言える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2024/07/04 17:45
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(4):「Optimal Biz」は、同社を代表するサービス(1)
*17:44JST オプティム Research Memo(4):「Optimal Biz」は、同社を代表するサービス(1)
■事業概要1. 市場動向オプティム<3694>の成長を後押しするのは、第4次産業革命※1の進展である。近年、PCやモバイル機器にとどまらずネットワークカメラやセンサー、ウェアラブルデバイスなどのIoT(モノのインターネット)が急速に普及しており、同社によると2025年にはIoT機器が416億台インストールされると予測されている。これに伴い、生成されるデータ量も爆発的に増加し、2025年には世界のIoT機器のデータ生成量は79.4兆GB(2020年の約4倍)に達すると推計されている。ビッグデータの加速度的増加は、その中から有益な情報を導くためのAI利用を後押しする。同社は、IoT機器の管理を行う「Optimal Biz」及びIoT・AIを利用するためのプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」などにより、第4次産業革命を前進させるカギとなるソリューションを提供しており、それが強みの1つであると言える。なお、同社が対象とする市場は、推計約160兆円(450億台×300円/月※2)のポテンシャルを持つ巨大市場である。※1IoT・AI、ビッグデータなどの情報通信技術の発展により、産業構造が大きく変わり、新たな経済価値が生まれること。※2「450億台」はIoT機器出荷台数予想。「300円/月」は「Optimal Biz」平均月額単価。2. 事業領域(1) モバイルマネジメントサービス「Optimal Biz」「Optimal Biz」は、2009年に提供が開始された同社を代表するサービスである。MDMツールに分類され、企業向けのスマートフォン・タブレット・パソコン・IT機器といった端末の管理やセキュリティ対策を、ブラウザ上から簡単に実現できる。KDDIやNTT東日本、富士フイルムホールディングス<4901>のグループ会社である富士フイルムビジネスイノベーション株式会社、パナソニック ホールディングス<6752>のグループ会社であるパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社、リコー<7752>の販売子会社であるリコージャパン株式会社、大塚商会<4768>など多数の販売パートナーを通じての提供や、販売パートナーのサービスとしてOEM提供されており、同社は端末数に応じたライセンス料(1端末エンドユーザー標準価格は300円/月)を受領する。国内MDM市場が年率10%以上の安定成長をしているなか、同社はその市場で13年連続シェア1位を獲得、導入実績は18万社以上に達し、デファクトスタンダードの地位を確立している。また、平均解約率がサブスクリプションサービスの業界平均を大きく下回る約0.5%であることからも、顧客満足度の高さがうかがえる。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)以降、テレワークの導入が業種や規模を問わず拡がり、業務に利用するPCやスマートフォンの管理、セキュリティ対策のニーズが高まるのに伴い、ライセンス数が堅調に拡大している。「Optimal Biz」周辺領域では、「OPTiM Contract」「OPTiM 電子帳簿保存」「OPTiM ID+」「OPTiM Asset」などの新たなサービスがあり、連携して活用することで利便性が向上する。(2) X-Techサービス同社は、プラットフォーマーのためのプラットフォームである「OPTiM Cloud IoT OS」を活用し、各産業とIT(AI・IoTなど)を組み合わせる「○○×IT」によりすべての産業を第4次産業革命型産業へと再発明していく。この取り組みは、実証実験から始まり、特定の顧客企業向けや業界向けの正式な事業やサービスとして育ってきた。先行する業界は、「デジタルコンストラクション」「アグリテック」「デジタルヘルス」であり、既に事業として立ち上がっているサービスが多数ある。a) デジタルコンストラクション建設土木産業は、労働者不足などによる人手不足、地方企業の廃業など様々な課題を抱えている。これらの問題解決のためにAI・IoT活用が進んできた。同社は、コマツが主導する合弁会社(株)EARTHBRAINの建設・土木におけるプラットフォーム「LANDLOG」に「OPTiM Cloud IoT OS」を提供し、安全で生産性の高い未来の現場の実現を目指している。「LANDLOG」は建設生産プロセス全体のあらゆる「モノ」のデータを収集・集積(ショベルカー、ダンプカー、ドローンなどの管理・解析が可能)し、現場の効率化に活用できる形式に加工したデータをユーザーに提供する。「OPTiM Cloud IoT OS」は、その基盤に活用されている。また、2020年には、建設DXとICT(情報通信技術)施工を推進する「(株)ランドログマーケティング(現(株)オプティム・デジタルコンストラクション)」を設立し、スマートコンストラクション・レトロフィットキット※の販売や、建設向けDXソリューションのマーケティングを行っている。※今使用している使い慣れた油圧ショベルに、最新のデジタル機器を“後付け”することで、ICTによる高機能化を実現する。業界注目のアプリケーションとしては世界に先駆けて開発した「OPTiM Geo Scan」がある。LiDARセンサー内蔵スマホやタブレットで土構造物などの測量対象物をスキャンするだけで、高精度な3次元データが取得できる。ドローンやレーザースキャナなどが利用できない小規模現場でも優位性を発揮し、従来の光波測量と比べ測量時間を最大6割削減することができる。また、測量の専門知識は不要で、一人で手軽に測量を行うことが可能であるため、人手不足や技術者不足解消にも役立つ。世界に先駆けて開発し、2021年の販売開始以来、地上型レーザースキャナー「OPTiM Geo Scan Advance」などをはじめ様々なオプションや周辺機器を開発しており、利便性はさらに向上している。同社では、建設土木分野の潜在市場規模を3,600億円と推定している。b) アグリテック農業分野は、生産者の高齢化、労働人口減少で人手不足となり、耕作放棄地の増加や国内自給率低下などの問題が深刻な状況である。同社では、世界初の「ピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー」をはじめとしたAI・IoT・Roboticsの技術・プラットフォーム(農業DXサービス)を総合的に整備し、農業の省力化と高収益化を支援している。同社が開発したサービスには、ピンポイント農薬散布以外にも、ドローンを使った「播種テクノロジー」、圃場や農作物の画像をAIを用いて解析するサービス「Agri Field Manager」、グライダー型ドローンを使った「広域圃場管理システム」などがあり、いずれも最先端のスマート農業を支える技術となっている。現在では、これまで培ってきた生育予測技術や病害虫発生予察技術とドローン防除の知見を組み合わせ、最適な時期に最小限の農薬で最大の防除効果の実現を目指す「ピンポイントタイム散布」サービスが全国規模に拡大中である。生産者の人手不足解決、コスト低減、消費者の安心安全な食生活に貢献すると同時に、環境負荷も軽減する取り組みを積極的に進めている。同社では、この分野の潜在市場規模を3,885億円と推定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
2024/07/04 17:44
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(3):業界のイノベーションを目指す注目ベンチャー企業
*17:43JST オプティム Research Memo(3):業界のイノベーションを目指す注目ベンチャー企業
■会社概要1. 会社概要と沿革オプティム<3694>は、現 代表取締役社長の菅谷氏が佐賀大学学生時代の2000年に友人らと起業したAI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。“ネットを空気に変える”がミッションであり、「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。イノベーションの創造と実現こそ唯一の自社の存在意義と考え、創業当初から数多くの発明を行ってきたのも同社の特長で、特許出願数は1,129件、登録数は548件に達している(2024年3月時点)。従業員数は406名(2024年4月1日時点)で、開発系人材が大半である。創業当初はインターネット動画広告サービスを主体としていたが、2006年の東日本電信電話(株)(以下、NTT東日本)との技術ライセンス契約、AIを活用した自動インターネット接続ツールの提供を機にオプティマル事業(ネットを空気に変え、明日の世界を最適化することを目指す事業の造語)に転換した。2009年にはパソコン向け管理プラットフォーム「Optimal Biz」を提供開始した。なお、同社は、現在に至るまで様々な製品・サービスを展開しているが、“離れた端末をスマートに操作する”という提供価値は、対象分野や技術が変わっても一貫している。2011年頃からは、世の中がPCからモバイルにシフトする流れに対応し、スマートフォンなどを含むマルチデバイス対応の管理プラットフォームを開発した。そのプラットフォームを拡張・進化させた「OPTiM Cloud IoT OS」で、現在デファクトスタンダード化を推進している。2013年からはソフトウェアやコンテンツの使い放題サービスにも進出し、ビジネスモデルの幅を拡げている。2015年には、ITを使って業界に変革を起こす取り組み「〇〇×IT」が本格化し、建設や農業などの分野でパートナー企業・団体とのプロジェクトがスタートした。建設業界では、2017年にコマツなど4社共同で建設生産プロセスの新プラットフォーム「LANDLOG」をスタートした。2020年には世界初となる、iPad Proを使って誰でも簡単に高精度3次元測量ができるアプリ「OPTiM Land Scan」(現 「OPTiM Geo Scan」)の提供を開始し、現在契約ライセンス数は累計1,000件を突破している。農林水産業では、2016年に農業分野でドローンを活用した害虫駆除の実証実験に成功している。また、2018年には同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、米や大豆をはじめとする作物が本格的に収穫された。医療分野でも進捗が著しく、メディカロイドが開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステムに、同社の、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」が使われている。様々な業界の大手企業が同社のパートナーであり、技術力やポテンシャルは内外から高く評価されている。2020年には佐賀銀行<8395>と共同で、AI・IoTを活用したソリューションの企画・販売などを目的とした合弁会社「オプティム・バンクテクノロジーズ(株)」を設立、2021年にはNTT東日本などと国産ドローンサービスの利用を推進する(株)NTT e-Drone Technology設立に参画、また、KDDI<9433>とAI・IoT活用の商品企画で企業のDXを支援する合弁会社「DXGoGo(株)」を設立するなど、大手企業と連携した事業拡大の取り組みが加速している。2014年に東証マザーズ上場、2015年には同市場1部にスピード昇格。2022年4月の同市場区分再編に伴いプライム市場へ移行した。2. 事業内容同社の主力事業は「IoTプラットフォームサービス」であり、全社売上高の88.6%(2024年3月期)を構成する。その内訳は従来の強みである「モバイルマネジメントサービス」と近年投資を積極化する「X-Techサービス」に分類される。「モバイルマネジメントサービス」では、スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスである。パートナー企業による代理販売、OEM提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。「X-Techサービス」では、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を活用し、農業・建設・医療など、あらゆる産業のDXを実現する取り組みやサービスを展開する。「リモートマネジメントサービス」は全社売上高の7.3%(同)を構成する。遠隔作業支援サービス「Optimal Second Sight」は、現場での作業支援のみならず、災害時のスムーズな救援活動及び現場把握など災害対策の支援機器として採用されている。現場の映像共有と遠隔操作がコア技術であり、導入企業の端末数に応じてライセンス料を受領する。「サポートサービス」は全社売上高の0.8%(同)を構成する。PC市場の成長鈍化に伴い減少傾向にある。スマートフォンやタブレットなどのトラブルを自動で検知し修復する「Optimal Diagnosis & Repair」や、自動的にルーターを解析し操作・設定を行う「Optimal Setup」を提供しており、導入の際の機能追加にかかるカスタマイズ料やライセンス料を受領する。「その他サービス」は全社売上高の3.2%(同)を構成する。個人向けに「パソコンソフト使い放題」、人気雑誌読み放題サービス「タブレット使い放題(タブホ)」など「使い放題シリーズ」を提供しており、月額定額課金がメインである。売上高をストック売上とフロー売上に分けると、その構成比はストック売上:フロー売上=68:32となっている。同社の基本戦略として安定収入であるストック売上(ライセンス収入)を最大化するために自社商品・サービスを確立することを優先している。そのため将来的にストック売上につながるカスタマイズ開発(フロー売上)は行うが、それ以外のカスタマイズ開発は優先度を下げている。例年下半期にフロー売上が多くなる傾向にある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2024/07/04 17:43
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(2):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成(2)
*17:42JST オプティム Research Memo(2):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成(2)
■要約4. 今後の見通し2025年3月期の連結業績については、売上高で前期比10.3%増の11,300百万円、営業利益で同0.5%増の1,950百万円を予想する。売上高については、前期と同水準の成長率(前期は10.4%)で、創業来25期連続となる過去最高売上高を目指す。モバイルマネジメントサービス市場が順調に拡大するなか、優位なポジションを確保しているオプティム<3694>の主力製品・サービスが伸びることでストック売上が増加する傾向は、2025年3月期も継続すると想定される。X-Techサービスについては、優先度の高い“キラーサービス”で積極投資及び販売強化を実行し、将来的な安定成長を支えるストック売上の底上げを図る。特に、アグリテックのドローン農薬散布サービスやオフィスDXの文書管理系サービスなどは大幅な成長を実現させるべく積極的な投資を進めており、大きな成果が期待できる。過去24期にわたって増収を続けてきており、安定した成長を実現できるビジネスモデルである点で2025年3月期の売上計画も信頼できる。利益については、積極的な成長投資を行いながらも過去最高営業利益を目指す。弊社では、魅力的な投資案件があった場合などの特殊な要因があれば別だが、オーガニックな成長を前提とすれば、積極的な成長投資を継続しながらでも十分達成可能な利益予想であると考えている。■Key Points・独自のAI・IoT・Roboticsの技術で人材不足が深刻化する業界のイノベーションを目指す注目ベンチャー企業。各分野でNo.1ソリューションを多数保有・2024年3月期は主力の「Optimal Biz」の安定成長に加え、各産業向けX-Techサービスが大幅伸長し、過去最高の売上・利益を達成・極めて安全性の高い財務状況。将来的なM&Aなどにも余力を残す・“第4次産業革命の中心的な企業となる”べく成長投資を継続。アグリテックやオフィスDX分野への戦略投資を計画(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
2024/07/04 17:42
注目トピックス 日本株
オプティム Research Memo(1):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成(1)
*17:41JST オプティム Research Memo(1):2024年3月期は、過去最高の売上・利益を達成(1)
■要約オプティム<3694>は、AI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。主力の「Optimal Biz」及び「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。当初から世の中にないサービスを作り出すことを念頭に技術開発を行っており、関連の特許を数多く所有する(出願数1,129件、登録数548件、2024年3月時点)。様々な業界の大手企業が同社のパートナーであり、技術力やポテンシャルは内外からも高く評価されている。2014年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ上場、2015年には同市場1部に昇格し、2022年4月の同市場再編に伴いプライム市場へ移行した。1. 事業内容同社の主力事業は「IoTプラットフォームサービス」であり、全社売上高の88.6%(2024年3月期)を構成する。その内訳としては従来の強みである「モバイルマネジメントサービス」と近年投資を積極化する「X-Tech(クロステック)サービス」に分類される。「モバイルマネジメントサービス」では、スマートフォンやタブレットなどの様々なデバイスをクラウド上で管理し、組織内の運用管理、資産管理やセキュリティポリシーの設定などを行う「Optimal Biz」が主力サービスであり、導入実績は18万社以上、13年連続シェア1位を獲得し、デファクトスタンダードの地位を確立している。パートナー企業による代理販売、OEM提供などで流通し、端末数に応じたライセンス料を受領する。「X-Techサービス」では、AI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」を活用した業種別の取り組みや、「OPTiM AI Camera」をはじめとするパッケージサービスなどを展開する。「OPTiM Cloud IoT OS」を用いる取り組みとして、各産業とITを組み合わせて、すべての産業を第4次産業革命型へと変化させる「〇〇×IT(〇〇に業種が入る)」を実施している。農林水産業では、2016年に日本で初めて農業分野でドローン・AIを活用した害虫駆除の実証実験に成功し、現在では、全国規模で「ピンポイントタイム散布」サービスが行われている。建設業界では、世界初のスマートフォンを活用した高精度な3次元測量アプリ「OPTiM Geo Scan」の提供を行う。医療分野では、2016年に日本初の遠隔診療サービス「ポケットドクター」をリリースし、2020年には、(株)メディカロイド(川崎重工業<7012>とシスメックス<6869>の合弁会社)が開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステムに、同社のAI・IoTプラットフォーム「OPTiM Cloud IoT OS」が採用された。「X-Techサービス」ではこのほかにも多数のキラーサービスが登場し、一部は普及期に入っている。同社は創業来、知財戦略に基づく豊富な技術力及び事業創造力を背景に、常に革新的なサービスを提供し新しい市場を開拓してきた。国内市場ではシェア1位のサービスを複数擁し、豊富なライセンス収益を基盤としたビジネスモデルを確立している。また、近年ではAI・IoT・ビッグデータのマーケットリーダーとして、各産業のトッププレイヤーと強固なビジネスディベロップメントを推進している。2. 業績動向2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.4%増の10,243百万円、営業利益が同10.9%増の1,940百万円、経常利益が同12.8%増の1,844百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同21.7%増の1,171百万円となり、創業来24期連続となる増収とともに過去最高の営業利益を達成した。売上高は、モバイルマネジメントサービスの順調な売上成長に加えX-Techサービスの大幅な売上成長が増収に貢献した。モバイルマネジメントサービスの中核となる「Optimal Biz」は市場において13年連続シェアNo.1を獲得しており、市場の成長とあわせて、順調にライセンス数も増加した。X-Techサービスでは、中核となる「OPTiM Cloud IoT OS」を土台としたキラーサービス化を目指す複数の領域で成果が顕在化した。X-Techサービスの売上構成比は42.5%(前期は37.8%)まで上昇し勢いが増している。アグリテック分野では「ピンポイントタイム散布」サービスが全国に拡大した。マーケティングDX分野では、「自治体向けスーパーアプリ・プラットフォーム」の佐賀市での展開が開始され、市民の約3割に浸透し、活用が始まった。利益については、売上総利益率が同1.1ポイント低下したが、販管費率も同1.3ポイント低下し、これらの結果、営業利益率は前期と同水準の18.9%となった。全般的には、将来への先行投資をしっかり行いつつ、高い収益性を維持しており、順調な業績と評価できる。3. 成長戦略・トピックス同社の基本戦略は、モバイルマネジメントサービスを順調に伸ばしつつ、X-Techサービスを大きく成長させ、業績を飛躍的に発展させるというものであり、この戦略は従来一貫している。X-Techサービスでは「OPTiM Cloud IoT OS」や関連技術を活用した業界特化のキラーサービスを複数展開しており、アグリテック、デジタルコンストラクション、デジタルヘルス、オフィスDX、マーケティングDX、映像管理DXなどが主要な事業領域である。農業分野では、ドローンを使った「ピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー」をはじめ、様々な要素技術を開発してきた。「アグリ・コントラクター・サービス」は、これまで開発したハード(ドローンなど)やソフト(AI・IoTによる解析システム等)を活用したサービスであり、ドローン適期防除サービス「ピンポイントタイム散布」など複数のメニューがそろい充実している。2025年3月期は、これらのドローン活用サービスで、全国規模のサービス体制を安定的に稼働させるため、ドローンやパイロットの稼働体制の強化、バックエンドシステムへの積極投資を計画する。同社では、既に1,000名規模のドローンパイロットのネットワークがあり、日々現場への出動が行われている。全国のJA団体との連携強化も進んでおり、本サービスへの期待も高まっている。より効率的に機材や人(パイロット等)を配置できる仕組みを整備することで、今後の本格的な拡大を可能にする。ちなみに、農林水産業分野のAIソリューション市場シェアで1位を獲得している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<HN>
2024/07/04 17:41
みんかぶニュース 市況・概況
東証投資部門別売買動向:6月第4週、外国人・現物は1239億円と6週ぶり買い越し
東京証券取引所が4日に発表した6月第4週(6月24~28日)の投資部門別売買動向は、現物の海外投資家が1239億7421万円と6週ぶりの買い越しとなった。前週は213億6989万円の売り越しだった。先物ベース(日経225とTOPIXの先物・mini合計)では海外投資家は4746億円の買い越し。現物・先物の合計では5985億円と2週ぶりの買い越しとなった。前週は6261億円の売り越しだった。
現物での個人投資家は4885億8706万円と4週ぶりの売り越し。信託銀行は15億9885万円と2週ぶりに買い越した。事業法人は673億9429万円と13週ぶりに売り越した。
この週の日経平均株価は終値ベースで986円(2.6%)上昇している。
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:40
みんかぶニュース 投資家動向
<個人投資家の予想> 07月04日 17時
■ 買い予想数上昇(最新48時間)
(銘柄コード) 銘柄 市場 [ 割安/割高 ]
(6048) デザインワン 東証スタンダード [ 割安 ]
(3719) ジェクシード 東証スタンダード [ 割安 ]
(3498) 霞ヶ関キャピタル 東証プライム [ 割高 ]
(7011) 三菱重工業 東証プライム [ 割高 ]
(2811) カゴメ 東証プライム [ 割安 ]
■ 売り予想数上昇(最新48時間)
(銘柄コード) 銘柄 市場 [ 割安/割高 ]
(7012) 川崎重工業 東証プライム [ 割高 ]
(206A) PRISMバ 東証グロース [ 分析中 ]
(5032) ANYCOLOR 東証プライム [ 割安 ]
(4755) 楽天グループ 東証プライム [ 割高 ]
(198A) PostPrime 東証グロース [ 分析中 ]
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:32
みんかぶニュース 市況・概況
4日香港・ハンセン指数=終値18028.28(+49.71)
4日の香港・ハンセン指数の終値は前営業日比49.71ポイント高の18028.28と4日続伸した。
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:27
注目トピックス 市況・概況
欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米早期利下げ観測も円売りがサポート
*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米早期利下げ観測も円売りがサポート
4日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。足元で発表された米経済指標は弱い内容が目立ち、引き締め長期化期待のドル買いは一服。ただ、日本の為替介入への過度な警戒は和らぎ、円売りがドルをサポートしそうだ。前日発表された米国のADP雇用統計とISM非製造業景況感指数の低調な内容が嫌気され、引き締め的な金融政策の長期化への思惑は後退。金利高の抑制でドル売りに振れ、ユーロ・ドルは1.0810ドル台に浮上、ドル・円は160円70銭台に失速した。本日アジア市場は米独立記念日に伴う休場の影響で薄商いのなか、日本の為替介入への過度な警戒は和らいだ。ドル・円は161円前半に下げた後、161円半ばに持ち直した。この後の海外市場は前日までに発表された米経済指標を消化する展開。強弱まちまちながら低調な内容が目立ち、積極的なドル買いは抑制される。明日の雇用統計は失業率が横ばい、非農業部門雇用者数は前月から減少の見通し。平均賃金は鈍化が予想され、インフレ圧力の低下により連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め姿勢を弱める可能性もあろう。ドル・円は下押しされながらも円安に支えられ、下げづらい値動きとみる。【今日の欧米市場の予定】・17:30 英・6月建設業PMI(予想:54.0、5月:54.7)・20:30 欧州中央銀行(ECB)6月理事会議事要旨・英国総選挙・米国休場(独立記念日)
<CS>
2024/07/04 17:25
みんかぶニュース 個別・材料
トーセが24年8月期業績予想を下方修正
トーセ<4728.T>がこの日の取引終了後、24年8月期の連結業績予想について、売上高を55億2000万円から48億3000万円(前期比16.5%減)へ、営業損益を2000万円の黒字から4億5000万円の赤字(前期4億8800万円の黒字)へ、最終損益を5400万円の黒字から2億9600万円の赤字(同4億9900万円の黒字)へ下方修正した。
顧客の方針転換に伴う影響により、期初から制作を進めていたゲームソフト関連の一部の案件が中止となり、売り上げが見込めなくなったことに加えて、今期中に受注を見込んでいた案件の一部は失注し、一部は発注が遅れ着手が来期以降にずれ込むことになったことが要因としている。
なお、同時に発表した第3四半期累計(23年9月~24年5月)決算は、売上高32億4300万円(前年同期比27.6%減)、営業損益5億9900万円の赤字(前年同期4億4700万円の黒字)、最終損益3億6700万円の赤字(同4億300万円の黒字)だった。
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:12
みんかぶニュース 市況・概況
4日中国・上海総合指数=終値2957.5670(-24.8086)
4日の中国・上海総合指数の終値は前営業日比24.8086ポイント安の2957.5670と続落。
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:11
みんかぶニュース 市況・概況
【緊急特集】TOPIX最高値更新、大型バリュー株偏重の流れはいつまで続くか?
4日の東京株式市場で、東証株価指数(TOPIX)が1989年12月18日につけた最高値(2884.80)を上回った。日経平均株価も最高値を更新した。PBR(株価純資産倍率)が1倍を割る上場企業が山積する状況に東証がメスを入れた結果、海外勢による大型バリュー株への資金流入が続いている。
●消去法での日本株買い
6月下旬以降の日本株は明確な買い材料がないなかで、意外高の展開となった。あえて転換点を挙げるとすれば、6月27日の米大統領選候補者のテレビ討論会だろう。トランプ前大統領が選挙戦で優位に立ったとの見方が広がり、拡張的な財政政策に伴う財政悪化リスクへの懸念から、米長期金利に上昇圧力が掛かった。これを受けて海運や金融などバリュー株が選好され、全体相場を押し上げた。米国では昨年7月の最後の利上げからおよそ1年となるが、ここにきて経済の減速リスクも意識されるようになった。セゾン投信の瀬下哲雄執行役員は「景気とバリュエーションの観点で日本株が消去法的に選好されるようになった」と話す。
TOPIXが34年半ぶりに過去最高値を更新した半面、ドル円相場は1ドル=161円台と37年半ぶりの安値圏に沈んでいる。日本の長期金利は足もとでは1.080%。今年に入り上昇圧力が掛かっているとはいえ、89年12月当時の5.7%台と比べると低水準だ。
今年7月末には日銀の金融政策決定会合があり、追加利上げの可能性が一部で取り沙汰されている。ただ日銀が段階的に政策金利を引き上げたとしても、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)の直近の政策金利の水準との比較では、極めて低い水準にとどまるとの見方が市場では支配的だ。結果として低金利円で借り入れを行い、高金利の海外資産で運用する「円キャリー取引」が繰り広げられ、円相場を下押しする要因となっている。
急激な金融引き締めリスクに乏しいこと自体、東京市場は海外勢にとっては安心・安全な市場とも言える。上場企業に対し東証が資本コストや株価を意識した経営を促したことも相まって海外勢のマネーが大型株に流れた結果、TOPIXを規模別でみると「大型」の年初来の上昇率は27%となり、「中型」の14%、「小型」の13%を上回っている。テーマ性のある大型株の上昇力は目覚ましく、防衛関連と位置付けられる三菱重工業<7011.T>の株価は2.5倍と急騰。インバウンド関連の三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>は2.1倍、事業構造改革の効果とAIの普及で電力関連事業の拡大が期待される日立製作所<6501.T>は83%高となっている。
●米大統領選の情勢と金利動向には不透明感
89年12月末との比較では、TOPIXの「小型」は21%高、「中型」が18%高なのに対し、「大型」はほぼ横ばいでパフォーマンスは劣後している。バブル崩壊後、ゼロ金利政策の導入、更にはマイナス金利政策の導入に至った国内の金利情勢を踏まえると、グロース株の多い中小型株の好パフォーマンスは妥当な流れと言える。
金利動向がグロース性の強い中小型株の方向性に大きな影響をもたらす要因であることは、今後も変わりがないだろう。日本の金利が低位で推移し続けるなら、カギを握るのは米金利だ。CMEフェドウォッチによると、今年末までにFRBが0.25%幅で2回の利下げを行う確率は46%と1カ月前の41%から上昇している。米国で景気減速懸念を背景に利下げ期待が一段と高まり、米金利の低下基調が鮮明となれば、中小型株の反転攻勢の道筋が見えてくる。
問題はその持続性である。米大統領選を巡る情勢は、なお流動的との見方が優勢だ。バイデン氏が撤退を決断した際に民主党側が打ち出す新たな候補者次第で、バイデン氏・トランプ氏の両者に対し不支持の立場をとる「ダブルヘイター」の票が民主党候補に流れ込むシナリオも存在する。政治情勢に米債券市場が振り回される状況がしばらくは続くだろう。また米国景気が本格的に腰折れとなった場合には金融市場に動揺が走り、日本株もバリュー・グロースを問わず売り圧力にさらされるに違いない。リスク要因が点在するなかで出遅れた有望中小型株にどのタイミングで投資をすべきか。これまで以上に投資家の手腕が問われることとなる。
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:08
注目トピックス 市況・概況
東京為替:ドル・円は下げ渋り、午後はやや持ち直し
*17:04JST 東京為替:ドル・円は下げ渋り、午後はやや持ち直し
4日の東京市場でドル・円は下げ渋り。NY休場で薄商いのなか利益確定売りが先行し、午前中に161円67銭から161円12銭まで値を下げる場面もあった。ただ、日経平均株価の上げ幅拡大や米10年債利回りの持ち直しで、午後は161円半ばに持ち直した。・ユーロ・円は174円43銭から173円95銭まで下落。・ユーロ・ドルは1.0784ドルから1.0796ドルまで値を上げた。・日経平均株価:始値40,747.59円、高値40,971.23円、安値40,604.15円、終値40,913.65円(前日比332.89円高)・17時時点:ドル円161円30-40銭、ユーロ・円174円10-20銭【経済指標】・豪・5月貿易収支:+57.73億豪ドル(予想:+63.28億豪ドル、4月:+60.27億豪ドル←+65.48億豪ドル)・スイス・6月失業率:2.3%(予想:2.2%、5月:2.3%)・独・5月製造業受注:前年比-1.6%(予想:+0.5%、4月:-0.6%←-0.2%)・スイス・6月消費者物価指数:前年比+1.3%(予想:+1.4%、5月:+1.4%)【要人発言】・センテノ・ポルトガル中銀総裁「経済政策の決定は漸進的であるべき」
<TY>
2024/07/04 17:04
みんかぶニュース 市況・概況
[PTS]ナイトタイムセッション17時時点 上昇47銘柄・下落48銘柄(通常取引終値比)
7月4日のPTSナイトタイムセッション(16:30~23:59)17時時点で売買が成立したのは107銘柄。通常取引の終値比で上昇は47銘柄、下落は48銘柄だった。日経平均株価構成銘柄の売買成立数は24銘柄。うち値上がりが6銘柄、値下がりは12銘柄だった。NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>は85円安と売られている。
PTS市場全体、および日経平均構成銘柄の4日終値比の上昇率・下落率ランキングは以下のとおり。
△PTS値上がり率ランキング
コード 銘柄名 株価 終値比( 率 )
1位 <6343> フリージア 155.3 +47.3( +43.8%)
2位 <2931> ユーグレナ 608 +100( +19.7%)
3位 <9214> RI 2600 +365( +16.3%)
4位 <4592> サンバイオ 1200 +120( +11.1%)
5位 <5242> アイズ 2160 +167( +8.4%)
6位 <2809> キユーピー 3368 +204.0( +6.4%)
7位 <3549> クスリアオキ 3040 +134.5( +4.6%)
8位 <4883> モダリス 73 +3( +4.3%)
9位 <9369> キユソ流通 1760 +70( +4.1%)
10位 <3664> モブキャスト 55 +2( +3.8%)
▼PTS値下がり率ランキング
コード 銘柄名 株価 終値比( 率 )
1位 <2437> シンワワイズ 400 -67( -14.3%)
2位 <8918> ランド 8.4 -0.6( -6.7%)
3位 <4728> トーセ 675 -45( -6.2%)
4位 <2493> イーサポート 919 -50( -5.2%)
5位 <8107> キムラタン 17.3 -0.7( -3.9%)
6位 <9948> アークス 2788 -98( -3.4%)
7位 <6659> メディアL 235.2 -7.8( -3.2%)
8位 <6993> 大黒屋 47.5 -1.5( -3.1%)
9位 <9238> バリューC 1240 -30( -2.4%)
10位 <7267> ホンダ 1760 -31.0( -1.7%)
△PTS [日経平均構成銘柄] 値上がり率ランキング
コード 銘柄名 株価 終値比( 率 )
1位 <4005> 住友化 364 +1.9( +0.5%)
2位 <4911> 資生堂 4628.1 +23.1( +0.5%)
3位 <9107> 川崎汽 2778 +7.5( +0.3%)
4位 <7013> IHI 5699 +8( +0.1%)
5位 <6526> ソシオネクス 3865 +4( +0.1%)
6位 <6503> 三菱電 2675 +0.5( +0.0%)
▼PTS [日経平均構成銘柄] 値下がり率ランキング
コード 銘柄名 株価 終値比( 率 )
1位 <7267> ホンダ 1760 -31.0( -1.7%)
2位 <9843> ニトリHD 16210 -250( -1.5%)
3位 <8725> MS&AD 3835 -25( -0.6%)
4位 <7261> マツダ 1576.4 -9.1( -0.6%)
5位 <7201> 日産自 575.4 -2.1( -0.4%)
6位 <7011> 三菱重 2014 -7.0( -0.3%)
7位 <8630> SOMPO 3520 -10.0( -0.3%)
8位 <7012> 川重 5965 -13( -0.2%)
9位 <6501> 日立 3720 -5.0( -0.1%)
10位 <7203> トヨタ 3388 -3.0( -0.1%)
※PTSの株価はジャパンネクスト証券運営PTSのJ-Market及びX-Marketより取得
株探ニュース
2024/07/04 17:03
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=トランプ相場はインフレと共に
きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比332円高の4万913円と5日続伸。今週は1989年12月以来約34年半ぶりの史上最高値更新を視野に置くTOPIXの動向にマーケットの関心が高かった。その結果は、首尾よく週初から上値指向を続けノンストップで達成した。ついでにというと語弊があるが、3月下旬にひと足先に34年ぶりの最高値更新を果たしていた日経平均株価も、TOPIXと足並みを揃え最高値街道に再突入する形となった。
7月はETFの分配金捻出のための売りが出て全体相場の上値を押さえるという見方が強かった。昨年もこのETF絡みの売り圧力が喧伝され7月上旬から中旬にかけて日経平均、TOPIXともに下値模索の展開を強いられ週足で大陰線を引いた。ところが今年は真逆の展開となっている。7月のETF分配金捻出に伴う売りは、毎年恒例ともいえる需給イベントだが、今回も7月第2週前半(来週前半)に1兆数千億円規模の売りが東京市場にのしかかるという観測があった。市場では「これ(ETF絡みの売り)を見込んで前週あたりからショートポジションを積み上げる向きが急増、結果的に売り方は強制的な買い戻しを迫られ、TOPIXの34年ぶり最高値を演出する格好となった」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。
6月は後半に入ってから前半の不調が嘘に思えるような急速な上昇トレンドを形成したが、これが7月初旬に入ってからの下げ余地を大きくするであろうという穿(うが)った見方につながった面もある。「海外ヘッジファンドの買い戻しが6月いっぱいで終了するという思惑も働いた。それもあって玄人筋ほど売りから入りやすく、結果的に踏み上げ相場の肥やしになってしまった」(中堅証券ストラテジスト)と指摘する。
米大統領選を前にした最初のテレビ討論で、こんなに早くバイデン氏がコーナーポストに追い詰められるような形になるとは誰も想定していなかったはずだが、マーケットがもう一つ見誤ったのは、トランプ大統領返り咲きの可能性が高まったことで株式市場全体がここまでリスクオンに振れるという現実であったと思われる。「もしトラ」という言葉自体に元来肯定的な響きはない。もしもトランプ氏が大統領選に勝利した場合、株式市場はリスクに遭遇するというニュアンスであり、これは2016年のヒラリー・クリントン氏とトランプ氏の大統領選の際に生まれたスラングである。しかし、当時はトランプ氏が大統領に就任すると米国株は急上昇トレンドに突入した。空売りのアンワインドが一気に進み全体相場を押し上げる構図となった。しかし、今回は過去の実績から、「もしトラ」は必ずしも株式市場にとってネガティブではないという学習効果が働いている。
そうしたなか、トランプ氏が掲げる政策でもっともマーケットの視線を引き付けているのは他国への追加関税だ。とりわけ中国からの輸入品には一律60%超の関税をかけ、その他の国や地域からの輸入品に10%の関税をかける案を提示している。これは、物価上昇圧力となってモノのインフレを再燃させる。一方、大型減税の拡充(減税の恒久化と法人税率の一段の引き下げ)では、財政出動に伴う過剰流動性の創出がインフレ圧力の顕在化につながる。更にトランプ氏は不法移民の取り締まり強化で数百万人単位を強制送還させる案を掲げており、これは労働者需給を逼迫させサービス分野のインフレを巻き起こす。
つまり、トランプ大統領はインフレの足音とともに再登場する絵図が浮かぶ。原油市況や非鉄市況がここにきて静かに上昇傾向を見せ始めているのはそのシナリオに沿ったものだ。しかも、日本は折からの円安に歯止めがかからない状況で、これはかなりのインフレ環境に晒されることになる。一方でタカ派になり切れない日銀。これを横目に今の株高は「インフレ対策で株を買う」というロジックが底流しているようにも見える。
あすのスケジュールでは、5月の家計調査、6月上中旬の貿易統計がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。午後取引時間中には消費活動指数、5月の景気動向指数(速報値)などが発表される。また、この日は安川電機<6506.T>の3~5月期決算発表がありマーケットの関心を集めそうだ。海外では5月のユーロ圏小売売上高のほか、6月の米雇用統計への注目度が高い。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁がインドで講演を行う予定にある。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/07/04 17:00